№1307 バスマガジンvol.69(講談社ビーシー/講談社)

「バスマガジンvol.69」が先月末発売になりました。大分遅くなってしまったが、ここで取り上げます。
 編集・制作のスタッフが交代した事でどうなるかと思ったが、とりあえず今号では、大きな変化は無く、一安心。但し、長期休載中とされていた連載はすべて終了、となった模様。

◆ 日野テクノロジーのいま
 営業運行で試験運用中の次世代BRCハイブリッドと、PCFが強化された新セレガの試乗。
 BRCハイブリッドは、発売は今年中になるのか。エンジンがシークレットになっているとは(都営バスや東急バスは秘密漏えい防止が大変だろう)、かなり思い切った変更があるという事なのか。車高が低くなっているのは確かに解るが、在来車両と並べてみたら違いがよりはっきり解ったのではないだろうか。シフトは、完全AT化にはあと一歩、だろうか。
 後は車内のコンポーネントに関心が寄せられるのではないでしょうか。現在の営業車両のものがそのまま引き継がれるのか。
 セレガもそうだが、バスに限った事ではなくいろいろな物が、「それ自体がコンピューター化しつつある」感が、最近は非常に強いです。特に家電なんか、そんな印象があります。

◆ 路線バスで行く!アニメ聖地巡礼
 Part2は「ガールズ&パンツァー」の茨城交通と大洗。アニメのシーンもふんだんにあります。
 このアニメも見た事がないから迂闊な事は言えないが、実在の街の公道を戦車が縦横無尽に走りまくるなんて、「オタク」にはウケても、一部の反戦平和運動活動家あたりからは相当クレームが出るんじゃないか?とか余計なお世話もしたくなってしまうのだが。
 ラッピング車はもちろん、ファンの落書きバスもあるのか。

◆ 帰ってきた 路線バス全方位レポート
 vol.62の東京都を持って終了していた連載が再びスタート。vol.01は愛知県で、創刊間もない、2003(H15)年11月の第2号(前シリーズvol..2)以来。
 ラインナップされている事業者としては、一般路線ではJR東海バスが撤退し、基本的には名鉄資本の各社と名古屋市営バス、それにあおい交通のみとなった。12年前は、名鉄バスはまだ鉄道の直営でした。
 その名鉄グループの再編成が外野にはやや複雑に映ります。分社は名鉄受託メインの名鉄バス東部と名鉄バス中部があり、中部は旧名鉄東部観光バス乗合バスも引き受け、三河地域は結果、名古屋鉄道→サンライズバス→三河交通→名鉄東部観光バス→名鉄バス東部と、20年の間に4度も会社が変わる事になりました。
 名鉄東部交通はまた別で、名鉄バスと同列のグループ会社という事らしい。タクシー会社に路線を譲渡したようです。「名鉄・東部」を名乗る2社が隣接しているので、ちょっとややこしい。
 愛知県内に事業所(営業所)を持つ事業者に絞っているのか、12年前には掲載があった三重交通は、今回はありませんでした。
 営業面では、ICカード「manaca」は触れて欲しかった。この導入はバスに限らず、愛知の交通では重要な歴史の1ページのはずなので。
(名鉄東部交通では利用できない)

◆ おじゃまします バス会社潜入レポート vol.69 横浜市交通局

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 こちらも2009(H21)年vol.36で一度取り上げられていて、6年振りになります。当時は郊外路線を中心にした民営バスへの譲渡が一段落したという状況でした。地元も地元なので、いつでも気になる存在です。
 この6年の間、交通局そのものが、中区港町から西区花咲町に移転しています。

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 営業面では、この数年で再度貸切バス事業に積極的になっている事が挙げられるでしょうか。定期観光バスから始まった赤いセレガが、現在は貸切車でも3台あります。ここでは触れられていなかったが、大震災以降、スパリゾートハワイアン宿泊客輸送を受託し、毎日運行されている事が特筆されます(たいてい2台)。
 一方でスクールバスは完全になくなりました。
 CNGバス特別カラーについては、一昨年のTICADを記念して運行されている「アフリカバス」については触れて欲しかった(車両の画像はある)。
 車両面では元々、公営ながらノンステップオンリーではなく、長尺ワンステップ車を並行して導入しているのが特徴でしょう。郊外の団地輸送、臨海部の工場輸送、さらには観光輸送の需要が多い事があるでしょう。傾向としては、昨今は年によって導入されるメーカーがはっきり決まってきている事があります。競争入札制度の導入があるでしょう。三菱ふそうが大分減りました。2011(H23)年度には一括した導入があったが、それでも全体の約12%に過ぎません。不祥事の影響もあるのではないでしょうか?
 リストで気になったのは、横浜交通開発の車両が含まれていない事。市営バスネットワークの一翼であり、当初は市営バスからの移籍もあったので、車両面でも一体で扱うべきではなかったか?
 交通局では昨年、来年度から始まる中期経営計画が発表になっていて、バスについては黒字化はなったものの、少子高齢化で乗車料収入の伸びはあまり期待できないとして、地域貢献型バス路線の新設や、燃料電池バス導入に向けた調査の継続、連接バスの導入の検討などが盛り込まれています。民営バスと協調しつつ、市民の足として発展し続ける事が求められます。

 新連載として、「トラックフォーラム」の連載も始まりました。正直トラックはあまり興味が沸かないし、街道をガンガン行き交う大型トレーラーは正直怖いなーとか思ったりしているのだが。昔の日野クルージング・レンジャーのCMはダイアン・レイン起用で印象的ではありました。当然ながら、トラックの世界でも安全対策はバス同様に進んでいる様子です。ただ、車は良くてもドライバー事情はどうでしょうか?大手はまだしも、中小クラスだとバス以上に「ブラック」な印象が否めないのだが。

 次のvol.70から、本格的に新しい編成になるのでしょうか?

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