№1353 トラブル絶えない 米航空業界

「クロニクル」は1回お休みします。
 現在、米LAで撮影した旅客機の画像をご覧頂いているが、その米航空業界が大小様々なトラブルに見舞われている事は、何度か書きました。

 昨日米ABCのレポートを見たのだが、ユナイテッド航空(UA)が、旅客の少女に対する対応で非難を浴びていると伝えていました。この15歳の少女は自閉症と診断されていて、暖かい食事がないと落ち着かなくなり、乗り合わせた機内で動揺から泣き始めた。母親がCAに食事をリクエストしたのだが、何度頼んでもダメだと断られた。娘の声が大きくなり、結局はCAが食事を提供して、少女は落ち着いた。ところが、機体は途中の空港に着陸、救急隊員と警察官がこの少女の一家を外へ連れ出した。「少女が騒いでいるので、安心して飛行ができないからだ」と言われた、と母親が語っていました。例によって別の旅客が撮影した動画が流出、SNS上ではUAに対する非難が轟轟、だと伝えられていました。UAは全ての旅客に安全・快適な旅を提供するため、最善を尽くしたが、運航に支障が出たため目的地を変更した、とコメントしているが、母親は訴訟も検討しているそうです。

 米運輸省には、3月だけで旅客から1700件のクレームが寄せられ、その多くが飛行中のトラブルだという事です。滑走路上で離陸が大幅に遅れている中、3歳の女の子にトイレを使わせなかったジェット・ブルーのCAの対応にも批判があるようです。ただし、トラブルの大半は乗客が起こすもので、2013年には8000件以上の騒動が発生、アイスランド発ニューヨーク行の便で、他の乗客に罵声を浴びせ続け、唾まで吐いたため、後部のシートにテープでぐるぐる巻きにされた男の姿も映し出されていたりしました。暴行事件も日常茶飯事のようです。CAのOBの話では、トイレでコカインを使って、髪の毛に火が付いた乗客もいたとか(自閉症の乗客に対する対応方の教育は受けていなかったという)。

 私は実際に乗り合わせた訳でもないし、自閉症の方の心の中は正直理解できないので、軽々しく事は言えない。食事の提供も、物理的に難しかったのかも知れない。ただ、途中の空港に着陸させて強制的に降ろすのは、さすがに行き過ぎでしょう。少女の家族は当然だし、他の客も理由もないのにスケジュールをめちゃくちゃにされていい迷惑でしょう。UA自身も損害になったはずです(20万USDかかる事もあるとか)。

 昨日はハワイアン航空のB717がハワイ州内路線でエンジントラブルにより途中の島に緊急着陸した、とも聞いているし、運航そのもののインシデントも少なくありません。どうも米航空業界はこの何年もの間、ソフト・ハードの両面であまりにも問題が多いようです。早くから大衆化が進んでいるし、当然LCCの普及は日本より数十年も早い。加えて「9.11」以降の空気もあるだろうが、日本の航空を恒常的に利用している者からすると、傍目には何かギスギスしたものがキャビン内部に漂っているように感じます。米らしいと言えばらしいかも知れないのだが、何度も書くけれど、こういうトラブルの遭遇は御免こうむりたい。

 翻って日本では、私自身は幸い遭遇の経験もないし、少なくともTVニュースなどで見聞きする限り、キャビン内でこの手の騒動は起きていないよう。「おもてなし」の国、日本だから、どのキャリアも最大限、懇切丁寧なサービスに努めてくれているのだと信じています。ただ、前に少し書いたが、LCCの普及が、安全面以外に、全体のサービスレベルの低下につながりはしないかとの懸念はあります。特に外資主導のLCCだと、どこかドライな対応になりがちにならないかと気になります。それは一昨年、ジェットスター・ジャパン機に搭乗した時に少し感じました。何もかも旅客の思い通りにはならない事も多々あるのは事実だが、それでも、できる限りは旅客の立場に立った、きめ細やかなサービスの提供に努め、必要があれば「特別な」旅客への対応方の教育の充実も必要でしょう。最終的には、それが色々な点で、航空会社そのもののプラスになるはずです。

 当ブログでは直接のコメントは受け付けないので、何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
 当ブログ上からでは発表できない緊急の事態が発生した時は、本体でお知らせします。

 明日は本体の更新を行います。東武バスの画像の再公開を行う他、京急バスも画像を追加します。

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《今日見た・聞いた・思った事》

 2015年度の設備投資計画、今日は東急・京急・京成から発表になりました。

東急(482億円):ホームドア設置計画(2020年度までに東横・大井町・田園都市線全駅に整備)関連で車両面に注目していたのだが、「6ドア車45両の4ドア車への置き換えの開始」とだけ記されていて、どのような形で行われるかは記されていませんでした。5000系シリーズはデビューから13年になるし、ベースのJR通勤車がE231系→E233系、今年はついにE235系デビューとなると、東急もそろそろ新系列のデビューが強く期待されると思います。6ドア車も去る事ながら、田園都市線の沿線イメージや電力事情も考えると、いつまでも8500系という訳には行かないはずなので。
 そのホームドア工事は、今年度は東横線都立大学・新丸子・元住吉・菊名(下り)、田園都市線宮前平、大井町線溝の口で整備に着手。宮前平は6ドア車が残ったままの整備着手になるが、JR山手線の時と同様、6ドア車部分は後回しにして、警備員を配置する方法を取るのだろうか。
 この他、3D式踏切障害物検知装置の設置の推進、菊名や五反田の駅改良の推進、渋谷ではサインシステムの見直し、祐天寺では上り待避線新設工事を引き続き推進、など。

京急(207億円):車両面では新1000形20両を新造(6連×2・8連×1?)、2100形2編成を更新。
 京急蒲田の立体化は残存工事を推進、大師線立体化(第1期)は引き続き地下化工事を推進。写真を見た感じ、地下線は構体はかなり完成、後はレールを敷くだけ、という感じ。
 他には金沢八景・神奈川新町駅等6駅の駅舎の改修・改築、2駅でホーム改修、工場・検車庫の改良・回収の推進、など。
 ソフト面については、具体的な施策は記されていませんでした。「その他」(30億円)に含まれているのでしょうか。本格的な国際空港アクセス鉄道となった今、特に多言語対応の情報提供の整備は急務です。

京成(111億円):C-ATSを押上線・千葉線・東成田線に導入。全線の9割への導入が完了し、残るは千原線のみになるが、全線導入完了は2017(H29)年度になるとの事。
 車両面では3000形を2編成導入。今年度は6連。3000形は過去の導入車両も含めて冷房吹き出し口への風量調節板を設置。この2編成の他、3700形2編成も車内照明をLED化。
 押上線の立体化の内、曳舟側については2016(H28)年の下り線高架化に向けて工事を推進。一方京成立石側は引き続き用地買収の段階で、工事は遅れ気味の様子。
 京成津田沼駅は改良工事が完成。来年度にはエキナカもオープンとの事。
 この他、耐震補強工事・法面補強工事の推進、内方線付点状ブロックの整備、運行情報ディスプレイの増設、など。

 アメリカで急行列車の脱線事故が発生してしまいました。アメリカではこの所鉄道の事故も少なくなく、航空だけでなく、鉄道もあちらこちらで、特にインフラ部分の問題が相当あるようです。

《今日のニュースから》
12日 球界初「売り子アイドル」ユニット ロッテが結成 
13日 トヨタ・マツダ 業務提携で基本合意 

 千葉ロッテ・マリーンズというと、今年も西武バスと京成バスで、相互にライオンズ&マリーンズラッピング車両の貸出運行を行っています。前回は8日~10日、QVCマリーンフィールドの3連戦で、西武バスのライオンズラッピング車が京成バス(実際はちばシティバスらしい)に貸し出されました。次回は7月3日~5日、西武プリンスドームの3連戦で、京成バスのマリーンズラッピング車1台が西武バスに貸し出される予定。