「バスマガジン」vol67が先月末に発売になりました。
表紙は特集+バス会社潜入レポート、という事か、沖縄バスのエアロスターK。昨年沖縄に行った時、結構見かけたし、実際に乗車もありました。
冒頭の新エアロスターを市場を含めて詳報、その後はこの夏相次いで発売になった、エアロクィーン・エアロエース・エアロエースショートタイプの速報。
◆ エアロスターKの系譜 その軌跡を追う! 私は今も昔も神奈川在住なのだけれど、神奈川資本の大手バス事業者、神奈中・相鉄・横浜市・川崎市と言ったあたりは、エアロスターは皆「K」でした。
(東急は「M」だった。小田急・京急も「M」だが、神奈川県路線には導入しなかった。江ノ電は富士ボディをが架装)
なので私の中では「エアロスター」=ほぼ「K」であり、それ故、1993(H5)年に図面統一で「M」スタイルの車両を見かけた時は、最初は事情解らなかったから、「新呉羽はバスボディ製造を止めたのか?」と、一瞬戸惑ったものです。
三菱ふそうの中型を一手に引き受けていた呉羽が、エアロスターに先んじて中型車で同様のスタイルのボディを製造していた、というのは興味深い。呉羽は結構進取的な企業だったのでしょうか。
純正「M」と「K」ではスタイルだけでなく、構造にも違うとは意外だった。
都営「グリーンシャトル」初代車両として導入された試作的ボディはその後羽後交通や関東鉄道などに移籍したが、現在1台も存在しないのが残念でなりません。車体だけでいいから、どこかに残っていませんかねえ?レストアして、東京都交通局の博物館で展示やって欲しいと思っているのですが…。
その「グリーンシャトル」の後継のエアロスターKが沿岸バスに移籍して、旧塗装を復刻させたのは興味深い。もう引退したが、すぐ近くの道北バスも、エアロスターKに旧塗装を復刻していました。全く偶然だとは思うが。
帝産湖南バスは中古導入は少なく、新エアロスターの導入もある位なのに、ずいぶん物持ちの良い事業者だと思います。
残存車両が後何台、とは記されていなかったが、これから5年が、現役車両にとっては正念場ではないでしょうか。
◆ おじゃまします バス会社潜入レポート vol.67 沖縄バス この場所で撮った「730車」の写真があったが、「730車」はともかく、青空が欲しかったんだよなあ…。
運行路線一覧表を見ると、40㎞以上の路線がかなりあり、那覇~名護
間の各系統は、一般路線でも70~80㎞程度と皆相当長距離です。東京からだと土浦あたりに相当する訳で、昨今の本土的思考だったら読谷やうるま市あたりで分割されそうなもの。それだけ長距離通しの利用者が、今でも少なくないとも言えます。一般路線車で乗り通すのは少しツラそうだが。
車両面では、「730車」の後継の「ブル」が先になくなってしまったのが少々残念(ごく少数ではあったが)、1台でも残っていれば、「三菱ふそう博物館」としても、売り出せたのではないかと。
歴史的には「730」が一番の大事件として記憶されるが、全体的にはどうしても、いろいろな面で米軍との関わりが無視できなかったようです。
沖縄バスに限らないが、沖縄のバス業界は、ほんのちょっとのきっかけで劇的に良くなる可能性を秘めています。それは昨年実際に乗って感じました。沖縄バスもノンステップ車の導入が進んでいるようだし、今後も期待して良いでしょう。ゆいレールの浦添市延伸はどう影響するか。
◆ バスマガ社会経済学 その1 バス会社を作る!「その1」という事は、今後シリーズ化されるという事か。私のような「経済オンチ」にも解かりやすい企画・解説が期待されます。
戦前の黎明期には個人事業のバスも少なくはなかったようだが。
路線に関しては、最近は大手のバス事業者もある程度は協力的になっているのではないか。東京の銀河鉄道は西武バスの協力も得られているし、千葉の平和交通も、京成バスとの共同運行路線があります。
バス停に関しては、一般路線バスをほぼ毎日利用して、観察している感触としては、特に多数の系統が集中する区間では、既にスペース不足ではないかと思われる場所が少なくないし、一部のターミナルでは、降車スペースが不十分と思われる場所もあります。ここに新規に割り込むのは簡単ではないと思います。いずれにしろ、在来のバス事業者との友好関係を築く事が出来るかも、カギではないか?
結局、新規立ち上げ費用は、概算では6,000万円としているが、もう少し余裕を持たせ、1億円位はあった方が良いかと思います。事業内容によって相当幅は出そうだが。
ここでは路線バス会社の新規立ち上げの視点で記されていたが、番外編で貸切バス会社についても簡単に記されています。路線と貸切の違いからという別の視線で見ると、昨年は
旧ツアーバスの新高速乗合バス移行という大イベントがありました。
旧ツアーバスにとっては、新制度移行は大変な作業であったとは思うが、一方ではツアーバス時代は乗合に課せられた義務(特に停留所の確保)がなくて、その一方で乗合バスと同じような仕事をしていたのだし、オイシい商売だったのではないですか?とも言えると思います。
◆ 終点までのバス散歩 Part1の「椎原診療所」は、4年前に路線が延びたそうで、昨今のローカル路線バスでは珍しい、画期的な事とも言えます。ただ、同じ人吉エリアの「黒白」が今年春に廃止になってしまった(球磨村営バスに代替)のが残念で、ぜひとも路線が産交のままで残って、ここを訪れてもらい、バス停名の由来を解き明かしてもらえたら良かったと、今でも思います。
Part2の「時」も、最初に見て不思議な地名だと思いました。以前ネットで調べた事があるが、かつては三重交通の路線もあったそう。
「全国乗合バス100選」は北海道と兵庫県。北海道の、特に北の原野を走る路線は魅力的です。お客さんが少なくて大変そうだが。
来月は「賢いバスウォッチング」が特集だそうだが、昨日スタートしたとさでん交通についても少しは取り上げてもらえれば。
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《今日見た・聞いた・思った事》 京急・京成・都営浅草線・北総各線の、11月8日(土)ダイヤ改正の内容が発表になりました。羽田・成田両空港へのアクセスの強化が最大の、というかほとんど全てのポイントになります。
一番大きいのは、浅草線のエアポート快特が日中は40→20分間隔に倍増、運転時間帯も拡大する事。
日中新規設定分のエアポート快特は普通電車の格上げ(京成押上線内は快速特急)で、青砥で京成本線の成田空港発着の特急に接続、本線方面へのアクセスも改善されるとの事。
京急では、京急線内のエアポート快特は品川~羽田空港
間で所要時間を1分短縮、羽田空港発最終の神奈川新町行特急をエアポート急行に変更、平日朝夕にエアポート急行を増発(一部普通の格上げ・延長)、夜間の空港発エアポート急行をエアポート快特に格上げ、土休日夜間の快特をエアポート快特に格上げ、など。
京成は成田空港7時台発、京成上野18時台発<スカイライナー>増発、京成上野23時発<イブニングライナー>成田空港を増発、成田空港に早朝到着の普通3本・23時台到着の通勤特急(土休日快速)を設定、など。LCC対策になります。
なお、<イブニングライナー>は全体的には1往復削減、<シティライナー>は土休日のみ運転に変更。
羽田vs成田、両空港の競争は厳しくなる一方だが、今回改正になる路線はその両方にダイレクトに通じる、唯一の鉄道路線なのだから、どちらがどうではなく、どちらの空港に行くにも利便性が良くなる、バランスの良いダイヤの追求が、今後も求められると思います。
《今日のニュースから》
首都高速中央環状線・大橋JCT~大井JCT間 開通前に報道陣に公開 山手通りの真下にトンネルで建設されているもので、完成するとトンネルの長さ18.2㎞は、高速道路のトンネルでは世界一になるそうです。
開通は来年3月の予定。特に、羽田空港発着の高速バスが大きく変わると思います。