№977 バスラマインターナショナル138(ぽると出版)

「バスラマインターナショナル138」が先月末発売になりました。

★2013バステクフォーラム 開催
 開催場所の変更については、前137号発売時に、別刷りの折込みで予告されていたので、かなり急な決定だったよう。
 参加者でもないし、技術的な事も解からないから詳細はどうこうは言えないが、技術中心の出展という事もあるだろうが、平日1日だけだと一般のお客さんの参加は難しいのではないだろうか。
 本当は土・日も含めてバスショー的な要素も持たせればもっと注目されるだろうが、現状ではこれが精一杯か。

★ゆとりーとラインにハイブリッドバス登場
 新型車両は日野ハイブリッド・ツーステップ仕様となって、全車両が一気にこのタイプに統一される事になるよう。
 名古屋のガイドウェイバスは、将来需要がさらに高まった時点で、「ゆりかもめ」的な新交通システムに移行できるように想定されているので、全線高架で建設されています。
 私も数回乗った事があるが、①駅が高架になるのはいいとして、もう少し簡素な造りにならないか(在来の新交通システムもそう)、②大曽根側も地上に降りられるようにして、栄や名古屋駅方面への直通運転ができるようになれば、もっと運行形態が柔軟になる、③高架区間(軌道扱い)と地上区間(バス扱い)で営業制度が異なるため、通しで乗ると運賃が割高になってしまう、このあたりは課題と思われました。
 全体的に「バスラマ」誌は、この手の鉄道的な要素が入った交通システムは全否定、とは行かないでもかなり疑問視しているようです。
 LRTに対してもそんな所があるし。
(そういえば、「バスラマ」誌でDMVが取り上げられた事は、確かほぼ皆無のはず)

★バス事業者訪問 165 西東京バス
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 リクエストが多かった事業者らしいが、「都市路線」と「山岳ローカル路線」の2面性を兼ね備えている所が人気かも知れない。
 もちろんそのような事業者は日本全国にあるだろうが、東京都にある事、事業者としては大きくはない事もあるのではないだろうか。
 前回書いたように私は元々は登山もやっていて、奥多摩にも行った事があり、奥多摩湖とか、数馬の路線を利用した事がありました。
 最近では東京都内最東端→最西端の乗り継ぎでも乗って、それは本体にも記しました。
 終バス(最終バス)が1時台の路線は他社でも決して少なくないが、始発が4時台とは思い切って早いなあ。
(恩方車庫4時42分発→高尾駅北口4時57分着、など)
 全体的には、各種施策が良い方向に回っているという所でしょうか。
 気がかりなのは、最重要な営業基盤の八王子市の地盤沈下が指摘されている事で、そごうの閉店もあるし、多摩地域の主要都市の座を立川に明け渡しつつあるのではないか?とも言われています。
 今後どのような利用の変化が出て、それに対してどのような施策を取るのだろうか。
 通勤高速バスのルポも興味深いが、トレーラーバスの運行の実際などを見たかった。
 利用の実態も去る事ながら、現場の運行の苦労なども多々あるだろうから。
(運転には大型2種に加え「牽引免許」も必要になる)
 後はスクールバスの割合が相当高そう。
「ファンモンバス」は、とりあえずは運行が継続されるみたい。
(今日現在公式Webでは、少なくとも「いつまで運行」とは記されていない)
 
★改めてバスの安全を問う Ⅴ
 今回はドライバー(特に夜行)の過労運転と、その対策をメインに据えて取り上げられています。
 この問題に限らずバスのドライバー、ひいては交通事業者の運行に携わる人たちの健康管理の問題は、当事者からの発言・主張は(少なくとも日本では)影響力が弱くなりがちで、外部の者がもう少し真正面から取り上げて欲しい。
 しかし航空のLCCなどでもそうだが、日本のジャーナリズムは利用者の興味を煽るような競争とか、行政の関係ばかりが中心で、通常何もなければ運行の安全に踏み込んだ報道がほとんど行われません。
 事が起きてから初めて「実はああだった、こうだった」と騒ぐのが常になっているのは、前にも書きました。
 なので、当面は事業者自らが地道に改善を図りつつ、その取り組みを粘り強くPRしていくしかないのかなあとも感じました。

★短期連載 日本のバス輸出はいま①
 実は私も初めて知ったのだが、日本のバスメーカーは、国内向けをはるかに上回る年間10万台以上の輸出があるそう。
 ただ、先日のオーストラリア向け三菱ふそうエアロスターのような、日本で見られるような形態での輸出ではないし、趣味的にはミャンマーのような中古車両の輸出の方が目立つから、解からなかった部分が多いかも知れない。
 第1回はいすゞ。

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 そういえば、去年香港のランタオ島に行った時、「ISUZU」のエンブレムをつけた車両を見かけて、本体で御覧頂いた事もありました。
 ガーラ顔で側面が2段窓というのは、正直洗練されているとは言いがたいが、これはこれで東南アジアらしいか。

★各地の新車から
 貸切・高速車が大半で、一般路線車は少ない。
 その中で、九州産交バスの小型車の新車がポンチョからローザに移行しつつあるというのは、少々気がかりな傾向と感じられました。
 名阪近鉄バス(ポンチョ→リエッセⅡ)と同じ流れで、収容力も兼ね備えた小型ノンステップ車の開発が急がれると感じました。 

 西東京バスの記事の中で、多摩バスの西東京バス再統合に関わる話も興味深く読みました。
 西東京バスからは離れるが、国際興業に再統合された「さいたま国際バス」でも、同様な問題があったと、同じバスを趣味とされている方から聞いた事があります。
 さいたま国際バスは直営1路線と、国際興業本体の一部受託を行っていたが、やはり波動輸送で融通が利かなくなってしまったとの事でした。
 国際興業のエリアは元々公営競技の輸送が多いし、サッカーの観客輸送も駒場のレッズ戦で行っていた上に、埼玉スタジアムの開場で国際試合が多くなって、問題が一気に表面化したのだろうと思います。
 バス会社の分社も一頃のような活発な動きはなくなり、他にもケイビーバスや臨港グリーンバスのように本体に再吸収される例が多くなってきています。
 分社の形態は様々だが、この機会に、各事業者の分社の現状と、その得失について取り上げられても良いのではないだろうか。
 またトレーラーバスもそうだし、ゆとりーとラインやKABA BUSで見られるような特殊な形態のバスは、実際の運行はどのように行われているか、そのあたりももっと知りたいと感じます。

 裏表紙にあるように、いよいよウィラー・エクスプレスの新高速バス移行が近づいていて、次号はその移行の直後に刊行される事になります。
 予告にはないが、そのあたりについての記事が期待されます。

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《今日のニュースから》
中国 南京~杭州~寧波 高速鉄道開業

 南京・杭州ではそれぞれ上海への路線と接続、高速鉄道の「ゴールデン・デルタ」が形成された、とPRされているようです。