№839 JTB時刻表2012年12月号(JTBパブリッシング)
北欧旅行のクロニクルは1回お休み、20日(火)に発売になったJTB時刻表12月号について書きます。
いよいよ「2012年」としては、最後の号になりました。
表紙はライトアップされた、夜の東京駅赤レンガ駅舎。
列車が入らずに駅舎のみアップという表紙は、1992(H4)年6月号の原宿駅以来、20年ぶりになりました。
◆ 式年遷宮を迎える 伊勢神宮へ
JTB時刻表は、伊勢を特集するグラビアが掲載される機会が意外に多いです。
伊勢といえば、ライバル「近畿日本ツーリスト」(そういえば「クラブツーリズム」との統合の話はどうなっているのだろう?)を擁する近鉄グループの堅い地盤でもあるのですが。
今回は20年に一度の大祭「式年遷宮」に合わせた特集で、「せんぐう館」に、お参りの仕方(手ほどき)が記されています。
式年遷宮にあわせた近鉄の新型特急「しまかぜ」についても、簡単に記されています。
近鉄電車もここへ来て少々精彩を欠いている面がありますが、「ハルカス」と共に、復活の起爆剤となる事が期待されます。
◆ のりもの探Q隊 vol.18
シンガポール航空(SQ)を舞台に、機内食について取り上げています。
SQの機内食を作る「コスモ企業」は1952(S27)年創業ながら実は初耳だったのですが、他にキャセイやアメリカン、チャイナ・エア、カタール、それに貨物専用のエア・ブリッジ・カーゴ等にも提供しているそう。
ガチンコライバルのBAとVS、両方にも供給しているらしいのが面白い。
本社は成田空港内、他に大栄にサテライト、さらに羽田空港の中にも事業所を置いているという事でした。
(SQは関空・セントレア・福岡にも乗り入れているが、それらはまた別の会社なのだろう)
特に出発間際は大変そうだ。
推測ですが、SQだと、特別食の割合が、恐らく日系各社よりかなり多くなるでしょう。
SQに限らず上級クラスで賞を受賞する機内食も少なくないですが、普通のレストランではなく、結局はマスプロ的なイメージがある「工場」で造られる訳で、関係者も色々な立場でご苦労が多いでしょう。
「ドンペリ」って、高いとボトル1本10万円はするそう。
(私はエコノミークラスの赤ワインで充分です)
◆ 東京駅丸の内駅舎オープン!
この復元赤レンガ駅舎を見てきたという事は先日少し書いたけれど、平日と言うのに数多くの方々が観察に来られていました。
年配の方々がケータイ片手に撮影と言うのは時代だなあと痛感させられたけれど、一方でスケッチをされる方々が目立つのも印象的でした。
私的には復元前の駅舎もそれなりに印象的でしたが、新駅舎を改めて眺めると、やはりいい駅舎だなあと実感させられます。
詳しい観察はこれからになりますけれど。
特に国鉄民営化以降の四半世紀で、大ターミナル駅も「エキナカ」と称し、一部ではショッピングセンターやテーマパークの延長線上に過ぎなくなりつつあるのではないか?と思わせる所も増えています。
京都駅駅舎は景観上からも一時問題になったし、首都圏では「エキナカ」が地元商店街との軋轢を招いた事もありました。
(日本の「エキナカ」は基本的に、「改札」によって守られるから)
昨年の大阪駅や博多駅もその路線ですが、何度か書いているように、大災害発生時の対策の観点からも、そろそろ駅本来のあるべき姿を取り戻してもいい頃なのではないかと感じます。
大駅だと、ある程度商売に振れるのは止む無しとしても。
同じような歴史的建造物の駅舎として小樽や門司港などがあり、門司港も大改修に入るようですが、東京駅の新赤レンガ駅舎が、駅舎保存の先駆けとして君臨し続けて欲しいと思います。
スカイツリータウン行のバスは、やはり丸の内側発着にしたほうが面白かったと思うなあ。
都営バスが減っているからスペースは充分にあるのだし。
(新幹線からの接続もあるのだろうが)
「のりもの情報局」では、東武の「スカイツリートレイン」。
この後の黄色のページでも、臨時特急の時刻が掲載されています。
◆ 黄色のページ
気仙沼線BRT区間が、12月22日(土)に改正になります。
本吉~気仙沼間が増発されて、日中30分間隔運転。
土休日運休便も設定され、1本は陸前戸倉が始発になります。
大晦日終夜運転・初詣列車の時刻が掲載される時期になりました。
首都圏・関西圏の終夜運転区間では、首都圏は昨年と同じ。
ただし成田線・我孫子~成田間は削減になりそうです。
根岸線・桜木町~大船間も若干削減か。
横須賀線は、例年の横浜折返し4往復が大崎へ延伸。
E217系が久しぶりに大崎に入る事になりそうです。
関西圏は、前シーズンに削減になった区間の内、草津→野洲、宝塚→新三田間は取り止め。
そのほかの地区で発表になっている分では、〈みえ初詣〉が1往復削減。
2013年1月号になれば情報が追加される他、私鉄の終夜運転の情報も掲載になるでしょう。
(公式Webサイトでは、今日現在は近鉄のみ発表)
「時刻表復刻総選挙」なる企画もあります。
(こういうタイトルをつけるから、「総選挙」の3文字が軽く見えてしまうんだよなあ)
私的には、青函トンネル開業の1988(S63)年3月号ではないですか?
◆ 本文
東北新幹線で、来年1月26日(一部25・28日)よりE5系投入列車が追加になります。
下り
やまびこ205号 東京7:44 → 10:00仙台
なすの253号 東京8:20 → 10:03郡山
やまびこ55号 東京9:40 → 12:52盛岡
はやて27号 東京12:56 → 16:33新青森
やまびこ63号 東京13:40 → 16:52盛岡
はやて39号 東京18:56 → 22:24新青森 (25日から)
なすの267号 東京19:20 → 20:32那須塩原 (25日から)
なすの275号 東京21:24 → 22:37那須塩原
なすの281号 東京22:44 → 23:53那須塩原 (25日から)
上り
なすの256号 那須塩原6:23 → 7:32東京 (28日から・土休日運休)
なすの262号 那須塩原6:57 → 8:08東京
なすの268号 那須塩原8:17 → 9:28東京
はやて14号 新青森6:45 → 10:36東京
なすの270号 郡山11:05 → 12:44東京
やまびこ60号 盛岡14:10 → 17:24東京
やまびこ218号 仙台16:13 → 18:44東京 (25日から)
やまびこ64号 盛岡17:59 → 21:12東京
はやて38号 新青森17:33 → 21:08東京
定期の新青森〈はやて〉でE2系運用はは11・17号、26・28号の2往復のみになります。
また下りは仙台、上りは宇都宮・郡山・北上でE5系同士の追い抜きが発生します。
〈北斗星〉の上り列車が、大宮から先のダイヤが12月14日~2月28日の間時刻が変更になり、20分以上遅くなります。
566Mの小金井追抜きを取り止めて、後に到着する事になりますが、時刻表上では理由は不明。
唐津線は12月5日(水)に日中の列車が運休になりますが、やはり保線が理由のようです。
3月改正の時点で既に発表済みですが、なぜ保線程度の理由でこれだけ早い発表になったのか、これも理由は不明。
冬の臨時列車の中では、東海道本線の特急〈マリンエクスプレス踊り子〉が、12月1日~2月28日の間運行されます。
運行日によってダイヤが異なるのですが、東京~伊豆急下田間で1往復。
停車駅は全て横浜・熱海・伊東・伊豆高原・伊豆熱川・伊豆稲取・河津。
〈成田エクスプレス〉のE259系を使用するのですが、ビジネス仕様のE259系が観光特急に向くかは少々疑問もあります。
特急料金は〈スーパービュー踊り子〉と同じ。
会社線では、事業廃止の井笠鉄道に代わり、11月1日より中国バスが「井笠バスカンパニー」として一部を引き継いで運行しています。
時刻表上では、高速バス〈カブトガニ号〉(大阪~神辺)・〈ローズライナー〉(福山~広島)・〈リードライナー〉(府中~広島)、及び一般路線の笠岡駅~井原バスセンター線。
埼玉新都市交通が12月3日にダイヤ改正。
時刻表上では現れませんが、平日午前中に増発。
国内線航空では、ジェットスター・ジャパンが12月6日より関西空港~沖縄線を就航させる予定で、時刻も公表されていました。
成田~関空・成田~沖縄線も増便が予定されていましたが、3月30日まで運休・大幅な時刻変更となる事は昨日書きました。
その他の福岡・新千歳関連の路線は変更なし。
国際線航空は、エアアジア・ジャパンが10月28日に国際線に就航済み。
成田~ソウル・釜山線各1往復。
JALが2月25日からの成田~ヘルシンキ線のダイヤが発表。
S7航空の成田~ウラジオストック線が就航になっていますが、以前からチャーター扱いで乗り入れていたようです。
いつ定期便になったのだろう?
日系以外の海外キャリアのB787が、年明け早々成田に就航します。
ユナイテッド航空の成田~ロサンゼルス線890・891便に、1月4日就航。
(同じ便名が引き続きソウルまで行くが、成田~ソウル間には就航しないようだ)
1月16日にはタイ国際航空のA380が成田に就航(677・676便)。
JAL、アシアナ航空の休航は終わったようですが、中国のキャリアに多数の欠航が発生しています。
中国国際航空
関西~北京 928・927便 12月20日まで(週3便のみ運航)
872・871便 12月20日まで
関西~大連~成都 152・151便 当分の間
関西~上海 164・163便 12月20日まで(週4便のみ運航)
新千歳~北京 170・169便 2月26日まで(12・1月は週2便、2月は週3便のみ運航)
仙台~大連~北京 924・923便 当分の間
沖縄~北京 832・831便 12月19日まで
中国東方航空
関空~南京 534・533便 12月28日まで
札幌~上海 280・279便 2月26日まで(年末年始・雪祭りシーズンを除き週2便のみ運航 2月から予定されていた日曜日の運航は取り止め)
静岡~上海~武漢 2020・2019便 12月31日まで(週2便のみ運航)
広島~上海 206・205便 1月31日まで(12月は週1便、1月は週2便のみ運航)
中国南方航空
関西~長春 638・637便 12月31日まで
関西~ハルビン 632・631便 12月31日まで(週1便のみ運航)
関西~瀋陽 612・611便 当分の間
中部~長春 692・691便 12月一杯(週1便のみ運航)
中部~瀋陽 698・697便 当分の間
福岡~大連~天津 646・645便 当分の間
福岡~広州 334・333便 当分の間
福岡~瀋陽 644・643便 12月31日まで
新千歳~大連 652・651便 当分の間
富山~大連~北京 614・613便 当分の間
広島~大連~天津 647・648便 当分の間
山東航空
関西~済南 4094・4093便 12月18日まで
海南航空の沖縄~北京線も、引き続き休航中のまま。
欧州のキャリアは例年通り、クリスマスやイヴ、年末年始で多数の欠航が発生します。
◆ ピンクのページ(JR線営業案内)
JR九州のICカード「SUGOCA」のエリアが12月1日より大幅に拡大。
福岡のエリアは「福岡・佐賀・大分・熊本エリア」として、一気に熊本県・大分県の奥にまで広がる事になります。
他に長崎と鹿児島にも導入。
「福岡・佐賀・大分・熊本エリア」は、八代から福岡・小倉を経由して幸崎まで1枚のカードで行ける事になります。
気になるのは「SUGOCA」による運賃計算のルール。
現行のエリアにはエリア外の「運賃計算の特例に使用する路線」があり、この経路を利用すると実際の利用経路と異なってもこのルートで計算するルールがあります。
(筑豊本線:桂川~原田間、日田彦山・後藤寺線:城野~田川後藤寺~新飯塚間)
しかし、仮に日豊本線:肥後大津~中判田間が運賃計算の特例で使用できるとしたら(JR九州のページには今の所記載がない)、八代~福岡・小倉~幸崎間は、本来6,510円必要な所、SUGOCAなら3,880円でOKという事になります。
もちろんわざわざ遠回りして乗る人はほとんどいないだろうし、ICカードだと途中下車も出来ないのですが、なにかヘンという気がします。
これで今年(2012(H24)年)分の発売は終わりました。
(来月に2013年1月号の発売がありますが…。)
当ブログでは「JTB時刻表から見る日本の乗り物」として、今年のブログ更新の最終日(今の所12月28日を予定)、内容を整理したうえで取り上げます。
東京スカイツリー開業、東京駅赤レンガ駅舎復元、〈ひたち〉くろしお〉に新型車両導入、〈日本海〉〈きたぐに〉廃止、札沼線(学園都市線)電化、気仙沼線BRT、LCC就航、新東名高速道路開通等が、今年のトピックスに挙げられるでしょうか。
来年は3月16日の東急東横線~東京メトロ副都心線相互直通運転開始に合わせ、JR・私鉄とも、特に首都圏で大きく変わりそうです。
東海道・山陽新幹線N700A系・秋田新幹線E6系〈スーパーこまち〉運行開始、近鉄「しまかぜ」デビュー、ICカード全国相互利用開始も予定されます。
「ななつ星」は列車の性格からして、グラビアで取り上げられる可能性はあるけれど、時刻表上の時刻掲載はあるのでしょうか?
大震災被災の路線の復旧は、どこまで進むでしょうか。
申し訳ありませんが、コメントは受け付けない事にしています。この記事について何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。
また、何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
明日・明後日の更新はお休みし、月曜日から北欧旅行クロニクル(あと2回)を再開します。
《今日のニュースから》
広島電鉄開業100周年 記念祭開催