2ヶ月ぶりの「私鉄の車両シリーズ」、今回は東武鉄道の群馬ローカルで運用されている800・850系です。
実質8000系のバリエーションといえますが、いくつか異色の部分があります。
東武鉄道800系及び850系は、群馬県下の伊勢崎線(太田~伊勢崎間)及び佐野線のワンマン運転開始に伴い製作された通勤車で、8000系からの改造による。
投入区間の輸送量の実態からか、東武の高性能車両としては珍しい奇数組成(3両固定)となった。
ベースとなった8000系は東武初の高性能通勤車で、1963(S38)~1983(S58)年の21年間に712両が製造され、東武はもちろん、私鉄全体でも最多両数を誇る。
通勤需要の増大に応え、当初の4連から6連も製作、増結・支線運用の2両編成に加えて1977(S52)年より東上線向けに8両固定編成まで製作された。
800・850系はこの8両固定編成を元に、改造によって生み出されている。
このグループは製造当初より分散式の冷房を搭載、台車はS形ミンデンを採用していた。
8両編成のうち、中間のサハ8900形2両を抜き取り(→8000系初の廃車)、残された中間のモハに乗務員室を増設して3両ユニット化した。
伊勢崎方のモハ8300形に乗務員室を増設(→モハ800-3形)したのが800系。
中間のモハ800-2形にパンタグラフ2器が搭載されている。
浅草方のモハ8200形に乗務員室を増設(→モハ850-1形)したのが850系。
パンタグラフ2器も引き続き搭載、前頭部にパンタグラフを搭載した、8000系シリーズの新たな表情を持つ事になった。
増設された運転機器等は、野田線用の6連の中間に組み込まれ、分割の機会を失ったクハ8400形、モハ8500形から転用されている。
車内は同時に修繕工事を実施、内装は既に大師線や佐野線、越生線などで運用されている8000系2・4連のワンマン対応編成に準じたものになった。
車内ではホワイト系の化粧板への張替え、座席の地の緑系への張替えの他、握り棒の増設や車椅子スペース、ドア上部に千鳥状にLED表示装置の新設、ドアチャイムや車外スピーカーも設けられている。
空調制御はマイコン化、正面・側面の行先・種別表示はLED化された。
乗務員室関係ではワンマン⇔ツーマン切り替えスイッチやデッドマン装置が設置されている。
8連5本より800系・850系各5本が生み出され、改造当初は800系+850系で6連を組み、伊勢崎線等の準急を中心にした運用に当てられていた。
2006(H18)年3月の改正時より伊勢崎線(太田~伊勢崎間)及び佐野線に投入されてワンマン運転を開始、佐野線では通勤車改造を行なっていた1800系を置き換えている。
(出入庫の運用か館林~太田間の区間運転にも入るが、この時は車掌が乗務する)
【編成】
←太田・館林方 伊勢崎・葛生方→
Tc 800-1 - *M 800-2* - Mc 800-3
*Mc 850-1* - M 850-2 - Tc 850-3
* パンタグラフ
今回の記事は
「私鉄の車輛24 東武鉄道」(保育社) ※現在はネコ・パブリッシングによって復刻
「鉄道ピクトリアル1990年12月臨時増刊号 【特集】東武鉄道」(鉄道図書刊行会)
「鉄道ピクトリアル1997年12月臨時増刊号 【特集】東武鉄道」(鉄道図書刊行会)
「鉄道ピクトリアル2006年10月臨時増刊号 鉄道車両年鑑2006年版」(鉄道図書刊行会)
「鉄道ピクトリアル2008年1月臨時増刊号 【特集】東武鉄道」(鉄道図書刊行会)
「私鉄スーパートレインコレクション」(交通新聞社)
を参考にさせて頂きました。
次回のこのシリーズは、つい最近姿を消した、西武101系の内の初期のタイプについて取り上げます。
西武秩父線開業に合わせてデビューした通勤車で、初の本格的な高性能車でした。
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《今日見た・聞いた・思った事》
今日は朝7時台に震度3~4クラスの地震がありました。
短い間隔で相次いだのでちょっと不気味と感じました。
(富士五湖の方は震度5弱くらいはあったそう。皆様、大丈夫だったでしょうか)
震度3~4程度だったら、今の日本なら極度に恐れる事もない…はずですが、やはり「3.11」がありましたので、ここは大丈夫か?東北は?と思いが行ってしまいます。
地震とは関係ないと思いますが、今日は京急線の子安駅の近くで火災があり、京急線が2時間ほど止まってしまったとの事。
またJR線も一時運行を見合わせました。
私は所要で戸塚から藤沢へ向かう所だったのですが、やってきた電車は、後続が火災で止まっているとかで時間調整もあって藤沢は5分遅れ、後続が15分位の遅れになったようです。
関東地方はまだまだ乾燥する日々が続きそうです。
皆様、地震も火事も充分ご注意下さい。
《今日のニュースから》
がん患者の就労シンポジウム 東京で開催