「私鉄名車列伝」、今回は神戸電鉄1500形です。平成の世になってからの新造だが、やや地味な形式でしょうか。
1500形は、1991(H3)2月、旧型車両の代替とワンマン運転車の予備車確保のため、3両編成×2本の6両が川崎重工で製造された。
1500形は、神戸電鉄の標準形式1000系の一員に位置する。すでに3000形・2000形デビュー後ではあるが、丸妻の中央部に行先・種別表示を設けた貫通扉、その上部に前照灯、窓部上部に標識灯を設置した、貫通型の「神鉄スタイル」の最終グループとして設計された。
車体は1150・1250形の第2編成(1153F)に酷似し、外観上ではほとんど見分けはつかない。2M1T組成で電動機は105kwの1C4M制御と、性能面でも1150形と変わらない。但し台車は新設計となり、乗り心地・曲線の通過性の向上を図った。枕バネに変えてゴムブロックで車体を支持している。
ワンマン運転対応のため、乗務員室は客室側に200㎜拡張され、奥行きが広くなった。乗務切換器・自動放送装置・非常通報装置を設置、当初は8トラックテープによる車内放送を行っていた。
車内は3000形(後期製造車)から採用されたインテリアとなり、座席端部は化粧板とモケット張りとしている。ワンマン運転対応として、乗務員との相互の通話が可能な非常通報装置を設置している。
ワンマン対応仕様のため、他系列との連結はできず、製造当初は公園都市線2000形の予備車として使用された他、ツーマンで他路線の3連と共通で運用された。後に有馬線末端区間(有馬口~有馬温泉)のワンマン運用にも投入されている。
神鉄全体の輸送量減少に伴い、2005(H17)年6月1日より、全区間でワンマン運転が始まり、1500形も全区間ワンマン運転を実施している。放送装置はICカード対応に変更された。さらに先頭車には車椅子スペース、連結面間には転落防止外幌を順次設置している。製造時より新塗装をまとい、当初は客用ドアを赤一色にしていたが、2010(H22)年までに他車同様のツートンカラー化を行った。1602号車は2008(H20)年より、合成制輪子を試用している。
【編成】
←三田・有馬温泉・粟生方 湊川(新開地)方→
Mc1 1500* - T 1600 - *Mc2 1500
* パンタグラフ
神戸電鉄もこの数年、特に粟生線で廃線の危機が取り沙汰されたり、有馬口駅構内で連続して脱線事故が起こったりして、大都市の近郊鉄道としてはやや信じがたい窮状が続いています。一昨日も、一部列車の編成削減が発表されました。早朝深夜の有馬口~有馬温泉間区間運転がほとんどではあるが。一方で3月3日よりICカード全国相互利用が始まるなど明るいトピックスもなくはないので、何とか立ち直ってほしいです。
今回の記事は
「鉄道ピクトリアル1991年10月臨時増刊号 新車年鑑1991年版」(鉄道図書刊行会)
「鉄道ピクトリアル2001年12月臨時増刊号 【特集】山陽電気鉄道/神戸電鉄」(鉄道図書刊行会)
「週刊 歴史でめぐる鉄道全路線 公営鉄道・私鉄14 神戸電鉄 能勢電鉄 北条鉄道 北近畿タンゴ鉄道」(朝日新聞出版) 等
を参考にさせて頂きました。
次回はとさでん交通(旧土佐電気鉄道)2000型です。
当ブログでは直接のコメントは受け付けないので、何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
当ブログ上からでは発表できない緊急の事態が発生した時は、本体でお知らせします。
台湾で旅客機の墜落事故が起きてしまいました。ニュースで画像を見たけれど、裏返しになった状態で高速道路の車に接触する様は、相当生々しいものでした。現状では何とも言えず、早急な原因の追求が望まれます。犠牲になられた方々のご冥福・お悔やみを申し上げます。ニューヨークでも通勤列車が車と衝突して炎上、犠牲者も出ているそうで、洋の東西で何て事…。
明日の朝はまた、関東地方で雪の予報です。既に鉄道各社で注意が呼びかけられている他、ANAでは既に一部の羽田便の欠航を決めているそうです。元住吉の追突事故を引き起こした大雪は、ちょうど1年前でした。通勤が大変になりそうだが、少なくとも事故が起こらないように。
JR中央線快速にグリーン車が連結されるそうです。2020(H32)年度になってからだが。
《今日のニュースから》
3日 「六本木歌舞伎」 開幕
4日 裁判員裁判の死刑判決認めず 最高裁判所が決定