№1255 思い出の海外旅行クロニクル 13.1999年オーストリア 7<終>

 1999(H11)年10~11月のオーストリア鉄道の旅、最終回はいつものように、オーストリア連邦鉄道(ÖBB=Österreichische Bundesbahnen)の車両と、ウィーンを中心とした主要駅の画像をご覧頂きます。いつものように総まとめとして、当時感じたオーストリアの鉄道の印象、オーストリアそのもののパーソナルデータを記して、完結とします。

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 当時のÖBBのマーク。

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EL 1014型

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EL 1044型
 225両製造された、ÖBBでは最大勢力のEL。

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EL 1063型
 入換用。

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EL 1099型
 改めて、マリアツェル線用のEL。台車部分に見える赤い棒はロッド。

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EL 1141型

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EL 1142型

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DL 2043型

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DL 2067型
 入換用。

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DL 2068型
 これも入換用。

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EC 4030系

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EC 4020系
 ÖBB版115系、というポジションでしょうか?

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DC 5090型
 ナロー路線用。

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PC Bmpz 5081 80-75 024-4
「ペンデルツーク」用の客車。運転台があります。

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PC Amz 7381 19-91 032-6
 EC用1等車。

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PC WLABm 6181 76-94 321-4
 2階建て構造の寝台車。

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PC Bcmz 6181 59-70 019-3
クシェット車。

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PC Bmpz 7081 20-94 002-6
 EC用2等車。

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 ウィーンのメイドリングで見かけた、ダブルデッカーの近郊列車。

 オーストリアの主要駅は、この15年の間にどこも大きく姿を変えているようで、もう古くなっちゃったかなーという感もあるが、昔はこんなだったんだ、という感じでご覧頂ければ。

◆ ウィーン西駅

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 駅舎。ガラス張りのフロントが印象的。

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 商店が並ぶ、1階のコンコース。

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 切符売場。

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 鉄道案内所。

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 皇后エリザベートの像。

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 2階のコンコースは、飲食店が多いようでした。広い。

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 両替商。左手に小さく見える自動両替機では、日本円(1万円札・5千円札)の両替もできます。

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 ホーム。西駅からはザルツブルクやインスブルック、ドイツやスイス方面へ行く列車が発着します。

◆ ウィーン南駅

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 駅舎。正確には「南」と「東」に分かれるが、駅舎は同じです。

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 1階のコンコース。

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 切符売場。

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 コンコースに立つ、ライオン像。

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 鉄道案内所。

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 2階のコンコース。ここで「南駅」と、「東駅」にホームが分かれます。

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「南駅」のホーム。シュタイヤーマルク州・ケルンテン州や、イタリア・スロベニアなどの南部への列車が発着します。

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「東駅」はやや田舎臭い。中央部にウクライナの寝台車がいました。右手にプラハ行「SMETANA」がいるように、東欧方面への列車の発着が多いようです。

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 Sバーンが発着する地下ホーム。

 その他の主要駅。

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グラーツ中央駅

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 コンコース。

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クラーゲンフルト中央駅

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 コンコース。壁画が印象的。

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リンツ中央駅

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 コンコース。ここも絵画が掲げられています。

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ザルツブルク中央駅

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 ドイツと国境を接し、ドイツ鉄道(DB)が直接乗り入れていて、DBの切符売場もあります。

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インスブルック中央駅

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 コンコース。ここの壁面にも絵画があります。

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ブレゲンツ駅

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 この駅は割と近代的な装いで、ホームもエスカレーターが完備しています。

 以上、予定より1回多く、7回に分けてオーストリアの鉄道の旅について書いてきました。
 それ以前に周った分もひっくるめて、オーストリアの鉄道について気付いた事、感じた事を簡単に記してみます。

1. 列車の種別は、優等列車ではユーロシティ(EC=国際特急 ただし国内列車でECを名乗るものもあり)、ユーロナイト(EN=夜行の国際列車)、インターシティ(IC=特急)、シュネルツーク(D=急行 夜行の国際列車を中心にした、ごく限られた列車)があり、ローカル列車ではアイルツーク(E=快速)、レギオナルツーク(普通列車)が運行されている。ウィーン近郊ではSバーンも運行。

2. EC・ICは1時間ないし2時間間隔のパターンダイヤが組まれている。ローカル列車は、幹線では1時間に1本は走っているものの、支線では少ない。土休日は大幅に減り、路線・区間によっては全面運休になる。

3. 国際列車の運行が多く、領土の端のほんの一部をかすめたり、横切ったりするだけのの列車もある。従って他国の車両の乗り入れが多い。地勢学的に東欧各国の車両を見かけるが、電力方式が同じでELの相互乗り入れを行うドイツの結びつきが特に強いようだ。ICEも乗り入れる。

4. 車両はPCとECが混用され、感染のローカル列車ではペンデルツークも運航されている。非電化路線ではDCも使用され、ワンマン運転が行われる。

5. 路線は一部で160㎞/h運転が行われているものの、全体的に山がちな国土のためか、山岳区間でなくてもカーブが多く、優等列車でもあまりスピードを出せない区間が多い。但し、各地で新トンネル掘削などの大幅な線形改良工事が進められているようだった。

6. 複線化率は、幹線区では比較的高い。歴史上の経緯か、同じ国なのに右側通行と左側通行が混在している。

7. 環境保護政策の一環なのか、自動車関連の輸送が多い。タウエルントンネルではカーフェリー列車が運行され、幹線ではトラックのピギーパック列車が数多く走っている。夜行列車には車運車が連結される。

8. ウィーンを初め、各地の「中央駅」を名乗る主要駅の駅舎は、たいてい中央部に大きな明り取り窓を持つ吹き抜けを設けた、独特の設計になっている。エスカレーター・エレベーターが整備されている駅が多かった。

9. 小規模な私鉄が各地で走っている。観光・行楽輸送を担う路線もあるが(特にウインター・スポーツシーズン)、地域輸送が本来の目的、という路線が大半。SLの特別運転を行う所が多い。

10. 路面電車はウィーン、グラーツ、リンツ、インスブルックで見られた。特にウィーンのネットワークは、西側では最大級と言える。ウィーンには地下鉄Uバーンも走り、Sバーンや路面電車、市バスと連帯した輸送が特徴。

11. 首都ヘルシンキから主要都市までの運賃(2等車)。
 バーデン 27㎞ 56ATS(約450円)
 ザンクト・ポルテン 60㎞ 106ATS(約860円)
 グラーツ 214㎞ 314ATS(約2,510円)
 ザルツブルク 317㎞ 410ATS(約3,320円)
 インスブルック 572㎞ 660ATS(約5,350円)
 ブレゲンツ 770㎞ 800ATS(約6,480円)
 ※1ATS≒8.1円で計算

 最後に、オーストリアそのもののパーソナルデータを記しておきます。
(帰国日の1999(H11)年11月2日現在)

正式国名 オーストリア共和国 Repblic of Austria
面積 約83,858平方㎞ (北海道と同じ位)
人口 約807万人
政治体制 連邦共和制 議員内閣制
国家元首 トーマス・クレスティル大統領(オーストリア国民党)
※現在はハインツ・フィッシャー大統領(オーストリア社会民主党)
政治指導者 ヴィクトル・クリーマ首相(オーストリア国民党)
※現在はヴェルマー・ハイマン首相(オーストリア国民党)
首都 ウィーン(人口約159万人)
国連 加盟(1955(S30)年)
EU(EC) 加盟(1995(H7)年)
NATO 非加盟
通貨 シリング(ATS) 1ATS≒8.1円
言語 ドイツ語
主な観光地 ウィーン、ザルツ・カンマーグート、チロルなど
日本からのアクセス ウィーン・シェベヒャート空港へ、当時は東京(成田)からOS週2便に加えてANA週1便(パリ便の寄港)、大阪(関空)からもOS週3便の就航があった。

 ちょうど15年前の今頃、という話になりました。今回の旅で言うと、南側の山岳部にばかり目が向いて、ニーダーエスターライヒ州やオーバーエスターライヒ州の北部に足を踏み入れる事がなかったのは、ややバランスを欠いてしまったかなあと感じました。有力な都市がなくて地味な印象があった事もあるが。
 オーストリアは隣国スイスと一体で語られる事も少なくないと思うが、鉄道に関しては、高度に発達したスイスと比べると、やや泥臭い印象があります。非電化路線が多いし、ローカル線は本数もかなり少なくなるので。
 ただそれだけに、美しくてダイナミックな車窓を愛でつつ、しかしより素朴な鉄道の旅を楽しみたい向けには、実は割とおススメな国ではないかとも感じます。ナロー路線もあるし、東欧諸国に囲まれていて列車のバラエティもあるから。

 ここまでの「思い出の海外旅行クロニクル」、13回全てが欧州でした。
 しかし、そろそろ他の地域も足を踏み入れるべきではないかと考え始め、まず近場のアジアに目を向ける事としました。
 次回の「クロニクル」は初のアジア、2000(H11)年3月の台湾・台北です。

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