№673 ダイヤ改正の季節到来 2.関西・九州

 大手私鉄を中心とした、今春のダイヤ改正のチェック、今回は関西と九州です。
 特に近鉄は、2年前から予告されている通り、全路線規模でかなりの減便になっています。
 全線時刻表が発売になっていますから、プレスリリースと合わせてチェックしてみます。
 その他の大手私鉄も続いてチェックします。

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1.近鉄 3月20日実施
 ダイヤ改正に合わせて京都駅の線増工事が完成し、ホームは14日から、4番線は20日から使用開始。

主なポイント
(1)特急
1.大阪~名古屋ノンストップ特急の全列車が津に停車
 また、大和八木停車も増え、通過は大阪発9本、名古屋発6本のみとなりました。
 現在伊勢中川の短絡線が河川工事に関連して橋梁の付け替え工事を行っており、カーブが多少緩和されるようです。
 これが完成した時点で、大和八木も全列車停車となりそうな気がします。
2.京都~伊勢・志摩方面間列車を大幅削減
 上下とも朝方・夕方各2往復ずつにまで減ってしまいます。
(朝方の京都行は松阪及び鳥羽が始発)
3.京都線の特急は日中1時間4→3本に削減
 新たに橿原神宮前・奈良行を併結した列車が日中運行。
 橿原神宮前行は逆に増える事になります。
4.朝方の京都行特急が高の原に、橿原線の平日日中の特急が上下とも西ノ京に、南大阪線の夕刻の特急が古市に停車
 西ノ京は、土休日はすでに停車がありました。
 南大阪線古市停車は越年ダイヤでは行われていましたが、これで古市停車の特急は、停車駅の面では急行と全く同じになってしまいます。
 この他一部削減の一方、奈良線では増発もあります。

(2)一般列車
1.大阪線
〔1〕区間快速急行(区間快速)を快速急行に統合し、快速急行は停車駅を変更

 室生口大野・赤目口に停車しますが、上津・西青山・東青山は通過。
 代替で朝夕の中川発着の普通を東青山から青山町に延伸。
〔2〕日中に区間準急を設定
 高安から先が各駅に停車し、国分折返しの普通列車は1時間に1往復のみ。
〔3〕青山町発着の急行の一部を名張折返しに短縮

3.奈良線(阪神難波線)
 平日日中の阪神直通快速急行は、西九条~尼崎ノンストップ運転に変更(現在は各駅に停車)

 これに伴い、区間準急を尼崎まで延伸。
 なお土休日の阪神線からの一部の快速急行は新開地が始発になりますが、「近鉄時刻表」には掲載がありませんでした(阪神のパートで後述)。
 奈良線内は大きなパターンの変更はなし。

3.京都線
〔1〕日中の急行を1時間当たり2本削減

 京都~天理と、国際会館~奈良が削減になり、竹田~西大寺は4本になります。
〔2〕京都発着の普通列車の一部が新田辺で折返し
 新田辺~西大寺は1時間3本に削減。
 なおあくまで運用の都合でしょうが、普通列車の一部が京都・新田辺~橿原神宮前・天理通しの運行になります。

4.名古屋線
〔1〕名古屋~四日市間の急行を、準急からの格上げで設定

 準急は削減、1時間1本のみ(四日市まで延伸)。
〔2〕日中の中川折返しの急行を松阪へ延伸
 これで日中の名古屋発急行は全て松阪まで行く事になります。
 JRの快速<みえ>への対抗措置でしょうか。
 この他普通列車の運転区間を一部縮小、津新町~中川の日中は1時間2本になります。
 名古屋23時41分発の桑名行最終は冨吉で打切りになり、その先の駅の最終列車の時刻に影響が出ます。
(一番影響が大きいのは佐古木)
 また湯ノ山・鈴鹿線でも削減があり、約30分間隔の運転になります。

5.南大阪線
 夜間の古市~橿原神宮前区間運転の急行が全て取り止め

 古市終着の準急が橿原神宮前まで延伸し、古市で河内長野行急行からの接続を取る事になる。
 この他御所線で平日夜間、道明寺線で土休日とも日中に削減があり、道明寺線は30分間隔運転。

 この他各所でダイヤの大幅な変更がありますが、とても全部は追いきれません。
 ところで、「削減、削減」と言いますがが、具体的にどの程度なのか。
 といっても全路線は調べきれないので、ここでは一番影響が大きいと思えた、京都線について見てみます。

特急 下り 59→53本  上り 59→53本
急行 下り 85→73本  上り 82→71本(区間運転・地下鉄直通を含む)
準急 下り 6→5本  上り 7→6本
普通 下り 128→124本   上り 130→126本(区間運転・地下鉄直通を含む)
 さらに走行距離をベースにした場合、急行がもっともきつく、13~14%の大幅な減少となりました。
 うーん、一時は快速急行が設定された事もあるのに。
 どうも奈良線(阪神なんば線)以外は、長期低落傾向が続きそうな気配です。
 来年デビュー予定の新型観光特急に期待でしょうか。 

2.阪神 3月20日実施
 近鉄との相互直通運転開始以降、3年ぶりのダイヤ改正になります。
 ただし、全体的に大幅なパターンの変更はなし。
 
主なポイント
1.平日日中の快速急行を、西九条~尼崎ノンストップに変更
 合わせて近鉄からの区間準急を尼崎まで延伸
2.尼崎発着の快速急行の一部を三宮発着に延伸
3.土休日朝方の快速急行を新開地始発に延伸
 新開地発7時34分(724→3837列車)
 新開地発7時55分(820→8831列車)
 新開地発8時14分(822→3933列車)
4.区間特急が野田に停車
 同日、三宮駅の東改札口が共用開始。

3.南海 南海線 4月1日実施
 孝子~紀ノ川に「和歌山大学前」駅が開業します。
 大幅な線形の変更も伴っています。

主なポイント
1.和歌山大学前駅に急行・区間急行・普通の全列車が停車
2.特急<サザン>の完全30分間隔運転実施
3.築港線は南海フェリーとの接続に特化し、平日は特急・急行計5往復+普通2往復、土休日は特急4往復+普通2往復を運転

 築港線で普通列車が復活する事になります。
 全体的に大幅なパターンの変更はなし。

 関西ではこの他、阪急神戸線の三宮~新開地で一部修正。
 山陽電鉄ではパターンの変更はないものの、全体的にダイヤが変わる事になります。

3.西鉄天神大牟田線 4月1日実施
 
主なポイント
1.三国ヶ丘に急行が停車
2.井尻駅~都府楼前の高架化工事の進捗に合わせて所要時分などを変更

 若干スピードダウンする事になるのでしょう。
 合わせて甘木線では宮の陣・北野・甘木を除く各駅員配置駅で営業体制が変わり、日中は駅員が不在となって、車内で乗車券等を収受する事になるようです。

 本来はもっといろいろあると思いますが、全体的にはしょった内容になってしまったと思います。
 残念ながら関西(西日本方面)の鉄道は今ひとつ元気がないように思えますが、是非もう一度、日本の鉄道界をリードする施策を、ダイヤでも車両でも期待したいと思います。

 申し訳ありませんが、コメントは受け付けない事にしています。この記事について何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。
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