№989 思い出の海外旅行クロニクル 8.1997年オランダ6<終>

 これまで5回に渡って、1997(H9)年6月の11日間に渡るオランダ旅行を書いてきました。
 最終回は、オランダに路線網を広げるオランダ鉄道(NS=Nederlandse Spoorwegen)の車両と、アムステルダム中央駅及びスキポール空港駅の画像を御覧頂きます。
 また、総まとめとして当時感じたオランダの鉄道の印象、当時のオランダのパーソナルデータを記して、完結とします。
(各車両の形式についてはご勘弁を)

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 改めて、オランダ国鉄NS(Nederlandse Spoorwegen)のシンボルマーク。

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 当時としては、最新鋭と思われる、新鋭ダブルデッカー車。
 日本に比べると、相当大柄です。
 当時は3連と4連があって、適当に組み合わせて運用されているようでした。
 中間駅での分割・併合も頻繁にあります。

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 編成には1等と2等両方あるが、こちらは2等の2階車内。
 ボックスシートが並ぶ。
 シート上の荷物棚がないが、ボックスシートの背もたれの間に収納できる。

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 こちらは1階。
 多少天井が低いかな?と感じた程度で、上下どちらも窮屈とは思わなかった。
 当時はまだ一部喫煙可で、煙かった…。

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 上の画像は下手に撮ってしまったので、改めて絵葉書から。

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 こちらはシングルデッカーの新型電車。
 JRの485系に印象が似ています。

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 その車内は案外質素です。

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 ダブルデッカーの客車。
 プッシュプルトレインで、運転台が設けられています。

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 その車内。
 近郊列車用だからやはり質素です。

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 オランダは7割程度が電化されていると見たが、一部にはディーゼルカーが走る路線もありました。
 当時としては最新鋭と思われるDC。

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 その車内は、さすがにモダンです。

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 オランダの鉄道というと「犬の鼻電車」と呼ばれる、ボンネットスタイルの電車を思い浮かべる方、多いと思います。
 電車は後で御覧頂くが(外観だけ)、DCにも「犬の鼻」がありました。
 3両1ユニットで、片方の先頭車の半分を丸まる機器室(エンジン)とした、動力集中式。

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 その車内。

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 オーソドックスな近郊電車。

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「犬の鼻電車」。
 古い車両だと側面に水色の3本の斜めのラインが入るが、日本の185系<踊り子>のストライプは、ここからヒントを得た、とされています。

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 ローカル線向けと思われるDC。
 単行と2連があります。
 多少小振りです。

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 正面の形態がユニークな、旧型DC。
 この画像では解りづらいが、連接車です。

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 旅客用?のEL。
 フランスで走っているタイプと同型、というゲンコツスタイル。
 ライトベゼル周りは少々違うが。

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 ELからもう1タイプ。

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 アムステルダム中央駅。
 欧州のターミナル駅らしく堂々としているが、オランダ全体の古典的建築物の傾向として、あまり彫りは深くなくて、平面的な印象があります。
 駅前を路面電車が行き交い、ターミナルもあります。

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 コンコース。

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 出発案内のソラリー。

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 切符売り場。

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 欧州の大駅には必ず、両替屋がありました。
 当時はユーロ導入前だったし、いつも大賑わいでした。
 ここはホテルの予約なども取り扱っていたようです。

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 花屋さんもあります。

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 ホームの表示。
 ちょうどパリ行「タリス」が表示されています。出発時刻だ。

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 最後に、ホーム。
 この駅は欧州のターミナルで一般的な頭端式ではない、スルー形態になっています。
 他の駅もそうだが、ホームの中間に渡り線がある、ユニークな配線が取り入れられています。

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 もう一箇所、何度も訪れたスキポール空港駅の切符売り場。
 成田空港などと比べても広く取られていて、サインも大きく、鉄道が空港アクセスのメインである事を実感させられます。

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 ホームは地下にあります。

 空港は中央駅まで15分と近く、日本から見たらうらやましい。
 でも中央駅からちょっと離れるともう緑豊かな田園地帯というロケーションは日本とは大違いで、国土の違いと割り切るしかないのでは?
 むしろ、発着する列車の運行形態の多彩さこそ、見るべきもの、学ぶべきものがあると感じました。

 以上、6回に渡って、本当に簡単ながら、オランダの鉄道の旅について書いてきました。
 ここで、短い期間ながら乗り歩いて感じた、オランダの鉄道の印象。

1. 列車種別は基本的にはインターシティ(IC)、シュネル(S)、ストップトレインの3種類。ICもSも追加料金は不要。
2. ダイヤは基本的に30分サイクル、ローカル線も60分間隔のパターンダイヤで解りやすい。接続も良く、IC同士ではユトレヒトやアムスフォートなどにおいて、同じホームで他の系統への乗換えができる。
3. 一部アクシデントで乱れるシーンにも出くわしたが、全体的にはダイヤは比較的正確。
4. 電化率は7割程度か。幹線区は皆電化され、EC、EL(プッシュプルトレイン)が活躍している。欧州の中ではECの割合が多い方かもしれない。非電化ローカル支線ではDCが運用されているが、DLは構内入替用オンリーか。
5. 客室の設備は比較的簡素で、座席は2等車だとICでもビニール地が多用されていた。ピッチは広くてゆったりしている。トイレが意外にも、皆タレ流しだったのだけれど。
6. 駅の数が非常に少ない。郊外では次の駅まで10~最大20㎞程度駅がない事も珍しくなかった。主要駅は構内の配線に特徴がある。
7. 全体的に平坦な地形のため、山岳トンネルは存在しない(地下線・運河をくぐるトンネルはある)。一方で橋梁が多く、大規模な昇降橋も少なくない。
8. 他国の編成はあまり見かけなかった。アムステルダム~ブリュッセルのICが60分間隔、国境付近で他国編成のローカル列車もあるが、長距離はTGVタリスや、ドイツ・スイス編成のEC(欧州内国際特急)が見られる位。
9. 貨物列車が少なかった。オランダは海運が中心だかららしい。
10. 一般的な私鉄は走っていない。アムステルダムで地下鉄、アムステルダムやハーグ、ロッテルダムなどでは路面電車が運行されている。郊外には保存鉄道でSLも運行されている。
11. アムステルダム中央駅から主要都市までの運賃(2等車)。
 スキポール空港 19㎞ 6.25NLG(約390円)
 ユトレヒト 39㎞ 11NLG(約700円)
 ハーグ 63㎞ 16.5 NLG(約1,040円)
 ロッテルダム 86㎞ 22.25NLG(約1,400円)
 アーネム 97㎞  24NLG(約1,510円)
 マーストリヒト 217㎞ 48.5 NLG(約 3,100円)
※1NLG=約60円として計算

 最後に、オランダの国そのもののパーソナルデータを(帰国日の1997(H9)年7月1日現在)。

正式国名 オランダ王国 Kingdam of the Netherlands
面積 約37,350km2(本土のみ。日本の約1/10、九州より若干広い))
人口 約1,529万人
政治体制 立憲君主制
国家元首 ベアトリクス女王
※今年4月に退位、現在はウィレム・アレクサンダー国王
政治指導者 ウィム・コック首相(労働党)
※現在はマルク・ルッテ首相(自由民主国民党)
首都 アムステルダム(人口約72万人(1994(H6)年))
国連 加盟(1945(S20)年)
EU(EC) 加盟(1957(S32)年)
NATO 加盟(1949(S31)年)
通貨 ギルダー(NLG) 1NLG=約60円
言語 オランダ語
主な観光地 アムステルダム市内(運河巡りなど) 世界遺産キンデルダイクなどの風車群 マドローダムなど
日本からのアクセス スキポール空港へ直行便あり

 私自身のこの旅の全体的な感想として、小国で移動が比較的簡単である事が逆に若干災い、ピントがぼけた、どこかダラダラした旅になってしまったような気がします。
 スキポール空港での撮影に気を取られ過ぎたか。
 観光地を巡るのは悪くなかったが、もう少しガンガン鉄道(NS)の乗り歩きに費やしても良かったかな、と後に感じました。
 ほとんど初めてに近い国だったのだし。
 ともあれ鉄道網は欧州の中でも充実している方で、先にあげたようにダイヤも比較的便利、初心者が気ままに乗り歩くにはちょうど良い国なのではないでしょうか。
 スイスなどのようなダイナミックさはないが、穏やかな田園地帯の美しい自然は存分に楽しめると思います。

 ところで次回の「クロニクル」は、同じ1997(H9)年12月のギリシャ旅行を取り上げる事になります。
 ただ、おかげさまで当ブログは来月前半に更新1000回を達成する見込みで、これを記念した企画を長期に渡って書く事にしています。
 また10月にはロンドン、11月には沖縄への旅を予定しており、更新を中断する時期もあります。
 したがって「クロニクル」は当分中断、早くて来年頭位からの再開とさせて頂きます。
 次回をお楽しみに。

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《今日見た・聞いた・思った事》
 参議院選挙の結果そのものについては、ここでは何も言いません。
 世界の目は政権そのものだけでなく、日本全体に厳しく向けられている事を、安倍政権はしっかり認識して発言・行動して頂きたいと思います。
 この結果を受けて、政界はいよいよ「改憲」の是非について、議論が時には世論をも巻き込んで先鋭化しつつ交わされる事になるのか?
 私は憲法問題に関しては、「護憲運動は『宗教活動』化した事で失敗を招いてしまったのではないか?」と思っています。
 他の方のブログのコメントでも記したのだが、日本国憲法も所詮は人間が作った決まり事でしかなく、キリストやアラーのように神格化して語るのは間違いではないか?
「憲法9条の心を世界に」などといううたい文句には、どうしても違和感を感じてしまうのです。
 反戦・平和の追求は決まり事のあるなしとは関係ないはずなのだが、自信がないのか、あるいは何かウラがあるのではないのか?と。
 誤解なきように、私自身も護憲派、反戦・平和主義者の端くれだと思っています。
 ただ、クラブ活動的なサークルから発せられる温いセリフだけでは、平和な世界の構築につながらないのは、残念ながら現実で、事実です。それはシリア内戦の難民の窮状をみても、痛感させられる事です。
 他人とは違ったアプローチで、平和な社会・世界を構築する方法はないのか、いつも考えています。
 一人で何ができるの?とも思いますが…。

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