№1201 西武球場前行 東横特急<前>

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 東急東横線とメトロ副都心線、さらに西武・東武との相互直通が始まって一年以上経ったが、未だに見慣れない他社の車両とか、行先とかに戸惑う方、少なくないと思います。
 最もたるものは、西武ドームで試合がある日に運行される「西武球場前行」、ではないでしょうか。
 通常の小手指、または飯能行の特急の行先を変更して運行されるもので、現行ダイヤでは、次の列車が設定されています。

平日ナイトゲーム(18時開始) 1本
 元町・中華街16:19 114162→1614M→3701 17:54西武球場前 西武編成
土休日デーゲーム(土曜14時・休日13時開始) 2本
 元町・中華街10:19 743102→1043S→7301 11:56西武球場前 メトロ編成
 元町・中華街11:19 052112→1152K→7303 12:56西武球場前 東急編成
土休日ナイトゲーム(17時開始) 1本
 元町・中華街15:19 114152→1514M→8301 16:56西武球場前 西武編成
 全区間通しで68.2㎞、運賃はIC1054円、乗車券1060円。

 今回、このうち唯一東急の編成で運行される、休日ダイヤの西武球場前行特急に、元町・中華街から乗り通す機会を作ってみました。
(乗車日 6月29日)

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 始発・みなとみらい線元町・中華街駅のホームの表示。

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 元町・中華街駅の時刻表。行先変更の案内が掲げられています。
 不思議な事に、東横線内ではこの手の案内書きは見かけません。

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 元町・中華街停車中の、ドア上の車内モニター。

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 みなとみらい線・東横線内の行先種別案内表示。この3種類が繰り返し表示されます。
 西武球場前行特急、なんて改めてとんでもない時代になったものだと実感。

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 この相直ルートの路線図。右の端から、左の端近くまで走ります。

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 元町・中華街駅発車直前。この日の52K運用は4001F。

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 モニターでは、渋谷からの種別変更が予告されています。メトロ副都心線内は急行。

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 みなとみらい線内のモニター表示。

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 横浜駅停車中のモニター。みなとみらい線と東横線では、モニターのスタイルは変わりません。
(駅名の下のアンダーラインの色は変わる)

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 地上部に出て、日吉から複々線。メトロ南北線9000系と出会います。マイナーチェンジした5次車。

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 西武6000系の元町・中華街行特急。本来は自由が丘のすぐ先ですれ違う所、向こうは多少遅れていて、学芸大学の手前になりました。

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 中目黒。東横線側にはホームドアが出来ました。日比谷線03系との並び。

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 渋谷到着。反対側は新宿三丁目行各駅停車。
 運転士は東急→メトロに交代するが、副都心線はワンマン運転になるので車掌は乗務せず。

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 急行として運行される、副都心線内の行先種別案内表示。

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 副都心線内のモニター。土休日ダイヤでは明治神宮前にも停車。

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 急行運転のメトロ副都心線内。新宿三丁目到着。

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 小竹向原からの種別変更予告。
 通常の小手指行の日は快速急行になる所、西武球場前行に変更になる日は快速として走ります。

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 小竹向原到着。運転士がメトロ→西武に交代、車掌も再度乗務します。
 右のメトロ10000系は有楽町線の川越市行。

 この先の西武線内快速運転、そして西武球場前駅と西武ドーム付近の様子については、次回。

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「バスジャパン・ハンドブックシリーズS84 京浜急行バス」、ようやく入手しました。
 だいぶ前に発売になっていたようだが、並んでいる書店が少ないので入手が難しくて。
 データ整理はこれから行うが、早くても月末になります。

 九州は激しい雨に見舞われているようです。
 特にJR九州はこの数年、この時期のこの手の大雨が降ると、必ずと言ってよいほど長期間不通になるほどの災害が発生するので、何ともなければ良いのですが…。
(既に佐世保線あたりで被害が出ているようだが?「ななつ星in九州」は定期検査中で、元々運行していない)

《今日のニュースから》
1097人が「1098脚」 ギネス世界記録認定 岡山県総社市

№1200 バスラマインターナショナル144(ぽると出版)

 1000回を越えると100回単位で回数を刻むのはあまり意味がないかも知れないが、当ブログはおかげさまで1200回目の更新を迎える事が出来ました。4月以降隔日更新なのでペースが落ちているが、地道に、コンスタントに続けていきたいと思っているので、今後もよろしくお願いいたします。

「バスラマインターナショナル144」が、先月末発売になりました。

★各地の新車から
 ほとんどがJーBUS系になりました。東急トランセの高速バスは、東急グループとしては15年半ぶりに関東地方の外へ出て行く路線になりました。
(「ミルキーウェイ」終了以来)
 京急バスのANA職員バスは一般の京急バスベースのカラーで、将来的には一般路線への転用もありなのか?ロングトップドア仕様だが。以前は別の会社が白地のANAカラーでリエッセとかを走らせていたような気がするが、契約先が変わった、という事か?
 中央アルプス観光は、それ自体見る機会がほとんどない事業者という印象。1路線しかないので。名鉄グループなので、これまでは三菱ふそうオンリーだったようです。

★三菱ふそう エアロスターを一新!
 今回は完全な速報。6月19日新発売・同日プレスリリースされているが、バスラマ誌にはもう少し早く情報が伝わっていたのではないかなあ。
 ノンステップ車はMP38系に移行するが、ワンステップ車は記されていない。MP35系のままなのだろうか?
(エンジン自体は変わらないようで、規制記号は「QKG」のまま。
次号で詳細が明らかになるはずだし、これを機に増刊で特集号が出るそうだから期待。

★バス事業者訪問172 小湊鐵道

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 今回の小湊鐵道は、個人的には大歓迎でした。規模が比較的大きく、路線も車両もバラエティに富んでいるのに、バス事業を集中して取り上げたメディアがほぼ皆無だったので。
 バスからは離れるが、冒頭に鉄道事業について触れられているけれど、1日平均で4000人程度に落ち込んでいるとはちょっと驚きました。確かに最近は若干列車本数が減少気味だったけれど、ちょっと心配。車両の代替も本気で考えなければならない時期のはずなのだが、資金的にできないのかも知れない。
 私鉄がバスを兼営しているのは最近では珍しくなって、関東地方ではほかに関東鉄道・上信電鉄位になりました。売り上げは公表されていないようだが、恐らくはバスの方が圧倒的に多いでしょう。
 小湊鐵道バスは車体カラーからのイメージもあってあまり都市輸送のイメージが沸かないが、千葉市内では団地輸送も割と活発みたい。一般路線は全体的に北高南低の傾向が見られるようです。南部はローカル線がおおいから。
 高速バスはアクアライン開通以降活発になって、神奈川県内でも見る機会が多くなりました。しかし短距離路線オンリーのネットワークも、それなりには課題があるようです。フェリーの代替から始まっているのだから、利用の傾向がエリア発中心になるのは当然か。貸切事業も含め、アクアラインの開通前と後ではどのような変化があったのか、その辺も聞いてみたかった。高速バスを多角的に見直すというが、ロケーションからして、ネットワークの根本的な変更はあり得ないだろう。名古屋・京阪神方面への夜行バスとかも、営業地盤からの集客は難しそうだし、ツアーバス勢の攻勢も考えると、独力での新規開設もないだろう。いずれにしろ、資本が入っている京成あたりの協力は必須か。
 また、一般乗合ではその京成バスやその分社、千葉中央バスや日東交通等との関係はどうなっているのでしょうか。
 東金地区の九十九里鐵道委託は正直初耳でした。
(公式Webサイトには、東金〔営〕の存在は記されていない)
 車両面では、旧型車両も特に南部(長南〔営〕と配下の車庫)には少なくないが、他社の中古車両の導入がないのは特筆されます。北部新製配置→経年化後は南部に転属、の流れが出来上がっているからでしょう。
 大網~季美の森の路線は開通当時はデベロッパーと契約した専用塗装の車両が導入され、一般色になった今も2段窓ながらブロンズサッシで異彩を放つのだが、写真がなかったのが残念でした。
 あと、これまでの事業者訪問ではたいていあった路線乗車ルポがなかったのも残念。
 成田空港路線は7月23日より6往復に削減、君津発着は廃止と、今日リリースがありました。

 木更津の三井プレミアムアウトレット輸送がバカにならないようだが、小湊に限らず、アウトレットモールの存在は、高速バス事業者にとって無視できない存在になりつつあるようです。
 先にあげた東急トランセも御殿場のアウトレットに行く路線があるし、買い物客だけでなく、従業員輸送の点でも安定した需要を生み出してくれているようです。JRバステックの阿見プレミアムアウトレット路線は廃止になってしまったが、一度アウトレットモール輸送に関した特集記事が組まれても良いのではないでしょうか。マイカーからバスへの転換を図る術を考える上でも。

★日本に初上陸した韓国製大型電気バス
 九州2ヶ所で3台が運行されている韓国HFG製バスは、三菱重工業が販売を手掛けたというが、同じ「三菱」ながら、三菱ふそうは全く関わっていないよう。
 60~70㎞位走れれば、今の路線バスの系統の平均的な距離はせいぜい10㎞程度だから、日常の運用に組み込む事も難しくはないか。
 導入希望があれば積極的に関わりたい、としているが、三菱重工業の方から売り込みを図る事はないか。インフラ整備も必要だし。とにかくほとんど経験がない分野なので、しばらくは走りこんで様子見、データ収集という感触に見えました。
 三菱重工業というと、最近は独シーメンスと組んで仏アルストーム社のエネルギー部門を買収しようとしたくらいで(GEに敗れたが)、電気中心の社会インフラにかなり積極的に取り組んでいるようだが、ただし、全原発が停止中、再開の見込みも立たず電力供給に不安を残す昨今の日本では、どの程度可能なのだろうか。三菱自身、再生可能エネルギーにも取り組んでいくようだが。何度も書いているが、限られたエネルギーの配分のあり方も考えられるべきでしょう。 

 前号で取り上げられた日野BRCハイブリッドの次世代モデルは、都営バス(やはりまた深川〔営〕か)で試験的な営業運行を行っているそう。1年というから、今すぐ新発売ではないみたい。
 トヨタ・コースターが全世界で年間2万台発売とは、なるほどそうかとも思った。一昨年は香港でも見ているし、TVニュースで発展途上国や紛争地帯の映像が流れると、コースターが映る機会も少なくないように感じます。マイクロバスの2ドア仕様はかつて三菱ローザであって、弘南バスで使われた経験があるが、現状の日本だと可能性はなさそう。
 各地でいろいろバスのイベントが行われているが、必ずしも9月20日、という訳ではないもの。関シティターミナルは、かつて一時期名鉄美濃町線が乗り入れていたあたりか。
 JR江差線の代替バスがスタートしたが、ポンチョなのか!便数は変わらないが、これで間に合ってしまうようだと、ちょっと不安かも。
 ルクセンブルクのカラーグラフは車両中心で、この国は国鉄バスの長距離路線が割と発達しているのだが、その辺に触れられていないのがちょっと残念。バスラマ誌は欧州の記事が掲載になる事が多いが、オペレーションの分野では都市バスが中心になる傾向があり、日本との比較の意味でも、もう少し長距離バスを取り上げてくれてもいいかなあと思います。

 次号は新エアロスターの他、スタート1年になる新高速乗合バス制度の検証記事が掲載になるよう。北陸道の事故もあって、まだまだ問題は山積みと思うが、どこまで触れられるか。また、高知県の土佐電・県交通の公主導による統合は取り上げられるでしょうか。県単位の話なので、全国的にも一大事ではないかと思いますが。

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《今日のニュースから》
「世界最大の花」ショクダイオオコンニャク つくば市の植物園で開花

№1199 山陽電車踏切事故 事故調査報告書公表

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 少し前の話になってしまうが、昨年発生した山陽電鉄の踏切事故についての事故調査報告書が、先月27日に運輸安全委員会から公表されています。
 昨年2月12日、直通特急として姫路から阪神の梅田に向かっていた山陽電車が、荒井駅手前の踏切で立ち往生していた、乗用車運搬用のトラックに衝突し、前2両が脱線して架線柱や荒井駅のホームに次々に激突、列車は運転士が重傷、乗客15人が軽傷を負ったというものです。

 私は昨年、廃止直前の鳴門市営バスを撮りに行った後、大阪へ戻る途中舞子で途中下車し、舞子公園から姫路まで山陽電車に乗りました。それは№915で軽く触れただけだが、その途中、東二見でカバーをかけられた状態の被災車両、荒井では仮設で復旧した上りホームを見かけています。

 事故に至る流れとしては、トラックが前の車が踏切のすぐ先で停止しているのに、すぐに移動するだろうと思って踏切に進入、しかし信号が変わらないので前の車が移動せず、そのうちに踏切が作動してしまった。前の車が移動したので脱出しようとしたが、乗用車を搭載するための道板(折りたたまれていた状態)が遮断かんに引っかかってしまうと思い、道板をを下してからトラックを動かそうとした所で、特急が衝突してしまった、という事になろうかと思います。
(トラックのドライバーは、現場付近の交通事情をあまり解っていなかった)

 やはり第一義的にはトラックの側に原因があります。前の車が踏切のすぐ先に停止していたら踏切には進入しない、というのは鉄則だし、万が一踏切に閉じ込められる事態になったら、真っ先に非常ボタンを操作して列車を止める(事故が起きた踏切にも装備されていた)というのが正しい措置だと思います。予想外の事態が連続して、気が動転してしまったのかも知れないが。
(なお、障害物検知装置はトラックを検知できなかったようだ)

 列車の運転及び非常ブレーキ操作に関しては問題はなかったが、私鉄車掌経験者として考えさせられたのは、事故発生直後の車掌の行動。
 このような脱線事故が発生した場合、車掌はまずは列車防護に走る必要があるが、事故後の口述によれば、車掌は事故の直後、精神的な動揺から乗務員室より動けず、列車防護にも行けなかった、ややあって運転指令より状況の報告と、車内及び運転士の様子の確認を行うよう指示があって、その報告ののち、駅助役らと共に乗客の救出作業に当たった、との事。
 この点については報告書も、「冷静に状況を判断して報告し、列車防護に向かうべきだった」と指摘しています。
 ただ、車掌の経歴を見るとまだ20歳で経験が12日、車掌になりたてで通常の乗務だけでもまだまだ精一杯だったろう状況で大きな事故に遭遇、まして運転士との通話ができない状況では、どうしようどうしようとオロオロしてしまうのも、無理からぬ事であろうとも思います。
 この後山陽電鉄がこの車掌に対してどのような処置・教育を行ったかは解らないが(社全体で列車防護に関する教育を行っている、としている)、単に叱責するのはダメで、フォローアップ教育の充実が必要でしょう。

 このような大規模なものに至る事は希少としても、踏切事故自体は決して少なくありません。抜本的な対策は踏切そのものの撤去しかなく、山陽電鉄でも西新町の立体化工事が進行中だが、簡単には事が進まないのも事実です。
 乗務員の立場としては、反復した訓練が何よりも大事だと思います。
 私が勤務した私鉄では毎年1回、運転士と車掌が合同で大規模な踏切事故を想定した訓練を行っていました。事故が発生した場合、車掌は、

①後方へ列車防護に走り、後続列車の停止手配を取る
 (特に全軸が脱線していると、後方の信号が「青」になってしまっているので)
②列車に戻って運転士に報告ののち、転動防止(列車が間違って動き出したりしないように)を実施
③運転士らと協力して、車を踏切から除去し、救急車の手配を取る
④現認者(目撃者)を2名以上確保(その間に運転士は列車の状況を点検)

というのが大まかな流れになっていたと思います。さすがに運転士が動けなくなった場合はどうしよう、という所まではやらなかったが、ともかく重大な踏切事故は必ず起こりえるものとして、関係者は真剣に訓練に臨むことが大事でしょう。

 そして、大規模なものは希少と書いたが、決して過去にもなかった訳ではなく、2002(H14)年には名鉄特急も名古屋本線で大規模な踏切事故を起こしています。
(特別車が廃車となり、1380系が起こされる原因になった)
 しかし、福知山線事故のような、大量の犠牲者を出してしまった大惨事はともかく、この程度までの事故では、案外風化も早く、鉄道事業者の内部でさえ簡単に忘れられてしまう傾向がある気がします。これは私自身が感じてきた事でもありますが。今回の事故も山陽電鉄だけで終わりではなく、全鉄道事業者が報告書を基にこの経験を共有し、踏切事故防止、そして迅速な対応につなげる必要があるでしょう。

 当ブログでは、コメントは受け付けない事にしています。この記事について何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。
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《今日のニュースから》
STAP細胞論文 雑誌ネイチャーが正式取り下げ