№1540 青い森に新幹線にバスに飛行機 盛りだくさんの東北・北海道旅行 5.HACのサーブを撮る
何度か書いているように、今回の旅の目的の一つに、HAC(北海道エアシステム)のオリジナル緑系カラー機を撮る事がありました。
HACは、元々は旧JASと北海道によって設立されたコミューター航空会社で、JASがJALと経営統合した事でJALグループの一員となった。しかしJALの経営再建の過程で一度グループから離脱し、独立系となります。この時点で、緑系のオリジナル新色が発表され、1機に新色が施されました。
だがコミューター航空の悲しさか経営は安定せず、奥尻での重大インシデントもありました。再度JALグループ入りする事で安定した経営と安全な運航の確保を図ろうとしているのだろうと思います。
このため、機体はグループ統一の新鶴丸に塗り替えられる事になり、その初号機のJA01HCは前日函館から乗ってきた訳だが、このためにオリジナルの緑系は、1機に塗られただけで、短命で終わってしまう事となりました。
なので、この機会にどうしても撮っておく必要があり、今回の旅のプランに、丘珠での撮影を組み込む事となったのでした。
今のHACはほぼ全便丘珠がらみの運航なので、天気が良ければ何とか撮れるでしょう。
5月18日(水)
その前に、朝っぱらは札幌バスターミナルの近くで、出発便の写真を撮影。主に中央バスや北都交通、道南バスの高速バスや、JHBにじょうてつの路線バス。
しかしここからは、中央バスの一般の路線は出発しません。今回はこの後少し場所を変えてみました。新エルガ・新ブルーリボンも撮影しています。いずれ本体の再公開時にご覧頂きます。
丘珠空港に向かいます。東豊線に乗って栄町へ。7000形。
北海道らしくて可愛らしいイラストで飾られた、7000形の化粧板。
7104Fは「ポケモン」のラッピングが掲げられています。
なお、札幌市の事業計画によれば、東豊線は今年度中に9000形への置き換えが完了する見込み。7000形は間もなく見納め。
丘珠空港ターミナルビルは、栄町駅から歩いても15分程度。バスも前日乗った北都交通の空港バスの他、中央バスの一般路線バスが一部入ります。
9時30分少し前、函館からの230便が着陸しました。昨日とは逆のR/W32に着陸。Arc of the Sun?
この便は、この日の丘珠最初の到着便でもあります。
出動前の点検中の自衛隊のヘリコプターと、サーブ。
実はこれ、JAC(日本エアコミューター)機材(JA002C)なのです。
№1534で書いた通り、HACは昨年よりJAC機を共通事業機としており、3機あるHAC機の1機が整備に入っても、所定の全便の運航を確保できるようにしたものです。
昨日体験したのと同様、機体からターミナルまで歩いて移動します。
それにしても、乗客皆ことごとく、男性も女性もきちっとしたスーツ姿。昨日の搭乗でも感じた事だが、この路線は典型的なガチ・ビジネス路線だ。
この機体は、次は三沢行331便として出発して行きました。目の前を、釧路からの562便が着陸します。おお、待望のオリジナル緑系カラー機だ!
出動準備が整った自衛隊ヘリと、サーブ。
スポットイン。
降機。この便も函館便に負けず劣らずのビズネスフライト、だったようだ。
この便には車椅子のお客さんが搭乗していたようです。一通りの降機が終わった所で、まず機内からの降機用の車いすが運ばれていきます。
次に、ゴンドラが据え付けられます。タラップは収納されます。
車椅子がゴンドラに乗り、機体から離れます。
そして地上に降りて、車椅子を乗り換えます。
なかなか大変な作業だと思いました。お客さんはもっと大変だろうが。
丘珠空港は民間の、主に報道用のヘリコプターも多数いるようです。ANH(オール・ニッポン・ヘリコプター)のヘリコプターが飛び立っていきました。この3文字のフォントとトリトンカラーからANAグループの一員に思えるが、今はそうではなく名鉄の子会社なのだそう。NHKのマークがついていました。
丘珠空港の展望デッキ。地方空港並みの小規模ターミナルゆえそんなに大したものはないが、飲み物の販売機などが屋内にあります。スポットや滑走路に対しては、昼前くらいからが順光か。
函館行235便として出発。この便は函館着後に奥尻へ往復するので、丘珠に帰ってくるのは14時。
この機体は丘珠~釧路線利用促進キャンペーンのラッピングも施されていて、ポートサイド側は「GO! GO! SAPPORO」、スターボード側は「GO! GO! KUSHIRO」と描かれていました。なので純粋なオリジナル色とはいかなかったが、ともあれ撮れて満足です。緑系はこのJA01HCの1機しかなかったからねえ。
さらに、函館発232便で到着した、JA02HC。昨日乗った新鶴丸カラー機。
この便でも車椅子の降機があったし、この便ではご高齢の夫婦が搭乗されていて、足腰があまり良くなさそうだったのに、ヨロヨロと降りて行きました。青空の下タラップを降りてターミナルまで歩いて行くのは古き良き航空旅行を思い起こさせる醍醐味、だと我々は思う所だが、こういうのを見ていると、高齢者や車椅子の方のためにこそ、ボーディングブリッジの整備が必要なのではないのかなあ、そんな事を少し感じました。ターボプロップでは無理だけれど。
今度は釧路行563便として出発。この便もまた、お客さんのほとんど全てがビジネスマンの風情。一列縦隊…。
エンジンを1機ずつスタートさせ、スポットをくるっと回る形で、誘導路に向かっていきました。
HACは次のウインタースケジュールから、JAL・J-AIRとの運送共同引受により、JAL便として運航される事になっています。なので、HACの便名で乗るのは、前日が最初で、多分最後になります。
(HACフライトポイントは、期間限定でJMBマイルへの交換可能)
現在3機のSaab340を保有しているが、本当ならあと1機あれば、もう少し色々な路線展開もできるのかなあ。JALグループに戻る以上、本州からのJAL便との連携も今一度考えられるべきかもしれない(新千歳再乗り入れも)し、女満別(JR特急〔オホーツク〕の運行規模縮小が噂されている)やオホーツク紋別、稚内あたりへの路線新設も考えられるのではないかと。それと、HACでもそろそろ後継機種の選定が必要な時期ではないでしょうか。やはりATR42-600になるのか。極寒の地でどうなのかとは思うが。
ともあれ前日乗って、この日見てきたように、HACは丘珠空港の立地条件を生かして、ビジネス客を取り込む戦略で行く事になるでしょう。函館路線は新幹線が札幌まで延びてくれば存亡の危機、となろうが、それは早くても十数年先の話。JALグループに戻っても経営は引き続き苦しくなろうが、健闘を期待したいと思います。
なお、丘珠空港には今月4日より、FDAの静岡線が就航しています(週2便)。丘珠初のジェット旅客路線だが、ターミナルにはそんな事はどこにも書いていませんでした。不思議だ。
これでこの日のHAC機3機(JAC含む)は全部撮れました。後半はバスを撮って、市電の環状線に乗りに行きます。
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《今日のニュースから》
11日 台湾 高雄・台南両市長 熊本県に義援金贈呈
12日 セウォル号 引き揚げ作業開始
アメリカでまだ銃乱射事件が起きました。前日には芸能活動をしていた女性が射殺される事件も起きています。この手の事件が起きるたびに銃規制を強化する声が「一時的」には強まって、大統領選挙でも争点の一つにはなっているけれど、結局全土の国民世論が一体となって規制を求める大合唱、という事にはならないので、はっきり言ってもう無理なのではないかと思っています。犠牲者が何万人位の大惨事にでもならない限り。乱暴でしょうか。いや、多分それでも変わらないか、あの国は。