№682 バスジャパン・ハンドブックシリーズR76 神姫バス

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「バスジャパン・ハンドブックシリーズR」の26冊目は、兵庫県の神姫バスになりました。
 前身の「バス・ジャパン」を含めても初めて取り上げられる事になります。
 個人的には別に神姫バスファンという訳でもなかったのですが、廃止になった姫路・明石両市営バスを追いかけていくうちに、必然的に神姫バスの画像も増えていったという経緯があり、自然と興味が沸いていた所です。

◆ 播州 “学び”の休日
 冒頭のミニ紀行は神戸三宮を起点に山の方を巡り、姫路にたどりつく1泊2日の旅。
 今回は「学習」がメインテーマになったようです。
 三ノ宮のバスターミナルが「機関庫のよう」というのは面白い表現で、高架橋が古いから確かにそう見えるかも。
 高架下のバスターミナルは、東急東横線の綱島駅にも小規模なものがありますが、やはり全国的に珍しいかも。
 最近思うのだけれど、このIT時代、エクセル等の表計算ソフト全盛の時代、「そろばん」なんてやる人いるのかなあ?とか思ってしまうのですが、外国では結構教育に使われていたりするそうなのでまだまだ健在という所でしょうか。
 結びの「日本の原風景を顧みる旅もまた大事」の言葉、全く同感です。

◆ 終点の構図 籠の坊
 まず、どこにあるのかという事を簡単でいいから記していただければと思います。
 篠山市にあるのですが、市の境に近いし、写真に写っているバスも駅ではない「小柿」(三田市)の行先を出しているのでイメージしづらいですから。
 三ツ矢サイダーの炭酸ガスが採取されているのですか。
 しかしアサヒ飲料・篠山市共に公式Webサイトには記載がありませんでした。
 後方にまったりした温泉街があるようですが、土休日運休とはねぇ。
(後は阪急バスによるアクセスもあるようだが、バス停からは相当遠いよう)

◆ 神姫バスの路線エリア
 グループも含めれば、兵庫県南部のほぼ全域といっていいでしょう。
 同じ兵庫県でも、篠山と赤穂ではロケーションが全然違いそう。
 どちらも大阪から直通電車はありますけれど。
 北部は魅力的な支線が多そうです。
 JRの谷川駅からは落下傘の支線があります(坂尻行)。 

◆ 神姫バスのあゆみ
 やはり広域的な大規模事業者となれば、黎明期は合併の連続だったというのは必然でしょう。
 戦後は民営同士・民営対公営の競合が厳しかったようで、特に対神鉄というのは、昨今の神鉄粟生線の経営危機の一因が神姫バスの三宮直通バスにもあると聞くと、なんだか悲しくも思えます。
 その一方で、名神や東名では激しい競合になっていた高速バスが、中国ハイウェイバスに関しては最初から国鉄と良好な関係を築き、共通乗車を行っていたというのは興味深い。
(乗車券も最初から神姫・国鉄共通だった)
 ただ現在では中国道に加えて山陽道もあり、明石海峡大橋も含めれば高速バス網を展開する上ではプラスかも知れないが、一般路線に関しては相当悪影響が大きいのではないかと思うのですが、その辺については触れられていませんでした。

◆ 車両の現況
 ここでは一般路線バスに絞り、高速・貸切・定観・特定は除きます。
(コミュニティは含めます)
 結構面白い傾向が見られます。

1. グループ全体の平均車齢は8.75年と出ましたが、営業所・出張所によって相当差があります。
 特に西神〔営〕はわずか3.18年、明石〔営〕も3.91年なのに対し、西脇〔営〕は13.43年、北条〔出〕も13.38年と、10年も違いがあります。
 西神〔営〕は2009年に一挙32台のエアロスター・ブルーリボンⅡの導入があり、営業所全体の半分を上回っているのですが、何があったのでしょうか。
 明石〔営〕も2009~2010年に計31台が集中配置され、半数以上を占めています。
 子会社でもウエストの相生〔営〕は9.48年と比較的若いですが、ゾーンの窟屋〔営〕が14.21年、グリーンの粟賀〔営〕が14.17年と高齢化しています。
 全体的には当然でしょうが、JR山陽本線(神戸線)沿線が若く、ローカル線が多い山間部に経年車が集中する「南高北低」の傾向がはっきり出ています。

2. 淡路交通からの譲渡車両が無視できない割合で存在し、グループ全体では92台で全体の14.2%を占めています。
 特に加古川〔営〕は25.6%だから全体の1/4以上、三田〔営〕も23.3%でやはり1/4近くあります。
 これだけまとまって譲渡があるという事は、しっかりと淡路→神姫というルートが出来上がっているのではないでしょうか。
 それにしても2005年のエルガが早くも譲渡対象とは、淡路交通はものすごく速いペースで取替えを進める事業者のようです。
 何しろ関東地方にさえ(国際興業にあった)流れてくるほどですから。
 それは経営に余裕があるのではなく、島なので塩害対策という事でしょう。

3. ノンステップ率はグループ全体で32.5%でした。
 姫路東〔出〕が82.5%と相当高いですが、姫路市営バスを引き継いだからではないでしょうか。
 ただ、富士ボディのKC-UA460KAMは引退してしまったようですね。
 1998年式だったからまだ活躍できたはずと思うのですが、使い勝手が良くなかったのでしょうか。
 一方でローカルはまだしも、ニュータウンの西神〔営〕が22.8%とちょっと低くなっています。
 勾配の多い路線が多いのでしょうか。
 三田〔営〕も37.8%ですから、神姫バス本体の平均(37.7%)とほぼ同じではありますが、ここもフラワータウンやウッディタウンを控える大阪の通勤圏ですから、もう少しパーセンテージが上がるといいと思います。

 今後の神姫バスですが、姫路に続いて明石の市営バスからの引継ぎも完了し、まあ山陽バスもありますがほぼ地域独占がなっているともいえます。
 是非その地位にふさわしいアクティブな政策を、今後も見せて欲しいと思います。
 関連して今はまだ構想の域に過ぎませんが、姫路市が東の加古川・高砂から西の相生・たつの市と合併し、政令指定都市にしたいという意向が、現市長から示されているそうです。
 ものすごく広い市になりそうですが(もし実現すると、姫路市は新幹線の駅を複数持つ初の市町村・特別区単位の自治体となる)、当然神姫バスも無関係ではいられなくなりますので今後が注目です。

 いずれにしても車両のバラエティはやはりとても多く、特に地方に行かないと見られない少数形式が多数ありますので、何とか行く機会を作って、写真に収められればと思います。
(でもコミュニティバスなんて、はっきり行って聞いた事がない市町村ばっかり…)
 
 次回は茨城交通と予告されています。
 経営が厳しい事は今も昔も変わらないでしょうが、それでもみちのりグループに収まって少しは明るい兆しも見えてきたようです。
 茨城オート合併もあり、車両のバラエティもさらに豊富になったと思いますので、今から期待です。
 あと、取材が難しいかもしれませんが、北海道の事業者は取り上げられないでしょうか。
「バス・ジャパン」時代から含めて、北海道の事業者は出てきていませんので。
  
 申し訳ありませんが、コメントは受け付けない事にしています。この記事について何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。
 また、何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。

 この会議は前回(2008年)も横浜市で行われました。
 この時、横浜市営地下鉄の各駅では、2002年の日韓共催W杯の時にならって「一駅一国」運動を実施(駅によっては複数国)、アフリカ諸国に関する展示やイベントなどが行われました。
《今日のニュースから》
アフリカ開発会議 来年6月横浜で開催