№887 フルカラーLED時代 行先表示のあり方は 3.現状編(東海・関西)

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 前2回は関東地方のJR及び大手私鉄の、フルカラーLEDを中心に種別・行先表示の現状を検証してみました。
 では東海・関西ではどうでしょう。
 特に関西ではフルカラーLED導入のペースが鈍く、JR西日本や近鉄ではいまだフルカラーLEDは採用されていません。
 改造車も私が知る限りでは阪神の9000系、阪急の7000系など一部に留まっています。
 西鉄にいたっては、最新3000形に至るまで幕のままです。
 幕式・3色LEDを交えて検証します。

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JR西日本 クハ222-6106 2009(H21)年12月29日
 JR西日本はフルカラーLEDを採用する考えは無いのか、最新の225系でも、民営化後初の近郊形221系からの「幕式種別」+「3色LED」を踏襲している。
 関東でも東急5000系の初期車両や、みなとみらい線Y500系で見られるが、比較して種別・行先双方ともサイズが大きいし、号車番号の表示を別に設けている点も評価できる。
 行先表示はさすがに白にした方が見やすいかなとは思うが、経由地が記されていても行先自体が大きく書かれていて解りやすい。
 ただ、種別を文字の色で区別する種別幕の表示方法は一考の余地があり、特に新快速は字が青のため、バックの黒に溶け込んで、視力が弱い方には見難いかも知れない。
 幕式自体は継続としても、地の色で種別をイメージする一般的なスタイルに変えた方が良いのではないか。
(関東の京成や小田急等がそうだった)

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JR東海 クハ312-3102 2009(H21)年12月20日
 313系は初期の車両は幕式で、最近の車両はフルカラーLEDとしている。
 幕式のスタイルをそのまま踏襲、他の情報が割り込む事も無く、キチンと種別・表示を判別できる。
 ここでは種別の代わりに「ワンマン」を表記している。最近はJRでもワンマン列車が多くなり、それ自体は時の流れだが、それならばそれで利用者にはっきり予告しておくべきだ。
(特に運賃を車内で収受する列車では)
 ただ、それを種別表示でやるかどうかは、意見が分かれるだろうが。
(幕式でも種別部分に「ワンマン」と表記する鉄道会社もある)

 では、新幹線はどうだろうか。

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JR西日本 528-707 2009(H21)年12月20日
 500系ではサイズが小さいが、愛称(種別)・行先がキチンと日英2ヶ国語の併記で表示されているし、「指定席」「自由席」の表示も別に設けられている(こちらは日英交互)。

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JR東海 786-720 2009(H21)年11月14日
 東海道・山陽新幹線では、N700系からフルカラーLEDになった。
 基本パターンはJR東日本のE5系と同じ。
 ここも次の停車駅は要らないと思うし、車椅子マーク・禁煙マークは、行先表示に関しては余計だと思う。
 車椅子スペースの場所は決まっているのだから、該当部分のドア横にピクトグラムで表記すればいい。
 だいいちN700系は元々全車禁煙なのだから、禁煙マークは必要ないのでは?

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JR西日本 766-8001 2011(H23)年7月9日
 九州新幹線向けも基本的に同じ。
 ここでもグリーン車のマークが余計で、E5系「グランクラス」と同じで、普通車になる事はないのだから、ドア横のピクトグラム表示だけで足りるはず。

 最近の新幹線車両に関しては、設備的なマークなどが行先表示部に示され、結果的に肝心の行先表示を犠牲にしている部分があると思われる。

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名鉄 瀬戸線 4001 2010(H22)年1月17日
 名鉄では3150系・3300系などのステンレス車体の新系列からフルカラーLEDを導入するようになり、4000系でも踏襲された。
 シンプルで見やすいと思う。
 JR東海の313系や、前回の京王9000系、京成3050形に通じる部分がある。
 メーカーが日本車両主体だからだろうか。

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阪急 9878 2009(H21)年12月31日
 現状のフルカラーLED表示では、阪急9000系(9300系)を一番高く評価したい。
 幕式を踏襲して種別・行先を共に大きく取り、しかも日英2ヶ国語を併記している。
 また見た限り他の情報は無く、一般の旅客でもすんなり理解できるのではないだろうか。
 阪急にはラッシュ時に2両増結の運用があり、増結車には「この車両は桂まで」などの表記があるが、フルカラーLED車は存在せず、幕式からの改造も無いようだ。
 もし増結編成でフルカラーLEDが出るようになったら、どのように表記されるのか注目したい。

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阪神 1607 2010(H22)年8月21日
 近鉄直通を見据えて製造された1000系は、阪神で初めてフルカラーLEDを採用した。
 ただ、以前の幕式(種別+行先一体形)と比べて一回り小さくなってしまった印象がある。
 また、増結車両で、途中で切り離しがある場合は列車本来の行先と切り離し駅を交互に表示しているが、本来の行先を見落として下段の表記をパッと初見した場合、(この列車では)「この列車は三宮にいくのだろうか?」と、一瞬でも戸惑いを与える事になりはしないか。
 JR等だと車両そのものの行先だけを表記するので、比較ではまだマシかも知れないが。

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阪神 9209 2010(H22)年1月1日
 9000系は近鉄直通運用に抜擢された際に、フルカラーLEDへの交換が行われた。
 幕式時代のサイズに合う装置が無かったのか、残念ながら小型化されてしまった。他社でも見られる事だが…。
 阪神編成は一部近鉄線内のみ運行の間合い運用があり、このような表示が見られる事がある。

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近鉄 5423 2010(H22)年8月21日
 近鉄も「シリーズ21」各系列から、JR西日本同様の「幕式種別」+「3色LED」を続けていて、今の所フルカラーLEDは採用していない。
 種別幕がもう少し大きければ良いと思うが、表記自体はまだいい。
 ただ「弱冷房車」の交互表示はどんなものだろうか。
 これも設備的なもので、行先表示部への表示は適当ではない。
 近鉄は関東各社と違って編成替えが頻繁に起きるので、こういう方法を取っているのかもしれないが。

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近鉄 22960 2010(H22)年3月26日
 特急では22600系「Ace」から3色LEDを採用している。
 号車表示が別になっているのはいいが、特急以外には運用しないのだし、近鉄では全車指定席なのだから、わざわざ行先表示を削って加える必要はないはず。
(これもドア横に記しておけば済むと思う)
 増結編成の行先を指定席の表示と交互に表示している。
 これも、設備的な表示である指定席表示と交互に表示するのは、あまり良いやり方ではないと思う。

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南海 8857 (2012(H24)年7月30日)
 南海は、関西では珍しく関東のメーカー(東急車輛:総合車両製作所)で車両を製作しているためか、系列自体JR東日本の通勤車にかなり近い。
 種別・行先表示もそれを引きずってか、かなり数多くの情報を詰め込んでしまっている。

 3回に渡って関東・関西を中心にJRや大手私鉄のフルカラーLED表示を見てきました。
 全体的な傾向として、どういう訳か、スペースを小さくしているのに、情報量を多く詰め込む傾向が見られるようです。
 ではどうしたら良いのか?次回は私案を提示してみたいと思います。

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 関東地方の雪は、少なくとも横浜では大した事なくて拍子抜け、と思っていたら午後は津波ですか…。

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