№1155 バスマガジンvol64(講談社ビーシー/講談社)

「バスマガジン」vol64が先月末に発売になりました。ちょっと遅くなってしまったが、ここで取り上げます。

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◆ 国産中型バス50年史
 注目車両数台を交えて、中型の半世紀を振り返っています。新幹線・オリンピックと同じ年のデビューなのか。
 年史は主に車両の形式・形態を中心に据えて記されていて、その時々のバス業界における位置づけは若干扱いが小さいように思えました。
 全体的な流れは、小規模な自家用・貸切用→ボンネットバス等の代替で路線バスにも進出→狭隘路線への導入(大型ツーマン車のワンマン化という理由も大きいだろう)→全体の輸送量減に対応した輸送力調整の意味での投入、となるのか。
 神奈川県でいうと、神奈中の他、横浜市営バスでも1990年代末には、普通に大型車のワンマン運転が行われていた系統への中型車の導入が行われていました。今現在、それらの車両の淘汰が終わろうとしています。中型(横浜市ではレインボーⅡ)同士の他、大型に戻す系統も見られるという段階です。
 最近は大手事業者でもやや規模が小さい所だと、路線車の大半は中型という所が少なくなく、正直な所ややさびしく感じたりします。大型と適材適所で使い分けられるといいなと。

◆ 終点までのバス散歩
 第5回は防長交通の大畠駅→周防由宇。
「瀬戸内のハワイ」とはいえ、観光地としては全国区ではないとは思うが、割と見どころはあるみたい。星野哲郎氏の「えん歌」の話は興味深かった。
 病院の送迎バスとの競合は複雑だが、病院側にとっても(公立か私立かは解らなかったが)、送迎バスは患者さん(=お客さん)に来てもらうためのサービスとなるだろうから、簡単には引き下がれないだろう。

◆ おじゃまします バス会社潜入レポート vol.64 川崎鶴見臨港バス

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 規模は小さく、地味ではあるが堅実という事業者は探せばあるもので、臨港バスもその一つなのかと思います。
 路線の規模は最初から現在とほぼ同じだし、長距離高速バスへの参入も最初からなく、従って関東地方の外への路線展開もないが、一つ一つの系統は全体的に本数が多く(最近は若干減少傾向の系統もあるが)て利便性が良い、そんな印象です。
「川崎鶴見」となると京浜工業地帯の浮沈と無関係ではいられないのだが、その中で産業道路駅発着の企業送迎バスの路線バス転換は頼もしいと思います。後は京急大師線の地下化で踏切がなくなり、定時性が向上してくれれば。
 一方、工業地帯が全てでもなく、鶴見区の西側は住宅輸送が中心になるのだが、この辺の記載はやや薄く感じられた。写真もないし。
 特定輸送、特にスクールバスは、以前は横浜市交通局が請け負っていた所がいくつかありました。
 昔の川崎駅(東口)の写真があったけれど、結構めまぐるしく変化を繰り返す所のようです。
 車両面では、一昔前は塩浜・鶴見〔営〕→いすゞ(川重・IK)、神明町〔営〕→いすゞ(富士)、浜川崎〔営〕→日野、のイメージがあったが、今は塩浜〔営〕は日野、浜川崎〔営〕は三菱ふそうへシフトしつつあるのでしょうか。
 今後はエリアの西部、特に武蔵小杉付近の路線の展開が期待できると思います。市営バス・東急バスとの競合も覚悟だが。

◆ 日本全国 復刻塗装バスオールガイド

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 これまで五月雨式に取り上げられてきた各地の旧塗装復刻車だが、ここで現役の復刻車が一挙公開されました。もうこれだけ走っているものだなと。
 繰り返しになってしまうが、やっぱりラッピングではなく、やるなら本格的に全塗装でやって欲しいなあ、という心境は今も変わらない。JRバス関東もそうなのか。ただ、事業者サイドからすればコストの事情も無視する訳にはいかないし、私の方が少々考え方を変えなければならないのかも知れません。
 その中で東濃鉄道が外観だけでなく、内装まで「復刻」しているのは本格的です。
 しずてつジャストライン、全但バスが、ハイブリッド車でやっているのは興味深い。
 国際興業は先代の薄緑色のエルガが走っているけれど、このカラーだったら「KKK」も復刻してほしいと思うのは、私だけ?
 スペースやコストの都合もあるだろうが、過去に走って引退済みの復刻車(私の知る限りでは上の臨港バスのほか、相鉄バス、箱根登山バス、名古屋市営バス…引退済みなのか、中国JRバスなど)も紹介してもらえたら、と思いました。

「EST普及推進フォーラム」で両備グループや富山市などが交通環境大賞を受賞し、その取り組みが紹介されていたけれど、その一方で大阪市営バスの「赤バス」廃止から1年の現況の記事も合わせて読むと、かなり複雑な心境になります。
「赤バス」の後継は区によって様々だが、区によっては地方の市町村レベルと大差ないなあと思うところも。城東区は週3回だけだったらしいし。大阪市は「特殊」なケースだと思うが、「公共性」と「採算性」のバランスをどう取るのか、利用をどう繋ぎとめ、呼び込むのか。たぶん日本では永遠の課題なのでしょう。
 富山市に関しては、「フィーダーバス」のレベルをもう少し上げた方が良いと思う。
「全国乗合バス100選」はJHBの深名線で、早いもので転換から20年近く経つのか。新車のメルファも入っていて、当分は安泰だと思いたい。

 次号は熊本市営バス特集だそうだが、「すべて」も何も、残りは小峯京塚線1路線だけになってしまいました。これ読んで、また廃止前には熊本に行かないと。

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 消費税増税に拠る運賃改定で、特にICカードでいくつかトラブルが発生しているようです。ICカード全国展開以降では初の本格的運賃改定で、しかも大手ブランドでは全国相互利用も行われているし、しばらくはまだ混乱があるのかも。とりあえず、バスの運賃・料金箱や鉄道の改札機の金額表示は、利用の度に確認する方が良いでしょう。

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