「JTB時刻表2016年7月号」が20日発売になりました。
表紙は山陰本線(居組~東浜間)を走る、国鉄首都圏色のキハ47×2連。東浜駅の近くでしょうか。
見出しが「挑戦してこその青春だ」。JTB時刻表は2014(H26)年以降、7月号は3年連続して「青春18きっぷ」特集となりました。
この夏 青春18きっぷで「挑む」鉄道旅
まずは「青春18きっぷ」のおさらいと、日本最長距離の普通列車の座を獲得した山陽本線369M(岡山→下関)、最長所要時間の根室本線2427D(滝川→釧路 8時間21分)、廃止を控えた留萌本線(留萌~増毛間)と、1日1往復のみとなった札沼線(浦臼~新十津川間)が「挑戦1」、「第三セクター攻略法」を記した「挑戦2」の2部構成。
岡山→下関の普通列車は4年ぶり、との事だが、運用の都合でしょう、時々設定される事があります。実は私も国鉄時代最末期の1987(S62)年2月、この区間の普通電車に乗り通した事がありました。当時は115系3000番台、〔ムーンライトながら〕の前身となる、東京発大垣行夜行普通列車(通称「大垣夜行」)からつながって、さらに乗り継いで熊本までその日の内に到達できました。
(現在も〔ムーンライトながら〕から369Mに乗り継ぐ事は出来るが、下関から先の列車がもうない)
第3セクターの特例はいずれも、在来線としては他線から孤立してしまったJR線の救済としての設定で、ただし全区間とはいかない。大湊線・八戸線は青森から入る青い森鉄道ルートだけだし、七尾線は金沢からのIRいしかわ鉄道、氷見・城端線は高山本線から経由してあいの風とやま鉄道で入るルートだけ(津端~高岡間は利用できない)。北陸方面は、普通列車では大分行きづらくなった感があります。今後北陸新幹線敦賀延伸で、北陸本線の移管が更に進むとしたら、どうなってしまうのだろう。
(第三セクター区間は全て途中下車不可(青い森の野辺地のみ可))
北海道新幹線開業で津軽海峡線の在来線定期旅客列車がなくなったが、さすがに新幹線は料金不要の特例はなく、「北海道新幹線オプション券」を2,300円で発売。ただし「青函連絡早見表」が掲載されているが、青森→函館は4回、逆は3回しか乗継が成り立ちません。最速でも4時間58分、一番長いと7時間19分もかかってしまいます。
津軽線そのものの乗車が目的とか、新幹線や道南いさりび鉄道(途中下車不可)試し乗りの目的があるなら別だが、私だったら、青森~函館間の移動は思い切ってフェリーにしてしまうと思います。青函フェリー8便(繁忙期の2等2,000円)、津軽海峡フェリー8~9便(同2,770円)、所要3時間40分~4時間(港への二次アクセスの確認を)。
また、夜行便もある八戸~苫小牧航路(川崎近海汽船 2等5,000円)の利用も、一考の余地があるのではないでしょうか。
「挑戦3」は、青春18きっぷで乗れるユニークな列車や、特急型を使用した列車、SL列車など。ここにはないが、新潟~直江津間で運転される485系(最後の定期運用)快速も、狙い目か。
エビ中 廣田あいか 「青春18きっぷ」の難所 飯田線完乗に挑戦!
ここの所、女性アイドルを起用した企画が多い(昨年の松井玲奈以来)…。若い読者を取り込もう、という狙い、でしょうか!?「エビ中」=「私立恵比寿中学」というグループ名だそうだが、17歳では中学生じゃないじゃん!
(恵比寿には、実際には公立も含めて中学校はないようだ)
「青春18きっぷ」と言いながら、初っ端が特急〔伊那路〕とは…。湯谷温泉駅の駅舎は元は旅館だったらしい木造駅舎だそうだが、駅舎の写真がなかった。ライターが杉﨑行恭氏なのに。
田本駅に降りて、サイン帳とか眺めたそうだが、室蘭本線の小幌もだけれど、あまりにも駅を訪れる「鉄」が多くなってしまったら、「秘境駅」とは呼べなくなってしまうのでは…。なお、この紀行のメイキングムービーを、特典として、7月19日までApp StoreとGoogle Playで無料配信するとの事(QRコードを読み込む)。
「乗り物情報局」は、「京浜急行電鉄『葉山女子旅きっぷ』通年販売決定」「北陸鉄道『ビール電車』」「叡山電鉄 七夕イベント」「箱根登山鉄道 あじさいライトアップ」「東海バス『東海バス全線フリーきっぷ』発売」。
東海バスのフリーきっぷは、使いでがありそうだ。伊豆半島全域は当然、三島から箱根へ行く事も出来る。2日券3,900円、3日券4,600円。
黄色のページ
昨年同様、グラビアとの連動で、JR各社毎の長時間運転列車のTOP3を並べています。
ただ、去年も書いたけれど、個人的には時間ではなく、やはり距離で算出して並べた方が良かったように思います。運賃の比較もあるが、普通乗車券の運賃は距離で決まるのだから。
昨年と比較すると、北海道は、先の2427D(去年の2429D)は6分短縮になったが、引き続き2位以下を大きく引き離しています。
2位は石北本線の4621D~4659Dとなりました。遠軽から先が1時間近く繰り下がったため(遠軽で1時間35分も停車)ランクアップ。上川~白滝間の下り普通はこの列車のみ。上川が6時23分発なので、全区間乗り通しは札沼線以上の難関か?先の改正で大幅に駅が削減された結果、189.1㎞(東京~静岡間より長い)に駅は22しかありません(生野は通過)。
東日本の第1位は、五能線2523D~2525Dが躍り出ました。列車自体は昨年からあるが、東能代発が繰り上がり、弘前着が繰り下がった事で所要時分が延び、上野東京ライン勢を抑えています。
西日本は、最長距離のタイトルを奪還した369Mが、所要時間でも1位。JRグループ全体でも2位。ただ、夏場でも広島以降は暗くなってしまい、西側の車窓を楽しめなくなるのが難点。
東海・四国・九州のTOP3は変わりませんでした。
いよいよ夏祭り・花火大会の臨時列車が発表になりました。
鶴岡の赤川花火大会(8月20日)は、快速〔鶴岡赤川花火号〕は、今年は小岩川が通過となり、直前のあつみ温泉行普通を鼠ヶ関まで延長。
石巻川開き祭り祭り花火大会(8月1日)は、仙石線の石巻→野蒜を1本増発。
日橋川 川の祭典(7月31日)は、磐越西線の塩川→喜多方ノンストップ列車を新設定。
阿波踊り(8月12~15日)の臨時は、特急〔阿波踊り号〕は、今シーズンは高松どまり。高松で〔ミッドナイトEXP高松〕(時刻変更)接続の形態に変更。昨年は〔ミッドナイトEXP高松〕を運休として、〔阿波踊り号〕を伊予西条まで延長していました。
川内川花火大会(8月16日)は、鹿児島→川内の〔つばめ396号〕は取り止め(熊本地震の影響かも知れない)。
会社線は、新宿・東京・大宮・大阪・名古屋・長野~上高地の各路線が中心。上高地はかつては釜トンネルがネックでハイデッカーが入れなかったが、改良工事の結果、各地からの高速バスが直通で入れるようになっています。
(さわやか信州号はアルピコ交通が運行)
本文
九州新幹線は熊本地震の影響で臨時ダイヤの運行になっているが、7月4日よりダイヤを変更して運行。7月号は4日からの時刻を掲載。基本的には地震前のダイヤに戻るが、熊本~川内間は4~5分程度所要時間が増大。
豊肥本線・南阿蘇鉄道は、引き続き地震前のダイヤをそのまま掲載。
なお7月9日に宮地~豊後萩間が再開し、〔九州横断特急〕は宮地~別府間で〔61~66号〕として運行。
今年の「東北六魂祭」(明日25日・明後日26日)は青森で行われるが、JRの臨時列車は意外に小規模。
東北新幹線は明日と明後日各1本ずつ運行。
25日 はやぶさ388号 青森21:23 → 23:05仙台
26日 はやて380号 青森16:25 → 20:20東京
どちらもE5系。はやぶさ388号のグランクラスは座席のみのサービス。
奥羽本線は青森~新青森・津軽新城・弘前・大館間で普通列車を増発。津軽線はなし。
なお、青い森鉄道でも大幅な増発が行われるが(25日と26日でダイヤが異なる)、7月号には一切掲載がありませんでした。
会社線は、高速バスは大分~宮崎線が7月1日に改正。別府発着1往復増。
湘南モノレールが6月1日に改正済み。7~8分間隔運転時間帯を前後に拡大。
付録として、「JR全線全駅一覧2016」の小冊子を封入。現状だけでなく、過去20年の路線の変遷に、未来の路線も含まれていて、もうリニア新幹線も記されている。中間駅は全て《未定》となっているが。在来線で今後予定されている新駅もいくつか。品川~田町間の新駅も織り込まれています。
次号は新幹線がグラビアのメインの特集になりそうです。
当ブログでは直接のコメントは受け付けないので、何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
当ブログ上からでは発表できない緊急の事態が発生した時は、本体でお知らせします。
大阪環状線の新型通勤車323系がお披露目になりました。JR西日本の公式サイトで見ただけだが、外観は昨今のJR新型近郊電車とほぼ同様のスタイル。車内は、優先席は1人ずつ独立、8号車は出入口スペースが他の車両より広く取られているとの事です。営業運転開始予定期日はまだ発表になっていません。大阪環状線史上初の専用の新車となるが、前にも書いたが4→3ドアになるとは、関東の感覚からすると不思議なものです。
《今日のニュースから》
23日 中国東部江蘇省で竜巻被害 78人死亡
24日 「日本一短い」祭り 長野県塩尻峠で開催
塩尻峠は、昔はJRバス関東の路線がありました。
イギリスの国民投票は、EU離脱で決着が付きました。数日すればある程度は落ち着くとは思うが、当分は日本を含め、全世界に動揺を与えるでしょう。
政治的・経済的な事はプロに任せるとして、去年のパリのテロの時にも思った事だけれど、「『理想』は『現実』に手痛い敗北を喫しつつある」と感じられてなりません。EUが様々なシーンで使ってきた「自由」の2文字って美しい響き(理想)で、私自身過去に何度も欧州を旅して享受してきた部分が多いのだけれど(特に「移動の自由」)、それが肝心の国民の暮らしの向上に結び付かない(現実)と判断されたら、時には真っ向から否定されてしまう事も有り得る、という事です。非常に考えさせられる事だと思いました。
今後、特に離脱派にお願いしたいのは、決して圧勝でもないのだから大ハシャギしないで欲しい。キャメロン首相が辞任を表明した事で、離脱派の中から首相が選ばれる事になると思われるが、謙虚になって物事を進めて頂きたい。真剣に考え抜いた末に残留に票を投じた有権者も半分いるのだから、彼らをないがしろにしない。まして「右傾化」は絶対にやめて頂きたい。「独立記念日だ」なんてはしゃいでいる離脱派の指導者(ついでに、他のEU諸国の極右のトップ)の発言を聞いていると、非常に不安です。特にこの結果で難民・移民排斥の動きが過激化するのではないかと。EUどうのこうのではなくて、美しいはずの欧州の人々の心が荒廃して行く様は、絶対見たくないです。既に始まっている気がしてならないのだが。
この結果は英国、ひいては欧州全体の交通、特に鉄道にはどのような影響を与える事になるのでしょうか?
国民投票の投票率は72.2%の高率で、2年前のスコットランド独立を賭けた住民投票同様、直接自らの暮らしに関わる切羽詰まった状況にならないと、やはり投票率は上がらないようです。日本の参議院選挙はどうなるでしょうか。
今日は広島県の豪雨被害が甚大だったようです。昨日は山陽本線で脱線事故も起きました。広島県は2年前の安佐南区の土砂災害で多数の犠牲者が出ているが、明日も西日本では大雨らしく、少なくとも人的な被害は出ないでほしい。
室伏広治選手がリオ五輪の出場権を獲得できず、事実上引退を表明したそうです。北島康介・野口みずきらに続いて、また一人、カリスマアスリートが表舞台を去る事になりました。
№1545 青い森鉄道 全駅公開
青い森鉄道は、東北新幹線の青森県内への延伸に伴い、東北本線の「並行在来線」区間の青森県側がJR東日本からの転換によって開業した鉄道です。
2002(H14)年12月1日の東北新幹線八戸開業時に営業を開始し、2010(H22)年12月4日の新幹線新青森延伸時に、現在の姿になりました。
この青い森鉄道の旅客駅の撮影を、昨年と今年の2回に分けて行いました。何しろ全区間121.9kmと並行在来線転換の第3セクター鉄道としては最も距離が長い鉄道だし、一方で本数が多くないので(必ずしも少なくもないが、去年は快速もそれなりにあり、小駅の停車が少なかった)、なかなか大変ではありました。
この機会に、昨年撮影分もまとめて一挙に全駅、ご覧頂きます。
目時 めとき 2015(H27)年5月18日撮影
岩手県との県境でもある馬淵川を渡ってすぐ。IGRいわて銀河鉄道との境界駅、ではあるが、IGR色はほとんど感じられません。駅付近にはほとんど何もないが、昔は駅員がいたのだろうか。無論今は終日無人駅。よくこんな所が2社共同使用駅となったものだと感じました。
三戸 さんのへ 2015(H27)年5月18日撮影
駅そのものは南部町にあります。
諏訪ノ平 すわのたいら 2015(H27)年5月18日撮影
終日無人駅。
剣吉 けんよし 2015(H27)年5月18日撮影
南部町の中心にあります。
苫米地 とまべち 2015(H27)年5月18日撮影
終日無人駅。
北高岩 きたたかいわ 2015(H27)年5月18日撮影
終日無人駅。
八戸 はちのへ 2015(H27)年5月18日撮影
JR八戸線と接続するが、在来線に関しては青い森鉄道が管理しています。市の中心部からは遠く、市営バス・南部バスが連絡します。橋上駅舎。
陸奥市川 むついちかわ 2016(H28)年5月16日撮影
終日無人駅。
下田 しもだ 2016(H28)年5月16日撮影
おいらせ町(旧下田町)の中心となる駅。
向山 むかいやま 2016(H28)年5月16日撮影
終日無人駅。駅にはギャラリーがあります(原則土休日のみ)。
三沢 みさわ 2016(H28)年5月16日撮影
かつては十和田観光電鉄の乗り換え駅でした。
小川原 こがわら 2016(H28)年5月16日撮影
終日無人駅。三沢基地(空港)がすぐ近くです。
上北町 かみきたちょう 2015(H27)年5月18日撮影
東北町の中心になる駅です。
乙供 おっとも 2016(H28)年5月16日撮影
千曳 ちびき 2015(H27)年5月18日撮影
終日無人駅。駅付近には何もなく、雰囲気は秘境駅。
野辺地 のへじ 2015(H27)年5月19日撮影
ここもJR大湊線接続駅だが、駅員は青い森のみ。
狩場沢 かりばさわ 2015(H27)年5月19日撮影
終日無人駅。
清水川 しみずがわ 2015(H27)年5月19日撮影
小湊 こみなと 2015(H27)年5月19日撮影
西平内 にしひらない 2015(H27)年5月19日撮影
終日無人駅。
浅虫温泉 あさむしおんせん 2015(H27)年5月19日撮影
野内 のない 2015(H27)年5月19日撮影
2011(H23)年3月12日に、昔の駅から青森方に1㎞以上移動しました。駅前には青森市営バスの東部営業所があります。終日無人駅。
矢田前 やだまえ 2015(H27)年5月19日撮影
終日無人駅。
小柳 こやなぎ 2015(H27)年5月19日撮影
終日無人駅。
東青森 ひがしあおもり 2015(H27)年5月19日撮影
終日無人駅。
筒井 つつい
3年前の2013(H25)年3月15日開業、青い森鉄道初の純粋な新駅です。終日無人駅。
青森 あおもり 2015(H27)年5月19日撮影
JR奥羽本線・津軽線接続駅。JRとは別に、青い森も駅窓口があります。
駅員がいる駅でも、大半は16時30分~17時くらいで窓口は閉まってしまいます。北東北の夜は全体的に早いので、生活の習慣が反映されているのでしょう。終日駅員が配置されているのは、八戸・野辺地・青森のみのよう。
全体的に、コンクリ造りのやや質素な駅舎が多い気がします。「味のある木造駅舎」なんてほとんどなかった。下田くらい?1960年代に大規模な改良工事(電化や複線化、区間によっては新ルート移設も)が繰り返された結果でしょう。
去年も書いた事の繰り返しになってしまうが、ほとんどの駅は第3セクター鉄道としては規模が大きく、設備が過剰なのではないか。バリアフリーの面でも問題だろうし、今後の維持・運営のコストが負担になるのではと懸念されます。転換前、というか新幹線開業前の東北本線は特急〔はつかり〕〔ゆうづる〕などがガンガン行き交う特急街道だったし、普通列車も長編成だったので、駅の規模も自然と大きくなっていったのだろうと思われるが、旅客列車が短編成(確認していないが、通常は全部2連だろう)の普通電車だけとなった現状では、筒井や(新)野内位の、もう少しコンパクトな規模に整備し直した方が良いのではないでしょうか。
なお、青い森鉄道では7月1日より、一部列車の時刻の修正を行います。八戸20時14分発三戸行2568Mは9分繰り下げ、折返し三戸20時46分発八戸行2569Mは4分繰り下げ。八戸で〔はやぶさ38号〕からの接続を取るためと思われます。
(9月30日までとなっている。JTB時刻表7月号では掲載されていない)
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《今日のニュースから》
21日 特定外来生物「ボタンウキクサ」違法栽培 全国初の検挙
22日 三菱自動車 8年振り最終赤字見通し 3月期決算-1,400億円
参議院選挙が公示されました。神奈川県の○○○は、○○○○○○頼みなのかよお。谷亮子は立候補せず、政界引退か。
今回の選挙は「安保法案と憲法」「アベノミクスと消費税」が最大の争点とされている。しかし、選挙はしょせん政党vs政党、各政党の争点毎のスタンスは今更聞くまでもなく、これまでの報道に普通に接していればはっきり解る事、選挙戦中の政策を問う報道も結局は確認作業に過ぎないため、選挙戦中にメインの争点について問うのは、正直ほとんど意味がない事だと思います。
聞く側も、もう少し頭を使って、違った物事を、違った角度から各候補者・政党に問うて欲しい。それでこそ、それぞれの違いがはっきり見えてくるのではないかと思います。
私としてはとりあえず、次の5点を、問えるなら問うてみたいと思っています。
1. 米大統領選のドナルド・トランプ候補は、「米軍駐留費を全額負担しなければ日本から撤退する」と発言している。見方を変えると、アメリカの方から出て行くと言ってくれているとも解釈できるが、評価は。
2. (明日の事になるが)イギリスのEU残留・離脱を問う国民投票をどう見たか。特に政治的・経済的関係以外で、英国国民「世論」はどう映ったか。特に難民・移民問題はいずれ日本も無視できなくなるはず。
3. 保育所の開設を巡り、子供たちの騒音を懸念する地元住民との軋轢が起きて、開設を断念する所も少なくない。「待機児童」解消は喫緊の課題だが、どう解決すべきか。
4. 先日、国連の女子差別撤廃委員会が、日本の「成人向けゲーム・コミック」の存在を問題視し、販売禁止を議題とした。「表現の自由」「出版の自由」などとも絡んでくる問題だが、見解は。
5. Uberなどのアプリ配車サービス・ライドシェアが議論になっているが、賛成するか。反対なら、この議論の背景にある、現行のタクシー業界に対する世論の不満(特に料金面)にはどのように応えるか。
熊本はここへきてまた比較的大きな地震が頻発している上に、九州全体が豪雨になっていて、あちらこちらで土砂災害警戒情報が発表されています。JRもあちらこちらで不通になっている模様。非常に心配です。少なくとも人的被害だけは、これ以上出ないで欲しい。
№1544 バスジャパン・ハンドブックシリーズS91 朝日バス
全く持って申し訳ありません。「バスジャパン・ハンドブックシリーズS91」の朝日バス(朝日自動車)、こんなに遅くなってしまいました。
元々2月の時点で「刊行が4月まで遅れる」とは、BJエディターズの公式Webサイトで伝えられていました。それでも4月末には入手していたのだが、他に色々あれこれやっている内に、いつの間にか書店には、次の「S92 奈良交通」が並んでしまいました。
ややタイミングを逸してしまった感もあるが、ともあれデータ分析を中心に記してみます。朝日自動車は11年前のR54でも取り上げられていて、適宜比較も加えます。
まず表紙を見て少々ビックリ、新エルガだ!3月に導入されたとの事。私も5月に実際に見て乗っていて、本体の方で画像を公開しています。菖蒲〔営〕に少なくとも2台、共に久喜駅~菖蒲仲橋系統に入っていました。朝日自動車で大型の乗合の新車が直接導入されるのは、初めてではないでしょうか?意外だったが、新エルガのハンドブックシリーズ初登場は、朝日自動車になりました。
(ただし車両の概要は2月1日現在なので、一覧には含まれていない)
◆朝日グループバスの車両たち
(「朝日バスグループ」とした方が適当ではないかと思われるが)
元々東武バスなどのような「分社」ではなく、別々に活動していた企業が順次グループに合流してきた経緯があり、また事業内容が会社によってかなり異なるので、グループ全体をひっくるめて分析するのはあまり適当でない気がします。なので基本的にはグループ会社個々の分析を中心にして、それがグループ全体の中ではどうなのか、という目線で書いて行きたいと思います。
11年前と比較すると、東武ダイヤルバスが日光交通に合併されて同社ダイヤル営業所となり、国際十王交通は太田・足利両営業所、関越交通は行田営業所を廃止しました。
11年前には「21条バス」(過疎路線維持のため、貸切免許の車両で乗合事業を行うバス)が相当数あったが、現在は全て乗合に一本化されています。日光と関越にあった定期観光車はなくなり、一方で朝日・阪東・茨急・国際十王に特定車が配置されました。
1. 全体の車両数874台(873台としているが、違うのではないか)は、11年前と比較して15台増、ほぼ横ばい。
ただしその中身はかなり変わってきています。乗合車(以降乗合車は、11年前は「21条」を含める)は朝日は49台、川越・阪東・茨急は10台前後の増加、一方で関越・国際は減少しています。朝日は越谷〔営〕の14台増が目を惹きます。
貸切車は全体で145台→68台と半分以下に減少、東北急行は貸切事業がなくなりました。関越も55台→28台と半減しています。
高速車は44台→47台と微増。東北急行の3台減はやや意外。
割合としては、乗合車69.23%→84.54%、高速車5.13%→5.50%、貸切車16.90%→7.79%、特定車2.18%。桐生は全車が乗合(桐生市「おりひめ」のみだが)、朝日・茨急も90%以上が乗合車です。一方で関越は73.03%、国際は76.19%と比較的低い。どちらも割合的には高速車・貸切車が比較的高めです。
2. 乗合車の営業所別の割合を見ます。朝日では越谷が29.79%と朝日全体の1/3近くとなり、菖蒲19.86%、加須14.38%、境12.33%が比較的高率。
関越は渋川が34.62%と1/3以上。前橋より多いのは意外にも感じられるが、前橋市は他社の路線も多いからか。
茨急は松伏〔営〕41.10%、野田〔営〕35.62%、古河〔営〕23.29%。ただし野田と古河はコミュニティバスも含まれているので(野田10台・古河5台)、一般的な乗合車は松伏がこの数字以上に割合が高くなっているはずです。
国際は熊谷〔営〕が81.54%と伊勢崎〔営〕18.46%を圧倒しています。熊谷(旧国際ハイヤー)は東武バスから面的に譲渡されていて、伊勢崎(旧十王自動車)は伊勢崎~本庄の1路線しかないから当然か。
これに川越と阪東を加えると、当たり前ではあるが、東京に近い埼玉県南東部や千葉県に乗合車が集中する傾向があります。
3. 平均車齢は、グループ全体では乗合9.95年、高速11.75年、貸切11.68年、特定13.95年で、昨今の事業者では珍しく高速車の車齢が高くなっています。関越に1997(H9)年式が5台あり、これがグループ全体の平均を押し上げています。
乗合車は朝日9.10年、関越13.85年、川越8.83年、阪東7.47年、茨急9.04年、国際9.35年、日光16.75年、桐生6.33年。やはり都心に近い方が若いです。阪東の乗合車は全て21世紀の車両です。桐生はこの2年で4台導入された事が平均を下げているようです。逆に関越は全営業所が12年以上で、鎌田〔営〕は18.13年と相当高齢化しています。
茨急は松伏〔営〕6.33年に対して古河〔営〕14.65年、国際も熊谷〔営〕8.45年に対して伊勢崎〔営〕14.55年とかなり格差があります。朝日も越谷〔営〕8.11年、杉戸〔営〕8.85年、菖蒲〔営〕8.98年に対して本庄〔営〕13.43年、境〔営〕12.63年とやや差が大きくなっています。越谷は、東京都内の「はるかぜ」がある事もあるでしょう。
最高齢は日光のダイヤル〔営〕にいる貸切車の1992(H4)年式、乗合では茨急の古河〔営〕に在籍の1995(H7)年式(古河市コミュニティ)です。
4. 乗合車のノンステップ率は朝日60.96%、関越29.23%、川越44.44%、阪東98.39%、茨急57.53%、国際52.31%、桐生83.33%。
阪東が飛び抜けていて、非ノンステップの乗合車はもう1台しかありません。2002(H14)年式で最古参に近く、あと1~2年で完全ノンステップ化が達成されるはずです。
朝日も11年前は10%に満たなかったので、大幅に増加しています。他もかなり増加しました。東武グループで主力のいすゞ・日野の新車ラインナップが基本的に全部ノンステップになったので、今後の数年で、各社とも90%の大台には乗るのではないでしょうか。
低公害車は、ハイブリッドは日光3台と関越1台のみ。日光は小田代原のシャトルバス用で、一般的な路線で乗れる車両はほとんどありません。今後は新ブルーリボン・ハイブリッドの導入が期待されます。
CNGは桐生のポンチョ改造車のみとなっているが、川越の桶川市コミュニティ用2067号車(エルガミオ)がCNG改造車なのに、テキストでは言及されていませんでした。
5. メーカー別では全用途トータルで、日野が55.56%と半分以上です。いすゞが35.62%、三菱ふそう4.93%、トヨタ2.75%、日産と日産ディーゼルは1%以下です。
この中で阪東が東武系列としてはかなり異例で、2005(H17)年以降、三菱ふそうの大型ノンステップ車を継続して導入しています。新エアロスターもハンドブックシリーズ初登場。2006(H18)~2010(H22)年は日産ディーゼルの大型ノンステップ車も入れていました。
関越は、自治体運行路線用のトヨタ車が全体の10%を越えました。一方でクセニッツはなくなり、外国車の在籍はありません。
朝日グループ内の移動、東武バス・自治体及び契約輸送元からの移籍を除くと、他社からの移籍は沼田屋タクシー→桐生のブルーリボンⅡ1台のみ。朝日→関越が比較的多く、29台あります。
◆ 朝日グループバスのあゆみ
このグループ9社のうち、平成の世になった1989年時点での乗合事業者は、阪東・茨急と、高速専門の東北急行のみ。
乗合の路線の変遷については、ほとんどが東武鉄道時代のものになっている。「肩代わり方式」というのは東武に限ったものではなく、関東でも京成電鉄が本八幡発着の2路線をグループのタクシー会社に肩代わりさせた例があるが、これだけ広範囲の肩代わりは、他に例がありません。
北関東ではマイカーとの闘いに敗れてしまったエリアが残念ながら少なくなく、路線網的には徐々に東京に近い方にシフトしてきている。茨急が典型でしょう。それにしても北関東はともかく、浅草から30㎞も離れていない越谷あたりでも、東武バスとしてはやっていけなくなっていたのでしょうか。同じ東武線とJR武蔵野線が交差する朝霞市、もっと遠い川越や柏は東武バスとして運行が継続しているのに。
◆ 朝日バスグループの路線エリア
(ここは「朝日バスグループ」になっている)
本当なら、会社別に分けて記してほしいかなあと思う。でないと、それぞれの会社の規模が解らないので。
全体として、網になっていない。落下傘路線が少なくなく、特に川越は範囲的にも広く、桶川にも路線があり、高崎線の北側にも路線が延びているのに営業所が森林公園1ヶ所だけ、運用効率的にどうなのかと思う。無論東京電機大学など各地に中休場所が設けられているのだが。
11年前と比較すると、関越交通の路線が大幅に減少しているように見えます。ただ、無論路線そのものがなくなった所もあるが、特に沼田市や東吾妻町などでは市町営バスに移行、関越交通が受託する形態になっていて、記載がなくなっても路線は維持されている所が大半です。
各社の本社所在地は、11年前は関越・桐生を除いて、東京・押上の旧東武鉄道本社に同居していました。現在は東北急行を除いて各社の事業地盤に移って行ったが、東北急行は「墨田区押上1-1-2」のまま。東北急行の公式Webもそうなっているが、検索してみたら、ここは今はスカイツリータウン・ソラマチの一角になっています。本当なの?
◆ 終点の構図
11年前は関越交通の湯の小屋でした。水上の北の温泉なのだが、過疎路線的な部分が強調されていたようです。
今回は国際十王交通の葛和田。赤岩渡船の埼玉県側の乗場。反対側は、「バスマガジンVol.77」で取り上げられた、つつじ観光の赤岩渡船バス停。熊谷~館林間は秩父鉄道+東武伊勢崎線乗継が一般的だが、バス+渡し船の乗り継ぎで行けるのは面白い。
(ただし国際十王は60分間隔だが、つつじ観光バスは1日4本のみなので注意)
葛和田そのものは、写真を見る限り何もなさそうだが、遠くに筑波山が見えます。広がりを感じる所です。
◆ 江戸川・利根川をさかのぼる!
11年前は故種村直樹氏の「洋紙産業発祥の地から和紙の里まで」の後編で、「R52 東武バス」からの続きとなる、4日間の旅の後半2日。娘さんに読者も交えた賑やかな旅になったようです。当時は川越観光が乗り入れていた終着地の白石車庫は、私も30年前の東武鉄道運行時代に訪れた事があるが(山歩きの帰りで)、既にただの折返所になっていました。
(今はイーグルバスが運行している)
今回の谷口礼子さんの紀行(去年の年末)は、埼玉県の吉川→群馬県の湯の小屋と巡るもので、11年前の東→西から、南→北となりました。途中の東武動物公園→前橋は鉄道利用になったが、遠い遠い昔だったら、東武鉄道のバスだけで通しで行けたのかも知れない。もっとも2日では無理だろうが。
「利根川×醤油」というと中学時代、銚子のヒゲタの工場を見学した事があって、銚子にはヤマサもあるし、本当に縁があるのだなあと、「野田商誘銀行」なんて出来過ぎでしょう。せんべいはおいしそうだな。
「尾瀬カード」はプレミアが支払額の45%にもなっています。首都圏の旧バス共通カードでは、5,000円券でも17%に過ぎなかったのに(850円)。それだけエリアのマイカーの台頭が深刻、もっとバスに乗って下さい、という利用促進策、危機感の表れでありましょう。沼田には利根川を挟んで反対側に名胡桃城というのがあって(みなかみ町)、劇中では真田と北条の領有権争いのエピソードも描かれていたが、関越バス路線はない模様(後閑または上毛高原駅から、徒歩で40分かかるらしい)。
お客さんを乗せたまま回転するターンテーブルは確かに珍しいものの、都内の南善福寺(関東バス)や、道後温泉(伊予鉄道)の例もあって、皆無ではない。終着地の湯の小屋は、11年前(終点の構図)と雰囲気は全く変わっていません。
朝日グループは、主要な事業地盤もその内容も各社様々なので、この先どういう方向へ行くべきかとは、統一した事は言いにくい。都心に近い路線に関しては東武バスと同様で、大規模なショッピングセンターなどへの買い物客のバスへの誘導策が取られる事が期待されます。
群馬や栃木の路線は自治体運営のバスに移行が進んでいるが、ともかく最低でも現在の乗客は繋ぎとめる事。関越・日光の沿線は比較的観光地に恵まれているので、鉄道会社との連携で観光客を誘致する事も必要でしょう。
グループ会社各社を見て気になっているのは、歴史的な経緯もあって、社名が現状と一致しない会社がいくつかある事。川越観光自動車は一般的な「観光バス」がなくなっているし(貸切車はあるが、契約輸送ではないか)、川越に入っている路線は成田空港への空港バスのみ。経営地盤ではなくなっている。東北急行バスも関西・山陽・北陸へ路線が開設されたので、「東北」の2文字は実態に合わなくなりました。
また国際十王交通は合併から既に12年経つが、未だ「一社二制度」的なものが残っている。特にPASMOは、伊勢崎〔営〕の本庄~伊勢崎路線には導入されていないし、今の所その予定もなさそう。理由が思い浮かばないのだけれど。
カラーリングは少しづつ統一の方向に向かっているようだけれど、もう少し東武鉄道を中心としたグループを支えるバス事業者の一員として、統一感を出しても良いのではないでしょうか。特に各社の社名は、一考の余地があるかも知れません。
さて、次の「奈良交通」が既に書店に並んでいて、さっそくデータの整理に入らなければ。
当ブログでは直接のコメントは受け付けないので、何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
当ブログ上からでは発表できない緊急の事態が発生した時は、本体でお知らせします。
《今日のニュースから》
19日 湖でボート転覆 14歳以下少年少女14人死亡 ロシア北西部カレリア共和国
20日 宮古島市市長 陸上自衛隊配備受け入れを表明
元々2月の時点で「刊行が4月まで遅れる」とは、BJエディターズの公式Webサイトで伝えられていました。それでも4月末には入手していたのだが、他に色々あれこれやっている内に、いつの間にか書店には、次の「S92 奈良交通」が並んでしまいました。
ややタイミングを逸してしまった感もあるが、ともあれデータ分析を中心に記してみます。朝日自動車は11年前のR54でも取り上げられていて、適宜比較も加えます。
まず表紙を見て少々ビックリ、新エルガだ!3月に導入されたとの事。私も5月に実際に見て乗っていて、本体の方で画像を公開しています。菖蒲〔営〕に少なくとも2台、共に久喜駅~菖蒲仲橋系統に入っていました。朝日自動車で大型の乗合の新車が直接導入されるのは、初めてではないでしょうか?意外だったが、新エルガのハンドブックシリーズ初登場は、朝日自動車になりました。
(ただし車両の概要は2月1日現在なので、一覧には含まれていない)
◆朝日グループバスの車両たち
(「朝日バスグループ」とした方が適当ではないかと思われるが)
元々東武バスなどのような「分社」ではなく、別々に活動していた企業が順次グループに合流してきた経緯があり、また事業内容が会社によってかなり異なるので、グループ全体をひっくるめて分析するのはあまり適当でない気がします。なので基本的にはグループ会社個々の分析を中心にして、それがグループ全体の中ではどうなのか、という目線で書いて行きたいと思います。
11年前と比較すると、東武ダイヤルバスが日光交通に合併されて同社ダイヤル営業所となり、国際十王交通は太田・足利両営業所、関越交通は行田営業所を廃止しました。
11年前には「21条バス」(過疎路線維持のため、貸切免許の車両で乗合事業を行うバス)が相当数あったが、現在は全て乗合に一本化されています。日光と関越にあった定期観光車はなくなり、一方で朝日・阪東・茨急・国際十王に特定車が配置されました。
1. 全体の車両数874台(873台としているが、違うのではないか)は、11年前と比較して15台増、ほぼ横ばい。
ただしその中身はかなり変わってきています。乗合車(以降乗合車は、11年前は「21条」を含める)は朝日は49台、川越・阪東・茨急は10台前後の増加、一方で関越・国際は減少しています。朝日は越谷〔営〕の14台増が目を惹きます。
貸切車は全体で145台→68台と半分以下に減少、東北急行は貸切事業がなくなりました。関越も55台→28台と半減しています。
高速車は44台→47台と微増。東北急行の3台減はやや意外。
割合としては、乗合車69.23%→84.54%、高速車5.13%→5.50%、貸切車16.90%→7.79%、特定車2.18%。桐生は全車が乗合(桐生市「おりひめ」のみだが)、朝日・茨急も90%以上が乗合車です。一方で関越は73.03%、国際は76.19%と比較的低い。どちらも割合的には高速車・貸切車が比較的高めです。
2. 乗合車の営業所別の割合を見ます。朝日では越谷が29.79%と朝日全体の1/3近くとなり、菖蒲19.86%、加須14.38%、境12.33%が比較的高率。
関越は渋川が34.62%と1/3以上。前橋より多いのは意外にも感じられるが、前橋市は他社の路線も多いからか。
茨急は松伏〔営〕41.10%、野田〔営〕35.62%、古河〔営〕23.29%。ただし野田と古河はコミュニティバスも含まれているので(野田10台・古河5台)、一般的な乗合車は松伏がこの数字以上に割合が高くなっているはずです。
国際は熊谷〔営〕が81.54%と伊勢崎〔営〕18.46%を圧倒しています。熊谷(旧国際ハイヤー)は東武バスから面的に譲渡されていて、伊勢崎(旧十王自動車)は伊勢崎~本庄の1路線しかないから当然か。
これに川越と阪東を加えると、当たり前ではあるが、東京に近い埼玉県南東部や千葉県に乗合車が集中する傾向があります。
3. 平均車齢は、グループ全体では乗合9.95年、高速11.75年、貸切11.68年、特定13.95年で、昨今の事業者では珍しく高速車の車齢が高くなっています。関越に1997(H9)年式が5台あり、これがグループ全体の平均を押し上げています。
乗合車は朝日9.10年、関越13.85年、川越8.83年、阪東7.47年、茨急9.04年、国際9.35年、日光16.75年、桐生6.33年。やはり都心に近い方が若いです。阪東の乗合車は全て21世紀の車両です。桐生はこの2年で4台導入された事が平均を下げているようです。逆に関越は全営業所が12年以上で、鎌田〔営〕は18.13年と相当高齢化しています。
茨急は松伏〔営〕6.33年に対して古河〔営〕14.65年、国際も熊谷〔営〕8.45年に対して伊勢崎〔営〕14.55年とかなり格差があります。朝日も越谷〔営〕8.11年、杉戸〔営〕8.85年、菖蒲〔営〕8.98年に対して本庄〔営〕13.43年、境〔営〕12.63年とやや差が大きくなっています。越谷は、東京都内の「はるかぜ」がある事もあるでしょう。
最高齢は日光のダイヤル〔営〕にいる貸切車の1992(H4)年式、乗合では茨急の古河〔営〕に在籍の1995(H7)年式(古河市コミュニティ)です。
4. 乗合車のノンステップ率は朝日60.96%、関越29.23%、川越44.44%、阪東98.39%、茨急57.53%、国際52.31%、桐生83.33%。
阪東が飛び抜けていて、非ノンステップの乗合車はもう1台しかありません。2002(H14)年式で最古参に近く、あと1~2年で完全ノンステップ化が達成されるはずです。
朝日も11年前は10%に満たなかったので、大幅に増加しています。他もかなり増加しました。東武グループで主力のいすゞ・日野の新車ラインナップが基本的に全部ノンステップになったので、今後の数年で、各社とも90%の大台には乗るのではないでしょうか。
低公害車は、ハイブリッドは日光3台と関越1台のみ。日光は小田代原のシャトルバス用で、一般的な路線で乗れる車両はほとんどありません。今後は新ブルーリボン・ハイブリッドの導入が期待されます。
CNGは桐生のポンチョ改造車のみとなっているが、川越の桶川市コミュニティ用2067号車(エルガミオ)がCNG改造車なのに、テキストでは言及されていませんでした。
5. メーカー別では全用途トータルで、日野が55.56%と半分以上です。いすゞが35.62%、三菱ふそう4.93%、トヨタ2.75%、日産と日産ディーゼルは1%以下です。
この中で阪東が東武系列としてはかなり異例で、2005(H17)年以降、三菱ふそうの大型ノンステップ車を継続して導入しています。新エアロスターもハンドブックシリーズ初登場。2006(H18)~2010(H22)年は日産ディーゼルの大型ノンステップ車も入れていました。
関越は、自治体運行路線用のトヨタ車が全体の10%を越えました。一方でクセニッツはなくなり、外国車の在籍はありません。
朝日グループ内の移動、東武バス・自治体及び契約輸送元からの移籍を除くと、他社からの移籍は沼田屋タクシー→桐生のブルーリボンⅡ1台のみ。朝日→関越が比較的多く、29台あります。
◆ 朝日グループバスのあゆみ
このグループ9社のうち、平成の世になった1989年時点での乗合事業者は、阪東・茨急と、高速専門の東北急行のみ。
乗合の路線の変遷については、ほとんどが東武鉄道時代のものになっている。「肩代わり方式」というのは東武に限ったものではなく、関東でも京成電鉄が本八幡発着の2路線をグループのタクシー会社に肩代わりさせた例があるが、これだけ広範囲の肩代わりは、他に例がありません。
北関東ではマイカーとの闘いに敗れてしまったエリアが残念ながら少なくなく、路線網的には徐々に東京に近い方にシフトしてきている。茨急が典型でしょう。それにしても北関東はともかく、浅草から30㎞も離れていない越谷あたりでも、東武バスとしてはやっていけなくなっていたのでしょうか。同じ東武線とJR武蔵野線が交差する朝霞市、もっと遠い川越や柏は東武バスとして運行が継続しているのに。
◆ 朝日バスグループの路線エリア
(ここは「朝日バスグループ」になっている)
本当なら、会社別に分けて記してほしいかなあと思う。でないと、それぞれの会社の規模が解らないので。
全体として、網になっていない。落下傘路線が少なくなく、特に川越は範囲的にも広く、桶川にも路線があり、高崎線の北側にも路線が延びているのに営業所が森林公園1ヶ所だけ、運用効率的にどうなのかと思う。無論東京電機大学など各地に中休場所が設けられているのだが。
11年前と比較すると、関越交通の路線が大幅に減少しているように見えます。ただ、無論路線そのものがなくなった所もあるが、特に沼田市や東吾妻町などでは市町営バスに移行、関越交通が受託する形態になっていて、記載がなくなっても路線は維持されている所が大半です。
各社の本社所在地は、11年前は関越・桐生を除いて、東京・押上の旧東武鉄道本社に同居していました。現在は東北急行を除いて各社の事業地盤に移って行ったが、東北急行は「墨田区押上1-1-2」のまま。東北急行の公式Webもそうなっているが、検索してみたら、ここは今はスカイツリータウン・ソラマチの一角になっています。本当なの?
◆ 終点の構図
11年前は関越交通の湯の小屋でした。水上の北の温泉なのだが、過疎路線的な部分が強調されていたようです。
今回は国際十王交通の葛和田。赤岩渡船の埼玉県側の乗場。反対側は、「バスマガジンVol.77」で取り上げられた、つつじ観光の赤岩渡船バス停。熊谷~館林間は秩父鉄道+東武伊勢崎線乗継が一般的だが、バス+渡し船の乗り継ぎで行けるのは面白い。
(ただし国際十王は60分間隔だが、つつじ観光バスは1日4本のみなので注意)
葛和田そのものは、写真を見る限り何もなさそうだが、遠くに筑波山が見えます。広がりを感じる所です。
◆ 江戸川・利根川をさかのぼる!
11年前は故種村直樹氏の「洋紙産業発祥の地から和紙の里まで」の後編で、「R52 東武バス」からの続きとなる、4日間の旅の後半2日。娘さんに読者も交えた賑やかな旅になったようです。当時は川越観光が乗り入れていた終着地の白石車庫は、私も30年前の東武鉄道運行時代に訪れた事があるが(山歩きの帰りで)、既にただの折返所になっていました。
(今はイーグルバスが運行している)
今回の谷口礼子さんの紀行(去年の年末)は、埼玉県の吉川→群馬県の湯の小屋と巡るもので、11年前の東→西から、南→北となりました。途中の東武動物公園→前橋は鉄道利用になったが、遠い遠い昔だったら、東武鉄道のバスだけで通しで行けたのかも知れない。もっとも2日では無理だろうが。
「利根川×醤油」というと中学時代、銚子のヒゲタの工場を見学した事があって、銚子にはヤマサもあるし、本当に縁があるのだなあと、「野田商誘銀行」なんて出来過ぎでしょう。せんべいはおいしそうだな。
「尾瀬カード」はプレミアが支払額の45%にもなっています。首都圏の旧バス共通カードでは、5,000円券でも17%に過ぎなかったのに(850円)。それだけエリアのマイカーの台頭が深刻、もっとバスに乗って下さい、という利用促進策、危機感の表れでありましょう。沼田には利根川を挟んで反対側に名胡桃城というのがあって(みなかみ町)、劇中では真田と北条の領有権争いのエピソードも描かれていたが、関越バス路線はない模様(後閑または上毛高原駅から、徒歩で40分かかるらしい)。
お客さんを乗せたまま回転するターンテーブルは確かに珍しいものの、都内の南善福寺(関東バス)や、道後温泉(伊予鉄道)の例もあって、皆無ではない。終着地の湯の小屋は、11年前(終点の構図)と雰囲気は全く変わっていません。
朝日グループは、主要な事業地盤もその内容も各社様々なので、この先どういう方向へ行くべきかとは、統一した事は言いにくい。都心に近い路線に関しては東武バスと同様で、大規模なショッピングセンターなどへの買い物客のバスへの誘導策が取られる事が期待されます。
群馬や栃木の路線は自治体運営のバスに移行が進んでいるが、ともかく最低でも現在の乗客は繋ぎとめる事。関越・日光の沿線は比較的観光地に恵まれているので、鉄道会社との連携で観光客を誘致する事も必要でしょう。
グループ会社各社を見て気になっているのは、歴史的な経緯もあって、社名が現状と一致しない会社がいくつかある事。川越観光自動車は一般的な「観光バス」がなくなっているし(貸切車はあるが、契約輸送ではないか)、川越に入っている路線は成田空港への空港バスのみ。経営地盤ではなくなっている。東北急行バスも関西・山陽・北陸へ路線が開設されたので、「東北」の2文字は実態に合わなくなりました。
また国際十王交通は合併から既に12年経つが、未だ「一社二制度」的なものが残っている。特にPASMOは、伊勢崎〔営〕の本庄~伊勢崎路線には導入されていないし、今の所その予定もなさそう。理由が思い浮かばないのだけれど。
カラーリングは少しづつ統一の方向に向かっているようだけれど、もう少し東武鉄道を中心としたグループを支えるバス事業者の一員として、統一感を出しても良いのではないでしょうか。特に各社の社名は、一考の余地があるかも知れません。
さて、次の「奈良交通」が既に書店に並んでいて、さっそくデータの整理に入らなければ。
当ブログでは直接のコメントは受け付けないので、何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
当ブログ上からでは発表できない緊急の事態が発生した時は、本体でお知らせします。
《今日のニュースから》
19日 湖でボート転覆 14歳以下少年少女14人死亡 ロシア北西部カレリア共和国
20日 宮古島市市長 陸上自衛隊配備受け入れを表明