№887 フルカラーLED時代 行先表示のあり方は 3.現状編(東海・関西)

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 前2回は関東地方のJR及び大手私鉄の、フルカラーLEDを中心に種別・行先表示の現状を検証してみました。
 では東海・関西ではどうでしょう。
 特に関西ではフルカラーLED導入のペースが鈍く、JR西日本や近鉄ではいまだフルカラーLEDは採用されていません。
 改造車も私が知る限りでは阪神の9000系、阪急の7000系など一部に留まっています。
 西鉄にいたっては、最新3000形に至るまで幕のままです。
 幕式・3色LEDを交えて検証します。

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JR西日本 クハ222-6106 2009(H21)年12月29日
 JR西日本はフルカラーLEDを採用する考えは無いのか、最新の225系でも、民営化後初の近郊形221系からの「幕式種別」+「3色LED」を踏襲している。
 関東でも東急5000系の初期車両や、みなとみらい線Y500系で見られるが、比較して種別・行先双方ともサイズが大きいし、号車番号の表示を別に設けている点も評価できる。
 行先表示はさすがに白にした方が見やすいかなとは思うが、経由地が記されていても行先自体が大きく書かれていて解りやすい。
 ただ、種別を文字の色で区別する種別幕の表示方法は一考の余地があり、特に新快速は字が青のため、バックの黒に溶け込んで、視力が弱い方には見難いかも知れない。
 幕式自体は継続としても、地の色で種別をイメージする一般的なスタイルに変えた方が良いのではないか。
(関東の京成や小田急等がそうだった)

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JR東海 クハ312-3102 2009(H21)年12月20日
 313系は初期の車両は幕式で、最近の車両はフルカラーLEDとしている。
 幕式のスタイルをそのまま踏襲、他の情報が割り込む事も無く、キチンと種別・表示を判別できる。
 ここでは種別の代わりに「ワンマン」を表記している。最近はJRでもワンマン列車が多くなり、それ自体は時の流れだが、それならばそれで利用者にはっきり予告しておくべきだ。
(特に運賃を車内で収受する列車では)
 ただ、それを種別表示でやるかどうかは、意見が分かれるだろうが。
(幕式でも種別部分に「ワンマン」と表記する鉄道会社もある)

 では、新幹線はどうだろうか。

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JR西日本 528-707 2009(H21)年12月20日
 500系ではサイズが小さいが、愛称(種別)・行先がキチンと日英2ヶ国語の併記で表示されているし、「指定席」「自由席」の表示も別に設けられている(こちらは日英交互)。

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JR東海 786-720 2009(H21)年11月14日
 東海道・山陽新幹線では、N700系からフルカラーLEDになった。
 基本パターンはJR東日本のE5系と同じ。
 ここも次の停車駅は要らないと思うし、車椅子マーク・禁煙マークは、行先表示に関しては余計だと思う。
 車椅子スペースの場所は決まっているのだから、該当部分のドア横にピクトグラムで表記すればいい。
 だいいちN700系は元々全車禁煙なのだから、禁煙マークは必要ないのでは?

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JR西日本 766-8001 2011(H23)年7月9日
 九州新幹線向けも基本的に同じ。
 ここでもグリーン車のマークが余計で、E5系「グランクラス」と同じで、普通車になる事はないのだから、ドア横のピクトグラム表示だけで足りるはず。

 最近の新幹線車両に関しては、設備的なマークなどが行先表示部に示され、結果的に肝心の行先表示を犠牲にしている部分があると思われる。

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名鉄 瀬戸線 4001 2010(H22)年1月17日
 名鉄では3150系・3300系などのステンレス車体の新系列からフルカラーLEDを導入するようになり、4000系でも踏襲された。
 シンプルで見やすいと思う。
 JR東海の313系や、前回の京王9000系、京成3050形に通じる部分がある。
 メーカーが日本車両主体だからだろうか。

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阪急 9878 2009(H21)年12月31日
 現状のフルカラーLED表示では、阪急9000系(9300系)を一番高く評価したい。
 幕式を踏襲して種別・行先を共に大きく取り、しかも日英2ヶ国語を併記している。
 また見た限り他の情報は無く、一般の旅客でもすんなり理解できるのではないだろうか。
 阪急にはラッシュ時に2両増結の運用があり、増結車には「この車両は桂まで」などの表記があるが、フルカラーLED車は存在せず、幕式からの改造も無いようだ。
 もし増結編成でフルカラーLEDが出るようになったら、どのように表記されるのか注目したい。

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阪神 1607 2010(H22)年8月21日
 近鉄直通を見据えて製造された1000系は、阪神で初めてフルカラーLEDを採用した。
 ただ、以前の幕式(種別+行先一体形)と比べて一回り小さくなってしまった印象がある。
 また、増結車両で、途中で切り離しがある場合は列車本来の行先と切り離し駅を交互に表示しているが、本来の行先を見落として下段の表記をパッと初見した場合、(この列車では)「この列車は三宮にいくのだろうか?」と、一瞬でも戸惑いを与える事になりはしないか。
 JR等だと車両そのものの行先だけを表記するので、比較ではまだマシかも知れないが。

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阪神 9209 2010(H22)年1月1日
 9000系は近鉄直通運用に抜擢された際に、フルカラーLEDへの交換が行われた。
 幕式時代のサイズに合う装置が無かったのか、残念ながら小型化されてしまった。他社でも見られる事だが…。
 阪神編成は一部近鉄線内のみ運行の間合い運用があり、このような表示が見られる事がある。

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近鉄 5423 2010(H22)年8月21日
 近鉄も「シリーズ21」各系列から、JR西日本同様の「幕式種別」+「3色LED」を続けていて、今の所フルカラーLEDは採用していない。
 種別幕がもう少し大きければ良いと思うが、表記自体はまだいい。
 ただ「弱冷房車」の交互表示はどんなものだろうか。
 これも設備的なもので、行先表示部への表示は適当ではない。
 近鉄は関東各社と違って編成替えが頻繁に起きるので、こういう方法を取っているのかもしれないが。

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近鉄 22960 2010(H22)年3月26日
 特急では22600系「Ace」から3色LEDを採用している。
 号車表示が別になっているのはいいが、特急以外には運用しないのだし、近鉄では全車指定席なのだから、わざわざ行先表示を削って加える必要はないはず。
(これもドア横に記しておけば済むと思う)
 増結編成の行先を指定席の表示と交互に表示している。
 これも、設備的な表示である指定席表示と交互に表示するのは、あまり良いやり方ではないと思う。

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南海 8857 (2012(H24)年7月30日)
 南海は、関西では珍しく関東のメーカー(東急車輛:総合車両製作所)で車両を製作しているためか、系列自体JR東日本の通勤車にかなり近い。
 種別・行先表示もそれを引きずってか、かなり数多くの情報を詰め込んでしまっている。

 3回に渡って関東・関西を中心にJRや大手私鉄のフルカラーLED表示を見てきました。
 全体的な傾向として、どういう訳か、スペースを小さくしているのに、情報量を多く詰め込む傾向が見られるようです。
 ではどうしたら良いのか?次回は私案を提示してみたいと思います。

 当ブログでは、コメントは受け付けない事にしています。この記事について何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。
 また、何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
 なお、当ブログに寄れない緊急の事態が発生した時は、本体でお知らせします。

 関東地方の雪は、少なくとも横浜では大した事なくて拍子抜け、と思っていたら午後は津波ですか…。

《今日のニュースから》
「小1プロブレム」対策 新潟市の小学校で体験授業

№886 フルカラーLED時代 行先表示のあり方は 2.現状編(関東大手私鉄)

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 前回はJR東日本の各車両の行先表示を並べて、問題点を考えてみました。
 今回は関東の大手私鉄です。
 関東では幕・3色LEDをフルカラーLEDに積極的に交換する私鉄が多く見られるが(会社によって温度差あり)、皆元のサイズをそのまま踏襲しているためか、こちらも見易さの点で少々問題が多く見られます。

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東京メトロ 副都心線 11609 2011(H23)年12月23日
 副都心線(有楽町線)10000系までは3色式で、西武線内の快速運転ではこのパターンが繰り返される。
「副都心線直通 地下鉄線内急行」の表記で、現在西武線内走行中の情報が消されてしまっている。
 何より号車の表示が余計。しかもここでは運行情報を全部消してしまっている。
 基本的に固定編成なのだし、ドア横に号車番号を大きめに書いておけば済む話だし、その方が「今○号車か」とすぐ判別できるはずだ。

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西武 4010 2011(H23)年12月23日
 幕式の4000系
 西武では副都心線直通運転開始の時点で、地上線専用車も全面的に方向幕を交換している。
(後に更新車ではフルカラーLEDに交換した車両も見られる)
 秩父鉄道直通は三峰口行と長瀞行を連結するため、列車としての行先を両方並べた上で、自車の行先も併記する方法を取っている。

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西武 38305 2010(H22)年3月7日
 30000系からフルカラーLEDが本格採用になった。
 しかし上段はまずまず見やすいかなと思うのに、ここでも号車番号の表記が突然現れて、種別・行先表示を消してしまっている。
 ついでに、東武の50000系シリーズも同じ。
 メトロ10000系も含め、ベースが日立製作所「Eトレインシリーズ」である事が共通している。

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西武 6812 2010(H22)年3月7日
 幕→フルカラーLEDへの改造例。
 元のサイズから来る制約もあるのだろうが(若干小サイズ化)、日本語と英語の交互表示になってしまった。

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東急 5356 2010(H22)年1月18日
 これも日本語と英語の交互表示になってしまっている。
 それと種別に関して、正確には「通勤特急」なのだが、スペースが小さいせいで日本語・英語とも略した表記になっている。
 きちんとスペースを大きく取り、正確に「通勤特急」「COMMUTER EXPRESS」とすべきではないか。
(幕式の9000系では、渋谷行は「通勤特急」だが、元町・中華街行は「通特」)

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東急 8089 2009(H23)年11月23日
 幕→フルカラーLEDへの改造例で、東横線→大井町線への転用に合わせて改造された。
 これも日本語と英語の交互表示。
 なお「白地+緑文字」の「各停」表記は、各駅停車であっても二子新地・高津には停車しない事を意味する。
(二子玉川~溝口の大井町線線路はホームがない)

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相鉄 8505 2011(H23)年11月16日
 幕→フルカラーLEDへの改造例。
 8000系の初期6編成は幕式で、種別と行先が分離されていたが、フルカラーLED化時に種別部分が埋められ、元の行先表示部に種別も併記して表示するようになった。
 だから日本語だけでも少々窮屈。
 種別と行先を一体化した7編成以降(3色LED)に合せたかったのかもしれないが、なぜ種別部を生かさず、わざわざ見にくくする方法を取ってしまったのか。

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京急 1096 2010(H22)年3月30日
 京急では1000形の途中からフルカラーLED表示にしているが、サイズ的には1000形以降の、天地方向が小さいサイズをそのまま踏襲している。
 初期は日本語と英語を併記していたが、このため文字が小さい。
(特にこの場合は文字数が多くなっているので尚更)

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京急 1101 2010(H22)年7月17日
 2010(H22)年の京急蒲田駅立体化による空港アクセスの強化や国際線ターミナル駅の新設、京成スカイアクセス開業に備えての事か、フルカラーLED車では順次、日本語と英語の交互表示に変更された。
 相互直通先の終点に、沿線では馴染みのない地名が多くなってきているからか、最近は幕式も含めて「品川方面」の表記を入れるようになっている。JR東日本・湘南新宿ラインの「新宿経由」と同じ発想だろう。

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京成 3056-7 2010(H22)年7月19日
 2010(H22)年のスカイアクセス開業によって成田空港へのルートが複数になったため、経由路線名を行先と交互で表示するようになった。
 特に英文が小さく、交互表示と合わせて外国人旅客にはどう映るだろうか?

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小田急 2401 2009(H21)年11月20日
 2000形は3色LEDを採用したが、最近の出場編成ではフルカラーLEDに交換されている。
 改造車としては比較的見やすいと評価してよいかもしれない。

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小田急 3481 2009(H21)年10月30日
 3000形も初期の編成は比較的小型の3色LED式だったが、すぐに大型化され、最後にはフルカラーLEDになった。
 天地方向が大きくて見やすいと評価できる。
 ただ小田急に限らず、明朝体のフォントは印象が弱いのではないだろうか。
(小田急もそう考えたのか、8000形更新の途中からゴシック体に変更している)

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小田急 4044 2009(H21)年11月27日
 4000形はJR東日本のE233系をベースにしていて、そのためか行先・種別表示も、E233系の良くない所をそのまま受け継いでしまった。
 せっかく3000形が大型サイズになって見やすくなったと思ったのに、良い所が受け継がれなかったのは残念。
(同様にE233系をベースにした相鉄11000系も同じ表示方式)

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京王 8709 2009(H21)年12月6日
 京王ではフルカラーLEDへの交換が積極的で、比較的最近新造された8000系の3色LEDも早々とフルカラーへの交換が進められている。
 現在の京王では土休日に「新宿~北野 準特急」+「北野~高尾山口 各駅停車」という列車があり、列車番号上は別だが、事実上は1本の列車という形態になっている。
 種別+行先表示の点だけで見れば、解りやすいと言って良い。
(「準特」は「準特急」の方が良いが)

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 ところが、北野から先の情報まで提供しようとして、中段・下段のような表示が繰り返しで現れるようになり、結果として混乱の元になってしまっている気がする。
 小さな文字の情報が短時間で繰り返し表示されても、乗り馴れない乗客は、すぐに内容を理解できるだろうか?

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 ついでに前面でも、列車自体は高尾線へ直通する事を表示したくて、行先と交互に表示するようになった。
 しかし、高速での列車進入時にこの表示を見ても、キチンと解るだろうか?

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京王 7754 2010(H22)年2月7日
 参考までに、幕ではこのような表示になる。
 当然、これでは高尾線へ直通する事は解らない。
(実際この列車に乗り合わせた時、外国人旅客が北野で運転士に、「この列車は高尾山へ行くのか?」と聞いていた)

 この場合、表示内容以前に、列車の設定そのものに問題がある。
 現行ダイヤの準特急は高尾線内も特急運転をするため、土休日ダイヤでは通過駅の乗車機会を増やすため、北野で運転系統を切り、別の列車への変更の扱いとして、高尾線内は各駅に停車している。
 しかし優等列車は当然長距離の通しの乗客が多く、まして土休日は不慣れな行楽客が増える訳だから、最終目的地の表示が無いと、「この列車は自分の行きたい所へ行くのか?行かないのか?」と惑う事になる。
 この対策としてフルカラーLEDでは色々情報を追加するのだろうが、結果として混乱を増幅させる原因になってしまってはいないだろうか。
 このケースでは、
1.行先は高尾山口として、北野から種別を各駅停車に変更
2.準特急は高尾線内は各駅に停車
のどちらかにする事が望ましい。
(2月22日からの新ダイヤでは後者の方法を取り、全区間準特急で一本化する事になる)

 京王では他にも、少々首をかしげるフルカラーLED表示が見られる。

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京王 9792 2010(H22)年2月7日
 種別・行先の文字自体は大きくて良いのに、「都営新宿線直通」の交互表示が消してしまっている。
「大島」「本八幡」の文字があれば新宿線直通だと解るだろう、と考えるのは迂闊なのだろうか。
(6000系時代は、行先幕を緑地+白文字で区別していた)

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京王 井の頭線 1024 2010(H22)年1月23日
 井の頭線1000系は2008(H20)年の5次車よりフルカラーLEDとなり、このような表示が出るようになった。
 それ以前の3000系とか、1000系も4次車までの3色LEDではこのような表示は無かったけれど、問題があったとは思えないのだが…。
(井の頭線の急行は、全列車永福町で各駅停車と接続)

 私鉄に関しては、メーカーサイドとか、ベースになる車両によって表示内容が左右されるように感じられます。
 種別+行先だけならまあこれでもいいかなあと思えても、ここでもフルカラーLED化と同時に大量の情報をいっぺんに与えようとして整理し切れなかったり(特に京王)、文字サイズが小さくなってしまったりしています。
 ここまで関東のケースを並べましたが、関西などではどうなのか。
 次回は関西のJRや私鉄、新幹線を見てみます。

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 3週間前の大雪の跡はようやく消えましたが、関東は今晩から明日にかけてまた積雪、だって…。
 既に書く交通機関などでは対策に大わらわだそうだが、どうなる事やら…。

《今日のニュースから》
未明に停電 横浜市北部・東京都町田市の65000世帯

№885 フルカラーLED時代 行先表示のあり方は 1.現状編(JR東日本)

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 鉄道車両の行先・種別表示は、古くは「サボ」から、一昔前の幕式そして3色LED(黄・緑・赤)を経て、フルカラーLEDが当たり前となりつつあります。
 その特性から単に行先・種別だけでなく、多彩な情報を提供する方向に向かいつつあるようですが、私的には疑問に思える内容が少なくありません。
 特に日本語と英語を交互に表示する方式は、利用者に戸惑いを与えるかもしれません。
 また、サボや幕式の時代には無くても特に問題にならなかったのに、LED表示になったとたんに多数の情報が加わった事で、却って見る者に混乱を与える事になっていはいないか?と思われるケースも多々見かけます。
 東西のJRや大手私鉄を中心に幕式・3色LED式も交えて実例の画像を並べ、個々に検証した上で、ではどうすべきなのか、全く個人的な意見ですが記してみたいと思います。
 まず、いち早くフルカラーLED表示への移行が進む、JR東日本や関東の大手私鉄の例を並べてみます。

1.JR東日本
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京浜東北線 サハ209-46 2009(H21)年12月17日
 一昔前まで当たり前だった幕式。
 種別・行先(+小さな英文)の、国鉄時代から(フォントさえも)引き継がれたシンプルなスタイル。
 蕨駅での撮影だったが、ホームにも種別・行先の表示がある事もあり、これだけでも運行内容が充分伝わるのではないか?
 他の路線の電車が出発する事もないのだし。
 私が年配で、交通に関してある程度物知りだからそう感じるのかもしれないのだが…。

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外房線 サハ209-2117 2010(H22)年8月3日
 209系は房総地域へのコンバート改造がされた時点で、行先・種別表示が3色LED化された。
 同じ運行区間でも複数ルートがあるエリアのためか、行先と路線が交互に表示されるようになった。
 しかし、路線名(この場合は外房線)のみの表記に切り替わると、行先が消えてしまう。
 上段のような、路線名+行先の併記のみでも良いのではないか?
(但し、全体的な表示スペースが小さい)

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総武本線 モハ112-2114 2010(H22)年8月8日
 209系によって淘汰された、房総地域の先代車両の幕式表示から、まず113系。
 途中の経由地を表記していたが、経由地名が小さくて見づらい。

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内房線 クモハ211-3054 2010(H22)年8月3日 
 高崎線からコンバートされた211系では、上部に路線名を記していた。
 211系の行先表示ではラインカラーを取り入れていた。
 路線名は、これでも少々見づらいかも。

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横須賀線 サハE217-2055 2009(H21)年11月25日
 E217系は幕式から、3色LEDへの交換が行われた。
(後期の新造車は最初から3色LED)
 東戸塚駅での撮影。
 総武快速線への直通で、東京からは快速として運行される事になるが、表示には何も記されていない。
 しかしこれでも、利用者にとっては問題なかったはずだ。
(E217系は全列車横須賀線内普通、総武本線を初め房総各線は皆快速、と統一された運行形態という事もあるだろうが)

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湘南新宿ライン サロE231-1048 2009(H21)年11月24日
 E231系では最初から3色LEDとなり、路線名と行先を交互に表記するようになった。
 特に湘南新宿ラインの表示は問題が多い。
 全体的に、小さいスペースに情報を詰め込みすぎ。
 上下の比較では「特別快速」以外に共通点が無いし、スタイルが全く変わってしまって、一瞬でも目を離した瞬間、全く別の情報に変わってしまったかのような錯覚を与えているのではないか?

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中央線快速 クハE232-43 2009(H21)年11月3日
 本格的にフルカラーとなったE233系では、駅の停車中は次の停車駅を表示するようになった。
 複数の種別が混在する路線だからだろうが、本当に必要な情報か?
 おかげでただでさえ小さいスペースなのに、ぎっしり情報が詰めこまれ、特に英文表記は種別上部の「Holiday Rapid」の文字が下部の「Akigawa」のオレンジ色部分にまで食い込んで、みっともない。

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中央線快速 クハE233-51 2013(H22)年4月28日
 ついでに前面も。
 上段で全体的に「ホリデー快速」と表示されているため、下段の愛称+行先との交互表示の最中において種別名の大きな表記がいきなり行先を遮って現れる事になり、どぎつく感じられる。
 ホリデー快速に関しては、どうせ本数も少ないし、103系・201系時代のように窓下に愛称のサボを掲げ、上段は種別(「特快」で充分)と行先の常時表示にしても良いのではないか?
 その方が「マニア」受けもするだろうし。
 また初期の中央線向けでは、列車番号が種別・行先と並んで表示されているが、内部の業務用の情報の表示のために乗客向けの情報を犠牲にしてしまっている(ように見える)のはどんなものか。
 JR側もそう考えて、次の京浜東北線向けから場所を変えたのだろうが。
(実際には種別・行先表示スペース自体のサイズは変化が無い)

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京浜東北線 モハE233-1254 2009(H21)年11月20日
 京浜東北線のE233系では、駅の停車中にはこのパターンが繰り返し表示される。
 そもそも「京浜東北線」の表記は必要?
 水色の帯の電車は京浜東北線と解りきっているし(だからどの系統でも他線との判別のために、帯の色で国鉄時代からのラインカラーを踏襲しているのだから)、必要なら名古屋市営地下鉄各線のように、ドアの横に大きく「京浜東北・根岸線」とでも記したステッカーを貼っておけば、むしろ解りやすいのでは?

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東海道線 モハE233-3004
 211系置き換えで東海道線に投入された、近郊仕様でも内容は同じ。
 これもドア横に「東海道線」と書いておけば済む話だと思う。
 肝心の行先の表示を犠牲にするべきではない。

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<つがる> E751-103 2010(H22)年4月7日
 特急からまず、少し古くなってしまったが、八戸~青森~弘前運転時のE751系<つがる>。
 3色LED。
「指定席」「自由席」の表示や号車番号といった、設備的な表示は、種別・行先とは別に表示を設けるべき。
 号車番号に関しては、鉄道会社や系列によっては最初から別に分けていた事例もあったのだから。
(新幹線0系からしてそう)

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<成田エクスプレス> モハE259-12 2009(H21)年11月25日
 フルカラーになったE259系<成田エクスプレス>もそう。
 号車番号は別にして、その分列車名、行先を大きく書くべき。
 また、日本語が読めない外国人の利用が多くなる国際空港アクセス列車では特に、日本語と英語を連続して併記するスタイルとすべきで、安易に交互表示にする事はすべきではない。

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<あさま> E226-112 2011(H23)年3月30日
 新幹線から、3色LEDのE2系。
 上2段が愛称(種別に相当)・行先表示、下2段が「指定席」「自由席」の表示。
 わざわざ別に「指定席」「自由席」を表示する窓を別に設けているのに、最上段ではなぜ、行先表示を犠牲にしてまで「自由席」の表示を出す必要があるのか。「あさま 東京」のみで済む事のはずだ。

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<はやて> E514-6 2012(H24)年2月28日
 JR東日本の新幹線車両は、E5系からフルカラーになった。
 基本的にこの3パターンが繰り返される。
 新幹線とはいえ、やはり停車駅の表示はいらないと思う。
 ホームに詳細な表示がある上、アナウンスもしつこいくらい流れるから。
 それ以上に「指定席」とグランクラスのマークが問題で、特にグランクラスはグリーン車や普通車になる事はありえないのだから、これもドア横のピクトグラム表示だけで充分。
 ホーム側でも乗車位置の案内が出るのだし。
 その分きちんと行先「東京 Tokyo」を連続して表示しておくべきだ。

 3色にしろフルカラーにしろ、LEDは多彩な表示ができるのが利点ではあるのだが、それをいい事にアレコレ情報を詰め込んで、結果的に一番大事な「種別」「行先」を犠牲にしてしまっているケースが多い。
 こうして並べてみると、やはりE233系が一番良くないと思う。
 複数回に分けないと全部伝えられないとは、あまりに細々情報を詰め込みすぎ。

 それでは、私鉄各社はどうなのか、次回は関東大手の行先・種別表示を、フルカラーを中心に並べてみます。

 当ブログでは、コメントは受け付けない事にしています。この記事について何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。
 また、何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
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 小田急線の東北沢・下北沢・世田谷代田各駅が、3月23日より地下化されるとリリースが出されたようです。
 詳細はPDFファイルに記されているようですが、当方のビューワーが不調なのか、ファイルが読めません。
 いずれにしろ、ようやくここまで来たかの感はありますが、後は一刻も早い複々線化が望まれます。

《今日のニュースから》
「レ・ミゼラブル」 興行収入41億7500万円 日本公開のミュージカル映画で史上1位