「私鉄の車両シリーズ」、今回は富山県の万葉線、MLRV1000形です。
「富山ライトレール」「セントラム」へと続く、富山のLRTの先駆けとなりました。
万葉線は高岡駅前~越ノ潟間12.8㎞を結ぶ軽鉄道で、軌道の高岡軌道線と鉄道の新湊港線に区別されるが、一体で運行されている。
以前は加越能鉄道(現加越能バス)が運営していたが、経営難により廃止を表明。
富山県と高岡市・新湊市(現射水市)は第三セクター「万葉線株式会社」を設立、2002(H14)年4月1日より路線を引き継いで営業を開始した。
車両も当初は7000形11両をそのまま引き継いだが、老朽化が進んでいた上に当時は全車両非冷房であり、路線活性化のために新規に導入されたのがMLRV1000形である。
「MLRV」とは「Manyosen Light Railway Behicle」の略称で、公募により「アイトラム」の愛称が与えられた。
カナダ・ボンバルディア社(旧アドトランツ)のシステムを採用して新潟トランシスが製造したもので、熊本市電9700形に始まり、岡山電気軌道9200形に次いで3例目の導入となった。
台車は100%低床を実現するため車軸がなく、1車体4個の車輪が独立して設けられている。
車輪は直径660㎜の弾性車輪が採用され、静粛性が向上している。
100kwのモーターは床下に配置して、ねじり棒で車輪に動力を伝えている。
通常床下に配置されるVVVF制御装置やバッテリー等は小型軽量化の上で屋上に配置、地上から300㎜の完全低床化を実現している。
運転台はワンハンドルで、日本の路面電車では初めてのパッシング・ウィンカー機能を設けている。
前面には伝統工芸「らでん細工」によるシンボルマークがある。
内外のデザインは地元の工業デザイナーが手がけた。
車輪が収められているタイヤハウス上にクロスシート、連結面側にはサイドシートが設けられ、座席定員30名を確保している。
運転台の背後には車椅子スペースを設置、仕切には運賃・案内表示の液晶ディスプレイを設けている。
2004(H16)年1月21日より営業運転を開始、以降2009年までほぼ1年に1編成の割合で新造された。
同年には6編成となり、休日には全編成「アイトラム」での運行が可能になっている。
1005Fは2012(H24)年9月よりラッピング電車「ドラえもん電車」として運行されている。
全体を青色、ドア部分をピンク色、窓部にキャラクターのラッピングをあしらっている。
今年9月まで1年間の運行予定だったが、好評のため、当面運行を継続する予定。
【編成】
←越ノ潟方 高岡駅前方→
*1000a - 1000b
* パンタグラフ
今回の記事は
「鉄道ピクトリアル2011年8月臨時増刊号 【特集】路面電車」(鉄道図書刊行会)
「週刊 歴史でめぐる鉄道全路線 公営鉄道・私鉄19 富山地方鉄道 富山ライトレール・万葉線・黒部峡谷鉄道・北越急行」(朝日新聞出版)
「JTB時刻表2011(H23)年12月号 のりもの探Q隊vol.6 低床車の仕組みを探る」(JTBパブリッシング) 等
を参考にさせて頂きました。
次回は上田電鉄7200形です。
元東急7200形で、2編成が「まるまドリーム」として運用されています。
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《今日のニュースから》
「遠隔操作メール事件」メールのサーバーに無断立ち入り 新聞記者5人が書類送検
私はブログなどをやっているくせにITの世界にはとても疎いので真実は解らないのだけれど、ちょうど今、元CIA職員による情報漏えい事件が全世界で大騒ぎになっている事もあり、ITに関わる事件は、日本の内で外で、今後も頻発する事になるのでしょう。