№811 バスマガジンvol.55(講談社ビーシー/講談社)

「バスマガジン」55号が先月末発売されましたので、少々遅くなりましたがここで取り上げます。
 表紙の道北バスのノンステップ車は、名古屋市から来たばかりとの事。

 冒頭ではいすゞエルガ・ハイブリッドのガイド。
 やはり後部座席を削ってバッテリーなどを搭載したボックスを設けている事が、どう評価されるのか。
 市販第一号がどこになるかが注目されます。
 この他に沖縄と秋田で始まった、改造EVの営業運行。

◆ ネオクラシックバス 第5弾
「バスマガジン」では創刊時から、モノコックボディ車を「ネオクラシック」車と呼称して継続的に取り上げてきて、今回で5回目。
 最後のモノコック車が製造されて30年近くになり、当然ながら稼動車は回を追う毎に激減。
「モノコック王国」と言えた高知県も、気付けば全滅してしまいました。
 一般路線車では、毎日運行される車両は皆無で、ある程度確実に乗れるのは、日曜日に定期仕業がある沖縄の2社と言う所でしょうか。
(こうなると那覇バス・琉球バス交通が「730」車を全てリタイアさせてしまったのは、観光資源にもなりうる事を考えたらもったいなかった)
 格納庫に4台を保管している北海道中央バスなど、登録番号を抹消しつつ保管する事業者もいくつか見られるようですが、何度か書いている通り、静態保存でいいから、誰でも明るい場所で見られる「バス博物館」が欲しい所。

◆ 東日本大震災の被災地で活躍するバスを追う 第3回
 今回は宮城交通・仙台市営・岩手県北の3者の、震災発生当時の状況と、復旧に向けた取り組みを、関係者の証言と言う形で2部構成で取り上げています。
 仙台市内を走る宮交・仙台市営では、首都圏でも見られたような乗務員不足が深刻でしたが、仙台市営では宮城県沖地震の教訓も生かされていたようです。
 鉄道が典型だけれど、「路線の安全が確認できない内は運行させるな」という事でしょう。
 しかし仙台市内でさえ、未だに完全に復旧できていない路線もあって、先行きはどこもまだまだ大変そう。
 気仙沼線のBRTに関しては、いずれ詳細な乗車レポートが欲しい所。
 
◆ おじゃまします バス会社潜入レポート vol.55 道北バス

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 ここ数年で何度か旭川に行っているので、なんとなく道北バスには親近感を感じるようになっています。
 北海道は道路事情が良いし、どこかのWebサイトに書いてあったのだけれど、ガソリン代が水より安いのだそうで、一般路線バスの運営は、他と比べてもさらに苦しそうです。
 №478でも書いたのだけれど、旭川駅付近は乗場がてんでバラバラで外部のものには解りづらい部分が多いので、旭川電軌・中央バスも含めた統一バスターミナルの整備が期待される所です。
 紋別に出張所があるのは初めて知った事で、現地出退勤、つまり紋別に居住する道北バスの乗務員がいるという事ですね。
 JHB深名線の車両が道北バスの整備工場に現れるのは、ああそうかと思った。
 カラーは、やっぱり用途毎に統一した方が良いのではないかなあ。
 高速車の旧塗装復刻は、関東自動車だったのですか。リムジンかと思っていたが。
(別にリムジンからの譲渡車もあるが)

◆ 緊急企画 バス輸送の安全性を考える第3弾 安全性は確保されるのか?
 7月31日にスタートした「新高速バス乗合制度」について、Part1では高速路線バスと高速ツアーバスを一本化した「新高速乗合バス」の制度の解説、Part2ではウィラートラベルの村瀬社長へのインタビュー。
 ウィラートラベルのツアーバスについては他誌も含めて何度も取り上げられているけれど、改めて村瀬社長より、ウィラーエクスプレス立ち上げの経緯から新高速バス移行後の将来像までを聞いています。
 あくまで読んだ感触では、在来の高速路線バスの制度は柔軟性を書いているから高速ツアーバスを立ち上げたが、いきなり何もかもぶち壊そうと言うのではなく、実績を積み上げ、それを背景にして、新しい制度の下に乗合事業者としてやっていこう、という事なのだと思いました。
「国土交通省の監査がイヤだからリストへの登録を拒んだ」業者が少なからずあったというのは、問題だなあ。
 新制度で根絶される事になるでしょうか。
 バス停の確保は、「既存の乗合自動車と比べて不公平」とボヤくツアー事業者が少なくない中、「企業努力しかない」をいう決意は潔いと思いました。
 ところで、「バスマガジン」誌でもオピニオン記事は少なくないですが、その場合には文責の名前をはっきり出して欲しいと思います。
  
◆ 路線バス全方位レポートvol.55 長崎県
 久しぶりに前後編2回構成になって、今回は南部。
 事業者は長崎自動車(とさいかい交通)、長崎県交通局(と長崎県央バス)、島原鉄道の事実上3者のみで、このエリアの新規参入事業者はないのでしょうか。
 長崎市は人口が約44万人で、旭川市(約35万人)より多いのですが、旭川とは逆に坂道ばかりで路線網の拡大がしづらく、一方で既に長崎バス、県営バスの路線網が確立しているので、参入は難しいのかも知れません。
 県営の「お買い物バス」は、以前の長崎バス「らんらん」。
 島原鉄道の廃線区間の代替バスの現状はどうなっているのだろうか。

 中国バスの「ドリームスリーパー」の写真がありました。
 思えば四半世紀前、「ムーンライト」で3列シートが導入された時は、それだけでも「デラックスだ」と驚きだったのですが、もはやそれさえも時代遅れになりつつあるのでしょうか?
(私自身はここまでは望まないが)

 次号の「バスの遊び方・楽しみ方」とはどんなものになるのだろう。
 ところで「全国乗合バス100選」はここ数年休載が続いているが、読者からの募集は行っています。
 近い内の再開はありうるか?

 申し訳ありませんが、コメントは受け付けない事にしています。この記事について何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。
 また、何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。

 1967(S42)年のカール・ヤストレムスキー(レッドソックス)以来との事。
 タイガースではタイ・カップ以来、実に103年ぶりだそうです。
 そんな長い間出ていなかったとは、正直意外。
《今日のニュースから》
 大リーグ ミゲル・カブレーラ 45年ぶりの三冠王達成