№776 灼熱の大阪へ 1.夜の普通列車乗り継ぎで名古屋へ

 今日から3回に分けて、7月28日(土)~30日(月)にかけての大阪方面への旅行について書きます。
 片道は「青春18きっぷ」利用でしたが、「ムーンライトながら」の指定券は発売開始の日には早々に売り切れになったため、大阪まではやむなく2日に分けて向かう事になりました。
 初日は夕方まで仕事があり、終わった後横浜から普通(区間快速を含む)で名古屋へ。
 かろうじて、日付が変わる前にはホテルに入れました。

 7月28日(土)

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横浜→熱海 859M モハE230-3559

 平塚で後部5両切り離しと、湘南新宿ラインの特別快速の待ち合わせ。
 この特別快速が、通過直前の辻堂で非常停止ボタンが操作されたとかで到着が遅れ、こちらも平塚出発が9分の遅れ。

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 横浜駅の駅弁「横浜チャーハン」。
 540円と値頃感がある駅弁。
 平塚でボックスシートに空きが出来たので、夕食として広げました。

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 早川~根府川、夕暮れ時の相模湾。

 ダイヤに余裕があったのか、熱海では3分延にまで回復し、次の電車に間に合ってくれました。

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 熱海→掛川 5477M モハ210-5026

 211系×3 + 313系×3。
 静岡では安倍川で花火大会とかで、この先名古屋まで、浴衣姿の女の子が目立つようになります。
 この列車は浜松行ですが、掛川で後続に乗り換え。

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掛川→豊橋 981M クモハ313-2305
 313系×2 + 211系×3。

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 その車内。

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豊橋→金山 区間快速5709F クハ312-307
 関ヶ原行。
 313系の8連と、土曜の夜中にしては長編成でした。

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 蒲郡では、フレートライナーの通過待ち。
 向こうは「特急」とはいえ、貨物列車の通過待ちとは、最近では珍しいのでは?
 右は名鉄蒲郡線の6000系で、22時55分発の最終電車。

 横浜を17時27分に出て、金山には23時21分の到着。
 ほぼ6時間かかりました。

 この後地下鉄名城線に乗り換え。
「名城線 右回り」という表示はこの日は最後で、久屋大通で降りると、行先表示がクルクル変わっていくのが見えました。
(金山まで運行)

 明日も多分晴れ模様だから、大垣を経由して、久しぶりに樽見鉄道と、名阪近鉄バスを撮ってこようと思いますが、どうなる事か…。

 申し訳ありませんが、コメントは受け付けない事にしています。この記事について何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。
 また、何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。

 さて、今日は全国各地で「水の事故」が相次いだようでしたが、明日は一転、広い範囲で大雨が予想されています。
 せっかくのお盆休みなのに残念な事ですが、皆様、どうかご注意を。

《今日のニュースから》
タレント間寛平 被災地応援マラソン 山田町をスタート

№775 成田空港鉄道アクセス改善私案 2.京成

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 成田空港への鉄道アクセス、前回はJRについて少し考えてみました。
 今回は京成です。
 京成は1977(S52)年5月20日の開港時より鉄道アクセスを担い、今年で35年の実績があります。
 この間1991(H3)年に空港ターミナル直下の新駅乗り入れ、そして一昨年2010(H22)年の「成田スカイアクセス」開業と、少しづつではあっても空港アクセス事業者として進化してきました。
 一応スカイアクセス開業で施設的な部分では整備が一段落したようにも思えますが、ダイヤに関しては、もう一段改善の余地があろうかと思います。
 まず京成上野駅からの成田空港行と、成田空港駅からの時刻表を、参考に御覧頂きます(平日のみ)

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京成上野駅(成田空港行のみ この他都営浅草線方面からの直通あり)

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《京成線 成田空港アクセス改善のポイント》
.スカイライナーは早急に完全20分間隔運転を実現し、運転時間帯を大幅に拡大する
.アクセス特急も早急な運転間隔短縮を検討するとともに、無駄な停車時間を見直して所要時間を短縮させる
.本線はシティライナー、モーニング・イブニングライナー、特急を統合し、名鉄・南海タイプの指定席+一般席併結の編成を導入する


について、スカイライナー日中1時間2本のダイヤになっているが、運転間隔が20ないし40分と不揃いになっている。本来は30分間隔運転が適当な所、線路容量やダイヤ構成上やむなくこのような形態になっていると思われる。
 ただ、やはり多少利用しづらい面があるのは事実で、来年の航空便乗り入れ回数増の時点では、AE形の増備を行ってでも、空白になっている時間(京成上野発毎時20分・成田空港発19分)を増発し、完全20分間隔運転を実現する事が望まれる。
 また航空便の発着時間帯に対して運転時間帯が短い。京成上野発はスカイアクセス開業後も17時台の終了のままだが、20~21時台の出発便も多く、最低19時台前半までは運行は確保すべきだろう。
 逆に成田空港発は、6時台より到着便があるので、7時台前半より設定が必要だろう。もっともこの時間帯、特に平日は通勤輸送にもかかるので、ダイヤ編成は苦しくなるだろうが…。
(ではモーニング・イブニングライナー運用はどうする?これについては後で書きます)

 なお料金面では、現行の運賃1,200円+特急料金1,200円というのは、JRに比べたら安くても、諸外国の利用者から見たら高く映るだろう(昨今は超円高でもあるし)
 スカイライナーの場合はNEXとは逆で、スカイライナーと他の京成の一般列車を乗り継ぐ利用は、現在の運行形態ではほとんど考えられない。
 なのでスカイライナー専用の包括運賃の導入は考えられないか。運賃+料金一体でで2,000円とすれば値段が解りやすいし、ある程度割安感も … 本当はこれでも少々高いかも … 出るのではないか。

に関しては、日中40分間隔運転は、空港アクセスのみならず北総線共用区間の輸送量も考えると現状はやむないかもしれないが、こちらもいずれは20分間隔への増発が望まれる。
 夜間はさらに本数が少なく、1時間以上間が空く所もあるので、この辺もいずれ改善が求められるだろう。
 停車駅は、現状ではこのままか。
 一つ問題なのは、№644でも書いたけれど、新根古谷信号所で無駄に停車時間が長い列車が少なくない事。
 スカイライナー運用の宗吾車両基地への出入りのためだろう、というのは「鉄」ならだいたい読める事だけれど、一般のお客さんにはそんなのはどうでもいい事。
 ただでさえ決して短くない所要時間がこんな事でさらに増大すると、利用者に不信感を与える事になりはしないか。スカイライナーの検査体制の見直しが必要だろう(これも後で書きます)。全体的には決して遅くはないので、この点はすぐに改善を。

 京成において問題は、の本線船橋経由の運行形態と思われる。
 現在「節電対策」でほとんど運休という事になっているシティライナーだが、現実問題として運転時間帯や本数が中途半端、特に夜間の利用に全く対応していないため、空港アクセスとしてはかなり弱いと言わざるを得ない。
 また一般の特急は、こちらも列車統合の影響で佐倉から先が各駅停車となってしまい、所要時間の増大を招いてしまっている。
 このため船橋経由の本線は、対都心に関しては空港アクセスの機能が弱くなってしまっている。
 しかし現行のスカイライナーはその運行形態から、肝心の京成沿線にはほとんど恩恵をもたらしていないし、一方で沿線には船橋などの有力な都市もあって、スカイライナーの停車が歓迎を持って迎えられたという経緯もあるから、こちらのルートも軽視は出来ない。
 またスカイアクセスより遠回りながら運賃は割安なので、コスト面でこちらのルートを選択したいと言う旅客(特にLCC便利用者)も少なくないと思われる。
 さらに本線の場合は空港アクセスだけでなく、線内間の移動という面でもより早い列車が求められる事、成田空港付近の線路容量の面も考える必要もある。

 従って本線では、全く新しいタイプのアクセス列車、具体的には現在のシティライナーと快速特急・特急、ついでにモーニング・イブニングライナーの一本化が最も有効なのではないか。
 どの道上の表である程度推し量れるように、本線では種別による所要時間の差が実はほとんどないから、種別を絞った方が解りやすくもなるし。
 車両面では名鉄・南海(サザン)で見られる、指定席(特別席)と一般席を両者連結したタイプを導入を提案したい。これを20分間隔で運行させる事で、有料各列車も代替・一本化できる。
 停車駅は日暮里・青砥・船橋・八千代台・京成佐倉・京成成田・成田空港第2ターミナルとし、京成上野~成田空港第1ターミナルは大雑把だが73分で走れると見込める。これは現行の特急より10分早く、シティライナーとほぼ同程度になる。
 指定席料金はモーニング・イブニングライナーの料金と同額(400円)か、それ以下とする。これにより空港アクセスだけでなく、沿線から都心への利用も促せるのではないか。
(通勤通学の他、上野やスカイツリータウンなどへの行楽の足としても利用してもらえるだろう)
 またこれによりAE形をスカイライナーに専任させ、早朝・夜間の増発を行う事も可能になる。
 なお、このタイプの編成は、いずれはアクセス特急への導入も検討する。成田同様、羽田空港アクセスでも、指定席サービスが求められる時が来るような気がするので。

 以上を総合すると、成田空港発では、スカイアクセス経由のスカイライナー(全車指定席・上野行)、アクセス特急(全車一般席・羽田空港方面行)、及び船橋経由の新タイプの特急(一部指定席・上野行 名称は別に考える)がいずれも20分間隔で出発する事になり、所要時間の短縮や選択の自由度の提供などで、サービスの向上が図れるだろう。

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 ところで、これらのサービスを実現するための障害と思われるのが、スカイライナーの中間整備。
 現在、宗吾車両基地での整備・清掃等のため、回送列車が何本か設定されている。
 しかし単線区間での設定のため、何度か書いているように、アクセス特急の無駄な所要時間の拡大につながっている他、本線系統の設定本数の減少をも招いている。
 またで提案した、新タイプの特急の指定席車両の整備も新たに必要になる。
 従って現在の宗吾ではなく、違う場所での整備が必要になるが、現状では他に出来る場所は高砂しかあるまい。
 高砂検車区は敷地が狭く、現状では特急車の中間の整備には不向きだろうが、どの道数年の内には高砂付近の全面高架化の話が出て、検車区自体の移転を行う必要が生まれるだろうと思われる。
 本来の検車機能は新検車区に移行(ただし、北総線沿線に求めざるを得ないか)し、高砂はスカイライナーや新タイプの特急の中間整備や留置に特化する、とすればいいだろう。

 なおいうまでもなく京成線は押上経由で都営浅草線・京急線と相互直通を行い、特に羽田空港アクセスは京成にとっても、成田に負けないほど重要なものになってきています。
 これも何度か書いていますが、相互直通各社がそれぞれの事情をそのまま相互直通ダイヤにまで引きずっているため、途中で何度も種別を変える列車があるなど、外来の旅客からするとかなり解りにくいダイヤになりつつあります。
 京急線の蒲田の上下線高架化も完成しますし、やはりここらで関係各社が持ち寄って、一度全面白紙ダイヤ改正を行うべき時が来ているのではないでしょうか。

 以上、成田空港アクセスについてJR・京成でそれぞれ本当に簡単ですが考えてみました。
 本当は他にも駅施設やインフォメーションのあり方も考えるべきだし、運賃・料金面でももう少し突っ込むべきだった、その他諸々考えるべきものはあったでしょうが、とりあえず鉄道の最大の華であり商品は「車両」と「ダイヤ」(特に空港アクセスはダイヤ)ですから、そこを中心に考察しました。

 最後にJR・京成双方に考えていただきたい事。

1.自動券売機は英語対応は普通になったが、中国語・韓国語にはほとんど対応していない。韓国のソウルや釜山では韓・英+日・中が当たり前になっているし、加えて空港アクセスに限らず、日本在住の韓国人や中国人の存在も考えると、少なくとも首都圏では日・英+韓・中の4ヶ国対応型の早急な整備が求められる。
 また車内放送も、NEXやスカイライナーは多言語だが、一般の列車でも多言語の整備が急がれるだろう。

2.成田空港各ターミナル駅の名称は、「空港第2ビル」ではどこの空港?とツッコミを入れられそうだし、「成田空港」では本当に第1ターミナルはここでいいのか?という疑問を抱かせる事になる。羽田空港(東京モノレール)の如く、
「空港第2ビル」 → 「成田空港第2ターミナル
「成田空港」→「成田空港第1ターミナル
と改称した方がスッキリして解りやすいのでは?

3.運賃で言うと、一部の駅では第2ターミナル行と第1ターミナル行で運賃が異なる。JRの戸塚からだと空港第2ビルは1,890円なのに成田空港までだと2,210円と、320円も高くなる。京成でも京成八幡から空港第2ビルの780円に対して成田空港は840円と60円高い。
 しかし両駅とも「成田空港」という一つに施設の中に並存する駅であり、しかも基本的には搭乗する航空会社・便によって下車する駅が決まるのだから、鉄道利用者に駅を選ぶ決定権がない。
 従ってこの運賃設定のあり方はおかしい。特例を設けてでも、第2ターミナルまでの運賃で、第1ターミナルにも行けるようにしなければならない。


 成田空港は開港当初から、「都心からあまりにも遠い」との批判が絶えませんが、世界的にも新規の大空港計画としては初期のものだったし、「三里塚」という場所自体の良し悪しはともかく、成田より都心に近い場所に新空港を造れたか?といえば、当時としても疑問だったと思います。
 とはいえもはや場所自体を変える事も出来ないのだから、アクセスの向上でフォローしなければなりません。
(特に所要時間の短縮)
 空港自体と空港アクセスは運命共同体と言えますが、特に成田ははっきりそうです。
 今後も羽田空港とのせめぎ合いが続きながらも、発展は続くと思いますが、そのためには空港アクセス鉄道を担うJR・京成が絶えず向上していく事が強く求められます。
 それが成田空港の利益・イメージアップにもつながり、ひいては自らの利益・イメージアップとして戻ってくる相乗効果を生むはずですから。

 申し訳ありませんが、コメントは受け付けない事にしています。この記事について何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。
 また、何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。

 明日・明後日の更新はお休みです。
 来週は、世間一般はお盆休みと言う所が多くなりますが、当ブログは通常通り更新の予定です。
(ただし15日は本体の更新のためお休み)

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《今日見た・聞いた・思った事》

 さて、世間はオリンピックや高校野球に沸く一方で、政治の世界は国の内で外でまた騒然としてきたようです。
 消費税率引き上げ法案が成立した事で、政界はこれから、衆議院の解散・総選挙に向けて動き出すのでしょう(既に動いているか?)。
 大震災や原発事故の混乱が未だに収まっていない今の状況で、また色々政治的な問題が浮上すると、騒然として落ち着いて暮らしていけない気がします。
 もっと色々な面で穏やかに生きようと思う事は、今の世の中では許されないのでしょうか。
 ちなみに今日成立した消費税率を当てはめると、JRの東京~成田空港の運賃は2014(H26)年4月1日には1,320円程度、その翌年には1,340円程度。
 また京成の京成上野~成田空港(スカイアクセス経由)は再来年には1,230円、その翌年には1,260円程度になるかと思われます。

 オリンピックでは間もなく、男子サッカー3位決定戦が行われますが、このタイミングでどうなんだろう…。
《今日のニュースから》
韓国・李明博大統領 竹島を訪問

№774 成田空港鉄道アクセス改善私案 1.JR

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 1991(H3)年3月に、成田新幹線用として建設されていた施設を利用し、京成線とJR線がターミナル(当時は今の第1ターミナルのみ)直下の新駅に乗り入れるようになった事で、これまで成田空港最大の弱点とされた都心からの交通アクセスが大きく改善された、とされました。

 しかしそれから既に20年以上が経ち、空港そのものも、航空業界も大きく様変わりし、その結果鉄道アクセスにも、より内容の改善が厳しく求められてきているようです。
 特に昨年あたりからは国内線・国際線共にLCCの積極的な乗り入れが進んでいる事、加えて来年夏には発着枠27万回化が予定され、オープンスカイも進む事で、乗り入れ回数が大きく増える事が予想されます。
 そうなれば、国際線中心だから国際情勢や昨年の大震災・原発事故など不測の要因で変動もありうるだろうが、基本的には航空利用者数は増加の一途をたどると、多少甘い見方ですが、そう考えられます。

 その時、現状の鉄道はJRも京成も、20年間で少しづつサービス面の向上は進みつつあるとは認めますが、今後も多様なニーズを持つ航空利用者に、鉄道が対都心のアクセスとして認めてもらえるか、と言うと、国内交通も競争が激しくなる事も予想され、安閑としてはいられないと思います。
 ではどうすればより良くなるか、航空利用者に選んでもらえる空港アクセスとして認めてもらえるようになるのか、それを今回から2回に渡って、本当に簡単ですが私なりに考えてみたいと思います。

 なお、私は観光旅行や、航空便を利用しないで旅客機を撮影するために年に数回利用するだけなので、それこそ月に何度も海外出張だ、という「ビジネスパーソン」等が求めるものとは、かなり違った考え方になっているかと思います。
 その辺はご了解頂ければと思います。
(一度そういう方々の意見もお伺いできるといいですね)


 そもそも、空港アクセス鉄道として、どのようなダイヤが望ましいのだろう?
 実は空港アクセスに限らず鉄道は皆同じはずですが、一応記してみます。

1.もちろん、絶対的に、定時性の確保。

2.高速性。特に成田空港は都心から60㎞以上離れているため、これをカバーするためにも、表定速度は最低でも60㎞/h以上は必要。また一部の列車だけが早いと言うのではなく、(種別毎に)平均して早い事が求められる。

3.フリークエントサービス。待たずに乗れる事。一つ乗り遅れたら次の列車まで1時間以上、というのでは困る。現在、特にJRは日中に本数の少ない時間帯があるが、早急な穴埋めが必要。遠さをフォローする意味でも。

4.航空運航時間帯への対応。搭乗手続き(最近はWebチェックインの普及などで短縮傾向にはあるが、まだカウンターでの手続きが必要な場面も多い)・手荷物検査や、国内線にはない出入国審査に通関の存在を考慮し、逆算してダイヤを編成する必要がある。
 さすがに、ジェットスター・ジャパンの6時00分出発には対応出来ないだろうが。



 今回はJRです。
 参考までに、今年3月17日改正の、東京駅(成田空港行のみ)と、成田空港駅(第1ターミナル)の発車時刻表を作成しましたので、御覧頂きます。

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東京駅

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成田空港駅

《JR線 成田空港アクセス改善のポイント》
.快速に代わる「特別快速」を設定し、低コストの列車の所要時間を短縮
.〈成田エクスプレス〉(以下NEX)は早朝・夜間は運行区間の延伸、加えて特急料金の見直し
.NEX・特別快速を総合して、東京発5時台前半~20時台後半、成田空港発7時台前半~22時台後半に運行時間帯を拡大し、この範囲で最低それぞれ30分間隔運転をめざす


 JRの場合、千葉を大回りするため、営業キロが80㎞近くと長距離になってしまい、これをカバーする意味もあるのだろうけれど、少々NEX偏重になっている感があります。特に快速〈エアポート成田〉に問題があります。

 に関しては、とにかく時間がかかりすぎる。最短で86分だが、東京7時08分発3717F(土休日3565F)はNEX2本の通過待ちもあって100分も要している。表定速度が47.5㎞/hと、ローカル列車並でしかない。
 停車駅の多さに問題があるだろう。元々千葉より先で少なくなかった上に、ローカル列車の代替で酒々井・物井にも停車するようになり、千葉からは事実上各駅停車になってしまった。

 もちろん、成田~成田空港が単線などの全体的な線路容量の少なさや、通勤・通学輸送もあるのである程度仕方がない部分もある。
 しかし、先日運行を開始した京成バスの「東京シャトル」が、東京駅八重洲口~成田空港約1時間10分・800円(今月いっぱいの運賃で、9月以降は早期に購入すると最低1,000円)であり、かつJRの東京駅や成田空港各ターミナル駅のホームが地下にあり、地上の移動が難儀である事も考えると、今後バスに対して競争力を大きく喪失する危険がある。
 今回のバスは京成グループだから「手加減」してくれたかもしれないが、今後、特にLCC利用者目当ての新規事業者の参入も大いに可能性があり(安全性はとりあえずおく)、そうなると、特にアクセスも低価格志向になると思われるLCC利用者は、鉄道を利用してくれなくなってしまうかも知れない。

 また昨年の節電ダイヤのように日中のNEXが全部運休となると、鈍足の「快速」が1時間に1本だけとなってしまい、JRそのものの地位がさらに低下する事になる。
(昨年の韓国からの帰国時、私自身が痛切に感じた事)
 元々遠回りのハンデがあるのだから、これを補うためには高速化しかない。施設的な部分はとりあえずどうにもならないから、運行形態そのものを全面的に見直し、NEXを補完するに足り、安くて適当に早い列車を早急に整備する必要がある。

 提案として、今の快速より上位にくる「特別快速」を設定し、快速を置き換える。
 停車駅を大幅に減らし、所要時分の短縮を図る。
 停車駅は錦糸町・船橋・千葉・佐倉・成田・空港第2ビルを想定。
 大雑把な計算になるが、朝晩は難しいが日中は千葉でのNEXの退避をなくせるので、東京~成田空港では1時間10分程度で走れると見込んでいる。
(表定速度67.8㎞/h)
 東京方の折返しは品川を想定したが、これは東京の地下ホームの線路容量と、東海道新幹線やその他在来線との接続の改善を図るため。
 無論、ダイヤ構成上可能なら横浜・逗子方面への延長も望まれるが、湘南新宿ライン(+相鉄直通列車)もあるから難しいかも。
 
に関しては、JRの強みである広範囲のネットワークを生かし、東京発早朝・成田空港発夜間は運行区間の延長を図る。
 具体的には、東海道線は小田原・熱海・沼津、横須賀線は逗子、中央本線は甲府(竜王)、さらに宇都宮線の宇都宮、高崎線の高崎・前橋方面への延長を検討する。

 料金面では、特急料金がAランクの設定で1,660円とは、やはり少々高いと言わざるを得ない。
 全くのボッタクリなどとは言わないが、現状では東京近郊区間内だけで納まる、(JRの特急網全体の中では)短距離列車でもあり、少なくともBランクの設定で料金の引き下げが望ましい。
 本当はこれでも通常期1,410円と少々高く、できれば京成スカイライナーと同額に1,200円位にはならないか。

については、NEXは原則30分間隔の所、日中の一部で60分間隔となっている所があるが(東京9・11時台と成田空港12時台)、待たずに乗れるという感覚を持って頂く必要があるので、早急に間隔を埋める必要がある。
 特別快速も、輸送量や当面の電力事情をにらむ必要もあるだろうが、運行時間帯は終日1時間に2本(30分間隔)の確保を目指す。
 これは対東京の空港アクセスのみならず、対千葉市や船橋市などの沿線のアクセス対策、あるいは空港と関係ない、例えば東京⇔千葉の都市間輸送も考慮する意味もある。

 またNEXは成田空港発の一番(2号)は7時31分発だが、航空の到着便が通常運用開始の6時過ぎには早々と多数(東南アジアやオセアニア等からの夜行便)到着するため、あと30分は早く、7時台前半には設定できないだろうか。
 夜間も20・21時台が1時間に1本のみ、21時44分発の54号が最終だが、19~21時台にも到着便は多く、国内線にはない入国審査や通関の存在に加え、大幅な遅延が発生する可能性も考えると、少なくとも22時台(出来るだけ後半)までは、最低東京駅まで行く列車の確保が望まれる。
(ちなみに今日は、最終便の到着は中国本土からの3便が所定21時00分の所、台風の影響か皆遅延を発生させている模様。特に北京からのCA421便が1時間20分遅れの22時20分到着予定とされていた)

 東京発も一番の1号は6時18分発だが、一応基本は9時前後の出発には十分対応できるものの、今後一般の国際線でももっと早い時間の設定が予想されるため、あと30分は繰り上げ、都心を5時台に出発する列車の設定が欲しい。そうなると成田空港着が6時台になり、8時台に出発する航空便にも対応できるだろう。

 総合すると、JRの場合、NEXと、新タイプの「特別快速」をいずれも30分間隔で運行、という形態になるでしょう。
 ダイヤのイメージを簡単に作ってみました。

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 なお航空便インフォメーションですが、NEX車内では空港からの出発便の表示が出されましたが、個人的にはどこまで必要かなあとも思います。
 車内の液晶画面程度の規模では、一度に多数の表示は出来ないし。
 やるならむしろ駅構内ではないかとも思いますが、時間が惜しいビジネスパーソンだと、車内でも必要になるのかも知れません。

 それと上では「施設面では当面どうにもならん」と書いたが、実際問題として、特に東京~千葉の快速線は容量が足りないかも知れません。
(快速に特急〈しおさい〉〈あずさ〉等もあるので)
 現在上下同時に退避を行えるのは市川だけで、退避駅を増設する必要もあるかと思います。
 可能と思えるのは錦糸町と津田沼。
 錦糸町は、上りはかつて貨物列車が使っていたと思われる線路の跡が、快速線と緩行線の間に鉄橋ごと残っているので、これを通過線に活用。
 下りも留置線が数本あるので、1線削って通過線として利用できないか。
 津田沼は緩行線の4番線を快速線に転用(または共用)とする。
(緩行線の折返しは引き上げ線のほか、幕張駅を活用する)
 またJR側も、いずれ第2ターミナル駅構内の複線化が必要になるでしょう。

 遠い将来になるでしょうが、NEXのE257系でさえ置き換えの対象となる時点で、もう少し違った特急アクセスの形態を考慮しても良いのではないでしょうか。
 NEXの延伸ではなく、逆に〈踊り子〉〈かいじ〉〈あかぎ〉等の在来の特急列車を、そのまま都心経由で成田空港に延伸する形態に改めるのです。
 諸外国の例ではスイスが理想にかなり近く、ジュネーブ空港駅からは市内だけでなく、ローザンヌを経由してチューリッヒやバーゼル、あるいは南部のリゾートへ行く列車や、一方で近郊ローカル列車が当たり前のように出発して行きます。
 先にも書いたようにJRの強みはネットワークにあり、それを最大限生かした、新しいスタイルの空港アクセス(特に運行形態)のあり方を模索しても良いのではないでしょうか。

 次回は京成について書きます。

 申し訳ありませんが、コメントは受け付けない事にしています。この記事について何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。
 また、何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。

《今日のニュースから》
「少女時代」の記念切手 韓国で発売