ボーイング747ジャンボジェットのシリーズには、「SP」と呼ばれるタイプがありました。
「Special Performance」の頭文字から来ていて、航続距離を大きく延長したタイプです。
外観からして通常型のB747とは大きく異なり、胴体が短く、垂直尾翼は大型化して全体的にズングリムックリした印象を受けます。
当時のクラシック・ジャンボでは難しかった、東京~ニューヨーク間のノンストップ飛行が可能になっていて、パン・アメリカン航空が就航させていました。
しかし、後に在来型ジャンボでも新型エンジンによって同等の航続距離が出るようになり、また航空需要の増加によって胴体短縮型では多くの旅客を運べない事から、結局の所45機のみの製造という、まさに異端児というポジションのまま終わる事になりました。
という事で、撮影した数も少ないですが、それでも昨年までは日本でも定期的に見られたタイプでした。
機体の数自体が少ないですから撮影数も少ないですが、それでも4枚ありますからご覧頂きましょう。
イラン航空
2009(H21)年のJALのB747-300退役後は、日本で見られた最後の旅客型クラシック・ジャンボでしたが、昨年秋より空路自体が休航中です。
(200B型が来る事もあったようですが)
チャイナ・エアライン(旧塗装)
羽田空港の旧国際線ターミナルから撮影したものです。
当時の羽田空港では、国際線は政治的な配慮でチャイナ・エアラインのみ乗り入れていました。
(その後エバー航空も乗り入れ)
おそらく在来型ジャンボの代走だったのでしょう。
中国国際航空
1996年にチューリッヒで撮影したもの。
南アフリカ航空(旧塗装)
アムステルダムのスキポール空港で、確か1997年に撮影したものです。
かつての南アフリカ航空は、アパルトヘイト政策の影響でアフリカ大陸上空の飛行を拒否された事もあって、長距離タイプを積極的に導入していた、という経緯もあったようです。
ちなみに、現代の国際線の主役といえるB777-300ERは航続距離が14,500㎞強あり、SPの12,350㎞強を大きく上回っています。
双発機で同等以上のパフォーマンスを誇る機体が全盛を極める昨今では、SP型は残念ながら居場所をほとんど失ってしまったようです。
ただしこのSP型の経験を基に、SUDタイプの300型、そして400型が生まれたという事ですから、「経験値」が結構重要な旅客機の開発においては、SP型の役割は決して小さくはありませんでした。
この事は、解っておくべきだと思います。
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さて、この間名古屋に行ってきたばかりでなんだこいつ?と思うかも知れませんが、この後夜行バス利用で、今度は関西に行ってきます。
3月16日ラストランの明石市営バスを撮ってくる予定ですが、どうか良い天気になりますように。
(なってくれそうですが)
このため、明日の更新はお休みです。
明後日も、ひょっとしたら更新できないかもしれませんがご承知おきを。
《今日のニュースから》
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