№989 思い出の海外旅行クロニクル 8.1997年オランダ6<終>

 これまで5回に渡って、1997(H9)年6月の11日間に渡るオランダ旅行を書いてきました。
 最終回は、オランダに路線網を広げるオランダ鉄道(NS=Nederlandse Spoorwegen)の車両と、アムステルダム中央駅及びスキポール空港駅の画像を御覧頂きます。
 また、総まとめとして当時感じたオランダの鉄道の印象、当時のオランダのパーソナルデータを記して、完結とします。
(各車両の形式についてはご勘弁を)

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 改めて、オランダ国鉄NS(Nederlandse Spoorwegen)のシンボルマーク。

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 当時としては、最新鋭と思われる、新鋭ダブルデッカー車。
 日本に比べると、相当大柄です。
 当時は3連と4連があって、適当に組み合わせて運用されているようでした。
 中間駅での分割・併合も頻繁にあります。

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 編成には1等と2等両方あるが、こちらは2等の2階車内。
 ボックスシートが並ぶ。
 シート上の荷物棚がないが、ボックスシートの背もたれの間に収納できる。

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 こちらは1階。
 多少天井が低いかな?と感じた程度で、上下どちらも窮屈とは思わなかった。
 当時はまだ一部喫煙可で、煙かった…。

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 上の画像は下手に撮ってしまったので、改めて絵葉書から。

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 こちらはシングルデッカーの新型電車。
 JRの485系に印象が似ています。

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 その車内は案外質素です。

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 ダブルデッカーの客車。
 プッシュプルトレインで、運転台が設けられています。

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 その車内。
 近郊列車用だからやはり質素です。

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 オランダは7割程度が電化されていると見たが、一部にはディーゼルカーが走る路線もありました。
 当時としては最新鋭と思われるDC。

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 その車内は、さすがにモダンです。

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 オランダの鉄道というと「犬の鼻電車」と呼ばれる、ボンネットスタイルの電車を思い浮かべる方、多いと思います。
 電車は後で御覧頂くが(外観だけ)、DCにも「犬の鼻」がありました。
 3両1ユニットで、片方の先頭車の半分を丸まる機器室(エンジン)とした、動力集中式。

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 その車内。

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 オーソドックスな近郊電車。

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「犬の鼻電車」。
 古い車両だと側面に水色の3本の斜めのラインが入るが、日本の185系<踊り子>のストライプは、ここからヒントを得た、とされています。

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 ローカル線向けと思われるDC。
 単行と2連があります。
 多少小振りです。

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 正面の形態がユニークな、旧型DC。
 この画像では解りづらいが、連接車です。

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 旅客用?のEL。
 フランスで走っているタイプと同型、というゲンコツスタイル。
 ライトベゼル周りは少々違うが。

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 ELからもう1タイプ。

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 アムステルダム中央駅。
 欧州のターミナル駅らしく堂々としているが、オランダ全体の古典的建築物の傾向として、あまり彫りは深くなくて、平面的な印象があります。
 駅前を路面電車が行き交い、ターミナルもあります。

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 コンコース。

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 出発案内のソラリー。

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 切符売り場。

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 欧州の大駅には必ず、両替屋がありました。
 当時はユーロ導入前だったし、いつも大賑わいでした。
 ここはホテルの予約なども取り扱っていたようです。

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 花屋さんもあります。

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 ホームの表示。
 ちょうどパリ行「タリス」が表示されています。出発時刻だ。

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 最後に、ホーム。
 この駅は欧州のターミナルで一般的な頭端式ではない、スルー形態になっています。
 他の駅もそうだが、ホームの中間に渡り線がある、ユニークな配線が取り入れられています。

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 もう一箇所、何度も訪れたスキポール空港駅の切符売り場。
 成田空港などと比べても広く取られていて、サインも大きく、鉄道が空港アクセスのメインである事を実感させられます。

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 ホームは地下にあります。

 空港は中央駅まで15分と近く、日本から見たらうらやましい。
 でも中央駅からちょっと離れるともう緑豊かな田園地帯というロケーションは日本とは大違いで、国土の違いと割り切るしかないのでは?
 むしろ、発着する列車の運行形態の多彩さこそ、見るべきもの、学ぶべきものがあると感じました。

 以上、6回に渡って、本当に簡単ながら、オランダの鉄道の旅について書いてきました。
 ここで、短い期間ながら乗り歩いて感じた、オランダの鉄道の印象。

1. 列車種別は基本的にはインターシティ(IC)、シュネル(S)、ストップトレインの3種類。ICもSも追加料金は不要。
2. ダイヤは基本的に30分サイクル、ローカル線も60分間隔のパターンダイヤで解りやすい。接続も良く、IC同士ではユトレヒトやアムスフォートなどにおいて、同じホームで他の系統への乗換えができる。
3. 一部アクシデントで乱れるシーンにも出くわしたが、全体的にはダイヤは比較的正確。
4. 電化率は7割程度か。幹線区は皆電化され、EC、EL(プッシュプルトレイン)が活躍している。欧州の中ではECの割合が多い方かもしれない。非電化ローカル支線ではDCが運用されているが、DLは構内入替用オンリーか。
5. 客室の設備は比較的簡素で、座席は2等車だとICでもビニール地が多用されていた。ピッチは広くてゆったりしている。トイレが意外にも、皆タレ流しだったのだけれど。
6. 駅の数が非常に少ない。郊外では次の駅まで10~最大20㎞程度駅がない事も珍しくなかった。主要駅は構内の配線に特徴がある。
7. 全体的に平坦な地形のため、山岳トンネルは存在しない(地下線・運河をくぐるトンネルはある)。一方で橋梁が多く、大規模な昇降橋も少なくない。
8. 他国の編成はあまり見かけなかった。アムステルダム~ブリュッセルのICが60分間隔、国境付近で他国編成のローカル列車もあるが、長距離はTGVタリスや、ドイツ・スイス編成のEC(欧州内国際特急)が見られる位。
9. 貨物列車が少なかった。オランダは海運が中心だかららしい。
10. 一般的な私鉄は走っていない。アムステルダムで地下鉄、アムステルダムやハーグ、ロッテルダムなどでは路面電車が運行されている。郊外には保存鉄道でSLも運行されている。
11. アムステルダム中央駅から主要都市までの運賃(2等車)。
 スキポール空港 19㎞ 6.25NLG(約390円)
 ユトレヒト 39㎞ 11NLG(約700円)
 ハーグ 63㎞ 16.5 NLG(約1,040円)
 ロッテルダム 86㎞ 22.25NLG(約1,400円)
 アーネム 97㎞  24NLG(約1,510円)
 マーストリヒト 217㎞ 48.5 NLG(約 3,100円)
※1NLG=約60円として計算

 最後に、オランダの国そのもののパーソナルデータを(帰国日の1997(H9)年7月1日現在)。

正式国名 オランダ王国 Kingdam of the Netherlands
面積 約37,350km2(本土のみ。日本の約1/10、九州より若干広い))
人口 約1,529万人
政治体制 立憲君主制
国家元首 ベアトリクス女王
※今年4月に退位、現在はウィレム・アレクサンダー国王
政治指導者 ウィム・コック首相(労働党)
※現在はマルク・ルッテ首相(自由民主国民党)
首都 アムステルダム(人口約72万人(1994(H6)年))
国連 加盟(1945(S20)年)
EU(EC) 加盟(1957(S32)年)
NATO 加盟(1949(S31)年)
通貨 ギルダー(NLG) 1NLG=約60円
言語 オランダ語
主な観光地 アムステルダム市内(運河巡りなど) 世界遺産キンデルダイクなどの風車群 マドローダムなど
日本からのアクセス スキポール空港へ直行便あり

 私自身のこの旅の全体的な感想として、小国で移動が比較的簡単である事が逆に若干災い、ピントがぼけた、どこかダラダラした旅になってしまったような気がします。
 スキポール空港での撮影に気を取られ過ぎたか。
 観光地を巡るのは悪くなかったが、もう少しガンガン鉄道(NS)の乗り歩きに費やしても良かったかな、と後に感じました。
 ほとんど初めてに近い国だったのだし。
 ともあれ鉄道網は欧州の中でも充実している方で、先にあげたようにダイヤも比較的便利、初心者が気ままに乗り歩くにはちょうど良い国なのではないでしょうか。
 スイスなどのようなダイナミックさはないが、穏やかな田園地帯の美しい自然は存分に楽しめると思います。

 ところで次回の「クロニクル」は、同じ1997(H9)年12月のギリシャ旅行を取り上げる事になります。
 ただ、おかげさまで当ブログは来月前半に更新1000回を達成する見込みで、これを記念した企画を長期に渡って書く事にしています。
 また10月にはロンドン、11月には沖縄への旅を予定しており、更新を中断する時期もあります。
 したがって「クロニクル」は当分中断、早くて来年頭位からの再開とさせて頂きます。
 次回をお楽しみに。

 当ブログでは、コメントは受け付けない事にしています。この記事について何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。
 また、何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
 なお、当ブログに寄れない緊急の事態が発生した時は、本体でお知らせします。
 
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《今日見た・聞いた・思った事》
 参議院選挙の結果そのものについては、ここでは何も言いません。
 世界の目は政権そのものだけでなく、日本全体に厳しく向けられている事を、安倍政権はしっかり認識して発言・行動して頂きたいと思います。
 この結果を受けて、政界はいよいよ「改憲」の是非について、議論が時には世論をも巻き込んで先鋭化しつつ交わされる事になるのか?
 私は憲法問題に関しては、「護憲運動は『宗教活動』化した事で失敗を招いてしまったのではないか?」と思っています。
 他の方のブログのコメントでも記したのだが、日本国憲法も所詮は人間が作った決まり事でしかなく、キリストやアラーのように神格化して語るのは間違いではないか?
「憲法9条の心を世界に」などといううたい文句には、どうしても違和感を感じてしまうのです。
 反戦・平和の追求は決まり事のあるなしとは関係ないはずなのだが、自信がないのか、あるいは何かウラがあるのではないのか?と。
 誤解なきように、私自身も護憲派、反戦・平和主義者の端くれだと思っています。
 ただ、クラブ活動的なサークルから発せられる温いセリフだけでは、平和な世界の構築につながらないのは、残念ながら現実で、事実です。それはシリア内戦の難民の窮状をみても、痛感させられる事です。
 他人とは違ったアプローチで、平和な社会・世界を構築する方法はないのか、いつも考えています。
 一人で何ができるの?とも思いますが…。

《今日のニュースから》
コンサドーレ札幌 ベトナム人FWの期限付き移籍を発表 初のベトナム人Jリーガー

№988 思い出の海外旅行クロニクル 8.1997年オランダ5

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 オランダの旅も終わりが近づいています。
 あと一日、アムステルダムを基点としてNS路線を乗り歩きます。
 翌日はブリュッセルまでIC、さらにTGVへ乗り継いでパリへ向かい、JAL便で帰国の途に。

1997年 6月29日(日)

 その前にしつこく、スキポール空港展望デッキで、短時間ながら旅客機の撮影をしました。
 その中から1枚だけ。

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 大分前にも御覧頂いたが、改めてデルタ航空のL-1011-500「トライスター」。

 またすぐ曇り空になってしまって、空港の撮影を終え、列車の旅に戻ります。
 エンスヘーデ行列車は中央駅は経由せず、郊外のZuid駅を経由していきます。
 かなり最近の路線のようで、駅はどこも相当斬新でした。
 アムスフォートでハーグからの列車と連結。

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 ドイツ国境に近いエンスヘーデ駅は、平屋建てながらユニークなスタイル。

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 駅前には、広々としたバスターミナルも整備されていました。

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 エンスヘーデからバックして、ズトフェンへ向かう路線の車窓。
 列車は「犬の鼻電車」ならぬ、「犬の鼻DC」。
 さすがに昨日乗ったDC列車と比べると、ゴツゴツした乗り心地でした。

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 ズトフェン駅。
 ここでウィンタースウェイク行のDCに乗り換え。

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 ユニークな表情の、ウィンタースウェイク行DC。

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 ウィンタースウェイク駅では、アーネム行の路線と接続。
 しかし、こちらは10分少々遅れて着いたのだが、ダイヤ上は接続するアーネム行の列車が、赤い尾灯をつけて遠ざかって行くのが見えました。
 ローカル列車同士だと待ってくれないの?
 他にも乗り継ぎ客らしい人はいたようだが。
 1時間後にズトフェンからの列車が来たが、今度はアーネムからの列車が来ない。
 ズトフェン行はアーネムからの列車を待たずに出て行きました。
 アーネムへ行く列車は、30分近く遅れて到着、すぐ折り返して出発。

 雨が相当激しく振り出した。
 雷鳴も轟き、景色が白っぽい。

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 アーネム駅。
 デザインが、どこかエンスヘーデに通じるものを感じました。

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 アムステルダムに向かう途中、左手に現れた大スタジアム、「アムステルダム アレナ」。
 オランダプロサッカーチームの名門「アヤックス」のメインスタジアムで、屋根開閉式。

 オランダ最後の晩はホテルに宿泊。

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1997年 6月30日(月)

 オランダ最後の列車は、ベルギーのブリュッセルに向かうIC。

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 マークで解る通り、ELがベルギー、客車がオランダで、黄色+茶色の専用編成。
 プッシュプルトレインで、最後部にも運転台があります。

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 IC客車の2等車車内。

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 ICからの車窓。

 2日間滞在したハーグからロッテルダムを経由し、ルーセンダールを過ぎると、右側から左側通行に変わって、ベルギー領内へ。
 車窓はオランダとあまり変わらないと思うが、駅付近の街並みは、オランダと比べるとどこか「崩れて」いるようにも見えた。
 アントワープ中央で方向転換し、ブリュッセル・ミディ駅は10分程度遅れての到着でした。
 TGV乗り継ぎ。

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 パリ行のTGV9336列車。
 2ユニット併結。
「タリス」かと思ったのだが、他の路線と同じ銀色系の編成でした。

 後の席の乗客は日本人の女性で、朝日新聞の衛星版を読んでいたが、一面には、神戸で起きた連続児童殺傷事件の犯人である中学生が逮捕されたと、大きな見出しがありました(いわゆる「酒鬼薔薇聖斗」の事件)。
 外国人の男性と英語でオシャベリしていて、時々「ホンコン」とか聞こえていたから、あるいはジャーナリストだったのか?

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 フランスの高速新線に入り、並走する道路のトラックを、並ぶ間もなく抜き去っていきます。
 フランスの田舎は、オランダとも、ベルギーとも少し違う。

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 2時間弱でパリ北到着。
 実はこの列車は1cl利用でした。
 食事のサービスがあるとかどこかで聞いていたのだが、勘違いだったようです。
 これだったらどこかでBARに行けば良かった。ちょっと失敗。

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 シャルル・ド・ゴールへ向かうRERはターミナル2まで延伸されていました。
 ガラス張りのドームの、半地下駅。
 この時点でのJAL便は、ターミナル2のAから出発になっていました。

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 コンコルド!!

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 先ほど「ホンコン」と言ったけれど、1997(H9)年7月1日は、香港がイギリスから中国に返還される日でした。
 現地7月1日午前0時は、フランスでは6月30日の18時、ちょうど今の時間。
 カフェテリアのTVでは、ちょうど返還の様子を伝える報道特番が放映され、注目するお客さんも少なからずいました。
 シャッターを切ったのは、ちょうど返還の瞬間だったはずです。

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 いよいよ帰国便。
 JALのパリ便は、既にB747-400に置き換わっていました(JA8073)。
 今回はあいにく窓側も通路側も確保できず、54B席は窓側が外国人のおばあさん、通路側がラフな格好の女の子で、少々肩身が狭い…。

 出発は定刻だったが、離陸が10番目になり、15分後になるとキャプテンアナウンスがありました。
 この後の「クロニクル」でも書く事になるはずだが、CDGって、離陸までにすごく時間がかかる事が多いんだよね…。
 先にANA便が離陸していくのが見えました。
 こちらの離陸は、結局、出発から46分後…。

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1997年 7月 1日(火)

 時計を調整して日本時間に合わせると、もう日付が変わる事になります。

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 エコノミークラスのキャビン。

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 離陸後の食事。
 左側のご婦人は全部平らげて、日本茶を何度もお代わりしていました。
 右の女の子はほとんど食べていない…。

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 従って、飛行中の景色はこの一枚だけ。
 通路に出て、扉の窓から撮影したもの。
 夜間飛行だがそこは真夏のシベリアルート、真っ暗になる事はありませんでした。

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 到着前の食事(朝食)。
 まあ、定番的なメニューです。

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 成田空港は、ほぼ定刻の到着。
 お疲れ様でした!

 今回の「クロニクル」はやや駆け足になってしまいましたか。
 後1回、オランダNSの車両とアムステルダム駅を御覧頂いた後、当時感じたオランダの鉄道全般にの印象について記して、終わりとしたいと思います。
 ただし、明日・明後日の更新はお休みします。

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《今日見た・聞いた・思った事》
 参議院選挙も大詰めが近づき、選挙戦は明日で終わり、明後日投票で、次の更新の月曜日には参議院の新体制が決まっているはずです。
 日中は仕事で街中にいなかったからなのか、「ネット選挙」のおかげなのか、街宣車の騒音に悩まされる事がほとんどなかったのは、まあほっとさせられた所ではあります。
 ところで今回は、小規模ながら異変がありました。
 選挙になると街中を走るバスでは、フロントに投票日を知らせる幕が掲げられるのが普通だと思います。
 ところが今回、横浜市営バスは、幕が一切ありませんでした。
 横浜市営はこれまでは国政や統一地方選などはもちろん、市議会の補欠選挙レベルでも、該当する区にある営業所の車両では幕が掲げられていました。
 これは一体どうした事なのでしょうか?
 隣の川崎市営バスは幕を掲げていましたが…。

 デトロイト市が財政破綻しました。
 負債総額1兆8000億円、6年前の夕張市とは2桁も違う、巨額の破綻です。
 デルタ航空が成田・中部~デトロイトをデイリーで飛んでいるが、このまま維持できるのかなあ?

《今日のニュースから》
横綱白鵬 13連勝で優勝決定 優勝回数26回は史上3位

№987 思い出の海外旅行クロニクル 8.1997年オランダ4

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 多少まったり進むオランダ旅行ですが、2日間滞在したハーグに別れを告げてユトレヒトへ。
 鉄道博物館を訪れた後、本格的な乗り歩きになります。
 まずはマーストリヒトへ向かい1泊、翌日は南から北へ目指します。
 ここまで、オランダの基幹鉄道NSの車両をほとんど出していないけれど、最後にまとめて御覧頂きます。

1997年 6月27日(金)

 ハーグからユトレヒトまでは1時間かからないはずだが、どうした事か突然駅と駅の間で止まってしまって、20分位全く動かない。
 放送はあるがオランダ語だから全然解らない。職員の様子から、この列車自体に問題があったようではあるのだが。
 結局ユトレヒトは1時間の遅れになってしまった。お詫びのしるしという事なのか、女性の車掌から、無料のドリンクのチケットを貰ったりもしました。

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 ユトレヒトの鉄道博物館は、駅からバスで10分位。
 Maliebaanで降りて、並木道の中を歩いて行きました。
 当時の入場料11NLG(約660円)。
 
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 ロケット号の模型。

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 NSの列車の模型。

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 この博物館は、鉄道に関した絵画が多いようだった。

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 コンパート車の、模型?

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 近郊電車のモックアップ。
 運転台は日本と大分違い、ボタンがやたら多かった。

 ここから、展示車両の中から数点。

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 アムステルダム中央駅の模型。

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 屋外には、TGV型の遊戯列車が走っています。
 子供だけでなく、母親らしき女性もホームにズラッと並んでいます。授業参観みたい?

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 絵葉書。こちらはオランダ。
 バスとアムステルダム近郊を走る軽鉄道、郊外電車。

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 驚いた事に、日本のJRの列車を描いた絵葉書がありました。
 253系<成田エクスプレス>、300系<のぞみ>と400系<つばさ>。

 鉄道博物館も、この20年近くの間で大分姿を変え、所蔵車両も増えているようです。

 博物館から駅までは、歩いて戻りました。

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 旧教会の塔はものすごく高い。
 絶え間なく鐘を鳴らし続けていました。

 ユトレヒトからマーストリヒトへ、列車を乗り継いで南下。
 ユトレヒトは青空も見えていたのに、しばらく走ると黒い雲が重くのしかかってきます。

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 ヘールレン駅に着くと、冷たい雨がザンザ降り。

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 昨日マドローダムのミニチュアで御覧頂いたファルケンブルク駅に、実際に降りてみました。
 城を小型化したようなスタイル。
 中は改装されているが、随分と落書きも多い。
 付近は人や車の往来も多いが、閑静と言えます。

 オランダはどこまでも真っ平というイメージがあるが、マーストリヒトへ向かう路線は丘陵地帯を縫って走り、これまでの路線とは趣きが大分違う。
 空はまた晴れたり再び曇ったり、なんて目まぐるしい空模様なのか。
 これがオランダの初夏の空模様なのだろう。

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 EU創設を定めた条約で有名な、マーストリヒトの駅。
 この駅舎も印象的なデザインです。

 駅前を走る市内バス3台。

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 皆比較的古い車。
 郊外のユースホステルに宿泊するが、団体さんがいて賑やかだが、個人客には向かないかもなあ。
 バスも少々不便であるし。

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1997年 6月28日(土)

 オランダの鉄道の最南端って、どこだろう?
 オランダは大半が他国の国境に囲まれているので「端」と言ってもピンと来ないが、地図で見た感じではアイスデン駅だと思う。
 北へ戻る前に、アイスデン駅を訪ねてみました。
 
 アイスデン駅は、マーストリヒトから国境を越え、リエージュに向かう路線の中間にあります。
 ベルギー国鉄(NMBS/SNCB)の電車で運行され、他の路線とは異なり左側通行です。
 車掌はオランダ(NS)。

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 アイスデン駅は、普通の田舎の駅という感じ。

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 アイスデン駅の島式ホーム。
 アイスデンの町自体も、レンガ積みの民家が並ぶ田舎の集落。
 しかし、レストランに加えて中華料理店まであったりしました。

 マーストリヒトまで戻ってNS路線を北上、今度は最北端(だと思う)ローデスフールを目指して列車を乗り継いでいきます。

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 ルールモンへ向かう、アムステルダム方面行の最新鋭ダブルデッカー近郊電車。

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 ルールモン駅。
 ここで、ナイメーヘンへ行くDC列車に乗り換えます。
 オランダでDCに乗るのは初めて。

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 相変わらず、牧歌的で無垢な車窓。
 この列車は、途中のボクスメール~クアイクはバス代行になると、車掌が教えてくれました。工事?

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 その通り、この両駅間はバス代行便になりました。
 一駅間のみだが、結構離れていて20分も走りました。
 オランダは全体的に、駅が非常に少ない。
 バスで着いた、クアイク駅。

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 高い塔が印象的な、ナイメーヘン駅。

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 ツヴェールへ行く電車は、再びダブルデッカー近郊電車。
 全体像については、他の列車同様、最終回で御覧頂きます。

 また雨が降る。雨の農村地帯も風情はあるが、そういえるのは電車の車内からだから。

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 ズヴォレ駅。
 さらに列車を乗り継いで、フローニンゲンへ。

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 フローニンゲン駅に並ぶ、近郊電車。
 左はJR485系のような、高運転台の下に貫通路があるスタイル。
 右はご存知「犬の鼻」電車。
 ここで、ローデスフール行DCに乗り換えます。

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 フローニンゲン駅の駅舎。
 マドローダムでもミニチュアを御覧頂きました。
 アムステルダム中央駅より、こちらの方が明らかに東京駅赤レンガ駅舎に似ています。
 東京駅は「参考にした」程度だと思っていますが。

 
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 ローデスフールへ行く、DCの2連。
 新しいとは思うが、さすがに少々狭い。

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 終点の、ローデスフール駅。
 駅構内は側線が何本かあって、柵の向こうにタンク車がいたりする。
 それにしても駅付近は何もない。
 もちろん無人駅で、駅舎すらない。
 風が木々を揺らすだけで、静かな駅でした。

 最南端(と思われる)アイスデンからは5時間30分、自動券売機で調べた限りでは、運賃は2clで66.5NLG(約4,000円)でした。
 この路線は60分間隔の運転、一つ後の列車でローデスフールに戻りました。

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 牧草地と風車、なんとオランダらしい風景だ事か。

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 アムステルダムへ帰るが、ちょっと遠回りして、レーワルデン駅。

 この後ズヴォレ、アムスフォートと乗り継いで、アムステルダムに帰ってきたのはもう22時前になってしまいました。
 いくら昼間が長い欧州といってもやはり遅く、しかも目当てにしていたYHは改築工事中。
 なんだか怪しげなドミトリーに投宿する事になったが、あまり長居はしたくないなあ。

 当ブログでは、コメントは受け付けない事にしています。この記事について何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。
 また、何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
 なお、当ブログに寄れない緊急の事態が発生した時は、本体でお知らせします。
 
《今日のニュースから》
日立製作所 イギリス高速鉄道で大型の追加受注内定を発表

 車両製造270両(「IC225」置き換え用とされる)、車両のリース27年間、保守事業の一括受注。
 日立はロンドン~アシュフォードの高速新線を走る高速電車「Class395(愛称:ジャベリン)」を製造していて、10月のロンドン旅行で乗ってみたいと考えています。