№1268 私鉄名車列伝 121.大阪市交通局20系

「私鉄名車列伝」、今回から5回連続で、大手以外の西日本の事業者の車両について書いてみます。
 今回は大阪市営地下鉄20系です。

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 VVVF(Variable Voltage Variable Frequency)制御は、交流電動機を半導体無接点制御装置によって制御するシステムで、在来の直流電動機と比較して構造が簡単になり、メンテナンスが容易になる利点がある。大阪市では1981(S56)年、車両小型化の研究の一環として106号車で現車試験を実施した上で、1984(S59)年に新造系列の20系を開発、年末より中央線で営業運行を開始した。新造車としては1981(S57)年の熊本市電8200形、に次いで2番目、地下鉄としては初だった。
(営業運転は近鉄1250(現1420)系が先になった)


 GTOサイリスタ素子(4500V 2000A)を使用した制御装置で、140kwの交流電動機を1C4Mで制御する。急勾配がある生駒トンネルを控えた近鉄東大阪線(現けいはんな線)への直通を考慮し、抑速制動つき。粘着性能の向上で、MT比を1:1まで下げられた。車体は10系と同じ大型形材を使用したアルミ車体だが、FRP整形の正面は窓枠を黒く塗り、窓上に前照灯・尾灯を一体の角形ケースに収めて設置し、近代的な顔つきになった。


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 車内は10系(17編成以降)に順じ、冷房は300㎜の薄型になり、天井はスリット形となってシンプルな見付になった。

 2601Fは試作的な要素が濃く、車体は近畿車両と川崎重工、主電動機・制御装置は東芝・三菱・日立の競作になった。翌年より本格的に増備し、1989(H元)までに中央線には6連×7本、同年には谷町線にも50形置き換えのため、谷町線初の冷房車として、6連×9本が導入された。谷町線向けは30番台で区別され、抑速制動は使用できなかった。その後の増備はステンレス車体の新20系に移行した。

 2000(H12)年以降、バリアフリー対策を兼ねてリニューアル工事が行われた。連結面間に転落防止装置、側面には行先表示装置を設置、車内には全車両に車椅子スペースを設けた。
 また、製造から20年近くを経た2003(H15)年以降は近鉄けいはんな線延伸に対応、制御装置の更新と直通対応の工事を追加している。制御装置は2レベルのIGBT素子(3.3kV 1.2kA)として小型化し、低騒音化と高速化に対応。車内ではドア上部にはLEDによる車内案内表示装置を設置している。また、近鉄線内ワンマン運転の対応工事も実施、屋根上には車外スピーカーを設置した。外観ではラインカラーの意匠も変更した。なお、谷町線用30番台9編成は全て中央線に転属、20系は全車両中央線用となった(改番は行っていない)。転属車両も抑速制動の使用が可能になっている。引き続き中央線~近鉄けいはんな線への直通運転で運用されている。
 2601Fは2014(H26)年8月に運用を終了した。


【編成】
←大阪港     長田
 Tec1 2600 - Mb1' 2100* - T' 2800 - Mb2 2300 - Ma2 2200 - Tec2 2900

 大阪市交通局というと、民営化するかしないかが大問題で、当初の構想では今年はバス、来年は地下鉄が民営化される事になっていたが、議会の反対で先送りになったままです。来年の統一地方選挙で大阪市も議会選挙があるので、その結果次第になるでしょうか。

 今回の記事は
「私鉄の車両16 大阪市交通局」(保育社 ※現在はネコ・パブリッシングによって復刻
「鉄道ピクトリアル1993年12月臨時増刊号 【特集】大阪市交通局」(鉄道図書刊行会)
「鉄道ピクトリアル2004年3月臨時増刊号 【特集】大阪市交通局」(鉄道図書刊行会)
「週刊 歴史でめぐる鉄道全路線 公営鉄道・私鉄05 大阪市交通局」(朝日新聞出版) 等
を参考にさせて頂きました。

 次回は神戸電鉄1500形です。

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「乗った事がなくて恥ずかしい」と以前書いた、上信電鉄に今日乗ってきました。実は全く知らなくてこれもお恥ずかしい限りなのだが、下仁田では昨日・今日、「全国ねぎサミット」と銘打たれたイベントが行われていて、大賑わいでした。上信電鉄もテナントとして出店があり、記念の1日乗車券も発売されていました。後日書きます。
 長野の方は地震で大変だったようで、被災された方々にはお見舞いを申し上げます。今朝高崎まで乗った上越・長野新幹線は幸い無事だったが、鉄道では大糸線の北部が被災して不通になっているようです。早期の再開が望まれます。東日本大震災の翌日にも大きな地震があったし、新潟県中越・新潟県中越沖両地震も記憶に新しく、あのあたりも地震が多くてなかなか大変だと思います。

《今日のニュースから》
6歳未満の女児に脳死判定 改正臓器移植法施行以来2例目