№1019 日本の旅客機 2013-2014(イカロス出版)

画像

 毎年恒例の「日本の旅客機」の2013-2014版が先月末発売になりました。
 表紙はJALのB777-200で、裏表紙は退役迫るANAのB747-400D。
 構成は例年通りで特集記事が2つ、その間にメインとなる各社毎の運行機種カタログが挟まるスタイルになっています。
 巻末に白黒でシートマップと全登録リストというのも変わらず。

第1特集『各社が競う 最新キャビン事情』
 長距離国際線に関しては、上級クラスはファースト・ビジネス共に「個室化」がさらに進むという所か。
 常々思うが、ビジネスクラスも数年前のファーストクラスを大幅に上回るサービスを提供するようになっていて(シート以外も含めて)、もうファーストクラスなんていらないんじゃないの?と思うほど。
 そもそも、これからはファーストとビジネスはどうやって差をつければいいのだろう?
 LCC対策もあるのか、JALもANA(ここには無かった)も、エコノミークラスのシートピッチ拡大が行われるようになって、こちらの方が私的には嬉しい。
 ただし、各クラスともこれだけシート周りが大掛かりになると(周辺機器も増えているし)、かつてのように簡単に仕様の変更はできなくなるから、路線を選んでの慎重な運用にならざるを得ず、効率よく運用するのは難しくなりそう。
 それに、パーソナル化が進みすぎると、「フルムーン」的な夫婦の利用などはしにくくなるかも知れない。
 それとJAL・ANAとも、B777-200ERに新プロダクトの導入がないのが意外。
 せいぜいプレミアムエコノミーの導入位で、その「効率よい運用」もあるからなのか。
(短距離の中国線も、長距離の欧米線もある)
 特にANAはこの先、国内線への転用が始まるようだから、それも理由でしょうか。
 他社で注目されるのはやはりSKYのA380になるだろうが、いきなりニューヨーク線(最初は欧州線と言っていなかったっけ?)、それも上級クラスのみとするのは大丈夫なのか?
 いくら低運賃といっても、上級クラスである以上はシートだけでなく、CA等への十分な教育が必要になるはずだから。

『旅客機最新データ』
 JAL・ANAとも再びトップバッターはB777-200ER/300ERで、ANAのB747-400D以外は機体のサイズ順に並ぶ構成に戻っています。
 JALのB767-300ERはウイングレット装着機が就航。
 DHC-8は100・Q300・Q400共まだ新鶴丸色は無いみたい。
 ANAは「Inspiration of JAPAN」ロゴを加えた機体が見られるようになりました。私的にはこれらもできるだけ、羽田以外で撮りたいと思う。
 B737-500はADOから帰ってきた機体もあるのか。MRJの開発がさらに遅れるので、扱いが結構難しくなるかも。
 
〔2013-2014版で初登場の機種〕
 ADO B737-700

〔2013-2014版で姿を消した機種〕
 JAL MD-90-30

 第2特集『日の丸フリートが迎える大転換点』
 
画像

 この一年間は機材面に関してはMD-90-30が姿を消した程度なので大きな動きは無かったが、その反動かこの先の1年はかなりの激変が予想されるとしています。
 大まかには、1.SKYのA380-800受領 2.ANAのB747-400DおよびDHC-Q-300退役 3.春秋航空日本とリンクの就航 4.ANAの新LCCとMRJはどうなる? となるか。
 2についてはなるほど、一番大きな機体と、一番小さな機体が揃って退役か。
 DHC-8はQ400がコミューター路線の主力としてバリバリなので、Q300はB747の影でひっそり退役、という流れになるのか。
 ここ数年、「日本の旅客機」はエアバス機(特にA320)をプッシュする傾向にあったが、春秋航空日本はB737-800を選定、SKYもB737-800の後継はMAXとリリースしているから、一気にエアバスになだれ込むわけでもなさそう。
 ボーイング・エアバスともに一長一短があるのだから、各社の内情も加味しつつ、両社製のフリートが拮抗した形での導入が続くのではないだろうか。
 また、ここにきて30-50席クラスのコミューター・ターボプロップ機の後継機選定も、課題として浮上しているよう。
 ただ、AMXのDHC-8-100が39席仕様に対し、後継か?とされるATR42は標準で42席(最大50席)だそうだからサイズ的には合うが、離陸滑走距離は1,165mとされ、天草空港のR/Wは1,000mだから、空港側を何とかしなければならないだろう。
 コミューターは地上側も考えなければならないから、大型機以上に難しい部分が多そう。

 巻末に『日本の旅客機 全航空会社全機種シートマップ』
 ANAのB787-8は既に国際線3種類、国内線2種類のコンフィギュレーションがあり、フランクフルト線はプレミアムエコノミー設定の最新機材の模様。
 エコノミークラスは3-3-3配置なんだ(国内線専用機と同じ)。

 最後に『全登録記号リスト』。
 SKYのA380-800が6機と、A330-300が10機、リストに加わりました。
 A380-800の初号機JA380Aは来年8月29日登録と、具体的な日にちまで決まっているのか。
 A330-300の初号機JA330Aは来年1月31日。
 エアアジア・ジャパンもA330-300が、本来は今年6月には導入されるはずだったが、エアアジアグループの他社で使用されるのか。案外国際線で日本路線就航とかもあったりして。
 バニラ・エアはこれから、という所か。ANAからの転籍かと勝手に考えていたのだが、違うみたい。

 来年に関しては、旅客用ジャンボジェットが全滅する一大転機を迎える一方でSKYの両ワイドボディ機が注目になるでしょう。
 それとこの一年は動きは少なかったが、B777-200(含むER)はどうなるのか。
 東京オリンピックが開催される2020(H32)年は、B777-200日本初就航からちょうど四半世紀になるので、オリンピックをにらみつつ、機材の更新が進められる事になるのでしょう。

 当ブログでは直接のコメントは受け付けないので、何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
 当ブログ上からでは発表できない緊急の事態が発生した時は、本体でお知らせします。

 明日・明後日はお休みし、金曜日から本格的に「神奈川の駅を全部撮る!」、スタートです。

《今日のニュースから》
国鉄広尾線幸福駅 駅舎解体作業開始