№1494 バスラマインターナショナル154(ぽると出版)

 昨日、旅行から帰ってきました。全体的に天候が不順で、あまりいろいろな物を撮影する、という事はほとんどなかったが、それでも南海バスのブルーリボン・ハイブリッドに乗ってきたり、尼崎市営バスの撮影などもしてきました。それについては今月中に書きたいと思います。

「バスラマインターナショナル154」は先月末、いつも通り発売になったが、こちらの都合で大分遅くなってしまって申し訳ありませんでした。

第5世代に進化した、ハイブリッドバス

画像

「バスラマ」誌ではまだ発表・掲載がなかったが、3月1日より南海バスが「堺シャトル」(南海線堺駅東口~高野線堺東駅)間でブルーリボン・ハイブリッド(BRH)を導入したので、今回いい機会だと、乗ってきました。
 乗客としての視点でしか解らないけれど、最後部に座っていると、とにかく静かだというのは体感できました。実は昨日の帰り道、たまたま先代ブルーリボンシティ・ハイブリッド(ACG-HU8JLFP)に乗ったのだが、走行音自体は在来のディーゼルバスとほとんど変わらないと感じました。より新BRHの静粛さが理解できたと思っています。
 ただし、この路線は短区間(所要10分程度)だし、勾配がなく、高速運転する区間もないので、本来の実力が発揮できているかは解りません。信号待ちがかなり多い印象なので、AMTでドライバーのストレスが少しでも解消できるのは良いでしょう。
(このバスは、前輪タイヤハウス上に左右とも座席がないので、ドライバーの運転操作は見られなかった)
今後他の、もう少し長距離で、起伏が大きい等の路線に導入されるようになれば、評価が定まってくるのではないでしょうか。

各地の新車から
 新エルガ/ブルーリボンは既に他誌で取り上げられている所もあるが、初見は広島の2社と、白鳥交通。
 なお、ここではまだ出てこなかったが、京急バスの新エルガを確認しています。
 今後国産の大型一般乗合バスは、エアロスターにワンステップが残るものの、大半がノンステップという事になるので、これまでノンステップをあまり入れてこなかった事業者がどのような選択を撮るのか、注目です。

バス事業者訪問185 名鉄観光バス株式会社
 151号で名鉄バスが取り上げられた時、本来は一緒にやりたかったそうだが、繁忙期もあるだろうが、151号では新高速バスの現況のおさらいがあったので、ページの都合もあったのかも知れない。
 正直貸切専業だとあまり馴染みがないからあまりああだこうだは言えないのだが、ドライバーに関しては、現在は観光バス側のみでプロパーの育成を行っている、という事でしょうか。名鉄観光バスは昔は乗合と同じ名古屋鉄道で、路線バスで経験を積み、それから貸切へ、というルートもあったと思うが(後述する、軽井沢スキーバス事故に関連する提言でも、電鉄系の貸切バスはそうだったと記されている)。
 過去にどんな職歴を辿ってきたとしても、いきなり長距離は任せられないはずだから、近距離・日帰りあたりから経験を積ませて行く事になるだろうが、その辺の、ドライバーになってからの養成システムも記されれば良かったと思います。「老舗はこれだけの事をやるんだよ」みたいな感じで。
 バスと直接関係なくなるが、学習塾の夏季合宿の団体は、「塾」なるものに通った経験がない身にとってはかなりビックリ。K塾の事だと思うが、100台となると、単純計算で5000人!?
 車両関係では、多数のグループ会社が集まったばかりだから仕方ない部分があるが、スタンダードな仕様の車両に関しては、できるだけ早くカラーリングを統一した方が良いと思う。特に旧社名のロゴが残ったままというのは、あまりイメージが良くないのでは?混乱を与えるかも知れないし。
「アーカイブス」では、日本急行バスの高速車を出したのなら、やはり「ベンツ特急」を出さなきゃダメじゃないですか?

軽井沢スキーツアーバス事故
 避けては通れぬ軽井沢スキーツアーバス事故。今後もしばらくは取り上げられていくはずだが、ここでは読者からの投稿2件と、和田由貴夫編集長からの提言を掲載。
 読者からの投稿では、JRバス関東OBという小林氏の冷静な分析が印象的でした。再発防止の提言で、「貸切免許制度」は、星いくつの認定とは別にあっても良いのではないかと思いました。
(「セスナ機の免許でジャンボ機を操縦する」の発言は、バスの世界では少し違う気もするが)
 私なりの意見は№1470でも記したけれど、少し付け加えると、旅行業者と、外部のジャーナリズムの問題も少なくないと思う。和田氏の提言でも、大手旅行業者でさえ、値引きでバス事業者に圧力をケースが相変わらずだという。バスに限らず、旅行業者のやっている事が、もう少し世間の目に触れるようにならないといけないのかも知れない。
 監督官庁の姿勢を問題視するコメントもあるが、これは別の側面があり、バスではないが、タクシー業界で「最高乗務距離規制」の取り消しを求める裁判が某タクシー会社(バスにも参入している)から提起され、最高裁で会社勝訴の判決(国の裁量権の乱用だ、と)が出た、これに限らず規制緩和寄りの判決が相次いでいるため、監督官庁(国土交通省となるが)が規制に及び腰になっているという意見があるようです。タクシーとバスではやや違う気もするが、これが「関越」後の連続勤務上限の規制の強化にきちんと踏み込めなかった遠因となっているとも。本当なら、監督官庁の態度だけ論じるのは、無意味かも知れません。
 世論が事故発生直後の瞬間湯沸かし的な態度だけで終わらせず、一貫した姿勢の確立が必要かと思うが、提言でも触れられているが、「ジャーナリズムのエンタメ化」が深刻(だと思うんですけれど)な昨今ではバスに限らず、あまりにも無責任な報道が多すぎて、一般の人にはどれが正しいのか解らなくなっているのではないでしょうか。どこでも業界の言い分はあまり信用されず、時には相当歪曲されて報道される傾向があるので。
 これ以上は前に何度か書いた事の繰り返しになってしまうが、業界は正ドライバーの質と条件の向上に努める、労働組合も労働者の労働条件の向上に尽力(しつこいけれど、政治的な思惑は入れない事)、監督官庁は新規参入組の審査を厳しく、たとえ「外野」からブーイングを受けようとも、そしてその「外野」(世論・ジャーナリズム)は、漫然と規制歓迎と飛びつくのではなく、そのあり方は正しいのか、裏に何があるのかをきちんと見極める事、これに尽きるのではないかと思います。特にジャーナリズムの責任は重大です。
 今回の事故、無論この号だけで終わりではないでしょう。今後の論調は注目したいと思います。

イル・ド・フランスの期待の星 T-Zen
 フランスのBRTの第2弾。今度は単車。
 車両はBRT専用なのだろうか。一般路線では運用は考えていない型式なのか。車内の様子が見たかった。
 運行便数は、「バスには相応しい利便性」かというと、個人的にはウーン…。特に日曜日30分毎とは、週末は平日より相当少なくなるのが欧州では当たり前としても、専用路まで造った路線としては、やや少ないのではないかと感じました。この程度の輸送量・輸送力だと、確かにLRTでは過剰設備になるだろうが、交通量全体からは、専用道を整備しないと定時性・高速性を発揮できない場所なのだろうか。
 路線図からも伺えるが、BRTにしろLRTにしろ、メトロのような、大量輸送が可能な軌道系交通が高度に発達した大都市においては、外環状線的な路線が最も有効で、これは日本も考えるべき点でしょう。
 それにしてもイル・ド・フランスは…イル・ド・フランスに限らないが、日本のようにゴミゴミしていなくて、環境的に(精神的にも)良い場所だと思います。日本の郊外も、こうなりませんかねえ。

 奈良交通の「日本一の長距離路線バス」、タイトル返上の懸念ありと結ばれているが、この路線に肉薄する系統、他にありますか?北海道か(阿寒バスの釧路~羅臼線が肉薄しているようだ)。時間的にはまだまだタイトルを保持できそうだが。
 ランプバスは日本でも海外でも何度も乗っているが、乗客を乗せたまま旅客機のドアまで押し上げられる車両は、CDGで乗った事がありました。空港内は一般の乗用車はないが、特殊な「事業用車に、まして航空機もあるので、公道とはまた違った技術が必要なのは間違いないです。客として乗っていると、そういうのはみじんも感じないが(当たり前だけれど)。

 次号の事業者訪問は熊本都市バスと新京成バス。どちらもちょっと期待。それと速報程度になると思うが、「バスタ新宿」オープンの話題もあるでしょう。今回乗ってきた、南海のBRHの現場での評価も、興味が持たれます。

 当ブログでは直接のコメントは受け付けないので、何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
 当ブログ上からでは発表できない緊急の事態が発生した時は、本体でお知らせします。


********************

《今日見た・聞いた・思った事》
 東日本大震災から、5年になりました。
 直接の被害も受けず、肉親や知人も失った事もなく、住み慣れた我が家から追い出されなければならなくなった訳でもない私には、震災自体や、それが引き起こした災厄についてあれこれ語る資格はないでしょう。私としては、改めて亡くなられた大勢の方々の冥福を、静かに祈るのみです。
 5年経つと、そろそろ「風化」という言葉が聞こえてきます。でも、万単位の犠牲者が出て、復興が未だ進まず、ましてあと何十年もかかる後始末が残っているのに、「風化」ってあり得るの?少なくともあの日、直接の現場に居合わせなくても、震災について見聞きした人々があの大災害を忘れる事など、決してありえない事ではありませんか?
 それより5年となると、それ以降に産まれた子供たちが、物心つく時期になろうかと思います。震災を知らない世代にどう伝えていくのか、それが大事な事なのでしょう。

《今日のニュースから》
 6日 米レーガン元大統領 ナンシー夫人死去 
 7日 「津軽海峡マグロ女子会」 青森港で「津軽海峡冬景色」熱唱
 8日 「地球温暖化対策推進法」 改正案閣議決定
 9日 「タレント女医」 診療報酬詐欺の疑いで逮捕
10日 世界最大の豪華客船 仏「ハーモニー・オブ・ザ・シーズ」試験航海
11日 「二二三号機関車」 国の重要文化財に指定