「バスラマインターナショナル164」、先月末にはいつも通り発売になっていたのに、大変遅くなってしまいました。ここで取り上げます。
表紙は東急バスの新エアロスターと、これは新ブルーリボン(エアロスターは「ノッテちゃん」のステッカーがない)、札幌観光バスのセレガと、いすゞプラザのボンネットバス。
京浜急行バスのオープントップバスは、既に別の所で書いたが、「みさきまぐろきっぷ」の特典として乗車可能。従ってこのきっぷを買わないと乗れない事になります。2100形電車と並んだ写真があるが、バスの方が背高というのはトリビア。
本来のメインの特集は「日野のセレガショート」だと思うが、既に別の所で書いたし、運転もせず、乗客として乗る機会もたぶんない私には、アレコレ書く資格は、たぶんないと思います。次号ではAMTを中心としたシフトについて掘り下げて書くとの事。
バス事業者訪問198 東急バス・東急トランセ
地元も地元、小学生低学年時には通学で毎日乗っていた事業者(当ブログスタート直後に記しました)なので、今でも高い関心を持つ事業者の一つです。
輸送実績の推移は巻末にあるが、2004(H16)~2016(H28)年の13年間では、東急バスは、総走行キロは40,000㎞前後、輸送人員は150,000人、乗合車の台数は900台の前後で、多少の波はあっても、極端な増減はない。一方トランセは総走行キロ130㎞、輸送人員600人、車両数は乗合はずっと6台、貸切は(2006(H18)年から)13台で推移していたのが、2013(H25)年から、どの数字も急激に伸びている。走行キロは、昨年は前年より2.65倍、1,000㎞近くも増えている。高速路線の進出(特に長距離の今治線)の影響が、数字からも示されている。貸切はバス+トランセ合計で、2004年30台→昨年は61台と倍増しています。
乗合は、2012年からは再び増える傾向にあるとの事。ただ、しばらくは東京都内の低迷を神奈川県内の増加でカバーしていた面があったが、この所は神奈川は、一部ではなおも減少傾向なのではないか。先日新羽〔営〕の一部路線で減便が行なわれており、その前には青葉台〔営〕の路線廃止もあったから、グリーンラインの影響は今も残っているのではないでしょうか。「Eライナー」はその後の路線の展開もないし、便数の増減もなく、常連客はつかんでいるが、新規の需要の創造は難しいのか。
夜行バスの今治線は需要についてのコメントがなかった。161号の瀬戸内運輸は「LCCの影響がかなり出ている」と言っていたけれど、東急はどう感じているのでしょうか。
「次世代車両への展望」として、連節バスに注目しているとの事。虹ヶ丘〔営〕で神奈中バスから借りて試験走行を行なったという事なので、恐らくは田園都市線沿線、たまプラーザやあざみ野の駅からの路線への導入を検討しているのだと思う。日中でも5~6分間隔で走る程なので。ただ、私としては、このような路線こそ、まずLRTの導入ができないのか、と思っています。宇都宮のLRTがいよいよ動き出したが、明らかにこちらの方が潜在的な需要は高いはず。東急は世田谷線を運行しているのだから軌道線のノウハウは十分にあるし(ただ、導入する空間の確保が問題にはなるが)。「道路環境の不安はない」としているが、公道よりも駅前のバスターミナルが大丈夫かな?と、特にあざみ野の駅前を見て思っているのだが。あと、「便数削減」とはあまり軽々しくは言わない方が…。5~6分間隔が7~8分間隔になるくらいなら良いだろうが、フリークエントサービスの提供も大事なサービスの一つなので。
ドライバーの問題は、ここでは触れられなかったが、東急バスでも去年大森で事故があり、特に健康面は改めて問題になっているのではないか(だから連節バスに期待しているようでもあるが)。雇用状況は東急はまだ良いようだが、地方はかなり深刻なようで、先日行ってきた高知のとさでん交通もそうらしいです。特定の事業者だけで抱え込まず、業界全体で(あるいはそれ以外も含めて)なんとか打開策を見いださないと。
ドライバーの座談会もあって、色々あるのだけれど、「東急バスは福利厚生が充実している」という下りは、ちょっと考えさせられました。地方の事業者だとダイヤ確保のために通常の休日さえ犠牲になる所も少なくないようだから。ロケーションの違いもあるが、地方のドライバーの仕業表を外から垣間見ると、「うゎー、キツそうだな」と感じる事も少なくありません。「自分たちだけ」ではなく、業界全体でなんとかしなければならないと思う。
車両面では、「ミルキーウェイ」は空港バスの復刻で見られるが、今治線運行開始時に、「ミルキーウェイ」色にするとは考えられなかったのか。今更、という事か?
なお、車両の構造(特にノンステップバス)では、別項目で東京都が導入するというニュースもあるが(来年度と言っているらしいが、どのメーカーとやるのか?海外製導入なのか?)、バスの事業者が結束して、あるいは業界外も巻き込んで(何よりお客さんのためなのだから)、メーカーに大々的にプッシュする事があっても良いのではないでしょうか。それと、導入を希望する側も、コストや技術の伝承などの点で、それなりに業界全体をリードする位の覚悟をもつ事が必要でしょう。
バス事業者訪問199 札幌観光バス
貸切専業は正直解らない部分が多いが、それ以上ジェイ・ウェル・パートナーズ(JWP)の動きが注目されました。既に大手私鉄が保有していた、道内の多くのバス事業者が傘下に入っているという事で、みちのりHDもそうだが、バス業界の資本関係も、この数年で大分様変わりしてきた印象があります。ただ、札幌観光バス自体はJWPの傘下にはないのか?JWP傘下になった事業者の社外取締役が、経営を引き受けたという事らしいので。
(JWP自身の公式Webが見つからず、札幌観光バスの公式Webでも資本関係は解らなかった)
8月10日深夜 高速道路では何が起きていたのか?
こんな事が起きていたのは、初めて知りました。
ここも色々あるが、一つ強く感じたのは、「高速道路を走るバスは、トイレが無いとやはり怖い」という事。菰野東部交通のケースは幸い乗客(子供中心)が静かに寝ていたので事なきを得たようだが、高速道路で事故渋滞に出くわしたら、逃げ場がない。コストの問題はあるけれど(車両だけではなく、地上側にも処理施設が必要になる)、特に旧ツアー組の高速バスあたりは、豪華な仕様もいいが、やはりトイレの設置から進めて欲しい。
各地の新車から
一畑バスの青系は、やはり「復刻」ではなく「復活」だ。
ところで、IVECOが両備バスと組んでNGV車の日本進出をもくろむ、という話がこちらでもニュースとして記されているが、先日岡山で、両備バスの側面にIVECOの広告があるのを見ました(後日出す予定)。欧州を中心に脱内燃が急速に進む気配を見せているが、では、その後継は何であろうか?一時はCNGがかなり普及したが地上設備の問題もあって現状は伸び悩み、燃料電池バスは東京都だけでなく東急バスも関心が高そうだがまだ価格がかなり高価。EVがメインになりそうな気配もあるが、コストもあるけれど、全部を全部EVに置き換えるとしたら、電力を全てまかないきれるものなのだろうか?という懸念をぬぐえません。化石燃料も原子力もダメ、全部再生可能クリーンエネルギーでやる、というならなおさらです。一度過去を振り返りつつ、次世代の低公害車を比較検討し、どこへ向かうべきかを考える機会があっても良い頃ではないでしょうか。
(それはバス・交通のみならず、公共交通を中心とした個々のライフスタイルにも関わってくるかも知れない。現状は、エネルギー源を何から求めるのか、という所で議論が終いになってしまっている)
当ブログでは直接のコメントは受け付けないので、何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
当ブログ上からでは発表できない緊急の事態が発生した時は、本体でお知らせします。
という事で、今日松山から空路で帰ってきました。今回の5日間は幸い9月の九州のような事にはならず、終日曇天だったのは昨日の松山だけでした。おかげでバス車両もかなり撮る事ができて、本体で未だに公開を再開できていない、岡山県や四国の事業者の画像を再びお見せする事ができそうです。必要な工事の上、順次再開します。一方で、地域による交通の状況の違いも、特に高知では改めて感じました。旅行そのものについては、来月書きます。
《今日のニュースから》
5日 米テキサス州教会で銃乱射事件 26人死亡確認
6日 てるみくらぶ 債権者集会
7日 「やせる効果」課題表示 消費者庁 16社に処置命令
8日 群馬県上野村でヘリコプター墜落 4人死亡
9日 「並行在来線運営維持」 12道県協議会が財政支援要請
乗車した折りに書いている事だけれど、「並行在来線」はその大半が、国鉄・JR時代は特急・急行や貨物列車がガンガン行き交う大幹線だったわけで、30年位前の特定地方交通線転換の鉄道とは訳が違う。特に駅などの施設面が、第三セクター鉄道としては過剰になりがちに見えます。無論外部からの財政支援も必要だろうが、運営する第三セクター鉄道やバックの県・道の側も、設備面(特に駅)を、輸送量に見合ったコンパクトものに整備し直すなどして、運営コストを下げる事も、また必要でしょう。