№767 フランス超弾丸旅行2012 11.ベタ遅れTGV

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 ボルドーのLRT全線踏破も達成できたし、翌日の帰国に向けて、さあ、パリに帰りましょう。
 もちろん、利用するのはTGVアトランティック。

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 今回のボルドー・サン・ジャン駅16時21分発パリ行8448列車は、大西洋沿岸のリゾート、アルカションを始発としている。

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 出だしは順調だった。しばらくは小駅が多い。ボルドーの近郊区間という所だろうか。
 ところが、停車駅ではないクトラで停車。5分程で動き出したものの、その後は時速90㎞/h程度で、幹線としてはトロトロした走りになる。前に列車が支えているのか?
 やがて駅と駅の間で止まってしまった。TGVが田舎のど真ん中で立ち往生して、どうするのよ…。
 ここも5分程で動き出しはしたが、何があったのだろう。事故や工事ではなさそうなのだが。と思っていたら…。

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 なんとビックリ!右側の線路の後方を、TGVが追いかけてくるではないか!
 一時はこちらを追い抜きそうな勢いだった。行先表示は読めなかったのだが、この時間に北を目指すTGVといったら、この列車の直前を走っているはずのストラスブール・ブリュッセル行しかないはずだが…。ボルドーを出発していなかったのか?
 それにしても、複線で走行しながら追い抜こうとはムチャすんなー。確かに欧州は、日本のように複線区間でも上下を厳密に区別したりしない、「単線並列」の形を取るのが普通なのではあるが。

 アングレームは30分以上の遅れになってしまった。すぐ後にまたTGVがやってきた。向こうは客車が8両(×2編成)だったので、アトランティック線編成(客車10両)ではないと思う。発車してすぐにすれ違ったTGVは、デュプレクスだった。

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 TGVの車内。更新車。ノートパソコンで動画閲覧、というのはどこでも御馴染みの旅のスタイルになった。もちろん座席の下にはPC用のコンセントが設けられている(ただし日本のタイプは対応しないので念のため)。隣の席の男性は、「トランスフォーマー」を見ているようだった。

 リュフェックを過ぎるとスピードが上がりだし、あのノロノロはなんだったのか?と一瞬思わせたが、すぐにまたノロノロ。もちろん放送で理由は教えてくれているようだが、フランス語しかないからチンプンカンプン。ポワティエ出発は49分遅れにまで増幅してしまった。

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 何のかんの言っても、TGV乗ったらやっぱりBARだよね、と、ポワティエを出た所で出かけてみた。客室同様、BARも改装されていた。ベンチがなくて、立ち食いのみ。もちろんメニューは、先日のパリ→ミュールーズと全く同じだった。大きなバッグが目立つ。席にあぶれて、ここでパリまで過ごすというお客さんが大半みたい。

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 TGVのBARでフランスらしい料理といったら、これ、クロック・ムッシュー。「MENU TORSTE」(10.9EUR)で、メイン3種の中からの選択。

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 食後のデザート、ティラミスと、コーヒー。

 飲み食いしている間に、ようやく高速新線に入ったようだ。20時過ぎ、本当ならもうモンパルナスに着いていなければならない時間、なのだが。

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 さすがに在来線とは比べ物にならない位早い。架線柱がパパパパッと遠ざかり、すれ違う列車が弾丸のよう。しかしこちらでも沿線の人口が、日本とは比べようがないほど少ない。ひたすら田園地帯。集落なんて思い出したように、少し遠くに見えるだけ。なので線路の両脇は簡素な鉄条網しかない(少なくとも、そうにしか見えない)。防音壁など皆無に近く、たとえあっても本当にただのコンクリートの壁。日本のような吸音効果があるようには見えなかった。

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 遠くに発電用風車が並んで、思い思いに回転しているのが見える。

 それにしても何とかもうすぐパリだ、と思っても、沿線は相変わらず田舎風情。それでも車内ではそろそろ降り支度が始まったようだ。

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 TGVには珍しく長めのトンネル、と思ったら、急にメトロの車両基地が現れ、都会的な装いになった。これは少々面食らう。

 さて、やっとモンパルナス駅構内に入ったと思ったのに、またノロノロ、そしてホームに差し掛かったと思ったら、やや強い前後の衝撃を感じた。

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 結局モンパルナス到着は20時47分。54分の遅れという事になってしまった。重大なアクシデントもないはずなのに、こうも毎日遅れが大きいと、少々ゲンナリする。今日はここで終わりだからまだいいけれどね…。
 ホーム前方に向かうと、案の定、前方に別編成が増結されていた。さっきのショックはこれか。でも、福島や盛岡と違って終着・折返しの駅なのだし、お客さんが全部降りてからやるべき事なのではないか?

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 ところでホームでは、SNCF職員のお姉さん数名が、こんな封筒を配っていた。TGVなどの列車が60分以上遅れると、料金が払い戻しになるらしい(厳密にはこの列車は60分に達していないが、大目に見るという事か)。日本だと窓口に並んで払い戻しを受けるところだが、ここではこの封筒に切符の原券を入れて郵送すると、後で払い戻し額が送られるらしい。

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 これで事実上SNCFの利用は終わり。という事でフランスレイルパスを御覧頂きます。
 4日間有効のフレキシータイプで、190EUR。

 今晩の宿はノール駅近くなので、地下鉄4号線で移動。正直、余り上等なホテルとは言い難かった。6Fの屋根裏で、5Fまではエレベーターがあるのに、その先は階段を使わなければならない。朝食は7時30分から?パリ市内のホテルにしては遅くないか?交渉したら6時30分からでいいよといってはくれた。でも壁の張り紙には朝食6時30分からと書いてあるよ、と言ったら「それは古い」。じゃなんで直さないのよ…。個人経営っぽいからやむを得ない部分もあるだろうが、少々考えてしまう。
 とか何とか言いながらシャワーを浴び、TVでEURO2012のスペインvsポルトガル戦を観る。延長でも0vs0のままでPK戦に突入して、結局スペインの勝利。ポルトガルは、クリスチャーノ・ロナウドが蹴る前に終わってしまった。

 申し訳ありませんが、コメントは受け付けない事にしています。この記事について何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。
 また、何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。

 さて、次回(最終回)は、CDGから帰国の途に就く事になるのですが、明日から4日間お休みを頂いた後、来月公開とさせて頂きます。
 明日夕方から月曜日にかけて名古屋・大阪に出かけてきますが、月曜日の帰宅が遅くなる見込みなので、土・日曜日に加えて月曜日もお休み。
 また火曜日も、本体の更新のためブログの方はお休みです。
 今回のフランス弾丸旅行の最中に撮影してきた、フランスの路線バスの画像を公開します。
 お楽しみに。

《今日のニュースから》
ツィッター 未明に全世界でトラブル サーバーが原因と本社声明

№766 フランス超弾丸旅行2012 10.ボルドーLRT全線踏破

 鉄道博物館「シテ・デュ・トラン」と、ローカル鉄道「トラン・ジューヌ」で、今回のフランス旅行の目的の大半は達成できましたが、もう1日あります。
 日本出発前、どこへ行こうかと考えていたのですが、一昨年は南西部には足を踏み入れず、TGVアトランティックも乗らなかったので(20年前、初の海外旅行の時に乗った事があったが)、もう一箇所、アキテーヌ地域圏のボルドーを選んでみました。
 ボルドーはもちろんワインが有名ですが、2003(H15)年にLRTが開業、現在は3路線が運行されていて、当方としてはそちらの方に大きな興味があります。
 ボルドーのLRTは集電方式に大きな特徴があります。どんなものでしょうか。

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 6月27日(水)
 部屋の外を眺めると、今日も快晴みたいだ。それはいいけれど、どうも今日のボルドーも35℃まで気温が上がりそうだ。暑そう…。今日もTシャツ1枚でレッツ・ゴー。

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 どの町でも、LRTを初めとする電車・バスの乗り歩きに1日乗車券は欠かせない。4.1EUR。ただ、ボルドー・サン・ジャン駅前でも自動券売機はコインと一部クレジットカードは受け付けるものの、紙幣はNO。あいにく小銭の持ち合わせがなく、ホテルに戻って両替してもらう羽目になった。
 まずは中心部から逆行する事になるが、サン・ジャン駅前を経由するC-Lineの終点、ベグル・テール・ニューヴを目指す。わずか3区間だが。数年前にサン・ジャン駅から延伸して開業したらしい。

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 真新しい住宅地の中だ。団地の建築工事も続けられている。

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 路線図にはご丁寧に延伸予定区間も記されている。この後SNCFのベグル駅付近までの延伸が予定されている。軌道が敷かれる事になる区間も見る事が出来るのだが、さすがにあと数年はかかりそうだ。
 ここから一気に中心部を経由し、もう一方の終点、レ・オルビエに向かう。サン・ジャン駅で一気に混みあう。ICカードが普及している(ただし定期券のみのようで、回数券は紙)。中心部のカンコンス広場で運転士が交代。ここまでが20分。

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 もう一方の終点、レ・オルビエ。バスターミナルが併設されている。こちら側も北側のル・ラック地域への延伸が予定されているようだ。
 C-Lineは5車体と7車体を併用していて、中心部とサン・ジャン駅を結んでいるだけあって、若干輸送力不足なのではないかと思った。

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 終点の手前1区間、ラヴジ広場~レ・オルビエのブトー通りでは、木々の間の専用軌道を快走する。楽に60㎞/hが出る。

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 中心部のカンコンス広場に戻る。背後に見える党は「ジロンド派記念碑」。電車はB-Line。
 御覧の通り、架線がない。ボルドーでは市内中心部を中心に、「APS」と呼ばれる地表集電方式が採用されている。軌道の間に給電レールを設けていて、台車のアンテナから発せられる信号により、車両の給電区間にのみ電気が給電される。さすが、「トラン・ジューヌ」やシャモニーのローカル線で堂々と第三軌条方式を採用しているフランスならでは、だろうか?もちろん通常は電気が流れないので触っても感電せず、「トラン・ジューヌ」のような警告文も存在しない。
 電車そのものはシタディスをベースとしたオーソドックスなものなのだが、パンタが上がっていない電車は、正面の少々ユーモラスなデザインもあって、イモムシのように見えるのは、気のせい?

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 B-LineとC-Lineが交差する、カンコンス広場の一角にあるTBCのオフィス。ここで路線図や、LRT・バスの系統毎の時刻表を手に入れる事が出来る。何度も書いているけれど、日本の市内交通でも、こういう広くてオープンな案内所が欲しいものだ。オフィスの前では、職員数人がトランシーバーで何かやり取りをしているのも見た。
 ボルドーの市内交通を運営する「TBC」とは、「Tram et Bus de la Cub」の略。

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 今度はB-Lineに乗ってみよう。クラヴォーはジロンヌ川沿いの終点で、ここもバスターミナル併設。ただしB-Lineの場合は、途中のバッサン・ア・フロで半分が折り返す。それと、その先には川を渡る橋があるのだが、なぜか迂回して上流側を走る単線のルートが存在する。クラヴォーから乗った電車も迂回して走った。どうしてだろう?

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 中心部を経由し、クラヴォーから1時間近くかかって着いたペサック。SNCFの駅の袂に位置する。近郊列車の他、TGVの通過も見られる。駅から少し離れると、庶民的な商店街が並んでいる。

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 ここで、LRTの車内。それ自体は他都市のシタディスと仕様はほとんど同じと言っていいだろう。
 しばらくバスを撮影した後、バス35系統でA-Lineの始発・メリニャックへ移動する。

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 メリニャック電停。APS方式を採用していて架線がない。
 特に景観を重視しなければならない場所とも思えないのだが。

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 電停から交差点をはさんだ反対側にある聖堂。
 メリニャック地区には空港があり、空港アクセスを兼ねたTBCの連接バスも頻繁に行き来していた。

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 このA-Lineは中心部を経由し、ガロンヌ川を渡ると2手に分かれる。まず、南側の終点、フロワラック・ドラヴェモン。メリニャックから50分強。新興住宅地の中だ。

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 A-Lineはフロワラック・ドラヴェモン行とラギャンドット・バッサン・カーボン・ブランへ行く電車が交互に走るダイヤだが、両者が分岐するのがこのビュティニェール。大きなバスターミナルがあり、TBCの他、郊外に行く比較的長距離のバス路線も発着するようだ。

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 もう一方の終点、ラギャンドット・バッサン・カーボン・ブラン。フロワラック・ドラヴェモンと似たようなロケーションと見た。A-Lineは、ガロンヌ川の右岸にある住宅地と左岸の中心部を結ぶと言う役目があるようだ。
 これでボルドーのLRT全線踏破を達成。
 ところで、A-Lineは意外に本数が少ないかも知れない。平日でも両者合わせて8分毎。だからビュティニェールで分岐した先ではそれぞれ16分毎という事になる。

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 このラギャンドット・バッサン・カーボン・ブラン側の路線では、たった1区間だけ、わざわざAPS方式を採用している。ボワ・フルリで一旦架線が途絶えてAPSになるのに、せいぜい500m離れているかどうかの次のグラヴィエールでまた架線集電に戻るのだ。当然運転士はいちいちパンタの上げ下ろしを強いられる事になる(ボタンを押すだけで済むが)。
 A-Lineにはこういう区間が多かった。フロワラック・ドラヴェモン側でもあったし、先のメリニャックも、次の電停から架線集電に戻っていた。APS採用の目的の一つは「歴史的建造物が並ぶ旧市街地の景観保護」にあったはずだが、郊外の区間においては、その理由を見出せなかった。APSは一般の架線集電の3倍のコストがかかると言うから、わざわざ架線を短区間切断するかのような導入は、ムダとしか見えないんだけれどなあ。なぜだろう?

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 ガロンヌ川を渡る。この区間はAPS。

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 中心部を走るLRTのシーンをいくつか。アルザス・ロレーヌ広場(通りなのに「広場」)を行くA-Line。まるで切り通し。

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 サンタンドレ教会の前を行くA-Line。

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 その反対側でカーブを切る、こちらはB-Line。

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 大聖堂の傍らに立つ、ベイベルラン塔。

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 ところでボルドーでは、このようなオープンタイプの観光バスが中心部を巡回して走っている。
 日本では外国からの輸入や、在来車の改造による大型ダブルデッカー車のオープンタイプが見られるようになったが、このような小型のバスも、場所によってはアリなのでは?

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 A-LineとC-Lineが接続する、ブルゴーニュ広場。かなり広い電停で、加えてAPSで架線がないから、空がさらに広く感じられる。

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 SNCFのボルドー・サン=ジャン駅に戻ってきた。

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 最後に、観光案内所やホテルで入手できる観光地図に記されていた、LRTの路線図。

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 そしてそれをコピーして、赤でAPS導入区間を記してみた。A-Lineで細切れに導入されている事が解る。素人考えだけれど、これだったら全区間APSにしても良かったのでは?とか思ったりする。電車にパンタを乗せる必要も、線路上の架線の保守点検の必要もなくなる訳だし…。
 それと、APS方式は架線がない=それを支える柱も必要ない、だから景観保護も去ることながら、昨年のような大震災が起きた時、柱が倒れて復旧の妨げになるという事もない。フランスは、大地震は少ないようだけれど…。もし日本でLRTを導入するなら、日本でこそAPSが有効なのではないか?そんな事も思ったりした。

 ボルドーともお別れ。いよいよ明日の帰国に向け、TGVでパリへ戻る事になるが、それは次回。

 申し訳ありませんが、コメントは受け付けない事にしています。この記事について何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。
 また、何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。

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《今日見た・聞いた・思った事》
 この日のボルドーもかなり暑かったのですが、今日の日本列島はそれ所ではなかった…。
 全都道府県で熱中症の患者が発生とは、異常だと思います。
 最高38℃とか言われる温度以上に、まとわりつくかのような湿気が危険を増幅させるのだと思います。
 猛暑は当分続くそうで、繰り返しですが、皆様、十分ご注意下さい。

 松井秀喜選手が、レイズから選手外通告を受けてしまいました。
 この成績では仕方ないだろうと思いますが、やっぱりワールドシリーズのMVPが、最大のピークだったのでしょうか…。
 残念ながら、野球人生最大のピンチを迎えたと思います。
 起死回生の逆転サヨナラ満塁ホームランを放てるか?そのチャンスは得られるか!?

 昨今の欧州情勢もあわせて考えると、私には、単なる「口は災いの元」の範疇を越えた出来事のように感じます。
《今日のニュースから》
オリンピック ギリシャ陸上代表 人種差別発言ツィートで出場停止処分

№765 フランス超弾丸旅行2012 9.ミディ・ピレネーもアキテーヌも暑かった

 一昨日・昨日と2回お休みしましたが、フランス旅行記を続けます。
  
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 ラトゥール・ド・キャロルを後にして、弾丸旅行3番目の目的地、ボルドーへはTERを乗り継いで行く。13時21分発トゥールーズ行はボンバルディエの近郊電車を2編成連結しているが、前後で番号のつけ方が全然違う。前方はB81852で始まり、後方はZ27628で始まる。前後で同じ形式にしか見えなかったのだが、どこか見えない所で違うのだろうか。後方の編成の、中間の車両の乗務員室のすぐ後のボックスに落ち着く。外が暑いので、程よい冷房は心地良い。

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 山間部を右に左にカーブを切りながら下っていく。勾配は案外きつそうだ。という事もあってスピードは出ない。乗り心地はさすがにトラン・ジューヌとは比べ物にならない。ただ、少々フワフワする感覚はある。時々このような、岩肌むき出しの山々も現れる。
 
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 リュザナック・ガラヌーでは、特に行き違いも何もなかったのだが6分停車。という事で、乗客の大半はホームに出て一服。以前も書いたけれど、フランスは車両は全面禁煙でも、ホームは何も規制なし。という事で屋外でもホーム上はいつも煙たい。

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 フォワを過ぎるとピレネー山脈がどんどん遠ざかっていく。スピードもぐんぐん上がる。民家がまた南欧風になる。山の向こうのスペインの影響が、この地域にも現れているのだろうか。畑ではスプリンクラーで水が存分に撒かれている。
 トゥールーズまで約3時間。定時運転だったが、意外に時間がかかるものだ。

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 トゥールーズ・マタビオ駅。今朝夜行で通過してきたばかりで、一周して戻ってきた。
 トゥールーズといえば、乗り物ファンにとってはエアバスがある事で知られる。また1998(H10)年に、初のW杯出場を決めたサッカーの日本代表が、アルゼンチンとの初戦でW杯デビューを果たした場所としても記憶されている。あの試合は健闘むなしくバティステュータの1発に沈められてしまったが、もうそれから14年も経ってしまったんだなあ…。
 それにしてもクソ暑い。1時間の待ち合わせの間は市内バスの撮影に時間を費やすが、もうあまりに暑いので、ついに上半身をTシャツ1枚にする。周りの方々が揃って薄着なので、この方が浮き上がったりしないで見えるだろう。

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 駅の近くのリケ橋で、市内バスを撮影。
「リケ」とは、ミディ運河(世界遺産)を発案したピエール・ポール・リケという人の事。

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 ボルドーまではTERのアジャン乗り継ぎで行く。旧型の更新車4連(2連×2)。発車間際に乗り込んだのでもう空席がない。しばらくはデッキに立っていく事になるが、これがまた暑い…。

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 モントーバン駅も屋根がドームだ。ここでリモージュ経由パリ方面への路線と分かれる。今朝乗ってきた夜行は、ここで合流してトゥールーズへ向かったわけ。ここで空席が出来たので、車内に移って座る。窓際から冷風が吹き出てくる。

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 地域圏がミディ・ピレネーからアキテーヌに移って、アジャン駅。ここもドームだ。フランスの駅のホームは、本当にドームが多い。駅前は道路工事中。

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「アジャン乗り継ぎ」と書いたが、アジャン終着の列車が、そのままボルドー行TERとなった。
 トイレに行って自分の席に戻ろうとした帰り、突然全く見知らぬ男に声をかけられた。当然何を言っているのか解らないから無視して戻ると、その男が車内を回り、手当たり次第に他の乗客に声をかけてきた。どうやらタバコの火が欲しいらしい。再度当方にも声をかけるので「ノン・フメール!」と叫んでやったが。

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 沿線に広がるのはやはり…ブドウ畑なのでしょうか?民家の建築の傾向が、ミディ・ピレネーとまた違ってきた。何気ないけれど、民家の造りにも土地柄が現れて面白い。もちろん広い国土だし、それは日本でも同じなのだが。

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 ボルドー・サン=ジャン駅に到着。ドーム式の大ターミナル駅だ。
 今日は駅のすぐ前のホテルに泊まる。クラシカルな欧風ホテルらしく、部屋は改装されているもののエアコンがなく、天井に大きな扇風機があるだけ。窓を開けて風を入れないと暑いが、当然騒音をガンガン拾う事になる。

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 部屋からは駅前の様子が一望できる。LRTと、バスターミナルが広がる。21時を回ると急速に暗くなってきた。そんな中、列車から降りてきた人々がLRTやバスに乗り継いで行ったり、三々五々散っていった。
 窓を開けたまま就寝体制。もちろん、耳栓が欠かせない。
 なんでもこの日のボルドーは最高気温が35℃まで上がり、明日も同じ位まで上がるらしい。明日はLRT全線踏破を目論んでいるが、どうなる事やら。

 申し訳ありませんが、コメントは受け付けない事にしています。この記事について何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。
 また、何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。

 全国的な節電の真っ只中と言うのに、今年の夏はクソ暑くなりそうです。
 既に熱中症で多くの方々が被害に遭われているようで、皆様も十分お気をつけください。

《今日のニュースから》
ロンドン五輪 204の国・地域から参加 IOCが発表