№1388 駅の時刻表から見る 私鉄ダイヤの変遷 11.京成本線 公津の杜駅

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 京成電鉄・本線に位置する公津の杜駅は、成田市西部に開発されたニュータウン「公津の杜」の玄関口として開業した、本線では最も新しい駅です。
 この付近は開発前は山の中、京成線は急カーブの連続で走っていたが、開発に合わせて山間部をトンネルで抜ける新ルートを建設、その中間に駅を新設したものです。
 1日の平均乗降客10,134人(2014年度)は京成全体で38位。都心だけでなく、成田空港への通勤客もそれなりに多いようです。
 開業から早くも21年経ちました。駅の時刻表は、どのような変遷をたどってきたのでしょうか。

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1994(H6)年4月1日 (開業)
 開業時の時刻表です。
 この改正から、土曜日は休日と統一した時刻で運行される事になりました。
 当時の京成は<スカイライナー><モーニング・イブニングライナー>特急通勤特急急行普通が運行されていたが、公津の杜停車は急行普通のみ。日中は都営浅草線直通の急行が停車し、成田側は東成田行と成田折返しが交互に走っていました。
(この時点の通勤特急は現在とは異なり、ラッシュ時の浅草線直通を通勤特急として特急と区別する程度だった)
 ラッシュ時の急行は佐倉で通勤特急と連絡していたが、日中は八千代台で特急に連絡か、船橋競馬場で特急の通過待ちか、でした。

 1995(H7)年4月1日は北総・公団線印西牧の原、千葉急行線ちはら台延伸があり、早朝に特急の増発(急行の格上げ)、<スカイライナー>成田停車増などが行われています。

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1996年7月20日改正
 公津の杜だけで見ると変化は少なく見えるが、全線でダイヤのパターンが大きく変わりました。
 ユーカリが丘駅上り待避線新設と、佐倉始発東中山折返し急行の廃止で通勤特急の所要時分を短縮、日中は特急の2本に1本が高砂で<スカイライナー>退避、等の変化があります。
 日中の急行特急退避が佐倉に統一。

 翌1997(H9)年3月31日限りで博物館動物園駅が休止になりました。
(正式廃止は2004(H16)年4月1日付け)
 上り公津の杜発の普通電車で、博物館動物園に停車する列車が設定された事はありませんでした。
(下りは平日ダイヤの朝方、東成田行1本が停車していた)

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1998(H10)年11月18日改正
 京急線羽田空港乗り入れに伴う改正で、京成側も大きな変化がありました。
 羽田空港~成田空港間の特急を設定。急行も2本に1本(成田折返し)が羽田空港発着になっています。
 通勤特急特急に統合になり、一旦消滅します。
 都営浅草線内では「エアポート快特」「エアポート特急」が設定されました。
 特急の一部は京急編成(主に600形)で運用されるようになり、土休日は公津の杜停車の急行にも運用されています。下り14時53分発(羽田空港発1215H)と15時33分発(羽田空港発1317H)、上り15時21分発(成田発1514H)と16時21分発(成田発1516H)です。

 1999(H11)年7月31日は、京成線内は一部修正と直通先の行先の一部変更程度。京急の方に、快特10分間隔運転開始など大きな動きがありました。
 2000(H12)年7月22日改正では羽田空港行設定を増。公津の杜では、5時台の急行が上野行から羽田空港行に変更になりました。
(青砥で上野行に連絡)
 平日朝方の上り特急の所要時間が短縮になっています。
 2002(H13)年9月15日改正は、下り朝方の<スカイライナー>や、特急を増発。
 羽田空港直通のパターン変更により、日中の急行は全て西馬込行になりました。

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2002(H14)年10月12日改正
 新種別の設定やダイヤパターンの変更など、大きな改正になりました。
 本線は急行が無くなりました(押上線に設定)。
 平日朝方上りと夕方夜間に通勤特急を新設。この通勤特急は過去の列車とは異なり、勝田台から東は各駅に停車。上りは以前の「10分サイクルで特急急行普通=1:1:1」→「20分サイクルで特急通勤特急普通=2:1:3」となりました。
 公津の杜では、朝ラッシュ時は通勤特急と普通が交互に発車、通勤特急は佐倉で特急待合せ、普通はユーカリが丘で特急通過待ちになります。通勤特急は青砥で、北総線からの浅草線直通特急に連絡します。
 日中は急行に変わって、快速が設定になりました。停車駅が大幅に少なくなったため新種別を用意したものと思われます。日中は再びほぼ全列車羽田空港行となった上、2本に1本は浅草線内をエアポート快特として運行しました(京成では「エアポート快速」と呼称していた)。原則佐倉で特急と相互に接続。
 羽田空港~成田空港間特急は取り止めになるが、その代わりなのか、快速が片道のみ4本が成田空港まで乗り入れになっています。一方、2週間後の10月27日に芝山鉄道(東成田~芝山千代田)が開業するが、成田~芝山千代田間は原則普通電車の折り返し運転になり、快速の大半は成田が終点となりました。
 なお、平日15時08分発快速が三崎口行なのが注目。
(都編成の1400T)

 2003(H15)年7月19日は、<スカイライナー>の成田停車増(1・3号を除く全列車が停車)など小規模な修正のみ。
 公津の杜では、先の三崎口行快速が西馬込行に変更になりました。

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2004(H18)年10月30日改正
 特急の一部が通勤特急に変更になり、平日8時台は、今の種別体系になって初めて、上りで浅草線直通の通勤特急が設定になりました。
 注目されるのは、平日・土休日とも、22時台の上りに通勤特急が設定されている事。夜間に都心に向かう(しかも土休日も走る)異色の通勤特急だが、勝手な推測だが、成田空港勤務の通勤客の帰宅の足となっているのかと思われます。平日の朝方下りで快速1本が東成田まで延長になっているのも、同様の理由ではないでしょうか。成田空港程の大空港なら、航空旅客は当然、勤務する人々の数もバカにならないのだから。
 この他、平日夜間に浅草線内をエアポート快特で運転する特急通勤特急を設定。全て羽田空港発だが、空港アクセスよりは、帰宅の足のスピードアップがメインの目的だったのではないでしょうか。
 他に<モーニング・イブニングライナー>を増発。

 2005(H17)年10月2日は、<イブニングライナー>増発、朝方の<スカイライナー>の時刻変更など小規模。

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2006(H18)年12月10日改正
 特急は佐倉~成田間が各駅停車に変更、日中は快速が佐倉折返しに短縮。
 このため、日中は快速に変わって特急が公津の杜に停車する事になりました。
 朝方の上り・夕方の下りの上りの特急は、停車駅は変更しないでそのまま快速特急と呼称し、この時間帯は快速が成田まで運行されます。
 この改正では新京成電車の千葉線直通開始、<スカイライナー>の船橋停車もありました。

 2007年12月2日と2009(H21)年2月14日は、公津の杜に関しては一部列車の時刻修正・行先変更のみ。

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2010年7月17日改正
 成田スカイアクセスが開業。成田空港アクセスの主力がスカイアクセスに移行しました。
 <スカイライナー>に新車両(新)AE形が導入されてスカイアクセス経由に変更、新たにアクセス特急が新設されました。
 本線はAE100形使用の<シティライナー>を設定。
 他の列車は時刻は変更になったものの、形態は特に大きな変更はなく、快速の停車駅に千住大橋が追加になった程度。

 2012(H24)年10月21日改正では、京急線京急蒲田駅上下線高架化にともなる羽田空港アクセス改善が中心になり、京成では<スカイライナー>の早朝成田空港着の増発と日中のダイヤの見直しと、関連してアクセス特急の所要時間短縮を実施。
 本線では<シティライナー>は上野~成田間1往復のみに削減。特急<シティライナー>退避がほとんどなくなりました。
 土休日8時台の快速特急に変更。

 2013(H25)年10月26日改正では、京急線羽田空港アクセスの改善が中心になり、品川~羽田空港間快特10分間隔(一部エアポート快特)運転を実施。
 京成線内では成田空港発<スカイライナー>最終の繰り下げと、本線の快速特急の増発を実施。<シティライナー>は土休日のみ運転に変更。公津の杜では平日の夜間に一部列車の時刻を変更。

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2014(H26)年11月8日改正
 現在のダイヤです。
 注目されるのは、下りの初発の繰り上げ。LCCの成田空港発早朝便の増加に対応したもので、5時台にはもう1本、成田空港行が増発されています。
(どちらも宗吾参道始発)
 また、23時台の通勤特急(平日)・快速(土休日)が成田空港まで延長し、最終電車繰り下げになっています。これも翌日のLCC便対応です。
 浅草線内のエアポート快特が20分間隔運転となり、青砥で本線の特急と接続。日中は公津の杜から日本橋まで1時間07分、羽田空港まで1時間35分となりました。
 この他は<スカイライナー>の増発(運転時間帯拡大)と、<イブニングライナー>は成田空港着24時台の列車を設定の一方で1往復削減。
(成田→成田空港の最終電車は<イブニングライナー>になった)

 以上、開業以降の特に注目されるダイヤ改正をピックアップして記してみました。
 公津の杜に限ってみると、日中は種別の違いはあれど、約20分間隔、1時間3本停車のパターンは変わりがありません。現状の利用者数だとこんなものだろうとは思います。
 朝ラッシュ時は2002(H14)年の改正でパターンが大きく変わり、通勤特急が停車するようになったが、通勤特急は上野行で、現在の通勤の主力の浅草線直通ではない。「特急」と称してはいるが、上りに関しては勝田台までは普通電車の代替のような形で、通常は佐倉で快速特急への乗り換えを必要とするため、どうだろう、現地の方々にとっては、やや利便性を欠く所があるように感じられるのではないでしょうか。
 と言って、成田空港アクセスも考えると、快速特急の停車は現実的ではない(私自身、これ以上停車駅は増やすべきではないと考える)。現状の京成は成田空港、加えて昨今は羽田空港アクセスをある程度優先せざるを得ない状況にあり、地域輸送とのバランスをどう取るかは難しい所であります。京成は全体の輸送量自体が関東他社やJRと比べると多いとは言えないから、大盤振る舞いで列車の増発もやりづらいのも事実か。バランスを考慮しつつも、より利便性の高いダイヤの追求が望まれます。公津の杜に限った事ではないが。

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23日 西武鉄道株主訴訟 46億円の賠償確定
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 国立競技場のトラブルなど難問も少なくはないが、ともあれあと5年、盛り上がりが期待されます。このエンブレムをつけたJAL機やANA機の就航も期待。