「バスグラフィック外伝」と称した、昭和50年代のバスのカラー写真を並べた、「増刊号」。
昭和50年代はまだバス趣味は一般的ではなかったし、カラーフィルムもまだ簡単に入手できる時代ではなかった(その割に今のようにフジカラーオンリーではなく、コダックやサクラカラーと選択肢はあったが)。ボンネットバスはそろそろ注目されるようになったが、一般的なリアエンジンバスはまだあまり顧みられる事はなかった。私も子供時代に東急バスで通学していて、その時の思い出は当ブログスタート時に連載で書いたが、とてもカメラを手に撮り歩くなんてあり得なかった、そんな時代のバスのカラー写真が、基本的には大判サイズで並べられていて、圧巻です。
何より、全部カラーというのが、とても嬉しい。昔の塗装も、リアリティを感じられる。岡山電軌って、こんな賑やかな色使いだったのか?とか思ったし(宇野バスは全く変わっていないのに)。
車輌そのものもだが、行先表示も恐らく今では見られない地名が多々あるのだろうし、ナンバープレートも今の感覚だとこんな簡単なの?とか感じる。特に西武バスのBF20は「埼2」ですか(今は「熊谷200」)。
群馬中央バスの伊勢崎営業所は、実は私も降り立った事がある(ただし、S60年代になってから)。ここにはなかったが、「センタアンダフロア車」があると聞いたので(伊勢崎営業所自体、今は貸切専門)。
国際興業の旧塗装は、やはり「KKK」だろ?と今でも思うのだが、これはアメリカの反黒人団体と関連づけられないようにとの配慮らしいので、仕方が無かったか。でも寂しい。駅を通過する特急電車も(シャッタースピードが長めで系列が解らないが)懐かしい。
個人的には都営バスが注目されました。BAで「美濃部カラー」が、とても新鮮。この頃のボディだとベージュ+赤帯が一般的だったろうし、「美濃部カラー」のカラー写真は意外に見ないので。
川崎市営バス旧塗装の何と泥臭い事。当時の川崎はどうしても「公害の街」のイメージがぬぐえなかったし、ブルー+白のツートン新色も、何とかイメージを変えたかった
松本電鉄のMRは、S50~60年代は、いすゞBU(北村ボディ)と共に、松電バスエリアではいくらでも見かけたものでした。
高松バスは車輌そのものも、開いた後部ドアからエンジンルームが覗いたりするのが興味深いが、「宮脇書店」の看板も興味深い。今でこそ全国展開しているが、当時は香川県内のローカルチェーンという印象がありました。名前のフォントがあまり変わっていない(微妙に違うが)。
東北地方のリアエンジンが1台もなかったのがやや残念だったが、全体的にはよく撮れていると思います。
(富士急行のG1770が止まっているのは、御殿場駅ではなく山北駅の前)
沖縄の「730」はこれまでも何度も取り上げられている所だが、切替前後の定点撮影があるのが注目。ハンドルの左→右への改造シーンも。今のミャンマーのように、ハンドルはそのままにして、乗降用ドアだけ左側に増設すれば良かったか?と急に思ったりもした。コストが低く押さえられるから。とはいえ、沖縄は当時既にワンマン化も進行しているようだったし、事故を起こす可能性も考えられるので、ハンドルを付け替える方が良かったか。
ともあれ、バスそのものにしろ、背景にしろ、どれもこれも撮ってくれて良かった、と思える写真ばかりです。写真中心だから気楽に眺める事ができるし、昔のバスを腹一杯見たい向きには大いに勧めたい、記録的価値のある一冊でした。
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今朝の朝日新聞1面は、バスの「ながら運転」が頻発し、国土交通省が把握しただけで33件、うち2件で車両使用停止の処分がなされたと伝えています。非常に由々しき事態が未だに続発しているのは遺憾という意外ないのだが、もう少し考えてから記したいと思います。私は携帯を持ってはいても使う機会がほとんどない(オシャベリに時間を費やすような友達なんていないもん)し、逆に運転中に着信音が聞こえてくるのはビクビクしていたものなので、どうにも理解できない。
わたらせ渓谷鉄道の脱線は、JR東日本の「EAST-i」。事故そのものは今後の調査を待つしかないが、試験車輌の離脱で、JR線を中心にした検査態勢に、影響は出ないのだろうか?
《今日のニュースから》
21日 岐阜・高山市で最高気温33.1℃ 5月の最高気温 108年ぶり更新
22日 中・露航空機メーカー 合弁会社設立を発表
23日 TBS・日経・電通など6社 ネット動画配信新会社設立を発表