№1691 昭和50年代 全国バス紀行(ネコ・パブリッシング)

「バスグラフィック外伝」と称した、昭和50年代のバスのカラー写真を並べた、「増刊号」。
 昭和50年代はまだバス趣味は一般的ではなかったし、カラーフィルムもまだ簡単に入手できる時代ではなかった(その割に今のようにフジカラーオンリーではなく、コダックやサクラカラーと選択肢はあったが)。ボンネットバスはそろそろ注目されるようになったが、一般的なリアエンジンバスはまだあまり顧みられる事はなかった。私も子供時代に東急バスで通学していて、その時の思い出は当ブログスタート時に連載で書いたが、とてもカメラを手に撮り歩くなんてあり得なかった、そんな時代のバスのカラー写真が、基本的には大判サイズで並べられていて、圧巻です。

 何より、全部カラーというのが、とても嬉しい。昔の塗装も、リアリティを感じられる。岡山電軌って、こんな賑やかな色使いだったのか?とか思ったし(宇野バスは全く変わっていないのに)。
 車輌そのものもだが、行先表示も恐らく今では見られない地名が多々あるのだろうし、ナンバープレートも今の感覚だとこんな簡単なの?とか感じる。特に西武バスのBF20は「埼2」ですか(今は「熊谷200」)。

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 群馬中央バスの伊勢崎営業所は、実は私も降り立った事がある(ただし、S60年代になってから)。ここにはなかったが、「センタアンダフロア車」があると聞いたので(伊勢崎営業所自体、今は貸切専門)。
 国際興業の旧塗装は、やはり「KKK」だろ?と今でも思うのだが、これはアメリカの反黒人団体と関連づけられないようにとの配慮らしいので、仕方が無かったか。でも寂しい。駅を通過する特急電車も(シャッタースピードが長めで系列が解らないが)懐かしい。
 個人的には都営バスが注目されました。BAで「美濃部カラー」が、とても新鮮。この頃のボディだとベージュ+赤帯が一般的だったろうし、「美濃部カラー」のカラー写真は意外に見ないので。
 川崎市営バス旧塗装の何と泥臭い事。当時の川崎はどうしても「公害の街」のイメージがぬぐえなかったし、ブルー+白のツートン新色も、何とかイメージを変えたかった
 松本電鉄のMRは、S50~60年代は、いすゞBU(北村ボディ)と共に、松電バスエリアではいくらでも見かけたものでした。
 高松バスは車輌そのものも、開いた後部ドアからエンジンルームが覗いたりするのが興味深いが、「宮脇書店」の看板も興味深い。今でこそ全国展開しているが、当時は香川県内のローカルチェーンという印象がありました。名前のフォントがあまり変わっていない(微妙に違うが)。
 東北地方のリアエンジンが1台もなかったのがやや残念だったが、全体的にはよく撮れていると思います。
(富士急行のG1770が止まっているのは、御殿場駅ではなく山北駅の前)

 沖縄の「730」はこれまでも何度も取り上げられている所だが、切替前後の定点撮影があるのが注目。ハンドルの左→右への改造シーンも。今のミャンマーのように、ハンドルはそのままにして、乗降用ドアだけ左側に増設すれば良かったか?と急に思ったりもした。コストが低く押さえられるから。とはいえ、沖縄は当時既にワンマン化も進行しているようだったし、事故を起こす可能性も考えられるので、ハンドルを付け替える方が良かったか。

 ともあれ、バスそのものにしろ、背景にしろ、どれもこれも撮ってくれて良かった、と思える写真ばかりです。写真中心だから気楽に眺める事ができるし、昔のバスを腹一杯見たい向きには大いに勧めたい、記録的価値のある一冊でした。

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 今朝の朝日新聞1面は、バスの「ながら運転」が頻発し、国土交通省が把握しただけで33件、うち2件で車両使用停止の処分がなされたと伝えています。非常に由々しき事態が未だに続発しているのは遺憾という意外ないのだが、もう少し考えてから記したいと思います。私は携帯を持ってはいても使う機会がほとんどない(オシャベリに時間を費やすような友達なんていないもん)し、逆に運転中に着信音が聞こえてくるのはビクビクしていたものなので、どうにも理解できない。
 わたらせ渓谷鉄道の脱線は、JR東日本の「EAST-i」。事故そのものは今後の調査を待つしかないが、試験車輌の離脱で、JR線を中心にした検査態勢に、影響は出ないのだろうか?

《今日のニュースから》
21日 岐阜・高山市で最高気温33.1℃ 5月の最高気温 108年ぶり更新
22日 中・露航空機メーカー 合弁会社設立を発表
23日 TBS・日経・電通など6社 ネット動画配信新会社設立を発表

№1690 今日は帰宅報告のみ

 帰宅報告、といっても一昨日には帰ってきていたのだけれど、日曜日の夜から木曜日まで、岩手・青森・函館の旅に行って参りました。
 今回はIGRいわて銀河鉄道の駅を訪ねる事、道南いさりび鉄道の車輌の撮影、この2点が主なポイントになりました。東北2県は天候が思わしくなくて残念だったが、函館は快晴になってくれて良かったと思っています。
 函館は晴れでも、18日の東京・首都圏は大変な天候だったらしかったとは後で聞いた話。おかげで帰りのエア・ドゥ便は羽田離陸直後に雷に打たれたとかで、羽田に戻ってきたのは予定より1時間以上の遅れになりました。
 詳しくは来月書くとして、今日はダイジェストです。

 5月15日

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 奥中山高原駅のアイドル犬「マロン」。

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 斗米駅に停車するIGR八戸行。

 5月16日

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「石ころアート」石原裕次郎と弘南電車。

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 津軽海峡フェリー「ブルードルフィン2」。

 5月17日

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 道南いさりび鉄道にもオリジナル色が。

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 四季島!

 5月18日

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 箱館ハイカラ號。

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 エア・ドゥ羽田便は点検中。

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《今日のニュースから》
14日 元ヤンキース デレック・ジーター 永久欠番「2」で式典
15日 海上タクシー防波堤に衝突 俳優ら7人負傷 長崎県佐世保市
16日 根室本線・滝川~新得間 自治体・JR検討会議 富良野市で開催
17日 高浜原発4号機 再稼働
18日 歌舞伎俳優 中村獅童 初期の肺腺がん公表
19日 ウィキリークス アサンジ容疑者 スウェーデン捜査当局が操作打ち切り
20日 参議院創設70周年 本会議場など一般公開

「ウィキリークス」って、実は皆が思っているほど大した事はないんじゃないの?確かに公開された内容は世界に衝撃を与えたかも知れないが、それで政権が倒れたとか、大臣が辞任したとか、そんな事にはなっていないので。むしろ後の「パナマ文書」とか、ロシアの国家的ドーピングを暴いたドイツの放送局や、前大統領に致命的な打撃を与えた韓国のTV局の報道の方が、影響ははるかに大きかったと思う。

№1689 京急線 梅屋敷駅

 京急蒲田駅付近の連続立体交差事業も、ついに全面的な完成が近づいてきました。高架化された各駅では、駅そのもののみならず、付帯設備の整備も進められています。
 以前は大森町駅をご覧頂きました。今回は梅屋敷駅です。

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 2015(H27)年度の一日の乗降人員は15,188人で、京急全体では48位にランクされます。駅番号KK10。

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 地上時代の梅屋敷駅は、駅舎が上下で別々になっていました。こちらは下り線側。まだ高架化工事が始まったかどうか、という頃。
 この駅はホームが4連分と短く、6連は横浜方2両がはみ出したまま停車の「ドアカット駅」、というのは№827で書きました。


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「ドアカット」の要因となった、梅屋敷1号踏切の跡地。

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 駅の入り口。品川方です。
 上の画像の旧駅舎と、同じ位の位置になるのでしょうか。

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 コンコース。床にはマンションの広告。

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 コンビニも入っています。セブンイレブンだが、市中に比べるとやはりやや狭いか。

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 PUDOの宅配便受取ロッカーが併設されています。昨今ヤマト運輸の経営形態の議論の過程で、この手のロッカーの整備が進んでいる事は、最近ニュースでも良く聞く所です。
(ここはヤマト以外に佐川急便も利用可能らしい)

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 券売機はコンパクトなスペース。

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 改札口。有人ブースはウォークインタイプ。
 以前ご覧頂いた大森町同様、上のホームから出発する列車の発車案内を表示する装置はありません。

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 精算機。京急は小駅でも通常の精算機を残しています。

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 セブン銀行のATMもあります。

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 改札内コンコース。

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 この駅はホームがやや高い位置にあり、エスカレーターは途中の踊り場で乗り換える必要があります。

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 踊り場からホームへのエスカレーター。

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 ホームのエレベーター。

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 冷暖房完備の待合室。

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 ホームの接近表示。やはり「普通」か「通過」のみ。

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 最後にホーム。
 京急蒲田に向け、ホームの端ですぐに上下線が分かれていきます。通過していったのは、北総鉄道9100形。

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 どの鉄道でも線路が高架化されると、走行中にしろ駅にしろガラッと眺めが変わって新鮮な感覚を覚えるもの。今回上りホームの品川方に立つと、おお。東京タワーとスカイツリー、両方をいっぺんに見る事ができるではないですか。新たな発見でした。

 今後、今回の蒲田の高架化で高架駅になった残り3駅も、いずれ公開していきます。

 当ブログでは直接のコメントは受け付けないので、何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
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《今日見た・聞いた・思った事》
 東急が昨日、今年度の設備投資計画を発表しました。
 東横線・田園都市線・大井町線のホームドア設置はさらに前倒しして、2019(H31)年度中には完了させるとしています。田園都市線は今月中に5000系の6ドア→4ドア車への置き換えが完了する事で、整備を本格化させるとの事。今年度は三軒茶屋や二子玉川園、東横線の祐天寺、大井町線の荏原町など、3路線で13駅で運用を開始。
 車両面は、2020系は今年度は3編成(10連×3)を導入。しかし8500系が26編成残っているので、このペースだと全面置き換えは7~8年かかる事になるのか。他に6000系7連化を下期に実施。2020(H32)年までに全車両に設置するとしている車内の防犯カメラは、今年度は33編成151両に整備し、30%強の車両への導入を完了。
 渋谷駅は14番出口の供用を開始。池上線は池上駅の改良工事に着手。
「駅視-vision」は2018年度頭までに東急全駅(こどもの国・世田谷線を除く)駅への整備を完了し、カメラ解析技術を応用してホームの混雑状況などを確認できる新サービスの提供を検討。また、タッチパネル式のサイネージを田園調布・多摩川などに設置、田園都市線池尻大橋~用賀間各駅では上りホームにデジタルサイネージを拡大。到着する列車の混雑度の表示機能を付加し、分散乗車の促進をはかるとしています。
 投資総額502億円は、前年度より13億円増。
 また、10日には相鉄も設備投資計画を発表していました。鉄道とバスを合わせて発表しています。
 注目されるのは、「新型車両」を導入する事。JR・東急直通に対応するが、11000系が直通に備えた系列なのだと思っていたので(東急には入れないだろうが)、やや意外でした。今年度は10連1編成を導入、詳細は来月発表との事。9000系は2編成を更新、リニューアル編成は合計で4編成。
 西横浜・緑園都市・弥生台で「デザインブランドアッププロジェクト」に沿ったリニューアルを実施、二俣川駅は増築、海老名駅は改良工事を継続。
 星川の高架化は今年、ようやく下りが切り替わりました。引き続き上り線の高架化工事を推進。
 バスは路線車のみ20台を導入。
 総額は鉄道98億円・バス7億円、合計105億円。
 これで関東地方の大手私鉄は全て、今年度の設備投資計画の発表が終わりました。全体的には、情報提供サービスの拡充に力がそそがれる方向に行くようです。ホームドアは、鉄道によって導入のペースにかなりバラつきが出てきたように思えます。

《今日のニュースから》
12日 大手建設4社 オリンピック関連再開発などで過去最高益
13日 日本ハム・レアード 4打数連続ホームランのタイ記録


 明日の晩から、東北・北海道に行ってまいります。特に東北は3年連続して5月に行く事となりました。今回はIGRいわて銀河鉄道と、去年残してきた道南いさりび鉄道の駅をまわってきます(IGRは全部はムリで、今回は岩手川口より北)。青森から函館はフェリーの予定で、最終日はAIR DOで帰ってきます。とにかく青空が欲しい。
 このため次の火曜日と、恐らく帰宅日となる木曜日も、更新はお休みとさせて頂きます。