№1553 思い出の海外旅行クロニクル 24.2005年ルクセンブルグ 1

画像

 今回の「思い出の海外旅行クロニクル」は、2005(H17)年5月のルクセンブルクです。
 オランダ・ベルギーと共にベネルクス三国を構成する王国のルクセンブルクは、佐賀県や神奈川県より少しばかし広いだけの小国、欧州ユーレイルパス通用17ヶ国、そして欧州で自前の基幹鉄道事業者がある国では最小です。普通は単独で訪れる事などないでしょう。私の旅も、ルクセンブルク滞在は4日に留まり、鉄道だけでなくバスの旅も加えました。これにベルギー経由オランダ行も加えて7日間の旅となり、これを今回から4回に分けて書きたいと思います。

2005年 5月25日(水)
 今回は往復ともオーストリア航空(OS)のウィーン経由です。

画像

 成田空港へは、日暮里経由京成線スカイライナー。車両も駅ももう見られない光景なので、ここに掲げておきます。

画像

 成田のチェックインはANAが代行。当時はまだ第2ターミナル発着。

画像

 搭乗はバス利用。OS52便はANAのコードシェア便(NH285便・今回はANAの便名で搭乗)でもあります。

画像

 OSのA340-300。新CIのカラー(現在のカラー)になっていました。

画像

 タラップを上がって搭乗。成田空港で搭乗にバスを利用したのは初めて、国際線では今の所唯一です。

画像

 非常デモビデオ。音声は英語と独語で、日本語は字幕。CGだけれど、登場人物の顔はちょっとヘン?

画像

 バスだったからか搭乗がやや手間取って、10分程遅れての出発。

画像

 R/W34Lより離陸。延々と突っ走って、花時計まで過ぎて、どこまで走るのよ?と思った頃、ようやく上昇開始。重そう。

画像

 日本海まで一直線。奥日光。
 ベルトサインが消えたのは、離陸から30分以上も経ってからだった。確かに日本海上空に抜けるあたりでやや揺れが大きかったが、CAは早々とドリンクサービスの準備に取り掛かっていました。

画像

 離陸から2時間程でシベリア上空。雪はもうない。

画像

 キャビン。新カラー化に合わせたのか、座席も明るい緑色に変わっていました。

画像

 離陸後のドリンクサービスで提供されたオツマミ。

画像

 離陸後、最初の食事。

画像

 パーソナルモニターのゲーム。

画像

 映画。「レモニー・スニケット 世にも不幸せな物語」。ジム・キャリー演じる悪いオジサンと闘う子供たち、という話。

画像

 リフレッシュメントのカップめん。

画像

 到着前の食事。

画像

 大分端折ってしまうけれど、いきなりウィーン着陸直前になります。ドナウ川。ここはまだスロバキア、右手には首都ブラチスラバが見えていたはずです。

画像

 着陸直前、バーデタイヒの集落。
 R/W34に着陸。

画像

 ウィーン・シェベヒャート空港は、定刻より早く着きました。向かい風があまり強くなかったようだ。ターミナルAの到着。

画像

 ターミナル内の免税品店エリアには、日産のSUV「PATHFINDER」(「開拓者」の意味)が展示されていました。

画像

 ルクセンブルクへ行くOS441便はターミナルBから出発。ここもバスだ。この便はルクセンブルクからさらにフランスのストラスブールまで行く。ルクスエアとのコードシェア便(LG1441)。

画像

 OS442便はチロリアン航空のCRJ200による運航。チロリアン航空はOSの新CI導入に合わせて「オーストリアン・アローズ」のブランド名で運航されるようになったが、この機体はチロリアン色のまま。CRJ200は、初めて乗ります。他にも日本人が数名乗りました。

画像

 R/W29より離陸。すぐにカラフルな農村地帯だ。

画像

 ザンクト・ポルテン。
 飛行高度はそれ程高くはならず、じっくり景色を見られるが、ひたすら田舎が続く。

画像

 CRJ200のキャビンは、ひょっとしたらYS-11より狭い。A340と同じ明るい緑色のシート。

画像

 この便の機内サービスは、コーヒー・紅茶(+ウエハース1個)は無料提供だが、その他の飲食サービスは有料で、ユーロと米ドルの現金しか受け付けない。私は両替はルクセンブルグで行うつもりだったから、手元の現金は日本円しかなく、利用できませんでした。

画像

 離陸から1時間足らずで降下開始。ドイツのコンツ。

画像

 R/W24に着陸。こんもりした丘陵地帯の中の空港。

画像

 驚いたのは、このジャンボ貨物機。9G-MKRと記されているが、明らかに元大韓航空機だ。
(この後、MKエアラインズのカラーになって就航)

画像

 ルクセンブルク空港到着。小さい空港だ。2Fから降りるともう出口。手荷物受取のターンテーブルも一つしかない。

画像

 ターミナル内部。閑散としている。
 
 驚いた。両替が閉まっている!?平日は22時までと書いてあるのに、他の空港関連の職員に聞いても、理由は解らないらしい。いくら小さくたって仮にも首都の国際空港なのに、なぜ両替が開いていないの?このままではバスに乗れず、やむなくC/Cのキャッシュサービスを利用して、ユーロを引き出す羽目になってしまった。初っ端から少々イヤな経験になってしまった。
 ともあれバスでルクセンブルク中心部に向かい、中央駅からはやや遠いがYHにたどり着いて投宿。予約はしていなかったが、この晩の空きはありました。ただ、連泊したかったのに、次の晩は満室、だって。

********************

2005年 5月26日(木)

 特にアテはなかったのだけれど、主にルクセンブルクを中心にした、短い鉄道路線を乗り歩きます。

画像

 ルクセンブルク駅に停車する近郊電車。後方に立つのは、CFLの本社。

 まず東のワッシャービリクへ行きます。この路線は9年前、1996(H8)年11月の欧州一周大旅行の中で乗った事がありました。あの時と同様、往路はドイツ鉄道DBの列車で行きます。

画像

 ワッシャービリク駅。今回はホーム側から駅舎をご覧頂きます。

画像

 駅の近くの教会。

画像

 折返しもDBの列車になりました。ルクセンブルクに戻る道すがらの沿線。
 各駅からは次々に乗客が増えていくが、妊婦みたいな出っ腹の車掌(男)はほとんどの時間は乗務員室で運転士とペチャクチャオシャベリ。検札に回ったのは1回だけ。まあルクセンブルク行だと、途中の下車はあまり多くはないはずだから、これでも良いのかも。

画像

 次にルクセンブルクの西、ベルギーとの国境に近いクランベッタンジャンに行きます。流線型の新型DC2連。その車内。中央部が低床で、窓の下部がホームに近い。

画像

 クランベッタンジャン駅。路線はベルギーのアーロンの方につながる幹線で、駅は中間駅の風情。
 やや遅れて着いた事もあって、慌ただしく折り返して行った。次の1時間後の列車まで待つ事になる。

画像

 駅の近くの踏切。CFLのDLの重連が駆け抜けていく。遮断時間が相当長い。
 先の列車がルクセンブルクから折り返してきた。これで戻ります。

画像

 こちらの沿線も、田園地帯が続く。

 さらに今度は南へ行きます。

画像

 支線の終点、ヴォルメランジュ。ここは、国境を越えたフランス領になります。比較的新しいが、駅舎がない無人駅。周辺も、DAFの工場や小さいレストランがあるだけで閑散としている。一つ手前のデュドランジュとの間、国境をまたいだ区間は、日曜日は列車が走らないようです。

画像

 ここからデュドランジュ駅まで、歩いて戻ってみます。途中に国境があり、ルクセンブルクの交通ルールが書かれた標識が立っていました。

画像

 デュドランジュ駅。

 前日航空便で着いた時、ひょっとしたら空港の外に敷地から、旅客機を撮れるのではないかと感じていました。そこで夕方はバスで空港に向かい、外から旅客機を数枚撮影しました。撮影地のロケーションはどんな感じだったか、失念してしまいました。スミマセン。

画像

ルクスエア B737-700 LX-LGR

画像

ルクスエア B737-500 LX-LGO

画像

ルクスエア ERJ145RJ LX-LGI

画像

ルクスエア ERJ145EU LX-LGU

画像

ルクスエア ERJ135 LX-LGL

画像

カーゴルクス B747-400F LX-NCV

 この空港はトラフィック自体少ないし、旅客で一番大きいのがB737。むしろ、カーゴルクスが日本にも現れるように、貨物の割合の方が大きいようです。

 19時過ぎで撮影を終えて、ターミナルからまたバスで市中に戻ります。両替は、今日も休業だった。どうなっているのよ…。
 この晩は、中央駅の近くのホテルに泊まりました。

 当ブログでは直接のコメントは受け付けないので、何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
 当ブログ上からでは発表できない緊急の事態が発生した時は、本体でお知らせします。


《今日のニュースから》
10日 サッカーEURO2016 ポルトガル初優勝
11日 文化庁京都移転 実証実験の勤務開始
12日 ミャンマーで大規模都市開発 三菱商事など正式発表

 イギリスはメイ内相が首相に選出される見込みとなりました。このままなら、来年のシチリア島のG7サミットは、初めて女性の首脳が複数参加する事になりそうです。

№1552 BUS Life vol.6 (笠倉出版社)

「Bus Life Vol.6」が先月末刊行されました。定期刊行の雑誌ではなく未だムック本の扱いだが、2ヶ月おきの刊行が確保できています。「バスラマインターナショナル」とほぼ同時期になるでしょうか。

 はとバス「アストロメガ」は、車内に関しては見た限り、特に凝ったものではなく、スタンダードな仕様と映る。
 現行の運用2コースは、食事つきのややエグゼグティブなコースのようだが、付録のCDは、ごくスタンダードなコースの運行を想定した内容のよう。
 Bus Life誌独自のニュースとして、富士急山梨バスの「鳴沢・精進湖・本栖湖周遊バス」があります。デザインはベージュ+ブルーの水戸岡デザインと思われる(ポンチョの「河口湖周遊」と共通性が高い)が、元ネタは山中湖周遊「ふじっ湖」です(F2774)。
 また、西日本JRバス設立の貸切バス新会社「西日本ジェイアールバスサービス」も。JRのバスで一から貸切専門の会社が設立されるのは初のケースです。
 宮崎交通の「貨客混載バス」は、今後のローカル路線バスの生き残り策として注目されます。

バスは僕らのアイドルだ!
 いろいろな切り口で、バス趣味を楽しもう、という企画でしょうか。
 ウィラー・エクスプレスで、車内でゲームを楽しめるというバスは過去にもあったが、好きな人は好きだろうけれど、やはり私は、バス(に限らず乗り物)は「外を見られてナンボ」だと思っているし、バス車内で外を見ないでゲームに集中とは、あまり健康的ではない気がする。
 最近はオープントップの2階建てバスの周遊コースが日本各地で見られるが、去年行ったアメリカのニューヨークやワシントンDCでは、もっとポピュラーに頻繁運行を行っていたようでした。在来の定期観光バスは、東京や京都・奈良など一部の地域を除くと曲がり角に来ているのではないかと思われ(横浜は今秋廃止、他地域も縮小が相次ぐ)、乗場に来れば気軽に乗れて、比較的短時間の所要時間で、風を受けながら町の風景を眺められるスタイルのバスが、今後は主流になりそうな気がします。
 東京~福島のバスの移動については、新幹線の座席は窮屈、ですか?私はそうは思わない。少なくとも飛行機よりは。ピッチは普通車でもバスより広いと思う。一方で「松葉づえの置き場がない」の下りは、今後の障害者や高齢者の利用を考慮すると、盲点ではあるかも知れない。ともあれ新幹線もバスも一長一短あるので、趣味的なレベルでは、あまりはっきり「勝ち負け」を決めつける必要もなかろうと思います。
 海部観光の夜行バスルポは、これまで他誌も含めてほとんどウィラー・エクスプレスだっただけに、新線に移りました。運行途中でのアルコールチェックは初めて見たが、そんなシステムがあるんだ。

The バス会社 小田急バス

画像

 まず歴史的な経緯が記されているが、そのためか、「おすすめバス路線」はかつては他者との共同運行だった、あるいは現在共同運行、という路線が目立つ。〔下61〕〔宿44〕がかつては共同運行とは知らなかった。
「せたがやくるりんバス」は小田急シティバス単独運行だったはずだが、今回公式Webで調べてみたら、今は狛江〔営〕との共同運行らしい。オリジナルデザインのエアロミディMEが使われていたが、今はなくなっているらしい。シティバスとして運行されるのは、現在は高速バスのみなのか。
〔宿44〕は、浜田山~吉祥寺間は他社・他系統との競合がない区間だが、鉄道の駅同士を縦に結ぶ関東バス路線や、最近はコミュニティバスの拡充もあって、利用者が少なくなってきているのでしょうか。
 多摩川を挟んで広範囲のエリアを持つ小田急バスなのに、多摩川を渡る系統は〔柿24〕と、ここにはない新宿~よみうりランド系統のみ(だから平日・土曜日に多摩川を渡る小田急一般路線バスはない)。〔柿24〕と神奈中〔鶴22〕は、調布駅南口~黒川間で並走。
 車両面では、大型車はかつては若林〔営〕が大型でも短尺だったり、旧生田〔営〕は高出力車両を導入したりしていたが、現在は大型・中型・小型のカテゴリーの範囲内では、違いはないようです。

熊本大震災レポート
 Bus Life誌ではもう少し詳しいレポートになっていて、各バス事業者別の他、熊本市電についても記されています。
 九州産交バスは、地震発生からしばらくは、特に木山〔営〕が一番影響を受けていたようでした。写真を見る限り、営業所施設はほぼ影響はなさそうだが、公式Webに拠れば、ドライバーを確保できない事の方がより深刻だったようでした(ドライバーも被災者だから)。産交と都市バスは、路線によっては利用者が激減しているそうです。事業者は皆頑張っているのだが。
 
2代目エアロスター 20年の歩み
 私が2代目エアロスターを一番最初にナマで見たのは、実は名古屋空港(小牧)のランプバスだったりする。
 阪神バス(旧尼崎市営バス)・東急バス・小田急バス・日立自動車で主に比較しているが、KL-を2台出すなら(1台は東急のワンステップ・改造扱い)、UDのエンジンを積んだPKG-MP35を出して欲しかったかな?
 エアロスター・エコハイブリッドは、結局ほとんどの事業者で短命に終わりました。京急バスの羽田空港内循環も既に全車リタイアしたそうで、シリーズ式は日本には適合しなかったのだろうか。
 本題と関係ないが、阪神バスの旧尼崎市営バスは、このまま「1社2制度」的な感じで、色を塗り替えたりとかはしないのだろうか。車番も市営バスそのままだし。今後の新車はどうなる?

 大阪市営バス民営化は、まだ見通しが立たないそう。Bus Life誌の見解は、民営化には基本的には好意的と読めるが、どうだろうか。
(バスラマ・インターナショナル誌はやや否定的だが)

BUS Life CD
 車内アナウンスは小田急バスの、趣味的には面白いと思われる路線。本文にもあった〔宿44〕〔柿24〕と、新宿駅西口~よみうりランド系統(春・秋期間中の休日のみ2往復で、現在は運休期間)。ただ、全部一般路線バスなのでかなり編集が入っている様子。〔宿44〕の吉祥寺駅のアナウンスは、もっといろいろな情報が流れているのではないかと思うのだが(乗った事がないので実際は解らんが)。
〔柿24〕には「県境」というバス停があるが、実際の都県境は手前の下黒川~於部屋間(一時小田急シティバス若葉台〔営〕があったあたり)で、どういう由来だろうか。調布市内に入って、新百合ヶ丘発着の空港バスのCMが入っていたけれど、あの場所では正直ほとんど意味がない(調布から京王バス路線があるし、調布から新百合ヶ丘への直接の足がない)。
 どの路線も似たような内容、前号の「オレンジポートでぇーす♡」みたいな路線もないので、変化に乏しいと思った。今の小田急バスには空港バスに、アクアラインを経由する高速バスがあるので、こちらを出しても良かったのではないだろうか(今の所、高速バスのアナウンスはCD化されていない)。
 エアロスターのエンジン音も、2台並べるなら1台はUDエンジンのPKG-MP35を出しても良かったのではなかったか。新エルガミオは中型という事もあるだろうが、エアロスターよりも心持ち静かで、マイルドな音色と感じました。
 はとバスのアナウンスは、実際にこの通りに走るコースはないようです。

 当ブログでは直接のコメントは受け付けないので、何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
 当ブログ上からでは発表できない緊急の事態が発生した時は、本体でお知らせします。


《今日のニュースから》
 7日 東京都動物園協会Webサイト「ズーネット」 不正アクセス発見
 8日 米最新迎撃ミサイル「THAAD」 韓国配備決定
 9日 釧路港 サンマ初水揚げ 去年の2倍の高値

 JR豊肥本線の阿蘇~豊後萩間が運転を再開しました。当初は宮地~豊後萩間の予定だったと思うが、阿蘇~宮地間も同時に再開になりました。ただしこの区間は〔九州横断特急〕の3往復のみ(普通列車扱い)で、いこいの森駅は休止。肥後大津~阿蘇間は再開のメドが立たないそう。

№1551 バスラマインターナショナル156(ぽると出版)

「バスラマインターナショナル156」、先月末には発売になっていたが、取り上げるのが少々遅くなってしまいました。

各地の新車から
 新エルガ&ブルーリボンが、各地に続々入っています。朝日バスはやはり、大型ノンステップん新車導入は初との事。朝日バスは中型車というイメージがあったが、グループ内転籍で大型ワンステップも入っているし、今後は路線によっては大型化が進む事になるのか。

ベトナムに吹く新しい風(KAZE)
 今回一番注目したのがこの記事。ベトナムの新都心を走り出した、東急の資本が入った路線バスシステム。
 後半の在来のベトナムのバスの乗車記でも簡単に触れられているけれど、アジアのバス、特に一般の路線バスだと、日本のようにキチンとしたバスの時刻が記されていない事が多い。韓国でさえ、始発・最終の時刻さえ記されていなかったほどで、アバウトなイメージが正直あります。
 なので、ベカメックス東急バスの新システム、特に「時刻表を掲げて、その通りに運行する」という部分がどれだけ浸透するかは興味が持たれます。写真で見るだけだが、交通量はかなり少なさそうで、その分ダイヤ運行の確保は容易だろうが。
 それと、ベトナム人の職員、特にドライバーは、これまでアバウトな路線バスの世界をずっと見てきただけに、仕業表通りにバスを運行させる日本式システムが馴染むだろうか。教育面も注目されます。ともあれ、今後の展開が期待されます。
 在来のホーチミンシティの路線バスは、まあ想像した通りの世界が展開されているようだが、それでも冷房付?の韓国製のバスもあったりして、ミエンタイバスターミナルで奥の方に並ぶ長距離便はユニバース?一方でスズキキャリイの「バス」は、まあ「系統番号」も掲げているから合法ではあろうが、走行中に落っこちたりはしないだろうか?道路事情も考えたらちょっと怖い?
 ベトナムはANAのベトナム航空への資本参加もあったりして、今後も日本企業の進出が進む事になりそう。後は鉄道の近代化が図られると良いが。
 バスターミナルの名称の 「9月23日」とは、太平洋戦争終戦直後の1945(S20)年9月23日にフランス軍が旧サイゴンに進攻、これに対する抵抗運動が始まった事から来ている、らしい。ベトナムの歴史は当然、戦争を抜きには語れないので(今でもダナン空港などでは影響があるらしい)、この辺も簡単でいいから触れて欲しかった。我々も、ベトナムを訪れる機会があるなら、少しは心すべきでしょう。
 なお、次号では夜行バス体験ルポがあるそう。日本とは相当違うはず、キツイだろうなと勝手にイメージしてしまうのだが、興味が持たれます。

バス事業者訪問188 くしろバス

画像

 今回は北海道道東の釧路をベースにする2社で、まずくしろバス。
 最初にカラーリングで、車体に描かれているのは当然鶴だろうと思ったら、くしろバスの場合ははっきり鶴とは決めつけていないよう。厚岸湖はオオハクチョウが越冬で飛来するので、それも含めて鳥全体を象徴させているのでしょう。
 輸送人員の推移の表があるが、ピークの1969(S44)年から、50年近くで6分の1近くに減ってしまっている。年によって違うが、全体的に右肩下がり傾向が止まらないのは辛い。何とか乗客を繋ぎとめようと必死のようで、「1日フリー乗車券」は、釧路~白糠線の片道が600円なので、かなりの大盤振る舞いだと思います。 
 新エルガが3台入ったが、釧路では走行性に問題はないらしい。冬の釧路には私も行った事がある(30年近く前だけれど…)が、天気予報などを見ていると、釧路は冬場寒い時は猛烈に寒いものの、案外晴天の日が多くて、豪雪という事はない、というイメージがあります。
「ねむろ号」はスタート時は4往復(くしろ・根室2往復ずつ)だったが、今は減便されている。ただ、JR根室本線(花咲線区間)も減便、今後の縮小も予想されるため、あるいは盛り返しもあるかも知れません。
 車両面では、フロントも含めた全体をラッピングした広告車が多い。
(上の画像の「下新拓行き」はJRバス代替の厚岸からの路線だったが、現在は廃止の模様)

画像

 アーカイブスでは、東邦交通時代が全部白黒なのがちょっと残念。平成になってからもしばらくは走っていたので、1枚でも良いからカラーが欲しかった(この私の画像もあまり良い出来ではないが)。

バス事業者訪問189 阿寒バス

画像

 もう1社は阿寒バス。くしろバスの前身の東邦交通から分離独立した会社とは知らなかった。もう60年経っているから知らない人も少なくは無かろうが。路線網からして性格もかなり違うし。知床半島方面と、一方で摩周から北見のエリアになる美幌に長距離路線が延びて、さらに中標津や弟子屈では小規模なエリア内路線もあるので、とらえどころのないイメージが正直ありました。
 こちらの車体のカラーははっきり鶴。最新移籍のエアロスターは、鶴が車体のサイドに収まっていて、別にフロントには、鶴をイメージしているのか?デザインが施されているようです。
 バスの運行に関心がない自治体があるとは、困ったものだと思う。国鉄時代の末期に特定地方交通線の廃止問題が浮上した時、大反対運動もあちらこちらで起こったはずだったのだが。美幌の観光路線は、今シーズンは7月16日~10月10日、女満別空港~美幌峠に2往復のみ運行、美幌峠で川湯温泉・摩周湖方面に接続、との事。
「インバウンドが増えた」というのは以前帯広の事業者も口にしていた事だが、釧路空港は一時、トランスアジア航空のA330が定期便として就航した事があり、現在も中国キャリアのチャーター便が来る事があるとの事。アジアとしては珍しい雄大な光景が、特にトロピカルなイメージの南国の旅人を惹きつけるのでしょうか。
〔スターライト釧路〕はくしろバスも触れていたが、高速道の延伸で所要時分の短縮が図られ、特急列車に追いつこうとしている所まできているという事。JR特急〔スーパーおおぞら〕は札幌~釧路間最速4時間弱、運賃+料金9,370円。ただし今後JR北海道は、DC特急に関しては〔スーパー北斗〕と共に〔スーパーおおぞら〕に資源を集中してくると思われるので、今後も「早い鉄道特急」vs「安い高速バス」(さらにここでは触れられなかったが、vs「もっと高いけれどもっと早い航空便」)の構図で、激しい競争は続くのだろうと思われます。
 個人旅行者向け新パスで注目なのは、「4/7days」パスで、ひょっとしたら鉄道なども含めて、フレキシータイプのフリーパスは初めて、かも。

 その後、「日本で2番目に長い路線バス」の羅臼~釧路線のルポもあります。奈良交通の大和八木~新宮線との距離的な差はわずか1.2kmで、今後の道路事情の変化によっては、タイトルの逆転もあるかも。ただ所要時間は最大でも4時間、八木~新宮線は6時間30分程度かかるので、この所要時間の違いで、最長に肉薄する距離とは認識されないのかも知れません。テキストや写真を見る限り、直線は相当長くて走らせやすそう。くしろバスもだが、釧路市中心部は解らないけれど、郊外は渋滞はほとんど考えられず、気象の問題はあるが、全体的にはストレスなく走らせる事が出来そうで良いと思う。寿司ネタを運ぶとは知らなかった。
(釧路行の「市立病院前」の行先表示は、「釧路」の2文字がどこかに欲しい。遠方だと、釧路行をイメージしにくい)

 くしろバス、阿寒バスともドライバー不足を問題視しているが、そもそも過疎化・高齢化が進んでいるはずなので、養成以前に「なりたい」と思える人を集めること自体一苦労になるだろうと、やや心配ではあります。
 最後に、1970(S45)年の旧国鉄路線図を記し(この後白糠線は上茶路~北進間を延伸するが、10年足らずで廃線になる)、「鉄道ネットワークが失われてしまったのだから、バスへの期待は大きい」と結ばれています。ただ、くしろバス・阿寒バス両社は共同で様々な利用促進の施策を展開しているが、インバウンド対策もあって、2社だけでは限界でしょう。道東の交通事業者全てを巻き込んだ、総合的な施策が求められます。根室交通・斜里バス・北海道北見バス・網走バス、そしてJR北海道も。鉄道も、バスとの協調失くして、生き残れないのだから。

 インバウンド専門のドライバーの話は、今号は後編。今回は1ページのみで、小規模事業者では違法行為が相変わらず横行している現状があり、その他も交えて結論として、「バスサービスがトータルで利用者に提供されなければならないのに、現状では利用者側が常にチェックして行かなければならないのが、実は大きな問題点」と、和田編集長が記しています。まあこの部分は4年前の関越ツアーバス事故以来、何度も何度も繰り返し言われてきた事なのだけれど。
 観光バスの駐車場の問題は、確かに路上交通への影響も考えると早急な解決も必要だろうが、都心だと地価の問題もあり、目的地の近くに充分なスペースを確保できる所があるだろうか。
 前後編通じて気になったのは、前回も記した事の繰り返しだが、事業者内部のドロドロした人間関係の存在。特に貸切バスの配車の部分。ここでは記されていなかったが、私が私鉄勤務時代に労組幹部から聞かされた事があるけれど、通常は年配のベテランが新車で、若い人はやや古い車両をあてがわれる、のが普通。なのだが、会社によって労使・労労関係がイビツだと、会社に近いドライバーに新車、会社にとっては「嫌われ者」のドライバーには古い車両、となってしまっている所もあると聞いた。路線バスでも「担当者制」の事業者ではたまにあるそうで、私個人は、そんな事が起こるなら、貸切はともかく路線バスは「無担当者・ダイヤ制」にして公平な配車にすればいいだろうにとか思ったものです。いずれにしろ、どんな業界でもそうだろうが、特に交通事業者で人間関係を陰湿にしてしまうと、安全運行の確保に悪影響を与えるのは、過去の旧国鉄・JRの例を見ても明らか。とりあえず会社の内部では、この辺を心して、人事面で気を配って欲しいと思います。

 エルガミオの市販第一号は、一畑バスと発表になりました。今号刊行直前の6月24日、一畑バスが公式Webで発表済み。松江と出雲に1台ずつ。今月中旬から営業運行開始予定との事。
 はとバスのアストロメガは、ベースの黄色を塗り直したのか。確かに前号を見ると、やや薄いかなと感じます。
 熊本地震は、今号はとりあえず読者からの投稿が中心になりました。熊本電鉄の新エアロスターは新色か。産交バス木山営業所は施設もそうだが、ドライバー自身が被災したため必要な数を確保できず、担当路線のほぼ全便が運休になった時期もあったよう。熊本もさる事ながら、大分も訪問者が激減して大変とか。私自身、実は大分はほとんど訪れた事がなくて申し訳なく思っています。次に熊本へ行く機会には、大分へも足を延ばします。
 クアラルンプールのBRT、EVの専用車両はともかく、専用の高架道路は、「ゆとりーとライン」には批判的だったバスラマ誌的にはどうなのだろうか?写真で見る限りは、駅側に改札があるのが異なる点と見えます。

 次号の事業者訪問は広島バス。ところで、イギリスのEU離脱決定は、彼の地のバス業界には何らかの影響を与える事になるのか。その辺は記される事になるのでしょうか。

 当ブログでは直接のコメントは受け付けないので、何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
 当ブログ上からでは発表できない緊急の事態が発生した時は、本体でお知らせします。


《今日のニュースから》
 4日 独立記念日アメリカ ニューヨークでホットドッグ早食い競争
 5日 東京地域タクシー初乗り400円台 運賃改定審査開始
 6日 野々村元兵庫県議会議員 懲役3年執行猶予4年の有罪判決