№1245 BUSRAMA EXPRESS №12 三菱ふそうエアロスター(ぽると出版)

 三菱ふそう・新型エアロスター発売開始に合わせた増刊号が刊行になりました。

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 増刊号、というより、新エアロスターそのもののレビュー、となるかも知れない。実は、先月さっそく乗る機会がありました。と言っても東急バスの〔渋51〕系統・若林折返所→渋谷駅の1回、最後部に座ってみただけ。先代モデルと比べて、走り具合がやや軽快かなと感じました。エンジン自体は全く変わっていないし、高速で走る系統でもないから、気のせいなのだろうけれど。
 フロントのVラインというのは、トラックのスーパーグレートにルーツがあるのだろうか。外観的にはフロントマスクを除いたら、ほとんど見分けがつかないかも知れない(リアだけ見たら、多分新型とは解らないだろう)。真骨頂は中身にあり。特にノンステップ車で変化がかなりあります。

1.ホイールベースの延長
2.優先座席の前向き化(東急は横向きだったが)
3.燃料タンクの位置変更
4.スロープ板を反転式に変更

 いずれもダイムラー・ベンツを初めとする欧州の車両を範としつつ、日本の実情に合わせた設定にしているようです。
 私はバスドライバーの経験はないからよく解らない部分もあるが、HIDヘッドランプは相当歓迎されている様子。鉄道では普及が進んでいるが、バス(を含めた道路交通)はまだまだこれから、という所でしょうか。一度夜間に乗って確認してみたいと思います。
 給油孔の位置は大分上がりました。車内レイアウトに絡む事でもあって、「バスラマ」誌でも何度か指摘された部分でもあります。ただ、シターロは逆に高すぎて(側窓の中に組み込まれているようなイメージ)、給油し辛いとか。ドイツ人は全体的に、女性も含めて体格が大柄だからあれでも良かったのでしょう。

 一つ気になったのはクーラー。どこにも記されていないが、これからは完全にデンソー製が標準、という事になるのでしょうか。また、ノンステップ車に関しては、搭載位置が前輪の上部に戻りました。黎明期に比べて大分小型化されている、とは思うが、重量バランスの点でまだ試行錯誤の余地があるという事なのか。

 後半は「エアロスター」発売開始から30年の歩み。
 内容的には、特に前半は前号で取り上げた「バスマガジン」誌と被る部分が多いが、当然「バスマガジン」誌がエアロスターKに絞られていたのに対し、こちらは全エアロスターの30年の歴史の全てを包括した内容になっています。

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 ただ、先行してMP118系に架装された、エアロスターKの試作車体については、ここでは触れられていませんでした。

 さて、新型エアロスターが、新生三菱ふそうのバス部門の意欲作である事は存分に伺えるが、今後の展開はどうなるだろうか。
 特に低公害車においては、ハイブリッドはJ-BUS系に大きく後れを取った印象が否めないし、大型EVも現実味を増している今、三菱ふそうはどう対抗しようとしているのだろうか。
 個人的には新型エアロスターのラインナップとして、P尺の設定を期待したい。コンポーネント的に可能かどうかは解らないが、エアロスターSでは設定があり、江ノ電バス横浜などで導入例があるので、需要はあるはずだから。
 トップのバス事業本部長のコメントからも、新型エアロスターを旗頭に、今後の三菱ふそうの復活劇には大いに期待したい、また、新型エアロスターの新機軸を見る事によって、逆にJ-BUS系が何か刺激を受ける事があるだろうか。
 外国車の導入も少なくなくなってきてはいるのだが、今後とも日系の2社(三菱ふそう・J-BUS)が独自の開発を競い合う事で路線バスが進化し、それがバス業界全体の地位の向上につながって欲しいと願います。

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 台風18号が近づいてきました。今日の戸塚は曇り空ながら平穏だが、明日以降どうなるのだろうか。明日は休みだからいいが、明後日の出勤、大丈夫かなあ。東横線は今日の時点ですでに、「明後日は朝から運休の可能性あり」などと言っているし…。

《今日のニュースから》
「バスと親しむ催し」 京成バスが幕張メッセで開催

「京成バスお客様感謝フェスティバル」で、ここでは、天井に星空が浮かび上がる新型夜行バス(エアロクイーン)も展示されたそうです。新型夜行バスの運行は18日(土)から、千葉・TDR・東京・横浜~大阪・神戸線。