№830 バスラマインターナショナル134(ぽると出版)

「バスラマインターナショナル134」が先月末発売になりました。
 本当はこれを書いてから香港に行きたかったのですが、少々遅くなってしまいました。
 表紙は岩手県自動車の昼行高速用エアロエースと貸切用セレガ、「IAA2012」に出展された3車体連接バス。
 いつもの通り、目に付いた記事をピックアップしてみます。

★“お試し”から“増備”へ ヒュンダイ ユニバース
 確かに増えてきていますね、ユニバース。
(先日熊本に行ってきたけれど、産交は見る事も乗る事もなかったな)
 中国バスの「ドリームスリーパー」は、もう少し開発のコンセプトから詳細が載るのかなと思ったけれど、割とあっさりでした。
 しかし隣の桜交通が典型的だけれど、高速(路線もツアーも)バスも、ITへの対応が無視できなくなってきているようです。
 それは「ユニバース」だから、と言うのではないけれど、逆に言えば、ユニバースが看板を背負うに値すると認められつつある事の証だと感じます。
 知る限り北海道での採用例はまだないのですが、今後は可能性もあるでしょう。
 韓国は北海道並みに寒い国土だから、寒さ対策も充分だろうし。
 それにしても、ユニバースがここまで勢力を伸ばしてきている、と言うのであれば、そろそろ国産メーカーの、ユニバースに対する本音を聞いてみたい気がします。
「企業秘密」的な部分もあるから全部は明かせないかも知れないけれど。

★バス事業者訪問 159 岩手県北自動車

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 予告どおり、岩手県北交通自動車になりました。
 19年前の20号でも取り上げられています(表紙はダブルデッカーと昼行特急車)。
 路線網の比較では、大きくは変わってはいません。
 種市への乗り入れがなくなった一方で、一般路線の久慈へ乗り入れるようになっています。
 震災・津波の被害の話がもう少し聞けるかと思ったのですが、既に1年半経って、毎号のように様々取り上げられてきていますから、新たに取り上げるべきトピックは少なくなってきているのかもしれません。
 それだけ安定してきているという事でもあるでしょうが。
 その中で、宮古地区の利用が大幅に伸びているのが注目。
 今年度は見込みだけれど、このまま行けば指数としては、一気に6年前のレベルにまで回復できる事になります。
 これが定着できればいいのだけれど、それは県北バスだけでなく、新しい街造りも関わってくる事でしょう。
 あとはこの20年弱の間で「みちのりホールディングス」入りした経緯と、グループの他の事業者との関わり(特に震災時)、盛岡市内での、特に岩手県交通との競合あるいは協力関係はどうなっているのか、その辺まで踏み込んだ話が聞ければ良かった。
 車両面では、大型路線車が少なくなっているのは寂しい。
 盛岡市内では、首都圏などからの中古ノンステップ車を導入していく事になるのでしょうか。
「岩手22き682」は、20号でも安比色(上半分白+下半分青)で写真がありました。
「106急行」の特急はもう再開の見込みはないのでしょうか。
 画像の「岩手22き564」は特急専用車だったようで、年式的にはまだ走れると思うのですが(1992(H4)年式U-RU2FTAB)、もうリタイアしているようです。
 
★レールの跡を快走 “BRT”化を目指すJR気仙沼線
 8月20日に一部BRT方式の代行バスが運行を開始したJR気仙沼線ですが、実際のオペレーションの様子がある程度記されたのは初めてになりました。
 専用道区間は陸前階上~最知の、鉄道で言えばまだ一駅間、将来的には全体の6割まで専用道区間を延ばしたい意向だという事。
 バスラマ誌的には「BRT」と言いつつ輸送量は一般のバスと変わらない、将来的には本格的なBRTを期待したいと記していて、現状は中途半端という認識に立っているようです。
 過去の震災関連記事を読んでも、端々に鉄道としての復旧には疑問的な姿勢が見て取れるようで(数百億単位の費用がかかるらしい)、バスラマ誌的な理想は「連接バスを積極導入してさらなるフリークエントサービスの実現」なのではないでしょうか。
 ただし、三陸地域は元々「鉄道信仰」が強い地域で三陸鉄道もその産物、先の岩手県北バスの談話でも山田線沿線はBRT拒否という事でもあるし、BRTも簡単ではないと思います。

 いくつかの連載記事は読み流す程度で終わる事も正直大半ですが、東急バスのAT車については、新羽営業所に取材していたので、興味深く読みました。
 このブログをスタートさせた頃、通学で東急バス(当時は東京急行電鉄)新羽営業所のバスを利用していて、そこからバス趣味をスタートさせたと書いていたので。
 №12で書いた綱島駅付近の道路事情は現在も全く変わりなく(相鉄直通線の「新綱島」駅開業時には変わるのか?)、ATに加えて新ワンマン構造要件への戸惑いも、そのあたりから来ているようです。
 ここでは触れられていなかったが、新羽営業所は車両とドライバーの運用が別物の「ダイヤ制」を敷いている事も、関係あるかも知れない。
(仕様や特性の異なる車両を、一つの仕業の中で乗り継ぐので)
「担当者制」だったら、もっと別の評価になっていたかも知れません。

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 そして、昨日書いた、香港の「エンヴァイロ400」。
 香港ではどこか郊外のバス路線を選んで乗りたいと思っていたので、運がよかったです。
 香港のダブルデッカーは後2軸の大型が大半で、これでさえ他と比較して小型と感じたものでした。
 詳しくは旅行記の中で書きますが、この尺であれば、日本でも路線を選べば充分運用できるのではないかと、改めて再認識させられました。
 なお同型がKMBやシティバスで運用されていると記されていましたが、香港島を走るシティバスの3系統(中環~域多利道らしい)で運用を確認しています。

★各地の新車から
 エルガ・ハイブリッドの市販第1号は、阪急バスになりました。
 京阪バスのエアロキング代替はセレガ・ハイブリッドになりましたか。
 外国製ダブルデッカー導入、とはいかなかったですか。

 関連して、エルガ・ハイブリッド開発担当者へのインタビュー記事もありました。
 何度も記すように、バッテリー電池などの置き場を車内に配置して、デッドスペースになっている事がどう評価されるかという事になるかと思いますが、一方でメリットとしては、
① 車高制限がなくなる
② 高電圧の回線を引き回す必要がなくなる
③ メンテを車外(しかも地上)から行える
という事でしょうか。

「バスの日」関連のイベント、今年は今の所どこにも行けていません…。

 次号(12月下旬)前には年鑑を刊行との事。

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 帰国早々ですが、明日・明後日の更新はお休みです。
 来週(火曜日予定)から、1993(H5)年北欧旅行のクロニクルを連載します。

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