「バスラマインターナショナル148」、今回は神保町の書店で、通常の発売日より大分早めに入手できました。
表紙は西武バスの新エアロスターと、燃料電池バス。
★ 各地の新車から
新エアロスターの導入が各地で相次いでいるが、あつまバスは相当小規模な事業者という印象があるのに、割と大型の新車を積極的に導入する所のようです。道内では北海道中央バス、旭川電気軌道に次ぐ3番手でしょう。
東運輸も新空港開港・LCC多数就航で石垣島がブームになっているからなのか、新車の導入が積極的に映ります。石垣島も久しぶりに行ってみたいかなあ。
★ プレミアム感を増したはかた号 デビュー
今回の新車はエコノミーシートは廃止、プレミアムとビジネスの2本立てとなりました。中国バス「ドリームスリーパー」もそうだが、バスでも最上級クラスは個室化がトレンド、という所でしょうか。
私自身は正直これほどの豪華シートは望まないが、もちろん欲しい人は欲しいでしょう。私は運行開始後すぐの西鉄便(当時は京王との共同運行だった)を利用した事があり、当時トレンドだったスタンダードな3列シートを若干グレードアップ+プレミアム(軽食)という内容だったと記憶しています。当時はあれでも高級感があったのでしょう。ただ、昨今の私自身は現地での時間(撮影タイム)を確保したい口なので、福岡着11時過ぎは、正直遅いです。バスなのでこれ以上のスピードアップは無理ではあるが。航空運賃との比較の話も出たが、LCCはどこまで意識しているだろうか。
付帯サービスの変化も、昨今の他の高速バスと同様でしょうか。SAも昨今はかなり充実しているし。
この後に名鉄バスの夜行車の記事もあり、夜行バス事業者はしばらくはどこも、所要時間・運賃・利用者層・同業他社などをにらみながら、仕様についての模索が続くのでしょう。
★ 第18回バスラマ賞&座談会
前号では発表されなかった「第18回バスラマ賞」は、韓国HFG製の大型EVの運行を開始した、南国交通と北九州市交通局が受賞しました。それを踏まえて、共栄車体工業も交えた座談会。
北九州市は公営ゆえ、メガソーラー事業とセットにして運行ができるのは強みか。その点、南国交通の方は新規に独立した充電設備を造らなければならないようで、これが今後のEVの展開に影響を与えるかも知れない。
オペレーションの全体的な印象は、ドライビングそのものはすこぶる良好、ただし初の大型EVゆえ、思いもかけないアクシデントは少なくなかった、という所に落ち着くのか。
メカニズム的な所は正直門外漢なのだが、ボディに関しての韓国と日本の認識の違いは興味深い所でした。「怪しい日本語のステッカー」は苦笑。バス・交通ではないが、外国のWebサイトの日本語ページも、明らかにおかしな言い回しだよな、というのが少なくないので。ステッカーも、そんな感じだったのでしょうか。
肝心の韓国ではどうなんだろう?どこかで書いたと思うが、韓国のバス事情全体についても、どこかでページを割いて取り上げて欲しいと思います。
★ バス事業者訪問180 西武バス
西武バスも以前、36号の「ユーザー訪問32」で取り上げられていて、19年ぶりになります。他誌でも西武バスについて取り上げられ、コメントも書いているが、改めて「バスラマ誌」の中の目線で記したいと思います。
19年前を紐解くと、当時は既に西武観光バス・西武高原バスが分社になっていて、今の西武総合企画が、(2代目)西武自動車として営業していました。西武バスは当時は、秩父の小鹿野にも出張所があったそうです(観光への委託の総仕上げの段階だったとの事)。
路線概要を比較すると、路線網的には大きな違いはないかとは思うが、それでも東武東上線の鶴瀬や坂戸へ行く路線、日高市の路線はなくなり、青梅発着路線は河辺発着にシフトしているという違いがあります。
所沢市からして、中心部は路線が少なくなりました。今号では写真のキャプションで「市内中心部から近隣各駅の発着にシフトしてきた」とあり、それを裏付けていると思います。ちょうど10年前、私はデリバリードライバーとして所沢市内を走り回った事があるが、特に西所沢駅近くの交差点の渋滞が慢性的、特に休日はひどくなるので、所沢駅西口から早稲田大学や椿峰ニュータウンへ行く便は既に相当少なくなっていました。昔は箱根ヶ崎への路線もあったそうだが、小手指駅へシフトしたという事です。
秩父・軽井沢地域も、路線網自体は何とか維持されているかなあという印象。19年前は三峰口~中津川線のルポがあり、この路線は今でも4往復がかろうじて維持されているが、三峰口からの区間運転はそうとう少なくなってしまいました。
(合併前で、当時は大滝村)
その秩父・高原の分社は、19年前の時点では一転の効果は出ていたそうだが、昨今はまた苦しくなってきているそう。秩父は「ちちぶ巡礼バス」の話はあったが、「あのアニメ」は一切触れられていませんでした。西武鉄道では最近、金曜夜からの秩父女子旅を積極的にPRしており(動画広告でも見られる)、バスも積極的に活用される事が期待されます。高原の方はここへきてまた白根山の火山性地震が増加しているそうで不安。直接は関係なかろうが、北陸新幹線開業が軽井沢にも何らかの良い効果を与えればよいが。もうちょっと長距離路線にふさわしい車両が欲しい。
都心部では、定期券の政策が興味を持たれました。特に「学トク定期券」。通学定期券は割引率が高く、バス事業者は敬遠する傾向があるような気がするので、逆に積極的に集客に活用しようとする施策は注目ではないでしょうか。若い人がバスを積極的に利用してくれれば、将来も安定的に利用が見込めるだろうし。それは潜在的に若い人は少なくないはずの都会だから可能で、地方では無理かも知れないが。
高速バスは、今回は対北陸新幹線でどうする、という話はありませんでした。取りあえず様子見、でしょうか。西武バスに限らないが、宇和島線休止の動きを見ると、やはり昼行で5時間、夜行でも10時間を超える路線は、維持が難しくなってくるかもしれません。需要の存在も左右するが。西日本JRバスとの乗継は面白い。国鉄民営化の直後、東名高速線の特急で東京~静岡間がJR東日本、静岡~名古屋間がJR東海の乗務員が乗り継いで運行していたが、元が同じ旧国鉄だったから可能だったと思えたので、全く資本が異なる2社でやるのは珍しいのではないか。
インバウンドは、さすがの西武グループも、単独では難しいと思う。同業他社との連携は必須でしょう。「高速バスフリーパス」なんてあっても良いと思う。
車両面では、一時期はほとんど日デの独占だったのが、UD生産終了で、三菱ふそう中心に移りそう。貸切車の「レグルス」(獅子座)のネーミングが、ライオンズを擁する西武らしい。
西武バスの昔の車両として外せないのが「三角バス」で、1966(S41)年製だが、動態保存の歴史が長く、「日本のバス1982」(九段書房)には既に「三角バス保存会」による保存活動の記録がありました。車庫内でも自走は可能なようだが、別に動態にはこだわらない(どのみちもう公道は走れないだろうから)ので、静態でいいのだから、末永い保存が望まれます。西武鉄道にも貴重な車両、特にELがたくさんあるので、本格的な博物館が造られて、そこで再レストアされて保存されると良いのではないかと思います。
一般の経済ニュースにもあったが、東急グループのベトナムのバス事業は興味が持たれる。東南アジアのバスは乗った事がないが、結構アバウトな部分が多そうだから、日本的なカチッとしたシステムは、うまく溶け込むでしょうか。
ヨセミテ国立公園のバスの話題もあるが、アメリカのバスシステムも記事が欲しいなあ。海外だから仕方ない部分もあるが、バスラマ誌は欧州と香港に偏りがちな傾向があり、もう少し他国・他地域のバスの事情も知りたいと思います。
初っ端のエアロエースとセレガは話としては面白いのだが、前号の時にも書いたが、物理的規制の方がネックになると思う。特に博多バスターミナルや名鉄バスセンターのような、ビルの中の多層式バスターミナルでうまく立ち回れるだろうか?日本でも有力な高速バス事業者である名鉄バスや西鉄あたりが導入できないようだと、国産でやっても販路は限られてくるのではないか、と思うのだが、これを三菱ふそうやJ-BUSはどう見たのでしょうか?
次号の事業者訪問は広島電鉄らしい。当然高速や広島市内の動向も気になるが、注目したいと思うのは、市営から引き継いで3年になる呉地域。ここへきて再編成も行われているようであり、現状はどうなのだろうか。
熊本市営バスと小松島市営バスについては、実は来月頭掛け持ちで行って、お別れ撮影・乗車に行ってきます。熊本は天気が少々心配…。
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明日は本体の更新を行います。今バスラマ誌の刊行を踏まえ、西武バスを再公開します。新エアロスターの他、エルガ・ワンステップやガーラ高速車(レジェンドブルー)も加えます。また、一部データを追加します。
《今日のニュースから》
25日 中間貯蔵施設 福島県知事・関係2町長が搬入を容認
26日 英ウイリアム王子 初来日