№1434 京王れーるランド

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 京王多摩線多摩動物公園駅に隣接する「京王れーるランド」は、元々2000(H12)年にオープン、屋内に鉄道模型やプラレールランド、展示にシミュレーター、グッズ販売コーナーがあり、屋外に2410号車を静態保存して、車内の公開も行ってきました。
 100周年事業の一環として、2013(H25)年に大幅に拡張・リニューアルを実施、展示車両も増強され、より楽しめるスペースとして生まれ変わりました。翌年にはさらに2Fの拡大などのリニューアルが行われています。
 いつかは行きたいと思いつつ、先月ようやく訪問する機会を作れたので、ここで取り上げたいと思います。

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 屋内棟の壁に掲げられた京王電車のキャラクター、「けい太くん」と「いのかしら7きょうだい」。多摩動物公園駅のホームから見る事が出来ます。
 入館料250円(3歳以上)。

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 まず驚きました。このベビーカーの数!

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 自動改札。上方には、多摩動物公園駅からの電車の時刻が表示されています。

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 ミュージアムショップ。

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 屋内棟の1F。訪れたのは月曜日だったのだが、思いの外小学生が多い。運動会とかの代休?

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 改札を入ってすぐ右手にある、運転シミュレーター。左から1000系9000系8000系。今の京王は全てワンハンドル車。だけどかなり違うものだなあ(特に1000系)。

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 うれしいのは、バスの展示もある事。D79784号車。日産ディーゼルKC-RN210CSN。つい最近まで現役で、PASMO/Suicaのステッカーもそのままです。

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 その車内は、ほぼ現役当時のまま。

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 窓の上には、昔の京王バスの写真が並べられています。これは、中央高速バスの続行を想定したワンロマ車。

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 バス関係の展示。バスに関しては、そんなに古いものはありませんでした。

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 一番の人気、運転体験コーナー。有料(300円)で、時間を指定したチケットを購入します。いつも長蛇の列。

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 このコーナーは、京王線で現役だった6000系の運転室をそのまま再用しています。後ろから覗く事も可。

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 モニター。150インチ。

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 ここには運転士だけでなく、車掌の体験ができるコーナーまであります。

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 こちらも京王線で現役の6772号車の車体の一部を利用しています。6772号車はラッシュ対策として製造された5ドア車のグループで、後に動物園線ワンマン運転用に転用、動物のラッピングを施して、2011(H23)年3月まで運用されていました。

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 この手の施設ではお約束の、模型運転コーナー。1回5分100円。

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「電車の仕組み」のコーナーには、菱形パンタグラフも展示されています。
(現在の京王の現役車両は全てシングルアーム)

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 クイズもあります。正解、解りますか?

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 2Fへ上がる階段の踊り場には、京王電車の模型の展示があります。
(別にエレベーターもあります)

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 2Fのプラレールコーナー。以前もあったものが、大幅に拡充されました。
 私も子供の頃にはプラレールで遊んだものだけれど、壁面に並んだ車両を見ると、ずいぶんと「マニアック」なラインナップになっているよなあとか感じました。

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 アスれーるチック。「子供たちが『電車目線』で動き回れる」、鉄道系博物館史上初の施設、だそうです。

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 鉄道関係の展示は古いもの、サボやヘッドマーク、方向幕などが並んでいます。

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 その左には、この100年の間の京王の歴史が記されています。

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 休憩コーナー。軽食や飲料の自動販売機があります。

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 屋外テラス。屋外棟の車両を見る事も出来ます。

 次に屋外棟へ移動します。入場口は別だが、チケットは共通です。

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 屋外棟には、静態保存車両が5両並んでいます。まず、「れーるランド」より以前、かなり昔から展示されていた、デハ2410。戦前製の14m車で、戦後の昇圧の後も京王線に残り、1969(S44)年まで運用されていました。

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「京王帝都電鉄」の社章。「京」の文字を図案化したもの、との事。

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 車内は公開されているが、老朽化が著しくなっているとかで、範囲が制限されています。なので運転台には近づけません。床が木製で、ニスがいい香り。またこういう電車に、どこかで乗りたいものだなあ。

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 デハ2015。2010系は京王線初の高性能車2000系の出力増強型。1984(S59)年のさよなら運転を持って引退、一部は伊予鉄道(さらに一部が銚子電気鉄道)に譲渡されたが、この車両は若葉台基地で保管、その後研修センターに移動した後、れーるランドリニューアルに合わせて一般公開となりました。

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 その車内。初期の高性能車らしくシンプル。

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 運転台。非貫通なので広々。

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 現在のCIシンボルマークが採用される前の京王の電車には「K.T.R」(Keio Teito Railway)と記されていました。

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 いうまでもなき、京王線の名車5000系。デハ5723は1996(H8)年12月のさよなら運転に使用されたうちの1両で、その後は研修センターで保管されていました。

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 その車内。

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 その運転台。

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 こちらも井の頭線の名車、3000系。クハ3719は1000系投入後も車両更新工事を行って引き続き運用されていました。更新時に正面がパノラミックウインドウ化。2009(H21)年まで使用され、その後は富士見ヶ丘や京王重機の工場で保管されていました。

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 デハ6438号。6000系は京王初の20m4ドア車で、輸送力増強に大きく貢献しました。30番台は都営新宿線直通対応となりました。6438号は当初は地上線増結用の6420号として製造、後に地下鉄直通用の増結用に転用されて改番され、2009(H21)年6月まで運用されました。末期の赤+青帯の新カラーをまとっています。

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 クハ6438の正面に描かれた、現在の京王のシンボルマーク。1989(H元)年に制定、京王の電車・バスに描きこまれ、バスは新塗装化されて行く事になります。
 クハ3719とクハ6438の車内は公開されていません。資材置き場として使用されているようです。

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 これらの保存車両群を一周するように、子供向けのミニ電車が走っています。先頭の動力車は9000系を模しています。1回100円。
 通路との交差部は、本格的な?踏切になっています。

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 最後に、多摩モノレールの多摩動物公園駅ホームから見た、れーるランドと多摩動物公園駅の全景。

 こうして歩いてみると、もちろん歴史的に貴重な展示もあるのだが、それよりも、思っていた以上にファミリー向けの体験型プレイランドになっていると感じました。入口のベビーカーの多さが、それを物語っているようです。
 保存車両は、特に5000系以降の3両は、例えば5000系は「K.T.R」に戻して「ひげ」も復活させてほしいとか、3000系は更新前の前面を復元して欲しい、6000系も旧塗装に戻して欲しいとか、勝手な感想もあります。しかし、ここは本格的な博物館ではなく、繰り返しになるがファミリーが気軽に遊びに来て楽しんで行く事を目的とした施設であるから、ともかく本物の、昔から最近までの代表的な車両が並んで、気軽に触れる事ができるんだ、という所に価値を見出すべきでしょう。他社だとそれもままならない所が大半だから。
(デハ2410は、可能なら補修をやって欲しいとは思う)
 バスの展示もうれしく、是非同業他社も、この位でいいから、常設の鉄道・バスの展示施設のオープンを大いに期待したいと思いました。

 最後に、クイズコーナーの正解は、③110㎞/hでした。
(井の頭線は①の90㎞/h)

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 エジプトのロシア機墜落事故は、テロの可能性が強まったようです。私は違うと思ったのだが。もし内部からの爆弾爆発などが原因としたら、空港の検査体制も大問題という事になり、この事で欧州やロシアとエジプトを結ぶ路線はかなり混乱しているようです。帰国しようとする乗客も途方に暮れている様子。こんな目には遭いたくないなあ。
 一昨日書くべきだったが、東武鉄道は東上線上り「TJライナー」と、アーバンパークライン(野田線)急行の運転を来年春(JRの改正と同時だと思う)に行うと発表しました。上り「TJライナー」は、ラッシュのピークを外した森林公園→池袋の2本で、川越市は停車しません。12月7日スタートの京急「モーニングウィング」もそうだが、今後は朝方上りの座席定員制列車の運転の可能性を探る動きが、各社で広まるだろうと考えられます。さすがに関東では、ピーク時の設定はまだ無理だが。
(地下鉄直通列車の急行運転については、今回は発表がなかった)

《今日のニュースから》
 6日 「ニューハーフ」世界大会 タイで開催 日本人特別賞受賞
 7日 浅田真央 フィギュアグランプリシリーズ中国大会で優勝