№1389 JTB時刻表2015年8月号(JTBパブリッシング)

「JTB時刻表2015年8月号」、今月は20日(月)が祝日になったためか、18日(土)とやや早めの発売になりました。
 キハ52首都圏色+キハ28、これだけなら30~40年位前の国鉄ローカル線そのものにしか見えない、いすみ鉄道(国吉~上総中川)が表紙。

◆ この夏、会いたい!あの町の“顔”
 ここでいう「地域鉄道」の定義は特別付録に記されているが、「新幹線、在来幹線、都市鉄道に該当する路線以外の鉄道路線を指し、国土交通省が「地域鉄道事業者」としている91社(2014年4月1日現在)+「IRいしかわ・あいの風とやま・えちごトキめき・四日市あすなろう」としています。
(北近畿タンゴ鉄道は京都丹後鉄道に運営を移管)
  
夏の代名詞・トロッコ列車
「トロッコ」とは、そもそも貨物鉄道や専用鉄道などで使われていた小型の無蓋貨車の愛称的呼称で(芥川龍之介の小説で有名)、旅客用としては黒部峡谷鉄道がほぼ元祖。のちに国鉄・JRも含めて、無蓋貨車に屋根を付けて走らせたのが「トロッコ列車」の本来の意味、なのだと思っています。だから本当は、DCの改造車両は「トロッコ列車」と呼ぶには?なのだが、ここまで定着しては変えようがないか。
 津軽鉄道の「ストーブ列車」は重大な勘違いをしてしまったのだが、夏でも涼しいからストーブを炊くのではなく、暑いのにわざわざストーブを炊くというもの。昔のバラエティ番組であった「がまん大会」的な発想の列車という事でしょうか。
 えちごトキめきの頸城トンネル(11,353m)はそうか、JRから転換された結果、山岳トンネルとしてはJR以外で最長に躍り出た、という事か。これまでの最長は北越急行の赤倉トンネル(10,471m)でした(このトンネルにも途中に美佐島駅がある)。

この夏は 譲渡車両を楽しもう!
 熊本電気鉄道5100形(本文のキャプチャは5000形)については当ブログでも№167で取り上げました。あの後も5年以上頑張って走ってくれたが、ついに完全引退がカウントダウンです。
「東横のれん街」は、今はマークシティの地下1階だけれど、以前は旧東横線渋谷駅の1Fにありました。前にも書いたが、渋谷駅東口はすぐ下を渋谷川が暗渠として流れているので、東急百貨店東館には「デパ地下」を作れませんでした。そんな名残がまだ残っているのか。

「のりもの情報局」は、「つくばエクスプレス『10周年記念スタンプラリー』」「北陸鉄道『浅野川線90周年・石川線10周年記念』」「津軽鉄道『真夏のストーブ列車』」「長崎電気軌道『開通100周年記念花電車』」「三岐鉄道『777乗車券・イベントTシャツ』」「横浜市交通局『快速運転』」「鉄道・運輸機構『鉄道のある風景 写真コンテスト』」。
 開業から節目の年を迎える鉄道が多くなっています。

◆ 黄色のページ
 先月号と同様、JR各社毎の長時間運転列車のTOP3を並べています。グラビアで特集をやったり、特別付録をつけたりするくらいだから、その地域鉄道の時刻表を、1社2社でも掲げてくれれば良かったのに。

「おわら風の盆」臨時ダイヤ(9月1~3日)が発表になりました。全体的には(〔ひだ〕を含め)昨シーズンとほぼ同じ。転換後のあいの風とやま鉄道・IRいしかわ鉄道は、多少の変動はあるものの、JR北陸本線時代と内容は同じ。
 北陸新幹線も、特に臨時列車はありませんでした。
 熊野大花火大会(8月17日)は昨年と比較し、行きは特急〔南紀91号〕と快速(多気→尾鷲)が増発、帰りは快速(熊野市→津及び熊野市→新宮)と普通(熊野市→多気)各1本が削減。JR西日本区間の紀伊勝浦~新宮間1往復と新宮→串本間1本が新設定。
 鳥取しゃんしゃん祭(8月15日)が新設定。鳥取→倉吉間普通と、鳥取→浜坂間快速各1本を運転。
 筑後川花火大会(8月5日)は、〔有明〕2往復が削減されて、行きは設定がなくなりました。帰りの〔有明82号〕は門司港まで運行。帰りの普通の一部が快速に変更。

 夏祭り・花火大会以外では、JR九州の「稲佐山公園野外ステージコンサート」(福山雅冶のライブ。8月29・30日)の臨時列車を掲載。〔かもめ〕を博多~長崎間で2往復運転。帰りの2本は日付をまたぎ、98号の博多着は1時35分。普通列車では大村線の竹松始発佐世保行9240Dが一瞬?と思ったが、定期の長崎→竹松間252Dから接続。JR九州はこの数年、ライブの輸送に積極的になっています。

  会社線では、東急トランセ・富士急(「コールセンター」が記されているが、実際の運行は富士急湘南バス)の港北ニュータウン~河口湖線の、富士山五合目延長ダイヤが記載されました。この他富士山五合目・上高地関連の高速バスに、小田急ロマンスカー〔湘南マリン号〕など。 
 
◆ 本文
 名古屋駅の信号工事のため、9月20日出発の〔サンライズ〕は時刻変更。下りは沼津・富士・静岡・浜松の発車が1~4分繰り上げ。上りは静岡着が5分繰り下げ。

 鈴鹿のF1日本グランプリが、今年は昨年より1週間早まって9月25~27日に開催。鈴鹿サーキット稲生臨時停車の時刻が今月号で発表になりました。
 特急〔鈴鹿グランプリ〕は、今シーズンは本文で時刻が発表になっているが、帰りの名古屋行は1本減、6号が取り止め。
(1号以外は臨時〔南紀〕と同じダイヤ)  

 高速バスは、大阪バスの大阪(布施・大阪駅)~福知山線が7月18日開業。平日2往復(特定日除く)、土休日は3往復(1往復はUSJ経由)。
 北陸関連は、金沢~高岡線・富山線が7月16日に改正済み。高岡線は高岡発1便増。富山線は夜の平日のみ運転便が1往復削減。
 会社線は、前述の通り横浜市営地下鉄ブルーラインで快速運転がスタート。あざみ野~湘南台間は所要1時間01分で、普通と比べて8分短縮。
(ただし、日中のみ30分間隔はやや中途半端。第3軌条式地下鉄の快速運転は初)
 京成は、例年通りアクセス特急を増発。下り京成上野5時18分→6時14分成田空港、成田空港23時08分→23時50分京成高砂。上りは上野まで走れないですかね?
 空港バスは、成田空港~相模大野・町田線と成田空港~本厚木線が8月1日より減便になります。ここへ来て、成田空港~神奈川の各路線は、休止や減便が目立ちます。国際線航空の羽田シフトが進んでいるためか。
(成田空港第3ターミナル19時45分発は、相模大野・町田経由本厚木行で運行)
 7月17日より、西鉄高速バスの福岡天神~北九州空港線が開業。SFJの北九州着深夜、北九州発早朝便に対応していて、北九州空港発23時00分・0時00分・0時55分、天神発3時20分。

 箱根・大涌谷の規制強化の影響が拡大し、ロープウェイ(全線運休・代行バス運行)に加え、伊豆箱根バスの小田原~箱根園路線は、一部便の大涌谷経由が取り止め。
 定期観光バスも箱根登山バス「まるごと箱根号」(ロープウェイ利用→ガラスの森美術館に変更)に加え、伊豆箱根バスの「Aコース十国号」も、内容の変更のみ予告されました。
(現在は十国峠の前に来宮神社を訪問)
 御嶽ロープウェイと木曽福島からのアクセスのバスは、6月6日より通常運行中です。

 国際線航空は、ピーチが羽田空港に就航。8月8日より、羽田~台北(桃園)間を週6便(火曜休み)。深夜早朝枠利用で、羽田着4時45分→5時55分発。台湾の方々の要望が多かったらしいが、日本人には到着はともかく、出発はやや辛い時間だと思う。
 北京首都航空が今月より日本に就航、8月号から時刻が掲載になっています。ただし、静岡・那覇にも就航しているのに、8月号は関空路線のみ。キャリア自体聞きなれないが、新規定期就航路線は関空(火・金)・静岡(木・日)・那覇(水・土)~杭州間で、「北京」と言いながら、北京路線ではありません。英語名も「Capital Airline」で「Beijing」とは記されていない。2レター「JD」は、以前日本エアシステムが使用していました。
 静岡は6月以降中国キャリアによる中国路線が急増していて、8月1日時点でJD以外は、南京週2便(MU)・南寧週2便(CZ)・寧波週4便(MU)・上海週12便(MU)・天津週7便(GS)・温州週2便(MU)・武漢週10便(MU・CZ MUは上海経由)・西安週2便(GS)・鄭州週2便(CZ)、合計週36便に上っています。やはり富士山?
(JDも以前から、インバウンドオンリーのチャーター便を就航させていたらしい)

 特別付録「全国地域鉄道図鑑」
 前述の通りの基準で95社が掲載されているが、神戸電鉄の収録は正直驚きました。国土交通省の基準では、「地域鉄道事業者」なのか。
 いろいろなデータがあるが、アンケートが基になっているので、特に「譲渡元車両会社」について、若干混乱があるようにも見えました。銚子電鉄は「東京メトロ 伊予鉄道 京王電鉄」とあるが、2000系は全て京王→伊予経由の入線で、直接京王から来た車両はない。一方で大井川鐵道に「東急電鉄」とあるが、十和田観光電鉄を経由して入線、東急から直接の入線ではない。真岡鐵道は「なし」となっているが、SL列車の50系客車はJR東日本からの譲渡です。
 近江鉄道は国鉄と伊那電気(飯田線の前身の1社)からの譲渡車がある事になっているが、どちらもEL。旅客車両は全て元西武になりました。
 近江鉄道も含め、「自社製造車両数なし」の鉄道が多くなりました。自社製造車両オンリーなのは、第3セクター鉄道を除くと、小湊、江ノ電、箱根登山、黒部峡谷、富山ライト、万葉線、静鉄、遠州、京福、叡山、阪堺、神鉄、島原のみ。大半は規格上、他社からの転用が効かない鉄道です。静岡県の2社が元気なのは頼もしい(静鉄は来年から新車導入)。

「乗降人員ベスト3」に注目してみました。自社の駅員がいる駅のみを対象としているのか、本来ならここだろ?と思われる駅(特にJR接続駅)がなかったりします。鹿島臨海鉄道は間違いなく水戸が1位のはずだが、JR東日本への委託駅だからか除外され、大洗が1位になっていました。銚子電鉄も、銚子が1位と思われるのに、犬吠が1位とされていました。伊豆急行も、伊東はベスト3に入っていない。若桜鉄道も、郡家が1位だと思うのだが。
 弘南鉄道は、ベスト3が皆弘南線で、大鰐線は中央弘前さえ入っていない。
 IGRは比較的長距離になるのに、2・3位も盛岡近郊で、盛岡起点で短区間に利用が集中している事になります。こういうのは、経営上苦しいかも(青い森直通は、あまり多くはないだろう)。
 由利高原鉄道は、矢島が羽後本荘を抑えてトップなのが意外。旧矢島町域の利用が多いという事か。山形鉄道も、赤湯がベスト3に入っていない。
 関東鉄道は、守谷がトップに躍り出ました。のと鉄道は、穴水がベスト3に入ってくれたらバランスが良くなるのだが。
 福井鉄道は、本当は福井駅前や市役所前が1・2位ではないかと思われるのだが、どちらも路面電車スタイルの電停なので、きちんとした数値が出ないのかも知れない。
 天竜浜名湖鉄道は、西鹿島がもっと上位なのでは?と思うのだが、遠州鉄道管理駅だからかも知れない。しかしその遠州鉄道も、西鹿島は上位に入っていない。
 甘木鉄道は、小郡トップは変わりないか。最近はJRも快速の増発で追い上げているのだが。筑豊電鉄は直方とか、せめて香月や中間の利用が増えないと苦しいかも。
 盲腸線的な路線で、終着やその近辺が上位に入っていると、基本的には長距離乗ってくれるお客さんが多いと思われるから、鉄道会社にとっては良い事でしょう(伊豆箱根の大雄山線など)。ただ、大井川鐵道の場合は、かなりの割合がSL列車利用と思われるので、中間の乗降が少ないという事は、地域の利用が細っている事を意味していて、普通電車の大幅削減も、ある程度は止む無し、なのか。

「地域鉄道なんでもランキングべスト5」で、「総営業距離が長いベスト5」は皆国鉄・JRから転換の第3セクター鉄道。1・2・5位は、整備新幹線の並行在来線。
「短いベスト5」は、本当はここでは対象外の芝山鉄道が最短(2.2㎞)なのだが。「駅数の少ないベスト5」で1位の阿佐海岸鉄道は、距離は8.5㎞と意外に長い。
「駅数の多いベスト5」は、松浦鉄道以外は皆路面電車がある所。
 最後に「全国地域鉄道索引地図」があります。今の所私が見聞きする限りでは、明日明後日廃線の危機が迫る鉄道はなさそうだが(むしろJR北海道が大変)、昨年のとさでん交通に、今年の京都丹後・四日市あすなろうのように、経営の枠組みが昔の感覚では語れなくなってきています。
(ここでは対象外だが、湘南モノレールも、三菱からみちのりホールディングスの傘下になりました。福島交通と同じ)
 データも良いが、フリー乗車券の類がある鉄道だったら、一つ二つくらい紹介があっても良かった。特に地方鉄道は、少し乗ったり降りたりするだけで、すごくお金がかかるので。

 裏表紙は「たま駅長」でした。合掌。

 次号9月号の発売は8月25日。 従って〔北斗星〕の掲載は、今8月号が最後です。
 去年の9月号は、富岡製糸場の世界遺産登録関連がグラビア特集でした。となると今年の9月号は、「明治日本の産業革命遺産」関連がグラビアで取り上げられるのだろうか?予告がないのだけれど。

 当ブログでは直接のコメントは受け付けないので、何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
 当ブログ上からでは発表できない緊急の事態が発生した時は、本体でお知らせします。

 調布の墜落事故は帰宅してから知りました。亡くなられた方々のご冥福をお祈りします。報道を聞いた感触では、離陸直後の機体に何か問題があったと思われるが、それが機体そのものの事なのか、操縦の結果そうなったのかは、今の所は何とも解りません。生存者の証言がどこまで得られるか。

《今日のニュースから》
25日 大相撲 新十両御嶽海優勝 史上最速タイデビュー3場所目
26日 福島・聖光学院 戦後最長の9年連続甲子園出場決定

 大相撲は5~6年前の八百長スキャンダルなどで2011(H23)年春場所が中止になるなどどん底にあったが、最近は人気が復活してきて、特に女子の注目が高いんだって。こうなると、次の日本人のスター力士の早期の輩出が望まれると思います。少子化で力士を探す事自体大変になりつつあるが。