月末に突如起きた御嶽山噴火災害。大勢の犠牲者にお悔みを申し上げるとしか言えない9月、どんな事が起きたでしょうか。
2日 来日中 インド・モディ首相講演 インドへの積極的投資を呼びかけ
4日 米海兵隊ハリヤー戦闘機 嘉手納基地で出火
6日 住民主体の集団移転 仙台市宮城野区で式典
10日 川内原子力発電所 新基準で初の合格
12日 シャープ&米クアルコム社 スマホ・タブレット向け新ディスプレイを公開
14日 香港で民主派抗議デモ 2000人が参加
16日 「次世代の党」 結党大会
18日 円相場 1ドル≒108円54~55銭 6年半ぶりの円安ドル高水準
20日 2018年アジア大会 インドネシア・ジャカルタ開催を決定
22日 「ヘイトスピーチ」禁止 国立市議会が意見書を可決
24日 インド火星探査機「マンガルヤーン」 アジア初 火星軌道に投入
26日 洞爺丸など青函連絡船遭難事故から60年 北海道北斗市で法要
28日 ベルリンマラソン男子 デニス・キメットが世界新記録で優勝
今月はこの他、第二次安倍改造内閣発足、錦織圭の全米オープン決勝進出、IPS細胞移植手術成功、「iPhone6」発売開始とトラブル続出、楽天・星野監督退任発表、スコットランド住民投票、社民党元党首土井たか子氏死去、香港で学生の大規模抗議活動、等のニュースがありました。
病気を誘発する、得体の知れない虫に振り回された月、だったかも知れません。
《今月この1枚》
今月は5年ぶりに北陸を訪れ、4日間たっぷり満喫させて頂きました。
7日の富山地鉄、越中舟橋駅での撮影です。14760形の新旧カラーが、タイミング良く並びました。
14760形は1979(S54)年デビュー、地方私鉄では珍しい大量新製導入と斬新な外観、2ドア転換クロスシートが評価されて鉄道友の会のローレル賞も受賞したが、残念ながらこれ以降、鉄道線に導入された車両は全て、大都市の大手私鉄からの中古車となりました。最新の17480形(元東急8590系)なんてロングシートのままで、宇奈月温泉や立山へ行く電車としてはどうなのかなあ?経営が厳しい事も解るが、北陸新幹線開業を機に、再度オリジナルの新型車両が導入される事を期待します。
当ブログでは、コメントは受け付けない事にしています。この記事について何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。
また、何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
明日の晩、本体の更新を行います。京成バスと小湊鐵道、それに埼玉県のバス会社の画像を再公開します。また、東急バスで画像の追加を行います。新エアロスターが初登場です。
JALマイレージバンクの個人情報漏えいの一件、今晩、植木社長名義でメールが来ました。とりあえず私の情報は流出していないそう。私の個人情報掠め取って悪用しようとしても、オイシイ話は何も出ませんよ?
《今日のニュースから》
アメリカ陸軍補給基地「相模総合補給廠」 神奈川県に一部返還
この土地を利用して、小田急多摩線の延伸が実現するかも?
№1242 JTB時刻表2014年10月号(JTBパブリッシング)
「JTB時刻表2014年10月号」が20日、発売になりました。
ついに東海道新幹線開業50周年、初代新幹線0系が表紙。さすがに古いなーの印象は否めませんが…。
★祝!東海道新幹線 開業50周年
その1 車両技術の革新
東海道新幹線を走ってきた形式、0系・100系・300系・500系・700系・N700系。
500系はJR西日本のみの所有で、300㎞/h運転する山陽新幹線から直通、というイメージがあって、厳密には東海道新幹線車両とは言いにくい部分も、ないとは言えない…。
500系以外には全て乗ったが、私的に一番の名車は、100系だと思う。スピードとサービスのバランスが取れていたように思えて。食堂車も、乗り合わせた時は必ず行きました。在来線も含めて、国鉄時代末期の最高傑作、と言ったら大げさすぎか?
システム的な事が中心に記されていて、アコモデーションについてはほとんど記されていない。この50年で捨てられたもの、失われたものも少なくないが、№1239で少し書いたように、座席周りのゆとり(シートピッチ及び幅)、これだけは今後も絶対捨てないで欲しい。旅客機に勝てるポイントの一つ、のはずなので。
その2 安全運行をっさえる人たち
新幹線は、在来線とはコンセプト自体が根本的に違うだけに、運転士・車掌の乗務員のスキルも、在来線のそれより格段に厳しいようです。
シミュレーター訓練は航空機みたいだが(在来線にもある事はある)、救援車両の配置方法の確認に使うのが「プラレール」とは…!
夜行列車がほぼ壊滅状態の今、車掌が3人も乗務するのは、(「グランクラス」のアテンダントなどは考えないとすれば)東海道新幹線位でしょうか?
折り返しの清掃スタッフが注目されるようになったのは、東北新幹線東京乗り入れの時からだと思うが、結構人海戦術になるみたい。ひょっとしたら、LCCはこれをマネたのか、あるいはその逆か?
その3 安全への備え
車両検査・補選・指令・災害対策。
東海道新幹線沿線の巨大地震の発生が現実味を帯びてきた今、特に災害対策は相当力を入れざるを得ないでしょう。特に高架橋は老朽化も進んでいるから。国鉄時代末期には「リフレッシュ工事」とかいう事も行われたが、根本的にはリニアができて、ある程度本数が減ってから?
「のりもの情報局」は1ページ。
日本鉄道写真作家協会 写真展「新幹線半世紀」
宮崎カーフェリー 神戸(三宮)-宮崎港就航
十勝バス 「バス型目覚まし時計」
岳南電車 「日本夜景遺産」認定
日本平ロープウェイ 美術館×久能山共通チケット
和歌山電鐵 登録有形文化財登録
鹿児島観光コンベンション協会 「おはら祭」
宮崎カーフェリーは10月1日に大阪から神戸に発着港を変更するもので、神戸→宮崎で13時間10分(日曜日はもっとかかる)、2等12,740円。近鉄の夜行高速バス<おひさま>と比べてやや高くて時間もかかるが、ゆとりが売りになるでしょう。
★黄色のページ
50年前、1964(S39)年10月号の新幹線の時刻表が掲載されています。
「翼のないジェット機」か。当時のジェット機と言ったら、ほぼ同時期にANAがB727を導入、後はJALのDC-8にコンベア880程度(本来は国際線向け)で、ジャンボジェットを筆頭とするワイドボディ機は、まだ先の話でした。
新幹線の時刻表自体は以前、現在の体裁で掲載された事があるので、ここでは新大阪接続の在来線に目を向けます。
電車が博多行特急<つばめ><はと>、下関行特急<しおじ>、(大阪始発)宇野行<鷲羽2号>、ディーゼルが熊本・大分行特急<みどり>、後は全て客車でした。
東京~博多間で最速は下り<ひかり5号>→<つばめ>で、12時間30分でした。
展望車や寝台の記号は時代を感じさせるが、食堂車の記号がない。この時代だったら当然大半の特急・急行に連結されているはずだが、当たり前すぎて記さなかったのか?
会社線は、近鉄ダイヤに合わせて9月21日に改正になった、養老鉄道・伊賀鉄道・三岐鉄道(三岐線)全列車の時刻が掲載されています。
養老鉄道は大垣~揖斐間で夕方の電車を夜間にシフト。また大垣発駒野行最終を12分繰り下げ。
伊賀鉄道は、伊賀上野~上野市間で平日1往復・土休日2往復を増発。
この他、京阪の臨時快速特急<洛楽>も掲載。淀屋橋発午前・出町柳発夕方に30分間隔で運行。所要時間は淀屋橋→出町柳間50分、逆は51分。
★本文
JR西日本で10月18日、北陸エリアのダイヤの修正を実施。521系の追加投入と運用区間の拡大によるもの。
この修正では泊まで、12月1日には糸魚川まで延長。
「あいの風とやま鉄道」は、JR西日本から譲渡する521系の乗り入れは糸魚川までとする計画なので、それに対応しているのでしょう。
№1237で書いた、富山から金沢まで乗車した糸魚川始発560Mは富山で分断、富山からは1466Mとして521系4連で運行。
この他にも富山・福井で分断される列車が数本あります。
また、金沢~富山間でワンマン運転を開始するとの事。
なお、同日に京阪神アーバンネットワークでもダイヤ修正が行われるようだが、時刻表上では判別できないし、JR西日本の公式Webサイトにも記されていません。
JR西日本は毎年、この時期にダイヤの修正を行うが、京阪神に関しては詳細を発表しないのは、どうしてだろう?
常磐線・我孫子~取手間の快速線は、利根川橋梁工事のため、11月8日(土)の19時20分~終電まで運休。特急<ひたち>は下り<フレッシュひたち55号>、上り<フレッシュひたち60号>以降が全て取りやめ。
(我孫子~取手間は各駅停車を増発との事。)
会社線では、サンデン交通の山口~下関線が今月一杯で、ついに運行休止。
(公式Webでは「乗務員不足・車両の老朽化」を理由にしていました)
なお、10月1日より土佐電気鉄道・土佐電ドリームサービス・高知県交通が経営統合してとさでん交通となるが、今号においては857ページの欄外に注釈があるのみでした。
国際線航空は、ジェットスターの関空~ケアンズ線にB787が就航。
アエロメヒコのメキシコシティ→成田便が、18日から経由地をティファナ→モンテレイに変更しているが、今号ではまだ修正されていません。
航空は国内・国際とも、10月26日のウインタースケジュール移行時に、大きく動くでしょう。
★JR営業案内
吾妻線は10月1日の線路切り替え完了と同時に、全区間が東京近郊区間に組み込み。
(Suicaが導入されるが、中之条、長野原草津口、万座・鹿沢口のみ)
北陸新幹線開業時の運行形態については、今月号では全く掲載がありませんでした。やはり12月の全国ダイヤ改正発表の後の、2015年2月号になるのでしょうか?今月号でも少し位は書いても良かったと思いますが。
当ブログでは、コメントは受け付けない事にしています。この記事について何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。
また、何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
御嶽山の噴火は大惨事になってしまいました。被害に遭われた方々にお見舞いを申し上げます。昨日、仕事から帰ってきて初めて知りました。山頂付近の映像を見ると、ほとんど灰色のモノトーンの世界と、ポツンポツンと見える救助隊隊員のオレンジの制服の取り合わせが、異様に感じられます。SF映画みたい、と言ったら不謹慎でしょうか。全くあっという間の事だったらしく、不幸としか言いようがないです。
《今日のニュースから》
ベルリンマラソン男子 デニス・キメットが世界新記録で優勝
ついに東海道新幹線開業50周年、初代新幹線0系が表紙。さすがに古いなーの印象は否めませんが…。
★祝!東海道新幹線 開業50周年
その1 車両技術の革新
東海道新幹線を走ってきた形式、0系・100系・300系・500系・700系・N700系。
500系はJR西日本のみの所有で、300㎞/h運転する山陽新幹線から直通、というイメージがあって、厳密には東海道新幹線車両とは言いにくい部分も、ないとは言えない…。
500系以外には全て乗ったが、私的に一番の名車は、100系だと思う。スピードとサービスのバランスが取れていたように思えて。食堂車も、乗り合わせた時は必ず行きました。在来線も含めて、国鉄時代末期の最高傑作、と言ったら大げさすぎか?
システム的な事が中心に記されていて、アコモデーションについてはほとんど記されていない。この50年で捨てられたもの、失われたものも少なくないが、№1239で少し書いたように、座席周りのゆとり(シートピッチ及び幅)、これだけは今後も絶対捨てないで欲しい。旅客機に勝てるポイントの一つ、のはずなので。
その2 安全運行をっさえる人たち
新幹線は、在来線とはコンセプト自体が根本的に違うだけに、運転士・車掌の乗務員のスキルも、在来線のそれより格段に厳しいようです。
シミュレーター訓練は航空機みたいだが(在来線にもある事はある)、救援車両の配置方法の確認に使うのが「プラレール」とは…!
夜行列車がほぼ壊滅状態の今、車掌が3人も乗務するのは、(「グランクラス」のアテンダントなどは考えないとすれば)東海道新幹線位でしょうか?
折り返しの清掃スタッフが注目されるようになったのは、東北新幹線東京乗り入れの時からだと思うが、結構人海戦術になるみたい。ひょっとしたら、LCCはこれをマネたのか、あるいはその逆か?
その3 安全への備え
車両検査・補選・指令・災害対策。
東海道新幹線沿線の巨大地震の発生が現実味を帯びてきた今、特に災害対策は相当力を入れざるを得ないでしょう。特に高架橋は老朽化も進んでいるから。国鉄時代末期には「リフレッシュ工事」とかいう事も行われたが、根本的にはリニアができて、ある程度本数が減ってから?
「のりもの情報局」は1ページ。
日本鉄道写真作家協会 写真展「新幹線半世紀」
宮崎カーフェリー 神戸(三宮)-宮崎港就航
十勝バス 「バス型目覚まし時計」
岳南電車 「日本夜景遺産」認定
日本平ロープウェイ 美術館×久能山共通チケット
和歌山電鐵 登録有形文化財登録
鹿児島観光コンベンション協会 「おはら祭」
宮崎カーフェリーは10月1日に大阪から神戸に発着港を変更するもので、神戸→宮崎で13時間10分(日曜日はもっとかかる)、2等12,740円。近鉄の夜行高速バス<おひさま>と比べてやや高くて時間もかかるが、ゆとりが売りになるでしょう。
★黄色のページ
50年前、1964(S39)年10月号の新幹線の時刻表が掲載されています。
「翼のないジェット機」か。当時のジェット機と言ったら、ほぼ同時期にANAがB727を導入、後はJALのDC-8にコンベア880程度(本来は国際線向け)で、ジャンボジェットを筆頭とするワイドボディ機は、まだ先の話でした。
新幹線の時刻表自体は以前、現在の体裁で掲載された事があるので、ここでは新大阪接続の在来線に目を向けます。
電車が博多行特急<つばめ><はと>、下関行特急<しおじ>、(大阪始発)宇野行<鷲羽2号>、ディーゼルが熊本・大分行特急<みどり>、後は全て客車でした。
東京~博多間で最速は下り<ひかり5号>→<つばめ>で、12時間30分でした。
展望車や寝台の記号は時代を感じさせるが、食堂車の記号がない。この時代だったら当然大半の特急・急行に連結されているはずだが、当たり前すぎて記さなかったのか?
会社線は、近鉄ダイヤに合わせて9月21日に改正になった、養老鉄道・伊賀鉄道・三岐鉄道(三岐線)全列車の時刻が掲載されています。
養老鉄道は大垣~揖斐間で夕方の電車を夜間にシフト。また大垣発駒野行最終を12分繰り下げ。
伊賀鉄道は、伊賀上野~上野市間で平日1往復・土休日2往復を増発。
この他、京阪の臨時快速特急<洛楽>も掲載。淀屋橋発午前・出町柳発夕方に30分間隔で運行。所要時間は淀屋橋→出町柳間50分、逆は51分。
★本文
JR西日本で10月18日、北陸エリアのダイヤの修正を実施。521系の追加投入と運用区間の拡大によるもの。
この修正では泊まで、12月1日には糸魚川まで延長。
「あいの風とやま鉄道」は、JR西日本から譲渡する521系の乗り入れは糸魚川までとする計画なので、それに対応しているのでしょう。
№1237で書いた、富山から金沢まで乗車した糸魚川始発560Mは富山で分断、富山からは1466Mとして521系4連で運行。
この他にも富山・福井で分断される列車が数本あります。
また、金沢~富山間でワンマン運転を開始するとの事。
なお、同日に京阪神アーバンネットワークでもダイヤ修正が行われるようだが、時刻表上では判別できないし、JR西日本の公式Webサイトにも記されていません。
JR西日本は毎年、この時期にダイヤの修正を行うが、京阪神に関しては詳細を発表しないのは、どうしてだろう?
常磐線・我孫子~取手間の快速線は、利根川橋梁工事のため、11月8日(土)の19時20分~終電まで運休。特急<ひたち>は下り<フレッシュひたち55号>、上り<フレッシュひたち60号>以降が全て取りやめ。
(我孫子~取手間は各駅停車を増発との事。)
会社線では、サンデン交通の山口~下関線が今月一杯で、ついに運行休止。
(公式Webでは「乗務員不足・車両の老朽化」を理由にしていました)
なお、10月1日より土佐電気鉄道・土佐電ドリームサービス・高知県交通が経営統合してとさでん交通となるが、今号においては857ページの欄外に注釈があるのみでした。
国際線航空は、ジェットスターの関空~ケアンズ線にB787が就航。
アエロメヒコのメキシコシティ→成田便が、18日から経由地をティファナ→モンテレイに変更しているが、今号ではまだ修正されていません。
航空は国内・国際とも、10月26日のウインタースケジュール移行時に、大きく動くでしょう。
★JR営業案内
吾妻線は10月1日の線路切り替え完了と同時に、全区間が東京近郊区間に組み込み。
(Suicaが導入されるが、中之条、長野原草津口、万座・鹿沢口のみ)
北陸新幹線開業時の運行形態については、今月号では全く掲載がありませんでした。やはり12月の全国ダイヤ改正発表の後の、2015年2月号になるのでしょうか?今月号でも少し位は書いても良かったと思いますが。
当ブログでは、コメントは受け付けない事にしています。この記事について何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。
また、何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
御嶽山の噴火は大惨事になってしまいました。被害に遭われた方々にお見舞いを申し上げます。昨日、仕事から帰ってきて初めて知りました。山頂付近の映像を見ると、ほとんど灰色のモノトーンの世界と、ポツンポツンと見える救助隊隊員のオレンジの制服の取り合わせが、異様に感じられます。SF映画みたい、と言ったら不謹慎でしょうか。全くあっという間の事だったらしく、不幸としか言いようがないです。
《今日のニュースから》
ベルリンマラソン男子 デニス・キメットが世界新記録で優勝
№1241 航空インシデント調査報告 一挙公表
昨日、2011(H23)~2013(H25)年にかけて発生した、ANA関連の重大インシデント3件の最終報告書が、運輸安全委員会(JTSB)から一挙に公表されました。
3件の中でも最大の関心事は、昨年1月に発生した、高松のB787-8緊急着陸になるかと思います。
昨年1月16日、山口宇部から羽田に向けて飛行していたANA便が火災の疑いで高松に緊急着陸、乗客乗員が誘導路上で脱出した、という事案でした。これがきっかけで、全世界のB787が約4ヶ月に渡って運航が停止、特に既に国内線で相当機数就航させていたANAは相当混乱しました。
メカ的な部分は詳しくないからあまり大きくも書けないが、報告書によると、直接の原因はリチウムイオン電池のセルの一つがベント(気体の排出)により熱伝播の起点となって、熱暴走の要因になったという事らしい。しかし、なぜそのセルが発熱を起こしたのか、内部でショートしたものとは思われるが、そこに至るいくつか考えられる原因を全て排除はできず、メカニズムの特定には至りませんでした。
B787のバッテリーに関してはこの事態の他、直前にボストン空港で大規模な発煙があり、今年も発煙のトラブルが起きているが、いずれも1月に起きているので、寒冷な気候条件も原因になっている可能性は否定できないとしています。
一方、バッテリー開発時の試験で、航空機に装着した時の試験が適切ではなく、ショートの影響が過小評価されていたと考えられるとも記されています。本来1000万時間に1回起きるか起きないかのトラブルが、25万時間で3回起きたのは異常です。
(直接バッテリーとは関係ないが)回路部には本来あってはならない部品があり、それが緊急着陸の後になって発見されたという話もあって、これらを読んだ感触では、コクピット・クルーの対応は完璧だったから、完全に機材そのものの品質や、引き渡し時点での最終的な安全確認の不備の問題であったろうと思われます。
これを受けてJTSBはFAAに対し、
1.装備品の試験を適切に行うよう、航空機メーカー及び装備品メーカーを指導すると共に、必要なら技術基準の改正や、バッテリーの安全性評価の見直しを行う事
2.ボーイングに対して、バッテリーのショートがどのようにして起きたかの確認の継続や、バッテリーの品質向上などを指導する
等を行うよう、勧告を出しています。
セルのショートの原因を特定できなかった事は議論を呼ぶ事になろうが、ボストンの一件のNTSBの報告書がまだ出ていないし、シロートとしては、もう少し様子を見なければいけないのかなと思います。
B787はこれ以降も各キャリアに引き渡しが進んで日本でもかなり見られるようになってきたし、B787-9の就航も始まりました。大分落ち着いてきたとは思うが、早く完全に安全・安定した就航が図られる事を望みます。リチウムイオンバッテリーに関しては、今後も詳細な研究が必要。
ちょうど3年前、沖縄から羽田に向かっていた、当時のANKのB737-700が太平洋上で急降下する事態となった一件も、最終報告書が出ました。それにしても、大惨事を免れ、関係者全員が生存しているにもかかわらず、報告書の発表まで3年とは、ずいぶん時間がかかったものです。
直接の原因としては、機長が用を足すため退席していて、副操縦士が一人で操縦していたが、機長が戻ってきた時、副操縦士がコクピットのドアを開けようとして、ドアーロックセレクターと間違えてラダートリムスイッチを操作してしまい、機体が異常な姿勢になった、そして副操縦士の姿勢回復操作にも問題があって(経験がなかった事もあってややパニックになってしまった)、さらに異常な状態に陥ってしまった、という事のようです。
スイッチを間違えた理由としては、ラダートリムスイッチの位置が、以前装置していたB737-500のドアーロックセレクターのスイッチに近かった事もあるだろう、その辺が機種転換時の訓練できちんと身についていなかった可能性がある事に加えて、ラダートリムスイッチの形状そのものも問題ではないかと指摘しています。
(ボーイングでは737以外の機種は、形状がドアーロックセレクターとはっきり違う)
さらに、操縦士が一人だった際、および高高度飛行中の異常事態発生時における訓練の内容が十分なものではなく、これはANAグループだけではなく、日本全ての航空会社で同じだとも記されていました。
(海外では行っている所もあるとしている)
これを受けてJTSBは、
1.ANAに対し、運航乗務が1名になったの際の基本的遵守事項の徹底と教育、高高度における異常姿勢からの回復の訓練
2.国土交通省に対し、高高度における異常姿勢からの回復の訓練を、全航空会社に義務化する事
3.FAAに対し、B737のラダートリムスイッチの形状の変更の可能性を検討するよう、ボーイングに指導する事
等を行うよう、勧告を出しています。
副操縦士がパニックになったのも、事前の訓練が十分でなかった事だけでなく、機長がドアを解錠してコクピットに入室しようとした行為も、副操縦士の冷静な判断を妨げたのではないか?とも記されていて、重大事態の原因というのは、本当に一つではないなあ、微妙な部分(特に心理的な面)がいろいろ影響するものだと改めて思わされました。
今回の3件の報告書(2012(H24)年の庄内空港でのオーバーランも含む)は、全てANA関連になったが、もちろんANAだけの問題ではない。高高度の異常事態の訓練が全キャリアで行われていなかったなど、事は日本の航空業界全体に関わります。全ての航空会社のや行政の関係者が垣根を越えて問題点を共有し、運航の安全性の向上・事故ゼロの実現に生かしてほしい。航空機メーカーも、バッテリーに限らず、これからどんどん新技術が取り入れられていくはずだから、開発には最初から余裕を持たせて、品質の向上に努めるべき。MRJあたりも、心して欲しいと思います。
当ブログでは直接のコメントは受け付けないので、何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
当ブログ上からでは発表できない緊急の事態が発生した時は、本体でお知らせします。
《今日のニュースから》
洞爺丸など青函連絡船遭難事故から60年 北海道北斗市で法要
3件の中でも最大の関心事は、昨年1月に発生した、高松のB787-8緊急着陸になるかと思います。
昨年1月16日、山口宇部から羽田に向けて飛行していたANA便が火災の疑いで高松に緊急着陸、乗客乗員が誘導路上で脱出した、という事案でした。これがきっかけで、全世界のB787が約4ヶ月に渡って運航が停止、特に既に国内線で相当機数就航させていたANAは相当混乱しました。
メカ的な部分は詳しくないからあまり大きくも書けないが、報告書によると、直接の原因はリチウムイオン電池のセルの一つがベント(気体の排出)により熱伝播の起点となって、熱暴走の要因になったという事らしい。しかし、なぜそのセルが発熱を起こしたのか、内部でショートしたものとは思われるが、そこに至るいくつか考えられる原因を全て排除はできず、メカニズムの特定には至りませんでした。
B787のバッテリーに関してはこの事態の他、直前にボストン空港で大規模な発煙があり、今年も発煙のトラブルが起きているが、いずれも1月に起きているので、寒冷な気候条件も原因になっている可能性は否定できないとしています。
一方、バッテリー開発時の試験で、航空機に装着した時の試験が適切ではなく、ショートの影響が過小評価されていたと考えられるとも記されています。本来1000万時間に1回起きるか起きないかのトラブルが、25万時間で3回起きたのは異常です。
(直接バッテリーとは関係ないが)回路部には本来あってはならない部品があり、それが緊急着陸の後になって発見されたという話もあって、これらを読んだ感触では、コクピット・クルーの対応は完璧だったから、完全に機材そのものの品質や、引き渡し時点での最終的な安全確認の不備の問題であったろうと思われます。
これを受けてJTSBはFAAに対し、
1.装備品の試験を適切に行うよう、航空機メーカー及び装備品メーカーを指導すると共に、必要なら技術基準の改正や、バッテリーの安全性評価の見直しを行う事
2.ボーイングに対して、バッテリーのショートがどのようにして起きたかの確認の継続や、バッテリーの品質向上などを指導する
等を行うよう、勧告を出しています。
セルのショートの原因を特定できなかった事は議論を呼ぶ事になろうが、ボストンの一件のNTSBの報告書がまだ出ていないし、シロートとしては、もう少し様子を見なければいけないのかなと思います。
B787はこれ以降も各キャリアに引き渡しが進んで日本でもかなり見られるようになってきたし、B787-9の就航も始まりました。大分落ち着いてきたとは思うが、早く完全に安全・安定した就航が図られる事を望みます。リチウムイオンバッテリーに関しては、今後も詳細な研究が必要。
ちょうど3年前、沖縄から羽田に向かっていた、当時のANKのB737-700が太平洋上で急降下する事態となった一件も、最終報告書が出ました。それにしても、大惨事を免れ、関係者全員が生存しているにもかかわらず、報告書の発表まで3年とは、ずいぶん時間がかかったものです。
直接の原因としては、機長が用を足すため退席していて、副操縦士が一人で操縦していたが、機長が戻ってきた時、副操縦士がコクピットのドアを開けようとして、ドアーロックセレクターと間違えてラダートリムスイッチを操作してしまい、機体が異常な姿勢になった、そして副操縦士の姿勢回復操作にも問題があって(経験がなかった事もあってややパニックになってしまった)、さらに異常な状態に陥ってしまった、という事のようです。
スイッチを間違えた理由としては、ラダートリムスイッチの位置が、以前装置していたB737-500のドアーロックセレクターのスイッチに近かった事もあるだろう、その辺が機種転換時の訓練できちんと身についていなかった可能性がある事に加えて、ラダートリムスイッチの形状そのものも問題ではないかと指摘しています。
(ボーイングでは737以外の機種は、形状がドアーロックセレクターとはっきり違う)
さらに、操縦士が一人だった際、および高高度飛行中の異常事態発生時における訓練の内容が十分なものではなく、これはANAグループだけではなく、日本全ての航空会社で同じだとも記されていました。
(海外では行っている所もあるとしている)
これを受けてJTSBは、
1.ANAに対し、運航乗務が1名になったの際の基本的遵守事項の徹底と教育、高高度における異常姿勢からの回復の訓練
2.国土交通省に対し、高高度における異常姿勢からの回復の訓練を、全航空会社に義務化する事
3.FAAに対し、B737のラダートリムスイッチの形状の変更の可能性を検討するよう、ボーイングに指導する事
等を行うよう、勧告を出しています。
副操縦士がパニックになったのも、事前の訓練が十分でなかった事だけでなく、機長がドアを解錠してコクピットに入室しようとした行為も、副操縦士の冷静な判断を妨げたのではないか?とも記されていて、重大事態の原因というのは、本当に一つではないなあ、微妙な部分(特に心理的な面)がいろいろ影響するものだと改めて思わされました。
今回の3件の報告書(2012(H24)年の庄内空港でのオーバーランも含む)は、全てANA関連になったが、もちろんANAだけの問題ではない。高高度の異常事態の訓練が全キャリアで行われていなかったなど、事は日本の航空業界全体に関わります。全ての航空会社のや行政の関係者が垣根を越えて問題点を共有し、運航の安全性の向上・事故ゼロの実現に生かしてほしい。航空機メーカーも、バッテリーに限らず、これからどんどん新技術が取り入れられていくはずだから、開発には最初から余裕を持たせて、品質の向上に努めるべき。MRJあたりも、心して欲しいと思います。
当ブログでは直接のコメントは受け付けないので、何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
当ブログ上からでは発表できない緊急の事態が発生した時は、本体でお知らせします。
《今日のニュースから》
洞爺丸など青函連絡船遭難事故から60年 北海道北斗市で法要