「バスラマインターナショナル161」が先月末刊行になりました。
表紙は瀬戸内運輸の「パイレーツ」と貸切車、それにトヨタの燃料電池バス。
各地の新車から
阪神バスの尼崎市内向けは、やはり本来の阪神バスとは別のカラーで行くようだ。テキストを読むと新車11台は全て塚口〔営〕(旧交通局)向けで、全部が尼崎市カラーではないようだから、在来の阪神バス路線も一部は塚口〔営〕が受け持つようになったのか。
JRバス関東のエルガは、実は先日宇都宮の宮の橋交差点で見たのだけれど、歩行者が被って撮影出来なかったのが残念でした。いずれは必ずどこかで(写真は土浦ナンバーだが、行先が読めない…)。
中鉄バスの旧塗装復刻は、ラッピングでなく塗装なのは○です。
奈良交通のボルグレンは、このカラー(黄色の単色)で行くのではなく、この後ラッピングが何か施されるのだろう。
「ドリームRelier」は改造車なのか。プレシャスクラスは最高で1万8000円とは、「青春ドリーム」の3倍以上だ。
なお南海バスが4月28日より、ベンツ・シターロG連接車を関西空港ターミナル連絡バスで導入している(市販第一号)が、今号は記事が一切ありませんでした(一般南海バスカラーが新鮮)。
来るかFCバス時代!都営バスが燃料電池バスを導入
トヨタFCバスに乗る
先月21日より、都営バス(〔都05〕と記しているが、ビッグサイト発着の〔都05-2〕)で、燃料電池バス「トヨタFCバス」が運行を開始しました。
既に書いた事だが、先日さっそく乗る機会を得ました。とにかく静かで、LRTに乗っているような錯覚を覚えました。
トヨタFCバスの試乗の記事もあります。「都営バスに納車されたのと同様の1台」という事は、トヨタFCバスは3台あり、2台が都営バスに納車、もう一台がトヨタの手元にある、という事でしょうか。そういえば以前リムジンバスが新宿~羽田空港間で燃料電池バスを試験運行していたが、それはどうなったのだろう。
バスのドライバーではないから運転のフィーリングは解らないけれど、サブタイトルの通り、ストレスフリーで運転できそうで、この点はドライバーに歓迎されるのではないか。
なお、燃料電池とは別にコンポーネントで「フルフラット化(完全ノンステップ化)」の実現を訴えていました。バスラマ誌で終始一貫して主張している事だが、やはり業界外、一般のジャーナリズムなども巻き込んで、もっと声を大きく上げる事ではないですかね?たぶん、日本人の感覚だとノンステップバスって「こんなものじゃない?」という事に落ち着いているように思えるし、外国のフルフラット・ノンステップの市内バスに乗る日本人はあまり多くはないだろうという気もします。この点、ベンツやボルグレンの連節バスが日本人にどのような評価を与えるかが注目されるのだが、以前の九州産交がネオプランの単車のノンステップ車を導入していた事があり、外国製の単車の導入が進めば、あるいはそれが日本のメーカーにも好影響を与えるでしょう。一方で先月の遠州鉄道の所でも書いたが、導入を求める事業者側も、それなりの覚悟が必要でしょう。やはり都営バスのような最大手(公民とも)が積極的にリードしてやった方が良い。今回のFCバスは先代BRCハイブリッドをベースとしているらしいから後部に段差が残っているが、トヨタサイドでは発電機をコンパクト化出来ればフルフラット化も可能としているようだから、今後はフルフラット化も期待しても良いのではないでしょうか。
当面営業用は都営の2台で、来年より量産型が走るとの事で、コストが下がれば、他の事業者でもある程度経営状況が良い所で、普及が進む事が期待できるのではないでしょうか。都営に次ぐのはどこか、大いに期待されます。
個人的な感想としては、量産型ではデザインを変えるそうだが、顔つきがもう少し優しいといいと思う。マイカーとかもそうだが、昨今の乗用車の顔つきは、特にアジアではややキツク感じられる部分もあるので。
バス事業訪問194 瀬戸内運輸
愛媛県は伊予鉄道を中心にして、瀬戸内運輸と宇和島自動車で、エリアが3分割されていて、他の四国の県には見られない特徴があると思います。その内の東予地域の瀬戸内運輸は、私的にはあまり馴染みがない場所なので、歓迎でした。一般には「せとうちバス」で通っているようです。
路線網は瀬戸内と四国山地に挟まれたエリアにあるので、面的な展開があまり見られない(無論廃線になってしまった路線も相当数あるのだろうが)。輸送人員推移の表があるが、一般路線は13年間で18%も落ち込んでいる。特に今治は新来島どつくがあり、造船で栄えているイメージがあるのだが、一般のバスの利用には結びつかないのだろうか。ただ、潜在需要は実はあるだろう、とも。
川之江~七田線は、30年前はJRバス(川池線)との共同運行で、阿波池田まで15往復も運行されていました。JRが撤退し、一般のバスと同じ扱いになると(以前の国鉄・JRバスは、バス区間を挟むと前後の鉄道のキロ数が通算された)、直通運転の意味が失われてしまったのでしょう。
高速バスは営業の最大の柱になったからある程度詳しく記されているが、驚いたのは、「パイレーツ」がLCCの影響を相当受けているとしている点。成田~松山線はジェットスター・ジャパンが2~3便就航しているが、確かに運賃は最低で5,990円(バスは今治~渋谷間12,000円)とバスの半額になる時期もあるものの、成田だけではなく、松山空港もせとうちバスのエリアからだとかなり遠く(遠回り感がある)、二次アクセスの運賃も必要になるし、かなり面倒ではないか?バスは所要時間では適わなくても、夜行の鉄則である「航空の最終より遅く出発し、始発より先に到着する」ダイヤは実現できているのに、この現状が本当なら今後は厳しいかも。東京側のパートナーの東急トランセが京急バスからの紹介だったとは意外だった。せとうちバスの方が声をかけたのではないかと思っていたので。
今の稼ぎ頭は「いしづちライナー」で、明石海峡大橋の開通でスピードアップできたのは大きかったようです。売り上げが全ての一般路線を上回るとは大きい。
高速バス3路線が全て、本州へ渡る足が違うのが興味深い。東京行は瀬戸大橋経由か。
新居浜~松山間は一般道経由で継続、この区間は松山自動車道が利用できそうなのだが、需要はないのだろうか。
ドライバー不足はここも同じか。既に日本のあちらこちらで、ドライバー不足(+乗客の減少)を理由とした減便が行なわれています。首都圏でさえそうなのだから。
貸切車は広島にも営業所があって、44台中13台が広島配置とは、1/3近い。
一般路線はやはりお客さんの減少傾向があるのか、大半が中小型。唯一の大型2台のBRCは、公式側が見えないが、元阪神バスなのだろうか。
最近登録の登録番号は希望ナンバーではないのに5000番台とかなり大きくなっているのは、どうしてだろう。
「パイレーツ」の名の由来が記されても良かった。直訳すれば「海賊」だが、瀬戸内の「村上水軍」から来ているそうで、ベストセラー小説でも馴染みなので。
バス事業訪問195 瀬戸内海交通
瀬戸内運輸が前身の大三島観光交通を設立したのが始まりで、分社ではない。
島のバスなのでよりローカル色が濃くなるが、大型車はこちらの方が多くなっている(しかも自社発注)のは興味深い。今治急行には、昭和のバスも残っているのか。趣味的には今後注目?
せとうち周桑バスがなかったのはどうしてだろう。名鉄バスから移籍し、名鉄バス色のままのエアロミディがいるらしいのだが。
安全へのこだわりが着実な成長を支える 菰野東部交通の場合
菰野というのは、鉄道ファンには四日市からの近鉄湯の山線の中間にある土地。ここを地盤にした菰野東部交通は、貸切専業なので一般にはあまり馴染みがないが、小規模事業者としては安全にかなり力を入れているという。テキストだけ見ると、大手事業者と遜色なく感じられます。
大きくても小さくても、どの事業者も最低限この程度の安全対策が求められるはずだが、全国的には、現状はまだお寒い様子。国が監査した貸切事業者146者の内、3割強で違反があったとの報道もありました(朝日新聞5月1日朝刊)。即刻運行停止処分となったケースも2件あったとか。その次のページの自動消火装置もそうだが、はっきり法律で明文化して義務化しないといけない部分が多々あるのではないか?規制が面白くない事業者がいるに違いないが、そんな事を言っている場合ではないと思う。
“百花繚乱”各地の観光バス
乗合も運行する大手事業者から、小規模貸切専業まで様々。再びスーパーハイデッカーが見直される傾向があるのでしょうか。
近江バスは「レジェンドブルー」と「ライオンズカラー」(白地に青・赤・緑帯)が両方あるそうだが(写真はレジェンドブルー)、西武グループは統一はしないのか?
行先表示器の電子化・カラー化の取り組みについて
「第10回技術発表会」でレシップが発表したものだが、技術的な面はともかく、興味深く読めました。
幕式は自動で変換するところから始まるが、それより前はドライバーが、ツーマンだった頃はさらに車掌が小窓をのぞき込みながら、ハンドルをキコキコ回して変えていたものでした。行先が多くなると、当然それでは負担が多くなる(なので側面・後面の行先表示をふさいでしまった例も、東急バスなどで見られた)ので、自動化が進む事になる。地元の神奈中バスだと、表示毎に番号を振り、番号をセットしてボタンを押す事で変えていました。短所には敢えて目をつぶって、最新のエルガでも幕にこだわっている京都市営バスが新鮮。
マグサイン式は、欧州のバスや市電で良く見かけました。技術的なものもあるが、欧州は基本的に26のアルファベットに10の数字を組み合わせれば良いのに対し、日本語は遙かに文字数が多いし、行先によってはかなり複雑な漢字も表示しなければならないから、日本においてマグサインではドット数が明らかに少ないでしょう。
液晶式は、神奈川県では相鉄バスで試用されているのを見たが、バックの白い明かりに行先が溶け込んでしまって読み取りづらい印象がありました。結局黄色を中心に赤・緑も併用した3色LEDが相当数普及する事になり、現在は白色化・カラー化が進む状況下と思います。私の地元の戸塚では、神奈中バス舞岡〔営〕で白色化が行なわれ、名阪近鉄バスなどでも行なわれているのを確認しています。やはり黄色より白の方が、見やすくなった感はあります。LEDの特性を利用した「お遊び」が、回送車両やイベントで多数見られるようになったのももうお馴染みか。
バスそのものの技術もさる事ながら、3色LEDでは「信号」と混同しないようにというレギュレーションから、前後面では赤・緑はほとんど使えず、特に最終バスの表示は各社ともかなり苦労していたようでした(幕時代は背後から赤い灯を点灯させていた)。この辺の所も開発に影響を与えたと思うので、この辺も記されていれば。
今後はカラーのワンポイント+白色文字がしばらくは主流となろう。後は事業者側の問題になるが、表示される行先・経由地・系統番号等の表示の内容が吟味される必要が出てくるのではないでしょうか。バス停の表記や時刻表、路線図などの媒体とリンクした話になり、LEDに限った事ではなくなるが。
西鉄・阪急〔ムーンライト〕が休止になったが、バスラマ誌も案外扱いが小さかった。高速バス事業に与えるインパクトは小さくないはずだが、今後暮れの年鑑辺りで詳しく取り上げられる事になるだろうか。すぐ下に両備〔ドリームスリーパー〕の話題もあったが、大阪~福岡間では無理だったのでしょうか。
次号の事業者は神戸市営バスか。特に郊外の運行の現状はどうだろうか。今の所メーカー各社からのリリースはないが、H28年排ガス規制適合モデルも出てきそうで、どんなものになるのだろうか。
当ブログでは直接のコメントは受け付けないので、何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
当ブログ上からでは発表できない緊急の事態が発生した時は、本体でお知らせします。
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《今日見た・聞いた・思った事》
東武の2017年度設備投資計画も28日に出ていたのだが、見落としていました。出ていなかったような気がするのだが。
車両面では、日比谷線直通用70000系の増備を進め、2017年度は10編成の運用を開始。
ホームドアは2020年度末までに北千住・新越谷・北越谷・押上・池袋・朝霞・志木・川越に、以降北千住~北越谷間・池袋~志木間の残り各駅と、とうきょうスカイツリー・大宮に整備。竹の塚付近・清水公園~梅郷間・とうきょうスカイツリー付近の高架化、六実~逆井間は複線化を推進。新河岸・高柳・幸手駅を橋上駅舎化。その他駅舎のリニューアルを実施。
8月10日にSL列車「大樹」の運行を開始。下今市駅のリニューアルと、下今市機関区の整備を実施。先行して7月22日、、鬼怒川線に東武ワールドスクエア駅が開業。
これを読むと車両面は、70000系以外の形式の新造は今年度はなし。20000系はどうなるのだろうか?短編成化して栃木・群馬ローカルに転用し、8000系(800・850系)置き換え、なんてシナリオも考えられるのだが。また、余剰が発生していると思われる6050系の行く末も気になるところ。
《今日のニュースから》
30日 中国譲渡パンダ3頭最終公開 和歌山県アドベンチャーワールド
1日 海上自衛隊護衛艦「いずも」 米海軍艦艇護衛任務開始
2日 ミネラルウォーター「ボルヴィック」370万本自主回収 キリンビバレッジ