№1291 2014年度年末年始 航空利用データ分析
2014年度年末年始の航空各社の利用実績が、5日一斉に発表されました。データから利用傾向を読み解いてみたいと思います。
今年度は12月19日(金)~1月4日(日)を対象。従ってANAの九州路線の実績には、4日の私の搭乗が反映されている事になります。621,172分の1ではあるが。
国際線では円安の影響がどの程度あるのかと思っていたが、各社とも「ほとんどなかった」としているようです。
会社によって呼び方が若干違うが、「座席数」「旅客数」「利用率」で統一します。
注記以外は、コードシェア販売分の扱いは記されていません。カッコ内は前年比。「ピーク」は各社が発表している日付をそのまま表記、基準は様々です。
ANA
国内線 座席数3,257,023席(98.5%) 旅客数2,294,711人(98.1%) 利用率67.7%(△0.3%)
国際線 座席数477,437席(113.2%) 旅客数391,197人(117.9%) 利用率81.9%(+3.3%)
国内線は、前半は天皇誕生日の頃が連休にならなかったため低くなったが、全体的には前年並みになったとしています。天皇誕生日を挟んだ12月22日と24日は、全体的に利用率が5割を切りました。24日の上りは42.3%とすごく低い。
方面別では沖縄路線が前年度を上回ったが、他の主な路線はやや減りました。「その他」が前年比で大幅に増えたが、冬スケジュールでスタートした羽田~セントレア路線が押し上げたのでしょうか。
ピークは下り12月29~31日、上り1月3・4日で、4日上りは97.4%。
臨時便は計47便運航。
国際線は昨今の積極拡大路線が効を奏しているのか、大きく増えた座席提供数以上の伸びで利用者が増えました。特に欧州線とアジア線が大きく利用率を伸ばしています。欧州線は円安ユーロ高が心配されたが、確かにほとんど影響していない。
ピークは日本発12月26~28日と1月4日、日本着が12月19・20日と1月2~4日。これを見ると、インバウンドが増えているのも貢献しているのかも知れない。
JAL
国内線 座席数1,937,092席(100.6%) 旅客数1,343,829人(98.5%) 利用率69.4%(△1.5%)
国際線 座席数516,603席(100.7%) 旅客数437,334人(103.3%) 利用率84.7%(+2.1%)
(国際線は他社運航コードシェア便含む)
こちらも国内線は全体的には利用率の数字が落ちました。12月22日の下り、24日の上りが5割を切っています。方面別では九州路線が前年を上回る利用者があったが、他は皆下回っています。中国・四国路線の利用率が61.3%で、やはりこの方面の弱さが出ているように思えます。北海道路線も座席提供数が少なくなったのに、利用者はそれを下回る利用でした。
ピークは下り12月26~30日、上り1月2~4日で、1月4日の上りは97.2%。
臨時便は計26便。
国際線は米大陸線と東南アジア線は好調だったが、こちらは欧州線が前年を下回りました。「グアム線が良かった」と言っていて、確かに前年比102.1%だったが、何か理由があったのだろうか。
ピークは日本発12月26~28日と1月3・4日、日本着12月19・20日と1月2~4日で、これもインバウンドが影響しているかも知れない。
臨時便はホノルル便5便、チャーター便は合計22便。フェアバンクス6便とはオーロラ見物?
JTA
座席数175,625席(93.0%) 旅客数129,281人(92.8%) 利用率73.6%(△0.2%)
臨時便は計18便。
RAC
座席数28,626席(107.6%) 旅客数20,363人(111.9%) 利用率71.1%(+2.7%)
JTAが減った分RACが増えたという感じ。臨時便は計14便。
JAC
座席数136,360席(93.8%) 旅客数75,906人(91.1%) 利用率55.7%(△1.6%)
なお、HACが昨年JALグループに復帰したが、ここでは現れませんでした。この後出します。
SKY
座席数488,241席(120.4%) 旅客数332,683人(120.7%) 利用率68.1%(+0.2%)
熊本・成田路線がなくなったが、A330-300就航の効果は大きかったようです。5日搭乗した便も満席で全体的にも好調と見えたし、派手なウケ狙いはホドホドにして、地味でも堅実にサービス向上を続けて行けば、プラスの方向に向かうのではないかと思いますけれどね…。
ピークは下り12月27日、上りは1月4日で98.3%の高率でした。
ADO
座席数140,481席(108.3%) 旅客数105,308人(108.9%) 利用率75.0%(+0.4%)
久しぶりに利用が大きく増えて、座席提供数を上回る利用がありました。ADOでは、12月24日の下りが68.9%と比較的高率でした。
ピークは下りが12月27~29・31日、上りが1月4日で96.2%でした。
SNA(ANA販売分は含まず)
座席数122,317席(105.5%) 旅客数90,852人(116.4%) 利用率74.3%(+4.9%)
こちらも全体的には利用が大きく伸びました。但し、12月22日が全体で利用率が4割を割り込んでいます。
ピークは下りが12月29日、上りが1月4日で99.6%と、空席が皆無に近い状態。
臨時便は鹿児島線を4便運航。
SFJ
座席数91,133席(74.0%) 旅客数72,061人(72.2%) 利用率79.1%(+2.0%)
座席提供数が大幅に減っています。この一年で福岡~セントレア・羽田~山口宇部就航、福岡~関空休止、羽田~福岡減便があったものの、トータルの運航便数はほとんど変わっていないはずなのだが。
(福岡線がANAコードシェアとなり、ANA販売分は除外しているのかも知れない)
一方で12月22日は64.6%、24日も74.2%と高率でした。
SFJはピークがいつとは記していないが、搭乗率の最高は、下りは12月27日の92.9%、上りは1月3・4日で100%と全便満席になりました。
FDA(JAL販売分を含む)
座席数63,048席(110.5%) 旅客数46,493人(111.53%) 利用率73.7%(+0.6%)
小牧からの山形線開設、青森・花巻線の増便があって、こちらは座席提供数が大きく増えました。
(一方で静岡~新千歳は休止)
FDAは路線別のデータを公表していて、名古屋~高知線が84.4%と高率でした。青森線も搭乗率が前年を上回り、増便の効果が出ているようです。
ピークは空港ごとに出しているが(FDAのネットワークでは下り上りの概念が希薄になるからか)、トータルすると12月27・28日、1月3・4日がピークとなりそうです。
APJ
国内線 座席数166,320席(124%) 旅客数145,477人(123%) 利用率87.5%(△0.3%)
国際線 座席数61,200席(115%) 旅客数55,466(119%) 利用率90.6%(+3.1%)
相変わらず拡大傾向が続き、それに伴って旅客数も増加して行っています。
AAPはピークがいつとは記していないが、国内線の搭乗率の最高は、下りは12月29日の93.9%、上りは1月3日の95.4%。
国際線では、下り(日本発)は12月28日の97.3%、上り(日本着)は1月3日の96.4%でした。
VNL
国内線 座席数38,880席(308.6%) 旅客数32,859人(297.0%) 利用率84.5%(△3.3%)
国際線 座席数27,000席(441.2%) 旅客数24,583人(422.3%) 利用率91.0%(△4.2%)
前年度は就航したばかり。1年で輸送量も輸送力も急激に増えました。
AAPはピークがいつとは記していないが、国内線の搭乗率の最高は、下りは12月29日の97.8%、上りは1月4日の98.3%。
国際線では、下り(日本発)は12月28日の98.9%、上り(日本着)は1月2日の98.5%でした。
HAC
座席数11,736席(106.9%) 旅客数7,093人(100.8%) 利用率60.4%(△3.7%)
HACはJALグループに復帰したが、とりあえず今回は個別にリリースが出ました。座席数が増えているが、旅客数の伸びが追い付きませんでした。
ピークが下りが12月25日の80.6%、上りは1月4日の89.1%でした。
主要な所では、IBX、JST、SJOはリリースを確認できませんでした。
全体の傾向として、一部を除いて国内線は集計最終日の1月4日が上りのピークになりました。羽田空港の到着ロビーは凄まじい混雑だったんだろうなあと、数字を見ると思います。翌5日の福岡空港がかなり混雑になっていたのも、4日までの航空便を確保できず、この日まで待たざるを得なかったからなのかなあと感じました。私は基本的には航空利用のデータを発表する年末年始、GW、夏のお盆休みは航空利用がほぼないので(旅行は行っても鉄道利用)、ピークの利用を肌身を持って感じる事がなく、その意味では、先の福岡往復は良い経験でもあったのかなと感じました。
次回はGWに分析を行います。北陸新幹線開業の影響がどう出るでしょうか。
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《今日のニュースから》
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7日 パリの新聞社で銃撃戦 10人以上死亡