ご存知の通り、先月29日の早朝、金沢から東京に向かっていた「ツアーバス」が群馬県内で大事故を起こし、7人死亡、その他の乗客・乗務員が重軽傷という惨事になっていました。
報道を見る限り、直接的な原因はドライバーの居眠り運転らしいですが、背景には無理な運行計画があるのは間違いなく、警察の捜索も入ったようですし、特に勤務状況の検証が待たれます。
1晩だけの夜行運転で大事故に結びつく居眠り運転になるとも考えにくく、ドライバーは恐らく相当以前から過密な勤務状況に置かれていたはずです。
バスに限らずトラックでも時々この手の事故が起きますが、決まって無茶な勤務が事故の原因になっています。
一向に改善に向かわないのはどうしてなのでしょう?
「競争が激しいから」なんで決まり文句はもうやめにして、(既存の正規高速バス事業者も含めて)ドライバーの勤務形態の抜本的な調査・改善が求められるのではないでしょうか。
と言っても、今回名前が出てきたバス事業者は正直全く聞いた事がなかった。
今朝の読売新聞に寄れば、この事業者は以前は成田空港関連の外国人団体の輸送を行っていたが、大震災の影響で激減し、経営が行き詰まって「ツアーバス」に参加したらしい。
恐らく他にも似たような零細事業者は多いでしょうが、そんな簡単にやれるものなの?
思ったのですが、発注する側の旅行会社側が運行事業者の実態をほとんど把握していないのではないか?
インタビュー記事を見ても「知らなかった」「聞いた事がない」という下りが多い気がして。
そうなると運行事業者だけでなく、旅行会社の側もチェックを入れるべきでしょう。
旅行会社が主導権を握っていると言える訳だから。
こうしてみるとバス運行会社、旅行会社、予約サイト運営者の間で、責任の所在がてんでバラバラなんじゃないかと思います。
安さを武器にしている乗り物では航空のLCCが一般的になりつつあるが、LCCの場合は逆に手数料を払わなければならない旅行会社経由を敬遠し、自らのWebサイト上からの予約を受け付ける事で運賃を安く提供している訳で、運航の責任もLCC自ら持つ事になります。
「LCC」を出した所で。
№664で「PEACH」が就航を開始した時、
「日本では『安かろう、悪かろう』の言葉は死語になりつつあるのではないか」
と書きました。
今回の事故で、こういうバスは敬遠されるのではないか、と思いきや、やはり安さが魅力なので今後も利用すると答えた乗客が相当いるようです。
別に運賃が安い事自体悪いなどとは言いませんけれど、もう少し「安さ」の中身をきちんと見ないといけないのではないでしょうか。
こうなるとジャーナリズム等はもちろん、そろそろ消費者の代表の団体も、交通の運賃・料金のあり方について積極的に関わる必要があるのでは?
デフレ経済で賃金の下落に歯止めがかからない現状では、このような格安の交通はこれからも主流になっていくのだろうけれど、このまま放置するともっと悲惨な事態が起こりうるのではないか、そう考えています。
以上、多少ピントがずれた発言もあったかも知れませんがご了承ください。
とにかく、どんな形態の乗り物でも、犠牲者を出すような事故など起こさぬよう…!
申し訳ありませんが、コメントは受け付けない事にしています。この記事について何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。
また、何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
大手航空会社がまともなコスト削減を図ろうと言うのなら、今後こういう動きは世界各地で起こるのかもしれません。
昨年の燃料費が約117億ドル、この買収によって節減できるのが年間約3億ドルだそうだから、2.5%の節減に留まるのですが、額は小さくても、節約の積み重ねが必要、という事なのでしょう。
《今日のニュースから》
デルタ航空 ペンシルベニア州の製油所買収を発表