足かけ2ヶ月かかってしまった2003(H15)年5月のデンマーク旅行、今回は後半にノルウェーも加えた実質2部構成になったが、最終回はデンマークの鉄道の印象、デンマークそのもののパーソナルデータを記して、完結とします。
デンマークの基幹鉄道事業者、デンマーク国鉄(DSB=Danske Statsbaner)のシンボルマーク。
今回、この場でご覧頂く車両はこの1枚だけになりました。旧型プッシュプルトレイン近郊列車の先頭車。日本の485系のような高運転台タイプだが、貫通型ではありません。
ここではコペンハーゲン中央駅と、オーフス駅の写真をご覧頂きます。
コペンハーゲン中央駅は、スルー形態の線路・ホームの上に大きな駅舎が建つスタイル。
駅舎の案内図。ホームは6面もあります。
出入り口に近いあたり。
近距離路線用の券売機。
駅舎内の、ドーム状のコンコース。多数のエキナカが並んで賑やかです。
コンコースの飲食店。
両替商。
乗車券販売カウンター。番号札方式を採っています。
駅を発着する列車の、出発到着案内モニター。上段のTok ankomstが出発、下段のTok afgangが到着。
ホームにも飲食店があります。
ホーム毎のモニター。
ホームは、西側は露天になっています。跨線橋からも直接ホームへ出入りできます。
もう一か所、ユトランド半島のオーフス駅。
コンコース。シャンデリアが印象的。
乗車券販売カウンター。ここも番号札方式です。北欧の大きな駅はどこでもそうです。
ホーム。
最後に、今回の旅で使用した、スカンレイルパス。2ヶ月の間の10日間利用できるフレキシータイプ。日本で購入、302USDは、当時のレートで約35,600円。1年前と比較して、円高もあってやや安くなっていました。
以上、デンマーク(+ノルウェー)の鉄道の旅について書いてきました。
それ以前に周った分もひっくるめて、デンマークの鉄道について気付いた事、感じた事を簡単に記してみます。
1.列車の種別は、インターシティ・リュントーク(IC Lyn=快速特急?)、インターシティ(IC=特急格)とレギオナル(Re=普通)が主で、一部の区間・曜日にインターレギオ(IR=急行格)が設定されている。 コペンハーゲン近郊には近郊列車Sトーク(S Tog)が設定されている。
2.基本的にはパターンダイヤになっていて、発車時分が揃えられて解りやすい。ユトランド半島ではReの設定がなく、IC編成がローカル輸送も担っている。
3.土曜・休日は本数が大幅に減り、私鉄や民営委託路線では平日の1/2~1/3程度になる。平日も18時台以降は設定本数が減る傾向にある。
4.海底トンネルやオアスン海峡新線の開通で電化率は上がったが、他国に比べると低め、車両の中心はDCになり、小単位編成のユニットを適宜増結して運用する。電化区間ではECも使われ、ICではDCとの協調運転も行われる。欧州では珍しく動力分散方式の車両が中心になり、客車はコペンハーゲン近郊のReで見られるのみ。自転車の積み込みが多く、車椅子・乳母車の置き場を兼ねたスペースがほとんどの編成で確保されている。
5.目だった山が皆無の国土のため、急勾配や山岳トンネルはない。線形が良好で、主要な幹線ではDCでも180㎞/h運転が行われる。
6.駅の数は、本線は少なく、支線は割と多い。小駅では駅舎がないか、他の用途(個人の民家や事務所)などに転用されているケースが目立つ。地域毎にゾーン制運賃が採用され、どの駅にもたいてい、自動券売機が設けられている。ホームと同一平面でバス乗場が整備されている駅が多い。
7.運転部門の合理化が進んでいるようで、ローカル列車はほとんどがワンマン運転、駅も列車の発着時に運転の職員が出てくる、という事がない。
8.オアスン海峡新線の開通により、スウェーデン南西部と直通のフリークエントサービスが始まっている。本格的な国際列車はドイツ行が設定されている。。
9.私鉄がフュン島以外の各地で運行されている。また、DSBの一部路線が第3セクターに移管されている。車両の基本的な設計はDSBと同じ。コペンハーゲンでは地下鉄「メトロ」が開通した。」
10.首都コペンハーゲンから主要都市までの運賃(2等車)
カストラップ空港 11㎞ 22.5DDK(≒410円)
ヘルシンオア 46㎞ 52.5DDK(970≒円)
オデンセ 160㎞ 197DDK(≒3,640円)
オーフス 329㎞ 273DDK(≒5,050円)
オールボー 469㎞ 304DKK(≒5,620円)
フレデリクスハウン 554㎞ 315DKK(≒5,830円)
※1DKK≒18.5円で計算
最後に、デンマークそのもののパーソナルデータを記しておきます。。
(帰国日の2003(H15)年5月20日現在)
正式国名 デンマーク王国 Kingdom of Denmark
面積 約43,090平方㎞ (本土のみ、フェロー諸島とグリーンランドは含まない 九州とほぼ同じ)
人口 約535万人
政治体制 立憲君主制 議員内閣制
国家元首 マルグレーテ2世女王
政治指導者 アナス・フォー・ラスムセン首相(ヴェンスタ)
※後のNATO事務総長 現在はラース・ロッケ・ラスムセン首相(保守党)
首都 コペンハーゲン(人口約50万人 2002年推定)
国連 加盟(1945(S20)年) 創設メンバー
EU(EC) 加盟(1973(S48)年)
NATO 加盟(1949(S24)年)
ユーロ 未導入 (通貨=デンマーク・クローネ(DDK) 1NOK≒18.5円)
言語 デンマーク語・英語
主な観光地 コペンハーゲン市内・リーベ・オデンセなど
日本からのアクセス コペンハーゲン・カストラップ空港へ、成田空港からSKが1日1便。
今回は比較的小国だったため、かなりあちらこちらへ行きつ戻りつの旅になり、無理に夜行を組み込んだりしたので、やや慌ただしくなった感もありました。また後半はノルウェーの旅も数日組み込んだため、少しばかし印象がぼけた感もあったかも知れません。
ただ、ノルウェーを組み込んだ事で、逆にデンマークの国土が他の北欧諸国とはかなり違う事も実感できました。ダイナミックな車窓はないけれど、とことん美しい田園風景を楽しむには良いのではないでしょうか。鉄道も一部ローカル線を除けば本数も少なくはなく、安心して利用できると思います。
それにしても欧州全体に暗い影を落とす難民問題はデンマークも例外ではなく、「クロニクル」中断中の1月後半には難民から財産を没収できる法案が可決されたりして、雲行きが怪しくなってきているようです。右翼の台頭も見過ごせなくなってきました。国がどういう方向に行くのかは彼の地の人々が決める事ではあるけれど、どうかこの先何も事が起こらず、穏やかに旅を楽しめる国であって欲しいと、強く願います。
つぎの「クロニクル」は2003(H15)年11月のハンガリー。ユーレイルパス通用17ヶ国中唯一の旧共産圏です。ただ公開は早くても4月、下手すると夏になるかも知れません。
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《今日見た・聞いた・思った事》
日米航空交渉が合意しました。
日米間の航空路線は過去にも以遠権(相手国から第三国へ運航する権利)とか、オープンスカイとかでもめにもめた歴史がありました。それだけこの路線が、航空会社にとってはオイシイものだという事も言えるのだが。
今回は羽田の日中枠(6~23時)の発着枠を巡るもので、日米双方とも日中枠5便・早朝深夜枠1便を配分するというものです。合計で12便となり、トータルでは2便増です。
特に東海岸路線の充実が期待されているようです。№1443でも書いたが、特に日本→東海岸路線は時差と所要時間の関係で日本発・米着の時刻がほぼ同じになり、深夜早朝枠ではどちらかの時刻が悪くなってしまうのです。一度深夜早朝枠でAAのニューヨーク線が就航しながら短期間で終わってしまったのも、羽田発が6時台だったため、国内の集客がうまくいかなかったのが要因と思われます。
今後は秋頃とされる就航に向けて、それぞれの国内で配分・路線決定など様々動きが起こる事になります。日本側は、既に成田発着でダブルデイリーになっているANA・JALのNY線、ANAのシカゴ線の内1便ずつが羽田シフトとなると思われます。特にANAのNY発103便、シカゴ発113便は最近増便されたものだが、どちらも成田着が20時過ぎと北米路線にしてはかなり遅く、最初から羽田シフトを目論んだダイヤではないかと思われるのです。残りの3便はどうなるかはちょっと想像がつかないです。深夜枠の扱いもあるし。
米側は単純に考えたらUA・AA・DLに2便ずつ配分かと思われるが、日中枠5便は、ひょっとしたら日本側にパートナーがいないDLに優先的に配分されるのではないか?DLは早朝深夜枠でLA路線があるが、これを昼間にシフトした上で、さらに2便位どこかへ就航させる事になるのではないか。後はUAとAAが昼間は1便ずつとなるのか。AAはNY路線の再開が予想されます。
以上は全て私の勝手な予想なので、違った結果になったらゴメンナサイ。いずれにしろ、今後の関係各社の動きには要注目です。
《今日のニュースから》
17日 天体観測衛星「アストロH」打ち上げ成功 「ひとみ」と命名
18日 石岡駅構内で旧日本軍砲弾発見 JR常磐線一時運転見合わせ
常磐線については駅のモニターで見たが、あれ、今日不発弾処理の予定ってあったっけ?と思いました。普通なら休日の午前中位に行うものだし、鉄道が止まるなら、事前に大掛かりな予告があるはずなので(特に常磐線は全車指定席の特急が頻発しているのだから)。