№1693 私鉄名車列伝 134.東京地下鉄05系(8~13次車)

 もう7年近く前になってしまったが、№373で、東京メトロ05系の内、前期タイプの1~7次車について書きました。
 7次車が1994(H6)年に製造された後、5年の間を置いて1999(H11)年の8次車より製造が再開されました。7次車と比較して変更点が数多くなっています。今回は後期タイプの8~13次車について記します。

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 アルミ車体は変わらないが、正面はデザインを一新、スピード感ある角形となり、スカートが着いた。帯色はスカイブルー・紺・白の3色としている。運転台は東西線で初めて左手操作形のワンハンドルマスコンを採用。制御装置はIGBT素子の大容量化により、ベクトル制御の2レベルVVVF制御となった。

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 ドア配置は6・7次車から引き続き、06・07系と同様で等間隔になっていない。座席幅は1人あたり450㎜、4-6-7-6-4の配置になっている。大型の脇仕切り付の片持ち式となった。
 9・10次車はほぼ同仕様で製造されたが、10次車では冷房装置が大容量化され、電源がSIVに変更された。8次車は川崎重工、9次車は近畿車輌、10次車は東急車輌で3編成ずつ製造された。


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 2002(H14)年製の11次車は、半蔵門線08系と同一の仕様となり、1C4M制御の5M5T組成となって、最高速度が120㎞/hに引き上げられた。パンタグラフはシングルアーム化。

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 ドア配置は再び等間隔となり、座席配置は3-7-7-7-3となった。また、床面高さを10㎜下げている。
 12次車もほぼ同仕様で製造されたが、蓄電池の容量を増大し、編成で削減した。11・12次車とも川崎重工で3編成ずつ製造された。


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 13次車は、2004(H16)年4月1日に営団地下鉄から民営化された東京メトロにとって初の新造車輌となっった。今後の標準車輌と位置づけられ、コストダウンと安全性の向上が図られている。日立製作所の「A-train」がベースとなり、車体はオールダブルスキン構体として強度が向上。雨樋の位置が高くなり、側面は屋根の位置まで高くなった。また、前年(2003(H15)年2月)発生の韓国・大邱市の地下鉄火災を踏まえて、火災対策強化のため、合成樹脂系材料の使用を中止した。パンタグラフ数は5→3基へ削減している。

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 車内は座席の一人当たりの幅を10㎜広げ460㎜とし、車イススペースとは別に、他の中間車の車端部に多目的スペースを新設している。
 4編成が製造された。東葉高速鉄道との共同開発で、同鉄道2000系と共通設計になっている。


 05系はこの後2005(H17)年にも最終増備車を製造する構想だったが、有楽町線用の07系を転用して5000系を置き換える事となり、13次車を持って製造は終了した。
 05系は、8~13次車は19編成、トータルでは43編成430両が製造された。7次車以前の標準ドアチョッパ制御車は15000系に置き換えられ淘汰が進んだが、8次車以降は全車輌が健在で、東西線からJR中央本線三鷹・JR総武本線津田沼・東葉高速鉄道東葉勝田台まで、快速・通勤快速・各駅停車の各列車で運行を行なっている。


 05系は1988(S63)年に1次車が製造されてから、16年の長きに渡って製造されました。この間、外観でも、車内でも、システム的にも変化を繰り返してきて、1次車と13次車では、全く別物と言って良いほどの違いを数多く確認できます。
 今回、全43編成の形態分類表を、簡単ながら作ってみました。
(全て新製時のデータ)

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 東西線はこの後07系転籍によって5000系が淘汰された後、15000系導入によって、05系も前期形はワイドドア車を除いて東西線からは消えました。ただ、15000系が2012(H24)年までに13編成が出そろって以降、東西線の車輌には動きがありません。中期経営計画や今年度の事業計画においても、車輌面では千代田線や日比谷線の置き換えが優先となりそうで、東西線もまもなく15000系3編成が追加導入されるようだが、次に本格的な変化が訪れるとしたら、現在進行中の九段下や南砂町の改良工事の完成にメドが立った頃になるかと思われます。今回書いた05系後期形も、8次車は既に18年経っており、今後更新なども行なわれるだろうと思われます。路線そのものの行方と合わせて注目です。

 今回の記事は
「鉄道ピクトリアル2000年10月臨時増刊号 新車年鑑」「同2003年10月臨時増刊号 鉄道車両年鑑」「同2005年10月臨時増刊号 鉄道車両年鑑」(鉄道図書刊行会)
「鉄道ピクトリアル2005年3月臨時増刊号 【特集】東京地下鉄」「同2016年12月号臨時増刊号 【特集】東京地下鉄」(鉄道図書刊行会)
「鉄道ダイヤ情報2011年9月号」「同2017年3月号」(交通新聞社)
「東京メトロの世界」(交通新聞社)
「東京メトロ 完全データ DVD BOX」(メディアックス) など
を参考にさせて頂きました。

 次回は新京成電鉄8800系を予定しています。

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