№1048 やっぱり乗り物中心主義のロンドン旅行 9.高速電車「ジャヴェリン」
2009(H21)年より、ロンドン・セントパンクラス駅を起点として、南部へ運行を開始した高速電車は、ロンドン・オリンピックの競技の中から、「ジャヴェリン」(槍投げ)の愛称がつきました。
日本の日立製作所が製造した事でも話題です。
ドーヴァーからの帰りは、もちろんこの電車です。
ドーヴァーにも独自の市内バスがありますが、滞在時間が短かったこと、またすぐに曇り空になってしまった事、さらに「ジャヴェリン」の起点、プライオリィ駅は町外れらしく、路線が駅近くを通過する1路線しかない事で、撮影できたのはこの1枚だけでした。
トップドアのダブルデッカー。
その1路線は、駅の南側の橋を渡って鉄道と交差します。
背景にドーヴァー城。
「ジャヴェリン」始発駅のドーヴァー・プライオリィ駅。
ユーロ・トンネル開通までは、大陸へ渡る人々で賑わったのかもしれない。
訪れた時は、ごく普通の田舎の駅の風情でした。
前回書いたように、フェリー・ターミナルへはシャトルバス(£2)を利用します。
切符売り場と改札口。小ぢんまりしています。
ロンドン・セントパンクラスまで、「ジャヴェリン」だと£37.3(約6,000円)で、コーチの倍以上。座席は指定されません。
(切符はセントパンクラス到着後、改札で回収されるため、手元には残りませんでした。この辺も大陸と違う所)
駅のトイレは、改札を入らないと利用できません。乗る前にカフェに行きたいんだと、改札に立っていたスタッフに話をして、何とかOKを貰いました。
そのカフェで、サンドイッチとシチューっぽいスープ、それにコーラで昼食。軽食のはずだが、£10.02(約1,500円)だから、少々物入りになりました。イギリスの物価は高い…。
バスが通過する橋から取った、プライオリィ駅の構内。第3軌条式電化路線。
ホーム。発着は頻繁。「ジャヴェリン」は1時間間隔。
「ジャヴェリン」の編成全体を御覧頂きます。
新幹線500系にも通じるような、美しい流線型です。傾斜は緩いけれど。
(500系も一部は日立製)
一部の編成には、オリンピック・パラリンピックの英国人メダリストのサインが書き込まれています。
この395005編成には、タニ・グレイ・トンプソン選手(パラリンピック金メダリスト)のサインがあります。
車内は、はっきり言って簡素です。2ドア時代の京急2000形のような、集団見合い形のクロスシートが並ぶのみ。テーブルはついているがリクライニングはしません。ただ、ピッチは広いです。
車内設備も、飲食関係は自動販売機すらなし。各車両に1箇所ずつ荷物置き場、編成の前後1箇所ずつにトイレがあり、身障者対応もしています。
中央の向かい合わせ部分には、大型テーブルがあります。グループ客には良いでしょう。コンセントもあります。
出発すると、左手にドーヴァー海峡が現れます。曇り空もあって、暗い…。ちょうどこの真下を、海峡トンネルが通過しているのでしょうかね。
フォークストンの町。ここを過ぎると、海峡トンネルをくぐってきた高速新線が現れます。ただ、すぐには合流しません。小駅をいくつか通過していきます。
アシュフォード。途中下車してみました(改札からは出られないけれど)。これはマーゲイト行。セントパンクラス~アシュフォード間が30分間隔で、ドーヴァー行と、カンタベリー経由マーゲイト行が交互に発着。
ユーロスターのホームもあるが、国際列車なので、通常は立ち入れません。
30分後のマーゲイトからの便で再度ロンドンを目指します。
ここまで在来線は第3軌条集電、ここでパンタを1器上げて高速新線「HS1」に入ります。
さすがに高規格の路線は、在来線とは全然違う。早くて快適。高速道路と並走する区間もあるが、車もトレーラーも、並ぶ間もなく抜き去っていく。
もっとも大半は田園地帯なのだが、線路を隔てるものは、ほとんどは鉄柵だけ。
途中メドウェイ川を渡り、エブスフィールドとストラトフォードに停車。
(テムズ川はトンネルでクリア)
セントパンクラスが近づくと、沿線はあちこちで再開発工事の真っ只中、という感じ。
ほぼ定刻の到着でした。問題が多いとされるイギリスの鉄道だが、さすが高速新線は別格。
京急2100形とか、京阪8000系あたりが新幹線を突っ走ったら、こうなるのかなあという感じがしました。
異色の高速電車でした。
セントパンクラス駅の「ジャヴェリン」専用ホーム。
2007(H19)年11月6日に開業した、高速新線「HS1」の記念プレート。
セントパンクラス駅。
といっても知らない人が初めて見たら、駅とは思わんでしょう。
明日の帰国便はシティ空港から出発で、8時前と早いので、空港近くのホテルに泊まるのだが、荷物はオックスフォード・サーカスのYHに預けたままです。
オックスフォード・サーカスまでは、ロンドンバス73系統で戻ります。
73系統はアリヴァ社の運行、車両はボルボB5LHと推測されます。ごく一般的な市販車両でしょう。
このタイプは1階は前方がノンステップで、後方はステップがあります。
2階部。
YHに預かってもらった荷物を受け取り、シティ空港近くのホテルに移動します。
セントラル・ラインに乗り、バンク駅でドッグランド・レール(DLR)に乗り換えます。
バンク駅はDLRも地下です。かなり深そう。
DLRは、基本的には無人運転。
(乗車した電車は、女性スタッフが運転台ユニットを開けて、前方を監視していた)
前方を見る事ができます。
左に郊外電車の線路を見るが、実はナショナル・エクスプレスの運営で、フェンチャーチ・ストリートからシューバーイネスまでの路線を、「c2c」の名前で運行しています。
途中リムハウスで降りて、DLRの電車を撮ってみました。
こちらはちょっと新しいタイプ。
ホテルに近い、カスタム・クロス駅。
DLRはタワー・ゲートウェイやストラト・フォードからの系統もあり、運転形態はかなり複雑です。バンクからだと、カニング・タウンで乗り換え。
今晩はこの駅前にあるホテルに泊まって、明日の帰国に備えます。
最後に、今更ながら地下鉄アンダー・グラウンドの路線図。
左側に、DLRの路線も記されています。
当ブログでは直接のコメントは受け付けないので、何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
当ブログ上からでは発表できない緊急の事態が発生した時は、本体でお知らせします。
この後この翌日、シティ空港からフランクフルトに飛び、いよいよANAのB787-8に搭乗して、ロンドンの旅を締めくくる事になります。
ただ、当ブログは明日から31日まで3連休とします。
31日には本体の更新を行います。ここまで連載で取り上げてきた、ロンドンを中心としたバスの画像を、一部追加の上公開する予定です。
日本のバスを公開できるかどうかは、ちょっと微妙…。水曜日が晴れてくれたら、1枚でも2枚でも追加できると思うのだが…。
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