№1586 思い出の海外旅行クロニクル 25.2005年スイス 8
スイス東部にはいくつもの著名な山岳リゾートがあり、それらを結ぶ私鉄RhBも発達しています。いくつかは過去にも乗った事があるが、今回改めて、過去に乗った事がない路線も含めて訪ねてみました。
また、スイスは鉄道と共にバス路線、特に郵便物も扱う「ポストバス」も発達しており、日本の国鉄・JRバスネットワークが壊滅状態に近い今、全国規模で路線網を持つポストバスは、日本のバスファンから見たら、全国ネットワークの「聖地」かも知れません(とは大げさに過ぎるか?)
これからいくつかの路線に乗るが、まず2つの路線を、鉄道と共に乗ります。
2005年10月13日(木)
イタリア語圏のルガノから、RhBベルニナ線が出発するティラノまで、いきなりバスで、イタリア領内を移動する事になります。
ルガノ駅。11年前にも降りています。あの時は曇天だったが、この日は快晴。
ティラノ行バスの予約の後(スイスパスでは乗れず、12SFR≑1,100円)、発車は10時15分と遅いので、少し町歩き。
ケーブルカー。11年前とは色が違っていた。
湖畔に連なる、ルガノの町並み。
ティラノ行のバス。RhBが運営するようだが、別会社のチャーターではないか。郵便局のマークも付いているが。
国境を越えてイタリア領へ。40分で右下にコモ湖が見えてくる。ドライバーもコモ湖だと告げます。
イタリアの田舎町。オレンジの屋根が特徴的。
11時30分を回って、アナウンスが10分の休憩と告げる。「コーヒー、カプチーノ、ジェラート、スパゲティ…」と並べるものだから、車内から笑い声も。泊まったのは、ごく普通のバーの前。
15分ほどで出発。コモ湖と分かれていく。
ほぼ定刻にティラノ到着。RhBの駅にも国境警備の係員がいて、パスポートにスタンプが押される。
駅構内には、「箱根」の名がついた電車がいました。ベルニナ線が箱根登山鉄道と提携している事があるが、残念ながらサンモリッツ行は、この電車ではなかった。
これが、今回乗車したサンモリッツ行。
ベルニナ線はちょうど10年前、イタリアへ行く際に逆方向で乗った事がありました。
カンポコローニョ駅。駅舎の壁画がユニーク。
有名なブレシオのループ橋。
ポスキアーボ湖。
グングン上っていく。アルプスの山々を見ます。
だんだん木々が少なくなって、車窓は荒涼としてきました。
ビアンコ湖。
オスピージョ・ベルニナ駅。
待ち合わせでやってきたティラノ行は、後部に貨車も連結した混合列車。背後の山はピーツ・アルプリス。
沿線はリゾートっぽくなってきて、ポント・レジーナ駅。
サンモリッツ駅は初めて降りました。
ベルニナ線では、箱根登山鉄道から寄贈された日本語の駅名標が見られます。
サンモリッツからクールへのポストバス路線があり、ちょうど16時30分に最終便があるので乗ってみました。「ユリーアルート・エクスプレス」という名のある観光路線らしい。ビヴィオまでの峠越え区間の運行は16日まで。
ネオプラン製のバスの車内は、地元の人ばかりでまばら。車内は特に他の一般のバスと違う所は見られない。2人掛けの座席が多いのが、長距離路線用らしい所か。ラッパのマークの地が、ポストバスである事を主張しているよう。
シルヴァプラーナ湖の向こうに白い山々。ピッツ・ナイールか。
何にもない、ユリーア峠。シーズン中だと一時停車もあるそうだが、地元の人ばかりだから、ノンストップで峠を越えました。
ビヴィオの郵便局前で小休止。
ここがさすがポストバス、というシーン。サヴォンニンの郵便局で、床下に郵便小包が積み込まれて行きます。
夕暮れが近づき、影が長くなってきました。
RhBのティーフェンカステル駅前では郵便車が横付け、荷物の積み卸しが行われます。
陽もとっぷり暮れた頃、今度はグングン下っていきます。
眼下にクールの町並みが見えてきました。街明かりが目立ってきた。
終点のクールのバスターミナル。ほぼ定刻に着きました。ドームに覆われた、素晴らしいターミナルです。
もう真っ暗で遅いけれど、アローザまで列車で移動して、YH泊。わずかな車の往来以外は静かな場所で、星空が美しかった。
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2005年10月14日(金)
アローザの遅い朝。明るくなってみれば、周りは高い山々に囲まれて雄大だ。例によってスキーリゾートっぽい所だが、オフシーズンの今は静かな山間部の田舎町。
クールから上ってきた、RhBの列車。
アローザの支線は谷間を走るローカル線だが、クールに近づくと路面電車のように路上を走る。
クール駅。国鉄駅前を、RhBの線路が走っています。
スクオール・タラスプ行に乗り換え。
スイスらしい、こぢんまりした農村地帯の車窓が展開される。
しかしクロスタースの先で、、全長19㎞を超えるフェライナトンネルを通過、トンネルの南側のサヤインスに到着。この5年前に開通したばかりの新しい路線です。
サヤインスでは、このトンネルを行き来する、フェリートレインも見かけました。ここで方向転換。
再び穏やかな山間部の農村地帯。木々が色づいています。
終点のスクオール・タラスプ駅。
ここからもポストバス数路線が発着します。S-シャルル行に乗ってみます。オーストリアのランデックへ行く路線もあるようです。
この路線では、「ALPINE TICKET」を購入する必要がある。スイスパスでは乗れないのか、乗れるけど追加が必要なのか、ということまではわかりませんでしたが。
往路は不覚にもウツラウツラ、いきなり終点のS-シャルルになります。ハイキングの基地のようで、大勢のハイカーが降りていきます。
きれいだったので、教会を撮ってみました。
帰りは前の席について、しっかり見ます。道はやはり狭い。マイカーとのすれ違いがやっと。クラクションがラッパを吹いているように聞こえるのは、ポストバス独自の仕様なのか?
スクオール・タラスプが近づくと、景色も穏やかになってきました。のどかな田舎町風情。
スクオール・タラスプ駅まで戻りました。山々が美しい。
サメダンまでの列車(ポントレジーナ行)の先頭は、真ん中が超低床の制御車。新しい車で、フェライナ・トンネル開通時に用意されたものなのかも。
その車内。
場所は失念してしまったけれど、山の中腹にチョコンと城が見えました。
セルネッツ駅。駅そのものも、あたりの雰囲気も素晴らしい。
サメダン駅。
ここで電車を乗り換え、再びサンモリッツに到達。
スイスの鉄道の駅はどこも床が路面電車並みに低いので、たいていこのような横断禁止の標識があります。だけれど、上から独・仏・伊・英、ここまでは他もそうなのだが、ここはさらに日本語まで記してあります。それだけ日本人が多い、という事なのだろうが、正直やや複雑な心境になりました。
最後に、サンモリッツの教会。
今日はここのYHに泊まります。明日は氷河急行だ!
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《今日のニュースから》、
7日 岩泉町龍泉洞湧き水のミネラルウォーター 生産再開
8日 阿蘇山で爆発的噴火 36年ぶり
今のところ、噴火による大規模な災害、という事態にはなっていないが、熊本は地震の傷が癒えていない上に、今日明日は大雨だそうで(九州新幹線が一時停止)、踏んだり蹴ったり…。