№1387 思い出の海外旅行クロニクル 19.2002年ノルウェー 6<終>

 2年振りの欧州となった2002(H14)年5月のノルウェーの鉄道の旅、ヘマもあってヘロヘロクタクタな旅になってしまいました。全く残念な事になってしまったが、とにもかくにも何とか帰ってきました。
 最終回は、ノルウェーの鉄道の車両と、オスロ中央駅の画像、そしてオスロ市内のトラムの画像もご覧頂きます。また、いつものように総まとめとして、当時感じたノルウェーの鉄道の印象、ノルウェーそのもののパーソナルデータを記して、完結です。

画像

 ノルウェーは1996(H8)年に上下分離され、インフラ部はノルウェー鉄道庁(JBV=Jernbaneverket)、旅客列車はノルウェー鉄道(NSB=Norwegian State Railways AS)の運営になっています。
 そのNSBの、当時の最新シンボルマーク。柔らかみがあるものになっています。

画像

 古いシンボルマークも、まだいくらか残っていました。
 なお、現在はまたマークが変わっているのだが、2本の翼?のような直線が広がる形態はそのまま引き継がれています。実際、どのような意味が込められているのだろうか?

画像

 といって、ここでお見せできるノルウェー鉄道の車両の画像は3枚のみです。イェーヴィクで撮影したEI18型。スイス国鉄のRe460をベースにしているはずです。

画像

 こちらもイェーヴィクで撮影したEI17型。

画像

 スタヴァンゲルからオスロまでの夜行を牽引してきた、EI16型。
 EI16型もEI17型も、ノルウェーオリジナルは無骨な感じがします。

画像

 トロンヘイム駅構内の入換用DL。型式は不明。

画像

 ノルウェー中央駅です。右側が昔の駅舎。左側に新しく造られたガラス張りの駅舎が並んでいます。

画像

新駅舎側のコンコース。

 
画像

 切符売場。番号札を撮って待つ、日本の銀行のようなスタイル。

画像

 旧駅舎側はショッピングゾーンに改装されていて、様々な店が並んでいます。

画像

 両替もあります。

画像

 ホームへの入り口にある、発車案内表示装置。

画像

 ホーム。一般的な頭端スタイルではなく、反対側はトンネルで抜けて行きます。

画像

 駅前を走るトラムには、新型の姿も見られました。3車体。詳細は不明。

画像

 以前から走る連接タイプ。小ぶりに見えます。

 なお今回は、オスロを中心に各地でバスの写真をかなり撮っているが、これらについては別に本体で公開する予定です。

画像

 最後に、今回利用した「スカンレイルパス」。日本で購入する必要があります。288USDは、当時のレートでは37,500円位だったか。北欧4か国に乗れるので、ノルウェー・スウェーデンだけだった今回はややもったいないのだが(しかも2日使い残している)、ノルウェーだけ有効、というパスはないので、致し方ありません。

 以上、ノルウェーの鉄道の旅について書いてきました。
 それ以前に周った分もひっくるめて、ノルウェーの鉄道について気付いた事、感じた事を簡単に記してみます。

1.列車の種別は、シグナチュール(振子電車の特急格)が一部の幹線で走るが、その他の急行・普通の区別は、時刻表上ではできない。「アジェンダ」は車両のランクの呼称と思われた。中長距離で2クラスだったり、食堂車や寝台車などを連結する列車は急行と呼んでも良いだろうが。

2.オスロにはUバーンネットワークがある他、スタヴァンゲル・ベルゲン・トロンヘイムでは近郊列車による近距離のフリークエントサービスも行われるが、全体的には本数は極めて少ない。北部では1日2~3本程度の路線もある。土曜午後~日曜日午前中は、全体的に運転本数が大幅に削減される。

3.日本のような全線時刻表の刊行はなく、駅で配布される小型の折り畳み式の区間・系統別時刻表が頼り。長距離列車は全て予約制であり、他国と比べて鉄道の旅のプランニングは少し難しい。

4.ハーマル~レーロース~ストローエン間や、トロンヘイム以東を除いてほぼ電化されている。ECの活躍が目立つ。

5.森の国らしく、車内のインテリアは木目をふんだんに用い、温かみのあるデザインがほとんど。北欧らしく、福祉施設も整っている。セルフサービスでコーヒー・紅茶の販売を行う列車(特にアジェンダの新車)が多い。

6.駅の数は、地方では非常に少ない。駅も土曜・休日は窓口の営業時間がかなり短くなる。ただし、主な駅では運転関係なのか駅員は常駐している。

7.フライトーク等の例外もあるが、全体的に山とフィヨルドの国土のため勾配とカーブが極めて多く、表定速度は高くない。ただ、ベルゲン行の路線など、線形の改良を大々的に進めている路線もある。

8.国際列車は縮小傾向にあり、当時は既に全てがスウェーデン行で、スウェーデン側の車両を使用している。

9.私鉄は走っていない。地下鉄はオスロで走っているが、トラムと線路を共用している区間が多い。ローカル私鉄の寄せ集めと思われ、規格が様々異なっている。トロンヘイムにも軽鉄道がある。
(なお、現在はベルゲンでLRTが開通している模様)

10.首都オスロから主要都市までの運賃(2等車)
 ガーデモエン空港 52㎞ 72NOK(≒1,150円)※一般列車
 イェーヴィク 122㎞ 183NOK(≒2,930円)
 リレハンメル 185㎞ 257NOK(≒4,110円)
 ベルゲン 489㎞ 623NOK(≒9,970円)
 トロンヘイム 553㎞ 693NOK(≒11,080円)
 ボーデー 1282㎞ 1069NOK(約17,100円)
 ※1NOK≒16円で計算

 最後に、ノルウェーそのもののパーソナルデータを記しておきます。前年からユーロが流通しているので、今回から通貨はユーロ導入か否かを記し、否の場合にその通貨と、当時のレートを記します。
(帰国日の2002(H14)年5月25日現在)

正式国名 ノルウェー王国 Kingdom of Italia
面積 約323,895平方㎞ (本土のみ 日本の約0.85倍)
人口 約455万人
政治体制 立憲君主制 議員内閣制
国家元首 ハラルド5世国王
政治指導者 キヘル・マグネ・ボンデヴィック首相(キリスト教民主党)
※現在はアーナ・ソールベルグ首相(保守党)
首都 オスロ(人口約77万3千人 2000年)
国連 加盟(1945(S20)年) 創設メンバー
EU(EC) 非加盟
NATO 加盟(1949(S24)年)
ユーロ 未導入 (通貨=ノルウェー・クローネ(NOK) 1NOK≒16円)
言語 ノルウェー語・英語
主な観光地 オスロ市内、ソグネ・フィヨルド、ノールカップなど
日本からのアクセス 日本からの直行便は運航されていない

 何度も書くが、オスロでの置き引きが特に痛く、喪失感を引きずりながらの旅は、最後はヨレヨレヘトヘトになってしまって、非常に反省点が多い旅になってしまいました。ソグネ・フィヨルドやベルゲン等の画像を失ってしまったのは、本当にもったいない話で申し訳なく思います。
 ただ、残された写真を改めて眺めてみると、車窓の無垢な美しさは、筆舌に尽くしがたいものがあります。欧州で美しい車窓というとスイスが真っ先に頭に浮かぶだろうが、ややメジャーになり過ぎている感もあるし、ノルウェーは人里はまれ、フィヨルドなどさらに厳しい地形や自然環境が、より雄大さを強調していると思っています。鉄道ではなかったが、フィンランドの時に行ったノールカップなんか、典型的だと思います。
 ノルウェーの鉄道はオスロ近郊の一部を除いて本数が極めて少なく、予約が必要な列車が大半なので綿密なプランニングが必要です。鉄道運賃もそうだが、全体的に物価が高い国なので長期になると旅行は大変ではあるのだが、それだけの価値はある国だと、この旅を含めた数度の訪問を経て、改めて感じました。
 次回のクロニクルは、翌2003(H15)年1月のポルトガルです。

 当ブログでは直接のコメントは受け付けないので、何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
 当ブログ上からでは発表できない緊急の事態が発生した時は、本体でお知らせします。

 明日の晩、本体の更新を行います。臨港バスと富士急バスで画像を追加します。また、富士急では、港区コミュニティ「ちぃばす」のデザインを公開します。

《今日のニュースから》
21日 鹿島アントラーズ トニーニョ・セレーゾ監督解任
22日 海上保安庁 ロシア警備当局とサハリン沖で合同訓練