№1600 バスラマインターナショナル158(ぽると出版)

「バスラマインターナショナル158」が、先月発売になりました。

走り出した福岡都心の連節バス
 西鉄の連節バスは、10月25日より循環運行が始まっています。一周の所要時間は曜日・時間帯によってかなり異なり、内回り40~50分、外回り47~61分。
 西鉄とか、福岡とか関わりなく、公共交通優先の意識が世論の中に足りないのが、日本の都市交通の難点だと思う。遠い昔、大阪の市電は早くに全線廃線になってしまったのも、市内の渋滞が激しくなる中で市電が邪魔者と見なされた世論があると聞いている(高速道路などの道路網が未整備だった事もあったろうが)。この辺の議論が世論の中で盛り上がらないと、BRTだろうがLRTだろうが、整備は進まないと思います。はっきり言って、推進論者は世論に直接訴えかける部分が足りていません。

特集 いま観光バスがおもしろい!
  私は観光バスって乗らないから昨今のトレンドは解らないが(団体旅行はしないので)、貸切バス新運賃・料金制度(別ページに解説あり)の導入と、インバウンドの増加で貸切バスが活気を帯びているのだという。次号との2回に分けて特集が組まれているが、今号は神姫バス、クラブツーリズム、三越伊勢丹、電鉄系の東急トランセと京王電鉄バス、いずれもプレミアムの価値が付いた、割と「贅沢」で、募集型旅行で使われる車両が中心に組まれています。
 過去にはスタンダードな「観光バス」をたくさん抱えて、学校の遠足などで何台も連ねた団体貸切を、電鉄系もやっていたものだけれど、東急トランセも京王も、「再始動」とはいえ、プレミアムの価値が付いたデラックスな車両に特化していく方向みたい。京王の「プライムK」は、元々高速バス時代がプレミアム車両だった事もあるが、貸切のプレミアム車両へ転用された、珍しい例かと思います。正面の金の帯の入り方がやや中途半端な感じもします。
 その後各地の観光バスがカタログ風に並んでいて、割と昔からある老舗もあれば、聞くのが初めての新興勢力もあって様々。
 先にちょっと書いた、スタンダードな車両を連ねた団体貸切は、次号という事になるのだろうか。昨今は少子化とかあって営業は大変だろうと思うが。あとは小規模事業者の安全対策も取り上げられれば。

バス事業者訪問191 東濃鉄道

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 鉄道が全線廃線になってから既に38年経つが、会社側は「鉄道」の2文字を変える考えは全くなさそうです。
(北恵那交通も以前は鉄道があり、こちらは北恵那鉄道から名を変えた)
 多治見市は名古屋の通勤圏のイメージがあるが、人口の話が出ていたけれど、今年4月1日現在で112,891人だそう。岐阜県では岐阜市・大垣市・各務原市に次いで4位だが、ジリジリ減り続けているのは確かで、可児市・土岐市・瑞浪市も似たような傾向にあるようです。名古屋からJRの中央西線快速でも30分強なのに、名古屋から乗ると高蔵寺を過ぎて県境を越える辺りから早くもローカル色が相当濃くなって、確かに人口密度はかなり少なさそう。少なくとも東京や大阪とは環境がはっきり違っています(だから多治見からの東鉄線も早々に廃止になってしまったのだろうし)。
 路線網も環境を反映しているのか、コミュニティバスを含めても中央部がぽっかり空白域になっています。中川辺駅に入る路線が一般路線となっているが、実際は八百津町のコミュニティバスで運行されています(土休日運休)。
 鉄道(名鉄八百津線)代替「YAOバス」の利用状況も知りたかった。今のところ1時間間隔のダイヤが維持されているが、最近は各地で鉄道廃止代替バスも先行きが怪しくなってきているようで、こちらはどうなのだろうか。
 高校野球の応援の団体は大事な「お得意様」だろうが、強豪とはいえ毎年必ず出場が約束されているわけではないから、収益の安定性にはやや欠けるかも知れません。先の特集でも書いたが、東鉄にもプレミアム車両はあるが、基本はスタンダードな貸切車で、修学旅行などは、少子化の影響が出てくるかも知れません(地方となると、特に)。
 ドライバーの確保が大変なのは、岐阜県と愛知県の賃金の差もあるかも知れません。先月改定の最低賃金が、愛知県の845円に対して岐阜県は776円と結構差があり、愛知県のすぐ隣なのだから、影響は大きいのではないか。
 今月には日野ブルーリボンハイブリッドが入るのか。日野の大型車の導入は初めてではないが(JR東海バスからの譲渡車両が走った事があるらしい)、新車となると初でしょう。旧塗装復刻塗装となるのか、今から楽しみではあります。
「アーカイブス」では、バスもいいのだが、会社が鉄道から始まっているのだから、鉄道の写真も1枚位あっても良かった(車庫の廃線跡の写真はあったが)。

IAA 2016 会場のバス
 前号でも紹介されたダイムラーのフューチャーバスは、車体の仕様自体はBRTに特化したようなイメージで、BRTならば自動運転の道もあるかも知れない。ただ、このレイアウトは汎用性がなさそうで、日本ですぐにとは行かないと思う。

 道東の台風被害の記事もあったが、国道38号線は10月14日に復旧し、高速バスや災害支援無料バスは通常ルートに戻ったとの事。農産物の被害はやはり甚大なようで、牛丼チェーンのサラダのトウモロコシが赤キャベツになったりするなど、遠く離れた関東でも影響を感じます。

 メルセデス・ベンツのシターロGの国内の販売が始まったが、日本市場向けにおいての第一号はどこになるのだろうか。「超長期実用テスト」をやったら面白いのでは?
(ドイツ車なのに、車体に書かれた文字は英語だ…)

 次号の事業者訪問は遠州鉄道(とじょうてつ)だそうで、来年の大河ドラマの舞台が沿線になるので、いろいろ取り組みをやるだろう(既に電車でラッピング編成が走っている)。その辺の話は聞く事ができるだろうか。

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 JR常磐線・相馬~浜吉田間で運転再開に向けた試運転が始まりました。あと1ヶ月!
 両備ホールディングスの観光バスで、ドライバーが「ポケモンGO」をしながら運転していた事が発覚しました。先月にはトラックドライバーによる小学生死亡事故も起きています。敢えて問いたい。リスクをしょって、他人を犠牲にしてまで、ちっぽけな画面に現れるに過ぎない「モンスター」探しって、そんなに大事ですか!?

《今日のニュースから》
 4日 TPP国会承認議案 衆議院特別委員会で可決
 5日 FC東京U-23久保建英選手 J3戦に出場 Jリーグ史上最年少デビュー


 さて、実は明後日7日より4日間、台湾に行ってきます。2年前に行ったばかりだが、今回はいよいよ「普悠瑪」に乗り、初めて東部幹線で高雄へ移動します。また今年開業した高雄メトロ(LRT)も訪ねてきます。今回は初日と最終日が飛行機(今回は往復ともJAL)の移動のみに終わりそうで実質2日間になるが、充実した旅にしたいと今から楽しみにしています。
 この期間中、米大統領選が投票日を迎えます。私は高雄で見る事になります。思えば、4年前の選挙も香港で見ました。アメリカらしいと言えばらしいが、選挙戦が完全にエンタメ化してしまったし、醜悪な個人攻撃のドロ試合に終始してしまいました。はっきり不毛。やっかいなのは、「米大統領はアメリカ国民にしか選べないが、その結果はアメリカ国民だけのものではなくなる」事。なんとか賢明な選択を、と言いたいが、どちらに転んでも、アメリカも世界もただでは済まなさそうで、心配…。中国本土と対立する台湾ではどのように伝えられるのか、その空気も少しは感じられれば思います。
 このため、7・9日の更新はお休みし、11日に再開します。