№971 思い出の海外旅行クロニクル 7.1996年ヨーロッパ一周大旅行12<終>

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 3週間以上に及んだ大旅行の「クロニクル」も、最終回です。
 帰国は夕方の航空便。
 それまではヘルシンキ市内を歩きましたが、なぜか市電には乗りませんでした。
 3年前にも乗っていたからかな?
 落ち着いて、街歩き。

1996年11月 8日(金)

 昨日は一日中寒い曇り空だったが、今朝は雲も多くて時々太陽をさえぎるが、それでも青空も広がっています。
 寒い事は寒いが。

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 昨日着いた時はもう真っ暗だったから、改めて中央駅の観察。
 時計塔が印象的。

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 中央駅の駅舎内。
 ドーム状で広々としています。

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 屋根が一切ないホームは、まるで宮殿の中庭。

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「ペンドリーノ」S220。
 この当時は、ヘルシンキとトゥルクを結ぶ列車で使用されていました。

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 新型のEL。
 スイスで走っているタイプで、スイス国鉄の他、№961ではBLSの車両も御覧頂きました。
 注目したいのは、バッファの間に、自動連結器が装着されている事。
 フィンランドは軌間が同じロシアからの直通列車が多く(特に貨物列車)、ロシアでは自動連結器を採用しているので、フィンランド側の機関車でも対応しているのです。

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 市内の観光地から、ウズベンスキ寺院。

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 内部は装飾が凄い。
 賛美歌が流れていた。
 被っていたキャップを取るよう、注意されました。

 陽が差すと少しは暖かいが、真昼間なのに太陽はうんと南に傾き、影が長い。
 吐く息も真っ白。

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 マーケット広場。

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 街の傍らで見かけた、クラシックな観光バス。

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 ヘルシンキともお別れ、ついに帰国の途に就くべく、ヴァンター空港に向かう。
 今回はフランクフルト経由で帰ります。

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 ターミナルの脇のフェンス越しに撮影した、フィンエアーのMD-11。
 どこから来たのかは忘れたが、この後関空に向かうよう。
 撮影したのは夕方の15時位だったが、まだ陽は出ていたのに、手がかじかむ位寒かった。

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 空港カウンター。

 日本へのフライトが出発するので、ターミナル内はあちらこちらから日本語が聞こえる。
 関空行だから関西弁が飛び交う。
 ムーミンのイラスト入りパッケージのお菓子が、若い女の子達には人気の様子。
 この空港は小型機ばかり、MD-11でもひときわ巨大に見えました。
(長距離国際線が少ないし、欧州以外のキャリアの乗り入れは、当時はほとんどなかった)

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 フランクフルト行のAY823便も、MD-83。

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 20番ゲートから搭乗開始。

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 実演の非常デモ。
 見ない乗客が多いのは、フィンランドでも変わりませんね。

 離陸すると、エンジン音が凄い。
 ほとんどの客は馴れたものの様で、新聞を広げたままでした。

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 MD-83のキャビン。

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 機内食。
 メインは、鶏肉の中に野菜のようなものを詰め、チーズと一緒に焼いたもののようでした。
 食事の最中にキャプテンアナウンスがあり、英語もあったのだが、エンジン音でうまく聞き取れなかったのは残念。

 外は真っ暗だったし、毛布を被ってしばらく寝ていました。
 フランクフルト・アム・マイン空港に降下していくと、まぶしい位のビル群の明かり。
 他の乗客の皆さんも、さすがに注目していました。
 ターミナルにJAL機がいるのを見てランディング。

 JAL408便が出発するD1ゲートには、「スカイライン」という、本格的な新交通システムで移動。
 Dゲートに向かう途中、荷物検査ではコート・帽子も取られた。
 この後もこの空港では度々経験する事だが、係員が笑顔で仕事をしているのが、かえって面白くない。

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 ついに日本へのフライト、JL408便、B747-400。
 ゲートが高い位置にあり、大きなジャンボジェットさえも見下ろす感じ。

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 D1ゲート。
 搭乗を待つ間、目の前のオバサンが延々と日本に電話していたけれど、向こうは午前4時を過ぎたばかりのはずで、誰が起きているというんだ?

 搭乗が一通り落ち着いて、キャビンでは新聞がカートでサービスされる。
 いつもの事なのだけれど、日本語の見出しで、どっと疲れが出たような気がしました。
 
 21時過ぎ、成田に向けてテイクオフ。

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1996年11月 9日(土)

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 夜間飛行中のエコノミークラスのキャビン。

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 離陸後の食事。

 大スクリーンで放映されたNHKニュースは、先の総選挙を受けた、第2次橋本龍三郎内閣の組閣について、時間が割かれていました。
 天気予報を見た感じでは、成田に着く前に前線を横断する事になりそうで、天気は良くない。

「ウィークリーニュース」のスポーツコーナー・Jリーグで、浦和レッズのバインがPKを外し敗戦が決定した瞬間、後部の男性客がウワーッと唸り声を上げていました。
 熱烈なサポーター、だったんだろうなあ。
(当時のJリーグは「Vゴール」方式、それでも決まらなければPK戦を行っていた)

 映画の間と間では、ひたすら寝ていました。
 エコノミークラスは、まだ個人テレビ、という時代ではない。

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 翌朝。到着前の食事。

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 シベリアから日本海を横断、日本上空はやっぱり曇り空。
 成田はかなり分厚い曇り空、雲海に突っ込んで抜けると、もう全日空ホテルの真横。

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 ターミナルへ向かう途中。
 第1ターミナル付近は、ユナイテッドとノースウエストのB747ばっかり。
 サテライトを大きく回りこみ、本館の北側に到着しました。

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 成田空港ターミナル内。
 CIQへ、ムービングウォークで移動。

 帰ってきたー!

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 今回利用した、「ユーレイルパス」の、当時としてはベーシックなタイプ。
 21日間、初日から最終日までフルに使わせて頂きました。

 最後に、今回の旅行の最終的な行程を地図に記してみました。

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 1996(H8)年は、前半にヨーロッパの西の端(ポルトガル・カスケイス)→北の端(ノルウェー・ナルヴィク)縦横断の旅、後半はついに欧州一周という所まで来ました。
 それ以前の5回の旅行も加えた印象としては、、「南」より「北」の方が肌に合っているのかなあ、と感じました。
 ノリの良い「南」より、物静かそうな「北」の方が。
 景色も、特に北欧のどこか地球離れした所もある風景には惹かれました。
(スイスなどは、少し小ぢんまりした所があるかもなあ)

 もちろん、あくまで私の嗜好に過ぎない事はお断りしておきます。
「南」にも「南」の良い所、素晴らしい所が沢山ある事も改めて認識できたし、それだけに各国の鉄道や国土の良い所や、他国との違いを深く知るには、3週間でも全然足りないと思わされました。
 ギリシャは、鉄道に乗らずじまいで終わってしまったのだし。

 という事で、翌1997(H9)年より、新たな試みの元で欧州旅行を楽しんで見ようと思いました。
 今回利用した、(当時の)ユーレイルパスが通用する17ヶ国を、1つづつじっくり訪ねようというものです。
 乗り物だけではなく、ある程度は物見胡散の観光も敢えて取り入れ、その国全体を深く理解 … できはしないかも知れないが、少しでもその国の、鉄道を中心とする乗り物も含め、国の姿を、自らの目で再確認してみようと思います。

 第1弾は、オランダとしました。
 来月半ばには書きたいと思います。

 それにしてもこんな長旅、もうできないかもなあ。
 やりたい、という気持ちは昔も今もあるけれど、今の立場だと、こんな旅行をやろうとしたら、日常の暮らしを全部捨てる覚悟を持たないといけないかも知れない。

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 明日・明後日の更新はお休みです。

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《今日見た・聞いた・思った事》
 今朝BSで見たフランスのニュースでは、長距離バスの旅が人気、というトピックスがありました。
「すっかり流行遅れと思われていたバスが、今の経済を反映して人気」なのだそう。
 パリ~リール~ロンドンを結ぶ路線で、SFCFが直営で運行しているみたい。
 パリ~リールはTGVが所要1時間で43EUR(今日現在で約5,550円)、マイカーは2時間15分で44EUR(約5,670円)に対し、このバス路線は3時間かかるが19EUR(約2,450円)。
 パリ~ロンドンは旅客機が1時間15分で240EUR(約30,960円)、ユーロスターが2時間26分で245EUR(約31,600円)、マイカーが6時間で73EUR(約9,420円)に対し、バスは9時間で39EUR(約5,030円)。
(バスがマイカーよりかなり時間を要するのは、出入国審査で時間がかかるからみたい)
 なるほどかなり割安、その割には設備も良さそうで、全席にコンセントと無線LANがついているそう。
 SNCF直営運行なら「ブラック」という事もないはずだし。
 利用者も多彩で、若い人だけでなく、年金が少なくて列車代が払えない人とか、ロンドンやブリュッセルの地位の高い人の利用も多いそうです。
 でも意外だったな。欧州だったら、日本以上に高速バスの旅はポピュラーだと思っていたから。
 現にユーロライン社が全欧州規模でネットワークを持っているとも言っていたし、新たな長距離バス同士の競争、というところでしょうか。
 私も、今回の「クロニクル」では北欧の長距離路線に乗ったし、一昨年は韓国の高速バスを利用してみました。
 今後も運賃とは関係なく、積極的に他国の長距離バスに挑戦してみたいと思っています。
 ただ、途上国だとそれこそ安全性に問題があるので、注意しなければなりませんが。

《今日のニュースから》
「いじめ防止対策推進法」 国会で成立