東急では、総合車両製作所と共同開発の「次世代ステンレスカー・sustina(サスティナ)」1両を、5月半ばより東横線で運行しています。
5576号車は、5050系8連の5号車に組み込まれ、急行・各駅停車として東横線・みなとみらい線~メトロ副都心線を中心に、西武池袋線、東武東上線への直通運用にも就いています。
「サスティナ」の特徴として、リリースには、
① 更なる軽量化の実現による省エネルギー性の向上
② お客さま安全性の更なる向上
③ ステンレスの特長を活かしたさらなる美観の向上
④ レーザー溶接による水密性の向上
⑤ 製作工数削減による製作コスト低減
と挙げられています。
先日この車両を間近で見る機会があったが、ステンレスカーもここまできたか…、と思わせるほどの、ツルツルなまでにシンプルなデザインでした。
技術的な詳細ははっきり言って解らんが、ここでは初のオールステンレスカー、7000系(の改造車7700系)から、サイドビューを通してステンレスカーの進化を見てみたいと思います。
(東急以外の車両もあります)
東急7700系
初のオールステンレスカー。
角ばったデザインに2段窓もあって、かなりいかついイメージ。
腰部のギザギザのコルゲート板が、これぞステンレスカーという印象を与えました。
同じステンレスカーなのに、「サスティナ」とは全然違う…。
東急8500系
オーソドックスなイメージもする、1980年代前半までのステンレスカー。
東急2000系
デハ8400形で試作された軽量ステンレスカーは、8090系で量産化。
コルゲートを廃止、代わって腰帯とビードを設けたが、かなり印象が代わりました。
8590系までは車体断面にRを持たせていたが、9000系では垂直構造になりました。
9008Fから、帯板を廃止してさらにスッキリした印象となり、田園都市線向け2000系にも受け継がれています。
この車体構造は、各私鉄はもちろん、旧国鉄の205系や211系などにも採用、一部第3セクター鉄道向けの軽快DCにも取り入れられたから、影響は大きかったと思います。
東武30000系
西武6000系
ステンレスカーとしては珍しく戸袋窓が設けられています。
それでも初期のステンレスカーでは各地で戸袋窓が見られたが、ビード加工になって以降のステンレスカーで戸袋窓があるのは、他に知る限りでは京王の8000系と、小田急の1000形、2000形。
全く蛇足ながら、6000系は他にアルミカー(6050番台)でも初期編成には戸袋窓があるが、両開きドアで戸袋窓がある車両が東急線内で営業運転を行うのは、特殊なケースのメトロ日比谷線03系5ドア車を除けば、初めての事になります。
東急6000系
ついにビードさえなくなり、窓部の縁取りなどに凸部はあるものの、これでも相当フラットなイメージになりました。
この構造はJR東日本、旧901系で採用されたものだが、当時の「寿命半分・価格半分・重量半分」の目標もあって、正直「安っぽい電車だなあ」と感じたものでした。
(結局「寿命半分」とはならなかったのだが)
これが、現在に至るまでの各社のステンレスカーのスタンダードとなります。
小田急3000系
最後に参考として、日本車両が独自の「ブロック工法」で製造したステンレスカー。
外観では、ドア部が外番より突出した形になっているのが特徴。
関東では小田急の他、京成3000形、北総7500形、京王9000形、横浜市3000形(「N」以降)等で見られます。
他にも各車両メーカーが独自で開発したステンレスカーもあるが、とりあえずステンレスカーといえば、「東急車輛」→「総合車両製作所」製が主力、という事でしょうか。
今後は、「サスティナ」が量産化され、これをベースとした編成単位の新系列がどこかでデビューする、という事になるのか、が注目だと思います。
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