№1608 JTB時刻表2016年12月号(JTBパブリッシング) 今月はマンガとコラボ!

「JTB時刻表2016年12月号」、今号はいつもより若干早く、19日(土)に発売になりました。表紙は京阪特急8000系
 今号は黄色のページで、前号では予告されていなかった、ちょっとビックリの企画が。

京阪まるごと大特集

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祝!創立110周年 1906(M39)年11月19日、つまり今12月号発売日にちょうど会社創立110周年を迎えた、京阪電気鉄道(京阪電車)の特集で、まずは歴史から。
 思えば、関西大手私鉄に限ると、近年では京阪ほど路線の変化が大きい所は他にはありません(阪神なんば線はあるが)。1989(H元)年の京都市内地下線化と鴨東線開業、1997(H9)年の京津線一部区間廃止と京都市営地下鉄東西線への直通運転開始、2008(H20)年の中之島線開業があります。地下線がらみが多いか。特に三条駅の地下化は、東横線渋谷駅ほどのインパクトがあったかは正直解らないが、東のターミナルの地下化は、近年では京阪にとっては一大事になったかと思います。

特徴ある 京阪車両を見てみよう! 今後の注目は、特急の「プレミアムカー」であるのは間違いありません。長年、無料のクロスシート特急車を運行してきた鉄道会社が、さらにワンランク上の座席指定車両を連結するのは、初の試みになると言っても良いかと思います。
 サービス開始発表時にも書いたが、ダイヤ面がどうなるか。現行の特急10分間隔のままだと、8000系の運用本数が足りません。快速特急「洛楽」を終日設定するのか、特急の半分くらいを快速急行に変更するのか、ダイヤ全体の10分サイクルを再び見直すのか、のいずれかを行う事になるかと思われます。いつになるかは解らないが、新ダイヤの発表が待たれます。
「びわこ号」は現在は工場内で静態保存の状態だが、やはり静態保存でいいから、一般の目に触れる場所での展示が望まれます。110年の歴史がある鉄道会社なら、京阪もまた本格的な博物館が欲しい。
「中之島ホーム酒場」は、現行のダイヤではほとんど旅客列車の発着がない3番線の有効活用、という意味が強いように思われます。

けいはん×クールジャパン ラッピング車両に乗ろう! 前からラッピング車両が比較的多かった石山坂本線だが、本格的に注目されるようになったのは、やはり5年前の「放課後ティータイムトレイン」(けいおん!)からではないでしょうかね?
 このあと「けいおん!」は第2弾があり、「ちはやふる」「中二病でも恋がしたい!」があり、現在は「響け!ユーフォニアム」のラッピング電車がされているとの事です。「ユーフォニアム」は今年マイナーチェンジがあったとの事。
 理由として名所が多い事、「けいおん!」「ユーフォニアム」制作の京都アニメーションが隣接する事があげられています。ただ、それだけではないだろう、と思います。5年前は「けいおん!」と同時に、SFの「機動戦士ガンダムAGE」(製作も東京のサンライズ)も運行されているし、他にもアニメ以外の多数様々なジャンルのラッピング電車が走っているので、石山坂本線そのものが、この手の列車が走るのに適しているという事ではないでしょうか。石山寺や近江神宮、比叡山(坂本ケーブル)があるとはいえ、結局は琵琶湖西岸の短区間を走る地域鉄道に過ぎないので、乗客の誘致に努めたいと考える京阪電車側と、思惑が一致しているという部分があるかと思います。

京阪電車全路線ガイド 「女子鉄アナウンサー」の肩書きがある久野知美アナウンサー(フリー?)による路線ガイド。寝屋川市出身らしいが、関東の東武・西武のアナウンスも手がけているのか。

「のりもの情報局」は、後述するが「講談社『終電ちゃん』最新単行本②巻+公式グッズ」のみになりました。
 プレゼントはJR北海道のキハ54型500番台と、朝日自動車のエルガミオのスケールモデル。
「富士山マガジンサービス」と銘打って、同サービスで定期購読を「月額払い」で申し込むと、3号連続で定価の50%オフ(1,183円→592円)になるキャンペーンが掲載されています。詳細はカスタマーサービスで検索をとの事。

黄色のページ
終電ちゃん 特別出張編 終電ちゃんと時刻表
 現在、週刊モーニング(講談社)で月1回連載中のコミック「終電ちゃん」が、「相互乗り入れ」と称して、時刻表の黄色のページに特別編が掲載されました。私はこのマンガは知らなくて、この時刻表で初めて見ました。
 なのでどんなマンガか、きちんと説明するのは難しいのだが、各鉄道の最終電車に現れる「終電ちゃん」なる女の子と、乗り合わせた乗客の、どこかコミカルだけれどどこか心温まる人間ドラマ、という所でよろしいでしょうか?
「終電ちゃん」ってどんな生き物なの?特定の人しか見えない存在、なのではなく、乗客はもちろん、駅員にも、沿線の人々にも互いに顔なじみらしく、特に常連の乗客一人一人の名前はみんな覚えているらしい。
 どの路線にも「終電ちゃん」がいるが、主人公格なのは中央線の「終電ちゃん」で、特別出張編でも主人公です。「ちゃん」と言っているが、グデングデンに酔いつぶれた大の男に「今乗らないと必ず後悔するよ!」とか怒鳴りつけてみたり、「子供は苦手だ」とつぶやいてみたり、本当は何歳なのよ?姉御肌で、口は悪いが人情に熱い。でも、なんで勾配標なんて背負っているんだ?
 特別出張編は、「終電」にはおよそ似つかわしくない、田舎(福島)から来て中央線の高尾行終電に乗り合わせた大荷物の少年と、「終電ちゃん」の交流を描く。少年は「お母さんが待っている」という西八王子を目指しているのだが、駅に着いてみると…というのが、大まかなストーリー。
「大人になっても東京の終電に乗るんじゃないよ…。混むだけで何もいいことないからね」か…。乗客として都会の終電に乗った事はたぶんないのだけれど、車掌の経験者には考えさせられる言葉かなあ。特に都会の終電は「混むだけ」では済まない事、多いから。これから12月に入ると、特に。
 時刻表はコミック誌と違って左綴じで、マンガも左→右へとストーリーが流れていきます。だからネームも横書きで、思ったより読みやすかった。でも、作者にとって勝手が違って大変かも?とか思った。原作者(藤本正二氏)は「いつも違う感覚で、描いていて楽しかった」とコメントしているようだが。
 参考までに、今号の2日前に発売されたモーニングのバックナンバーも買って読んでみました。こちらは小田急の「終電ちゃん」が主人公で、レトロ調のコスチュームでおっとりした感じ。昔使われていた「カンテラ」を持っている。小田急百貨店の店の人ともなじみらしい。実在の鉄道会社が出てくるが(百貨店も)、了承を得ているものでしょうかね?
「相互乗り入れ」というから、モーニングにどこかの路線の時刻表が載っているのか?と思ったが、そんな事はなかった。
 これを記念し、作者の藤本氏と、JTB時刻表の編集長のトークイベントが、次の火曜日の29日、神田・神保町の「書泉グランデ」で行われるそうです。詳細は書泉グランデのHPで。

 さて、今年も大みそか終夜運転のダイヤ発表のシーズンになりました。首都圏と関西圏のJR終夜運転の路線図を見ると、両地区とも基本的には前年度と同じ。今シーズンは、路線図にも「終電ちゃん」の姿があります。
 湘南新宿ラインの小山行が、今年は1本が宇都宮まで延伸。
 今号掲載分では、宮島神社厳島初詣〔宮島号〕が削減になり、呉線は設定がなくなりました。
 鹿児島本線・門司港~荒尾間も昨シーズンと比較して、本数が減少しました。小倉~博多間は下り8→7本、上り7→5本。下り特急〔カウントダウンきらめき81〕号と、上り快速〔初詣号〕は昨シーズンと同じ。

 会社線は、12月3日「秩父夜祭り」開催時の西武特急の時刻を掲載。西武秩父発がピーク時には20分間隔、池袋行が22時55分まで走り、さらに23時15分発所沢行も設定されています。
 グラビアで京阪を特集したのなら、京阪の時刻表も載せれば良かったのに。
(快速特急・特急、あるいは石山坂本線だけでも)

本文
 常磐線・相馬~浜吉田間が12月10日に運行を再開。5年9ヶ月ぶりです。あわせて、仙台地域で一部ダイヤ及び編成の変更を実施。
 原ノ町~仙台間は、特急は走らないが、普通電車は震災前とほぼ同じパターンで運行(一部運転区間の入れ替えあり)。朝2往復の利府直通も引き続き同じ。ただし震災前の相馬5時17分発→原ノ町5時35分着(660M)に相当する列車は、設定されていない。
 仙台12時16分発240Mは、原ノ町から130Mとして、小高まで直通。
(黄色のページ「本文の訂正」に記載あり)
 なお、駒ヶ嶺~山下間は山側に迂回する形で移設されるため営業キロを変更。駒ヶ嶺~新地間4.4㎞→4.2㎞、新地~坂元間5.4㎞→5.5㎞、坂元~山下間4.5㎞→4.9㎞、山下~浜吉田間3.9㎞→4.2㎞。トータルで駒ヶ嶺~浜吉田間18.2㎞→18.8㎞(+0.6㎞)。ただしこのキロ数を適用するのは来春の磐越西線新駅(郡山富田駅)開業時(ダイヤ改正時となろう)になり、それまでは距離が短縮になる新地及び坂元⇔いわき方面相互発着のみ、運賃計算時にキロ数を削減する形で算出。
 引き続き不通となる区間の南側は、水戸18時40分発広野行691Mを竜田まで延長し、最終電車を繰り下げ。折返し690Mも竜田始発で運行。
 仙石東北ラインの女川直通9681Dは、仙台発が23分繰り下がり(5581D)、女川までの所要時間を短縮。

 留萌本線・留萌~増毛間は12月4日を持って廃線。現在のダイヤで、留萌~増毛間を取りやめる形。
 ただし、現行でこの区間の最終となる4935Dと、折返し5922Dは3日が最終の運転(休日運休だからか)。従ってこの区間の4日の最終運行は、留萌19時10分発4931Dと、折返し増毛19時48分発4936D。
 また23日から最終日まで、旭川~増毛間及び留萌~増毛間で各1往復、臨時列車を運行。途中停車駅は深川と留萌のみ。
 並行する沿岸バスの代替の増発は行われない。別に増毛町が、5日より完全予約制の乗合タクシーを運行するとの事。

 豊肥本線・熊本~肥後大津間は、熊本地震以降運休していた列車の一部が、12月1日より運行を再開。熊本7時08分発9423Dと22時59分発1523M、肥後大津8時26分発2420Dと12時38分発432D。また一部の列車が電車→ディーゼルカーに変更。

 特急〔ソニック〕は年末年始の特定日、博多夜間発で追加の臨時列車を運転。

博多21:16 → 23:46大分 ソニック195号 1月8日
博多22:18 → 1:03大分 ソニック197号 12月10日
博多23:22 → 1:48大分 ソニック199号 12月9・23日、1月6・7日
 ※12月9日は〔にちりん199号〕(787系)で運行

 只見線・会津若松~只見間は雪崩・落雪対策で減速運転のため、ダイヤ変更を実施。前シーズンは12月半ばからだったが、今シーズンは来年1月10日から(2月いっぱい)。
 北上線の平石・矢美津両駅は、今シーズンから冬期は全列車通過。12月1日~来年3月いっぱい。
 飯山線の除雪による運休・ダイヤ変更は、今シーズンはなし。

 8月の豪雨による根室本線の運休区間は、東鹿越~芽室間に短縮。被災前の2434Dは、東鹿越~富良野間は9634Dとなり、富良野始発になっている2434Dとは接続しません。
 釧網本線では、昨シーズンまで運行されていた〔流氷ノロッコ〕に代わり、DC列車の〔流氷物語〕を運行。
 全列車、1月28日~2月28日運行。

下り
1号 網走10:56 → 11:55知床斜里
3号 網走13:40 → 14:36知床斜里
上り
2号 知床斜里9:20 → 10:25網走
4号 知床斜里12:10 → 13:16網走
停車駅 北浜・浜小清水・止別

 会社線は、高速バスは東京・新宿~なんば・堺線と新木場・東京・新宿~京都・なんば・泉北NT・和歌山線を1本化し、12月12日から新木場・東京・新宿~京田辺・なんば・泉北NT・和歌山間で運行(京都駅八条口は停車しなくなる)。南海ウイングバス南部と御坊南海バスの2社による運行。
 東名ハイウェイバスが12月1日に改正。便数の増減やパターンの変更はなく、終着地の到着が全体的に遅めになる。渋滞など道路条件に対応したものでしょうか。
 鉄道は19日の京急・京成・北総・都営浅草線に加えて、12月1日に横浜シーサイドラインで改正を実施。ラッシュ輸送に対応した、平日の時刻の修正。
 東京モノレールは12月17日に改正を行うが、今号は予告のみ。

 航空は、ANAのA321が今月半ばから就航しました。11月号の時点でも既に注釈の形で記載があったが、ANAから公式のリリースなどが何もないので、見落としていました。
 12月1日からは2機体制となり、羽田~岡山・広島・高松・佐賀・大分・鹿児島線で各1往復就航。
(年末年始など一部の日は別路線で就航)
 この機材、国内線向けなのでしょうか?国際線向けを暫定的に国内線に運用しているのではないかと思われるが…。

 これで今年(2016(H28)年)分の発売は終わりました。
(来月に2017年1月号の発売がありますが…。)
 今年の更新最終日の一回前、12月29日に、JTB時刻表に見る日本の交通の総まとめを行う予定です。
 今年は北海道新幹線開業、〔カシオペア〕〔はまなす〕運行終了、道南いさりび鉄道開業、熊本地震・東北北海道豪雨災害、留萌本線一部区間廃止、常磐線一部区間運転再開、「現美新幹線」運行開始、各地で相次ぐ「観光列車」デビュー、「バスタ新宿」オープン、京都鉄道博物館開館、などがあげられるかと思います。

 来年は…。「四季島」「瑞風」は時刻表に現れる列車ではなく、JR九州〔かわせみ やませみ〕の運行開始や、JR西日本・可部線のあき亀山再延伸はあるが、JRに関しては目玉となりそうな列車が特に見当たりません。JR北海道の路線維持問題は、本格的に動き出すのは早くても再来年になりそうだが、既に来年も駅の相当数の廃止がアナウンスされています。どうなるのか。全体的には静かな1年になりそうな気がします。むしろ東武の500系「リバティ」やSL列車、京阪の「プレミアムカー」の運行開始など、大手私鉄の方が動きが大きくなりそうです。JRの、来春のダイヤ改正の概要の発表が待たれます(12月16日?)。

 当ブログでは直接のコメントは受け付けないので、何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
 当ブログ上からでは発表できない緊急の事態が発生した時は、本体でお知らせします。


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《今日見た・聞いた・思った事》
 昨年4月に広島空港で起きたアシアナ航空(OZ)機の事故について、昨日最終報告書が発表されました。 やはり事故当時から言われていた通り、着陸進入の際の高度が低すぎた事が直接の原因になっているようです。
 加えて、やはりコクピット内部での機長と副操縦士の間の意思の疎通が出来ていなかったのが、高度が低くなった状態での進入になったとしています。報告書に拠れば、着陸進入中に霧のため急激に視界が悪くなり、事故の約2分前には「滑走路の見え方がおかしい」と機長が発言、さらに自動操縦解除後(ここから規定の高度より下回る状態になる)約1分後に副操縦士が「雲が微妙に立ちこめているようだ」と発言しているのに機長は「取りあえず行ってみる」と進入を継続、そして「ちょっと待って」と繰り返したあげく、3秒前にゴー・アラウンドを決心したが時既に遅く、誘導灯にぶつかる事態に陥ったという事です。
 進入限界高度を越えてすぐに副操縦士が「滑走路が見えない」と行っているのだから、最悪でもこの時点でゴー・アラウンドすべきだった、また副操縦士ももっとはっきりゴー・アラウンドを宣言すべきだったとしています。
 そして、乗務員の規定の遵守とか、訓練の再検討をOZに指導するよう、韓国の国土交通部に勧告しています。
(これとは別に、空港側の救援隊の対応も問題だったとしている)
 事故直後にも書いたのだけれど、OZでは2013(H25)年のサンフランシスコの事故もあったし、その前の12993(H5)年にも韓国国内の木浦で着陸時の事故を起こしています。共通していると思われるのは、コクピットクルーの意思の疎通が不十分だったのではないかという事。着陸時に事故が多くなる事自体は古今東西どこでも同じだろうが、これだけコクピットの内部に原因が集中するとなると、OZ自体のCRMの教育の体制が明らかに不備なのではないか?という気がします。あるいはOZに限らず、出身地による対立もあるとされる韓国固有の事情もあるのでしょうか?
 あとOZに限らず、沖縄のピーチ機のインシデントでも取りざたされたが、副操縦士が機長に対して、もっとはっきり主張できる環境作りも必要なのではないでしょうか。

 トランスアジア航空の路線は、チャイナ・エアラインが来月1日から旧正月が終わる2月15日までの間、暫定的に引き継ぐという事です。チャイナ・エアは別に、トランスアジア航空の航空券類を持って、既に台湾を出発している旅客に、特別料金で航空券(帰りのキップ、という事)の発売を行っています。
 
《今日のニュースから》
24日 東京都心で積雪 11月では統計開始以降初
25日 年金制度改革法案 衆議院厚生労働委員会で可決