№612 JTB時刻表から見る日本の乗り物 2011年

 今年の当ブログの更新は、今日が最後になります。
 今日を除いても2011年はまだ3日ありますが、TVのレギュラー番組はほとんどが今日で今年の放送を終了、この1年を振り返る企画があちこちで放映されているようです。
 そこで当ブログでも締めくくりとして、JTB時刻表2011年1~12月号からを中心に、今年の日本の交通について改めて振り返ってみたいと思います。
(今年からタイトルを変えます)

 本当なら、今年は青森から鹿児島まで新幹線だけで結ばれる、鉄道史に残る画期的な年として記憶されるはずでした。
 しかし、それが実現する前日に発生した空前の大災害は、文字通り何もかもを押し流してしまったような気がします。
 今になってもまだ気が滅入るのが正直な所ですが、避けては通れない事ですから、簡潔ではありますが記してみます。
 
《2011年の十大トピックス》
◆ 東日本大震災・福島第一原発事故発生 太平洋側中心に壊滅的被害

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 3月11日、三陸沖を震源とする大地震が発生、加えてこの地震が引き起こした大津波が太平洋沿岸を遅い、多くの町に重大な被害をもたらし、多数の犠牲者を出す事になってしまいました。
 また大津波の直撃を受けた福島第一原発が機能不全に陥った事でメルトダウン・水素爆発を引き起こし、周辺地域が避難区域に指定された上、放射性物質の拡散という重大な事態を引き起こしています。
 翌日には信越地方でも地震が発生し、JR線を中心に被害を与えています。
 ここでは交通関係に関わる出来事のみを、ごく簡潔に記します。
(一部時刻表に現れなかった部分も含みます)

★ 常磐線・仙石線・石巻線・気仙沼線・大船渡線・山田線・八戸線・三陸鉄道・仙台空港鉄道が大津波の直撃を受け、線路・駅・さらには列車まで流出する壊滅状態に追い込まれた。
 鋭意復旧工事が進められているが、今日12月28日現在では次の区間が不通のまま。

 常磐線 広野-原ノ町(福島第一原発事故により避難区域に指定されているため)・相馬-亘理
 仙石線 高城町-矢本
 石巻線 石巻-女川
 気仙沼線 柳津-気仙沼
 大船渡線 気仙沼-盛
 山田線 釜石-宮古
 八戸線 種市-久慈
 三陸鉄道南リアス線 全線
 三陸鉄道北リアス線 小本-陸中野田
(他に岩泉線が前年の水害のため引き続き運休)

 仙石線の矢本-石巻間はDCにより運行を再開。
 石巻→(小牛田経由・ノンストップ)→仙台の臨時快速が運行を開始、2012年1月号より時刻を掲載。
★ 東北新幹線は4月29日に暫定ダイヤで全線の運転を再開、9月23日に通常ダイヤに復帰。
★ 鉄道ではこの他東北・信越地方を中心にしたJR線、鹿島臨海鉄道、ひたちなか海浜鉄道、阿武隈急行が(一部区間含め)一時不通。
★ 電力不足のため関東地方を中心に節電ダイヤを実施し運行本数を削減、特急<成田エクスプレス>や小田急ロマンスカー等が多数運休になった。
 現在も京成<シティライナー>など一部が運休。
★ 電車の部品(カーボンブラシ)の供給不足の対応で、JR西日本も一時ローカル列車を間引き。
★ バス路線も被災地で相当数運休。
 一方で郡山・福島~盛岡線など、震災対応の高速バスが多数設定された。
 首都圏では、震災直後には燃油不足の対応で多数の路線が運休・減便を実施。
 一方夏場の節電対策で企業の休日が変更になった事に対応し、一部ダイヤの変更を行なった路線もあった。
★ 仙台空港が大津波の直撃で長期運用不能。4月13日に一部運用再開、7月25日に定期便再開。
 この他需要減で国際線が相当数欠航となり、現在も一部が欠航。

 JTB時刻表では6~12月号の間、表紙に「がんばろう日本!がんばろう東北!」のマークを掲げていました。 
 
◆ 九州新幹線博多~新八代開業 山陽新幹線と直通運転開始
 3月12日に開業しましたが、前日の大震災のため祝賀ムードがなくなってしまい、不幸な出だしとなってしまいました。

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 在来の<つばめ>に加え、新たに山陽新幹線直通の<みずほ><さくら>を設定し、N700系8連で運行。

<みずほ> … 山陽新幹線に直通、<のぞみ>と同格の最上位列車
<さくら> … 山陽新幹線直通、または九州新幹線内通過駅あり
<つばめ> … 九州新幹線内のみの各駅停車タイプ

<みずほ>は博多~鹿児島中央が最速で1時間19分。
新大阪~鹿児島中央の最速は3時間45分。

みずほ606号 鹿児島中央 19:52 → 23:37 新大阪 途中停車駅:熊本・博多・小倉・広島・岡山・新神戸

<みずほ>は営業面で<のぞみ>と同格となり、「フルムーン夫婦グリーンパス」「ジャパンレイルパス」は利用不可、「ジパング倶楽部」も料金割引の対象外。
 九州新幹線は「周遊きっぷ」のゾーン券は全て不可、停車駅全てが出入口の駅となり、あらかじめどの駅まで(から)新幹線を利用するか決めておく必要があります。  

◆ 東北新幹線<はやぶさ>運行開始
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 3月5日運行開始。
 E5系が営業運行を開始、最高速度は300㎞/h、東京~新青森を最速3時間10分で結びます。
 当面は東京~新青森2往復、東京~仙台1往復。

下り
はやぶさ1号 東京 8:12 → 11:22 新青森
はやぶさ3号 東京 9:36 → 12:46 新青森
はやぶさ5号 東京 21:36 → 23:12 仙台  
上り
はやぶさ2号 仙台 6:25 → 8:00 東京
はやぶさ4号 新青森 6:10 → 9:24 東京
はやぶさ6号 新青森 18:14 → 21:24 東京
途中停車駅:大宮・仙台 4号のみ八戸にも停車

 普通車・グリーン車に加え、最高クラス「グランクラス」を設定、3列大型リクライニングシートの他、アテンダントによる軽食やアメニティのサービスも実施されます。
 料金はグリーン車+5,000円。

 大震災以降は4月29日の全線運行再開時に暫定ダイヤで運行を再開。
 この時点では料金は<はやて>等と同額とされ、グランクラス料金は義援金として寄付。
 9月23日に震災前のダイヤに戻っています。
 なおE5系は11月19日より<はやて><やまびこ>にも投入、グランクラスも営業しています。

 ちなみに<はやぶさ><みずほ><さくら>はいずれも東京~九州のブルートレインで使われていた愛称ですが、ブルートレインから新幹線に愛称を召し上げられたのは初めてです。  

◆ 観光特急<指宿のたまて箱><あそぼーい!><A列車で行こう>運行開始
 九州新幹線の開業に合わせて、九州内の在来線特急は大幅に再編されました。
 指宿枕崎線では鹿児島中央~指宿に観光特急<指宿のたまて箱>を設定、3月12日より運行開始。
 キハ47系の改造で全車指定席・1日3往復。
 豊肥本線では熊本~宮地に<あそぼーい!>を6月14日より運行しています。
<オランダ村特急><ゆふDX>で運用されていた183系を改造して運用、「パノラマシート」「白いくろちゃんシート」を設定し、土曜・休日を中心に運転。
 さらに10月8日には三角線・熊本~三角に<A列車でいこう>の運行を開始しています。
 183系を改造し、ビュッフェも設けられています。
 一方で<リレーつばめ>は全廃、<有明>は3往復のみとなり、特に熊本発着は新幹線が運行されない深夜・早朝の1往復という、昼行特急としてはかなり変則的なダイヤになっています。
 また夜行の<ドリームつばめ>も廃止になり、これでJR九州から夜行列車が全滅しました。
 なお新幹線開業と同時に九州島内の特急料金が値下げになりましたが、新幹線との乗り継ぎ割引は全面的に廃止になりました。

◆ <北近畿>改め<こうのとり>に新型287系に導入
 287系は183系(485系改造)置き換え用の新型直流特急車で、3月改正でデビューしました。
 これを機に新大阪発着の<北近畿>は、<こうのとり>(兵庫県の鳥)と改称されました。
 3月改正時点では<こうのとり>3往復・京都発着<きのさき><まいづる>7往復に投入。
 6月1日には<こうのとり>4往復に追加で投入されました。
 なお追加投入までの間、<こうのとり>には<くろしお>から転用された381系が運用されて話題になりました。
 振り子電車が全区間が非振り子区間の定期特急に投入されるのは、初のケースです。
 同時に北近畿圏の特急網が再編成、列車名が統合され、<文殊><たんば>の名が消えました。
 北近畿タンゴ鉄道のDC特急は、新大阪発着<タンゴエクスプローラー>は廃止し、タンゴ線内のみ運転の<たんごリレー>を設定。
 京都発着の<タンゴディスカバリー>は、<はしだて>に組み込まれる事になりました。
 287系は来年3月改正で、<くろしお>にも投入される事になります。

◆ <日光><きぬがわ>253系に置き換え
<成田エクスプレス>の運用から引退した253系のうち、2002(H14)年に増備された200番台を転用し、観光特急としてリニューアルされたものです。
 当初は4月16日運行開始の所、大震災の影響で6月4日からに延期になりました。
 2編成用意された事で、今後は東武「スペーシア」代走は少なくなりそうです。
 253系は長野電鉄にも譲渡され、「スノーモンキー」として運行を開始しました。
 国鉄・JRの特急電車が私鉄に譲渡されるのは初のケースです。
 
◆ 大阪ステーションシティ・JR博多シティ開業

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 大規模な「エキナカ」が東西で相次いでオープン、JTBでもグラフ記事で特集されました。
 大阪は未だ工事が続いていますが、完成の時点ではホーム全体を大きな屋根で覆う、日本離れしたターミナル駅が生まれる事になります。
 鉄道ファンには「鉄道プラザ」が注目でしょう。
 この他上野駅の「エキュート」のグラビアもありましたが、ただ、震災とその後の電力不足を考えると、「エキナカ」もそろそろホドホドにしたほうが良いのではないかと…。 
 
◆ C6120復活 上越線・東北本線で運行
 伊勢崎市内に静態保存されていた機体を全面修復、3月に復活したものです。
 元々C61はD51を改造して製作された旅客用SLで、主に東北本線や鹿児島本線で特急<はつかり><はやぶさ>の牽引に活躍しました。
「群馬ディスティネーションキャンペーン」に合わせて7月16日より、他のSLと共に上越線で運行。
 また東北ゆかりの形式でもあり、11月19・20日には復興支援・平泉世界遺産登録記念もあって、待望の東北本線での運行が実現しました。

◆ 水害により身延線・只見線など不通 美祢線は再開
 大震災・原発事故以外でも、今年も相変わらず災害による鉄道網の被災が相次いでしまいました。
 7月の「新潟・福島豪雨」で只見線や磐越西線は一部区間が不通になり、只見線については会津川口~大白川が今日現在も不通のままです。
 また台風15号の被害も甚大で、身延線の内船~身延が不通のまま、特急<ふじかわ>が全面運休になっています。
(JTB時刻表は不通区間を明示していない。なお来年3月復旧を目標としているとの事)
 一方その前の台風12号は紀伊半島を中心に大きな被害をもたらし、紀勢本線や南海高野線、三岐鉄道等の一部区間が不通になりました。
 紀勢本線は12月3日に全線復旧、南海や三岐も運行を再開しています。
 一方で昨年の水害で不通になっていた美祢線は9月26日、1年2ヶ月振りに全線で運行を再開しました。
 
◆ ボーイング787就航

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 早くからその就航が期待された最新鋭中型ジェット旅客機・ボーイング787ですが、11月1日、ついに定期路線への就航を果たしました。
 ANAが世界で初めて就航させたもので、記念して当初の2機はスペシャルカラーが施されました。
(なおANAのプレスリリースでは、3号機以降も一般トリトンカラーをベースに、胴体に「787」の文字をあしらうとの事)
 当面国内線の羽田-岡山・広島線に就航、年明け以降は伊丹・山口宇部・松山線にも就航する事になっています。
 また来年1月22日のフランクフルト線を皮切りに長距離国際線にも就航、年内にシアトル・サンノゼ線への就航を表明する他、JALも3月の就航を発表しています。
 
◆その他
○ 東北新幹線200系撤退
○ 予土線「海洋堂ホビートレイン」運行開始
○ 南海新特急車「サザン・プレミアム」運行開始
○ 名古屋市営地下鉄桜通線 野並~徳重開業
○ 「リニア・鉄道館」開業
○ 明知鉄道「大正ロマン号」運転開始
○ 松本電気鉄道・川中島バス・諏訪バスが合併 「アルピコ交通」として再スタート
○ JAL B747ジャンボジェット退役
○ スカイネットアジア航空 「ソラシドエア」に改称 
 
《表紙の写真・グラビア連載》
 長期連載3本が最終回を迎え、新たに1本が始まりました。

1月号 はまかぜ〈生野~新井〉
 前年デビューし、181系を置き換えた189系。
●矢野直美のダイヤに輝く鉄おとめ 第50回 矢野直美(さんご自身)
●新のりもの風土記シリーズ120 横浜を巡る定期観光バス 横濱ベイサイドライン
●近鉄・駅旅 賢島駅
●駅弁細見281 伊勢海老弁当(伊豆急下田駅)

2月号 金沢駅
 九州新幹線<新大牟田~新玉名>
 グラビアも九州新幹線の特集になりました。
●新のりもの風土記シリーズ121 3月12日(土)開業! 九州新幹線鹿児島ルート
●九州新幹線・新撮影ポイントガイド
●駅旅本線 第59駅 宮地駅
●駅弁細見282 九州新幹線 さくら辧當(博多駅)
「鉄おとめ」はお休み。

3月号 東北新幹線 E5系「はやぶさ」(仙台-古川)
●新のりもの風土記シリーズ122 東北新幹線に新型車登場! E5系「はやぶさ」
●矢野直美のダイヤに輝く鉄おとめ 第51回 伊豆箱根鉄道㈱駅員
●駅旅本線 第60駅 金木駅
●駅弁細見283 東北新幹線 E5系はやぶさ弁当(八戸駅)
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4月号 東海道本線(富士川-新蒲原)
 特急<ふじかわ>
●矢野直美のダイヤに輝く鉄おとめ 第52回 箱根登山鉄道 駅員
●新のりもの風土記シリーズ123 新しい北近畿の特急列車網 「はまかぜ」と「こうのとり」
●駅旅本線 第61駅 上州一ノ宮駅
●駅弁細見284 甲州とりもつべんとう(甲府駅)

5月号 予土線(打井川-土佐大正)
 キハ32の単行。
●新のりもの風土記シリーズ124 成田エクスプレスから転身! 長野電鉄「スノーモンキー」
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●駅旅本線 第62駅 岩村駅
 2005年5月号の上野駅から始まった連載が、最終回となりました。
●駅弁細見285 とちぎ霧降高原牛めし(宇都宮駅)
「鉄おとめ」が休載となりました。
 4月号では青い森鉄道と予告されていたので、大震災の影響と思われます。
 
6月号 スーパーとかち(石勝線 川端-滝ノ上)
 261系。
●今、首都圏のエキナカがアツい! エキュート上野をズームUP
●矢野直美のダイヤに輝く鉄おとめ 第53回 JR北海道 新千歳空港駅 助役
●新のりもの風土記シリーズ125 南九州を走る観光特急 「指宿のたまて箱」
 この連載も、この回で終了しました。
●駅弁細見286 さくらどんこ弁当(天竜二俣駅)
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7月号 わかしお(外房線 土気-大網)
 高架橋を行くE255系とひまわり。
●豪華カーフェリーで 感動の船旅へ ニュー「いしかり」デビュー
●矢野直美のダイヤに輝く鉄おとめ 第54回 JR西日本 日根野電車区
 車両の検査を行なう整備の職員で、この連載で初めて裏方さんが取り上げられる事になりました。
●博士とノリゾーののりもの探Q隊 vol.1 潜入ルポ!航空機の機体洗浄
 新連載。
●駅弁細見287 やまと豚弁当(神戸駅 ※わたらせ渓谷鐵道の「ごうど」)
 
8月号 大阪駅
 8番ホームに進入する223系新快速で、グラビア連動。
 合計4ページに渡っています。
●駅が新しい“まち”になった 大阪ステーションシティへ行こう
●博士とノリゾーののりもの探Q隊 vol.2 水陸両用バスの謎に迫る
●駅弁細見288 平泉うにごはん(一ノ関駅)
「鉄おとめ」はお休み。

9月号 あそぼーい!(豊肥本線 立野-赤水)
●九州の新ランドマーク JR博多シティがスゴかぁ~!
●博士とノリゾーののりもの探Q隊 vol.3 フニテル式ロープウェイの仕組みに迫る
●矢野直美のダイヤに輝く鉄おとめ 第55回 青い森鉄道 アテンダント
●駅弁細見288 厳選 松茸めし(福山駅)

10月号 東北新幹線「はやぶさ」
●楽しいイベントがいっぱい! 秋の伊勢志摩へ
●博士とノリゾーののりもの探Q隊 vol.4 地上を走る地下鉄の不思議
●駅弁細見290
「国鉄監修」がなくなった1987年4月号から、四半世紀の長きに渡った連載も最終回となりました。
 全国各地の新作駅弁を2ページに渡って特集し、最後を飾っています。
「鉄おとめ」はお休み。

11月号 中央本線(日出塩-贄川)
 JR東海の313系2連。
●紅葉の世界遺産 奥州藤原氏の栄華・平泉の旅
●矢野直美のダイヤに輝く鉄おとめ 第56回 JR東日本 四ッ谷駅駅長
●博士とノリゾーののりもの探Q隊 vol.5 東海道新幹線の快適性を探る

12月号 富山地方鉄道(越中三郷-越中荏原)
 映画「RAILWAYS」第2弾の特集で、表紙は神通川を渡る16010系(西武レッドアロー)。
 グラビアも関連して富山特集になりました。
●大自然の恵みあふれる 富山に来られ!
●博士とノリゾーののりもの探Q隊 vol.6 低床車の仕組みを探る
●矢野直美のダイヤに輝く鉄おとめ 第57回 富山ライトレール アテンダント
●RAILWAYS ロケ地を探る

《裏表紙の広告》

1月号 サーモス株式会社 サーモスマジック
2月号 群馬県 丸沼高原スキー場 「また来たくなる 感動の雪」
3月号 南海 「高野山 空海に出会う旅、南海電鉄。」
4月号 東武ワールドスクエア 「東京スカイツリー」
5月号 近鉄 「1300年を歩く。奈良大和路」
6月号 株式会社 徳力本店 「金は神田の徳力。」
7月号 KATO 北へ南へ Nゲージ新幹線ラインナップ 
8月号 KATO 「さあ、全国縦断の旅へ。」
9月号 近鉄 「1300年を歩く。奈良大和路」
10月号 近鉄 「俗界から 聖界への架け橋。」
11月号 四日市コンビナート 夜景クルーズ
12月号 KATO 北陸路のスターたち 

《定価》
1~12月号 1150円(本体1095円)

※その他のトピックス
◆ 小笠原・平泉 世界遺産にダブル登録
◆ 「なでしこジャパン」 女子W杯優勝 世界一
◆ スペースシャトル退役
プロ野球日本シリーズ ソフトバンク4-3中日 MVP:小久保裕紀
日本ダービー優勝馬 オルフェーヴル 鞍上:池添謙一

同馬は皐月賞・菊花賞も征し三冠達成

●来年の乗り物はどうなる
 来年は震災の影響が色濃く残る中、低価格志向の交通の進出がさらに進む事になり、競争が一段と激しくなる、難しい年となりそう。
 特に鉄道はインフラ、特に電力の供給の完全復旧が望めない中でLCCや会員制ツアーバス、宿泊特化型ホテルの台頭とどう向き合うのか、難しいというより苦しい年になりそうです。
 既に聞こえているだけでも、<日本海><きたぐに>の廃止や長電屋代線・十鉄の廃線、ローカル路線の減便などあまり芳しくない話ばかりで、少々心配です。
 東京スカイツリーのオープンは、周辺や首都圏の交通にどのような影響を与える事になるでしょうか。

 申し訳ありませんが、コメントは受け付けない事にしています。この記事について何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。
 また、何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。

《今日のニュースから》
民主党衆議院議員9名 「消費税増税」に反発し離党届提出

 さて、明日から年末年始は再び西に向かいます。
 次回の更新は今の所、1月3日を予定しています。
 今年も一年ありがとうございました。
 どうか来年は、来年こそは、本当に全ての人にとって良い年になるよう、強く願わずにはいられません。

№611 バスグラフィックvol.13(ネコ・パブリッシング)

「バスグラフィックvol.13」が発売になりました。
 表紙は女の子がバスを待っている姿で、ちょっとバス趣味誌らしくない?出だしかも。
 そのバス停・鐙摺(あぶずり)は振り仮名を振っている位だからすぐには読めないなあ。
 冒頭のトピックスは東京モーターショーと、三菱ふそうの新エアロミディ・ノンステップ。
 市販第1号がどこかというのが興味がもたれる所。
 またIPTハイブリッドの実証運行と、日野の新モデルのラインナップ。

 メイン特集は《京浜急行を楽しもう!》
 表紙の女の子がお台場付近と逗子・葉山をミニトリップすると言うもので、オススメレストランのコラムもあったりするあたり、やはりある程度一般向けを狙っているのでしょう。
 海岸から見る富士山と夕陽はいいなあ。

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「京急」というと快特電車もあってバリバリのイメージもあるけれど、「沿線風景10選」に加えて棚町宣弘氏の絵画でも取り上げられている〔海35〕系統は、随分とのどかなローカル線というイメージがします。
 大手バス事業者でも、探せばあるものです。

 1980~1990年代の京急バスは、また随分といっぱいあって、見ていて楽しい。
 一つだけ欲を言えば、横羽線で走っていたB800Nがあれば…(Vol.6にあります)。
 BA20、K-ECM430、P-LT312Jといった準大型のナロー仕様が多かったのも特徴になりますか。
 車両そのもの以外では、高速バス運行開始時のフロントの前掛けが時代を現していると思います。
 他地域への移籍車両の中では、宮城交通のスーパーワイドドア車の中ドアの使い方が特徴的。
 国際興業系の十鉄や秋北に入っているのが面白い。

 バスそのものから少し離れた《カメラ選びとテクニック》は、ちょっと考えてしまった。
 前にもどこかで書きましたけれど、私は今の所アナログ一眼レフを2台持っていて、揃ってくたばらない内はデジタルに切り替えるつもりはないのだけれど、カメラそのものよりアナログフィルムの入手が年々困難になってきていて(コンビニではほとんど手に入らなくなった)、これは数年内にイヤでもデジタルにせにゃならんのかなあとか思っている所です。
 LED表示については、私は基本的には気にしません。
 それよりも走行中のバス(ついでに言うと鉄道も)をキチンと捕らえる方が大事なので、シャッタースピードは1/500を基本に、高速で迫ってきている時は1/750にしています。
(だから本体に掲載しているバスも、LED表示はほとんど読めないでしょ?)
 ついでに言うとISOは400です。
 アナログフィルムだとこれが一番バランスがよく、今流通しているフィルムも大半がISO400です。

 個人的にとても期待大の企画が始まりました。

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《日本バスめぐり》の第1弾が栃木県の東野交通で、本当、よく撮っていてくれましたという写真がいっぱい。
 東野に限らず関東自動車や東武バスもそうだけれど、この時代の栃木のバスは、天井から行先表示を吊った貸切格下げ車が強烈に印象的。
 私も乗った事があって、上の画像は1987年5月の黒磯駅前→那須岳ロープウェー行ですが、普通の各駅停車の路線バスなのに、古めかしいリクライニングシートが並んでいる非日常的な空間が今でも印象に残っています。
 もう一度乗りたいなあ…もう不可能なのは解かっていますけれど。
 一般路線車だと、前ドアしか使わないのに2ドア車を投入していたのは、昔からの話だったのですか。
 東野そのものではないけれど、神奈中バスは意外に北村ボディを遅くまで入れていて、さすがに「なまず」はなかったものの、2段サッシの北村モノコックボディを入れていたのは、新潟以外では神奈中の他にどれだけありましたっけ?
 残っていればなあとか思いました。
 次号で予想されるスケルトン車編、さらにその後の各地の事業者も大いに期待。

 東急バス20周年記念復刻塗装車は塗り替えも含めて他営業所にも導入が進んでいて、この時点で入っていないのは淡島・荏原の両営業所のみ。
「ゴールデン・デラックス」は、NI1178の方がより往年の姿を現しているようです。

「京急型ワンステップバス」の開発秘話は、「バスラマ」誌で問題視しているノンステップバスの開発の現状を踏まええると、これも考えさせられる部分があるような気がします。
 もっとバス事業者が積極的にバスメーカーにプッシュして、ノンステップ車の向上を促しても良いのではないか?
(無論両者の良好な関係の構築が前提になるだろう)

《北海道青春バス紀行》は第5弾になり、沿岸バス・早来運輸(あつまバス)・美鉄バス・夕張鉄道・北海道中央バス。
 早来運輸は皆、今東急バスが復刻している「ゴールデン・デラックス」。
 №579でも書きましたが、まさに東急グループの黄金時代を、ここでも象徴しています。 
 車両そのものもさる事ながら、ステップのヒーターなど、北海道独自の仕様は成る程と思わされました。

 折込ポスターは、東急バス空港リムジン用エアロエースの「ミルキーウェイ」色。
 早く撮らないとなあ。
 復刻カラー車はたぶん、次回の再生工事まではそのままで行くとは思いますけれどね。

 申し訳ありませんが、コメントは受け付けない事にしています。この記事について何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。
 また、何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。

 明日は当ブログの更新はお休みし、本体の更新を予告より2日早く行います。
 茨城県の大利根交通自動車の画像を新規に公開すると共に、コミュニティバスを中心に画像を追加します。
 なお、当ブログはあさって28日に、今年最後の更新を行い、JTB時刻表から今年の乗り物を振り返ってみる事にします。

《今日のニュースから》
都営地下鉄三田線大手町駅 WiMAXサービス開始

№610 バスラマインターナショナル129(ぽると出版)

「バスラマインターナショナル129」が発売になりましたので取り上げます。
 年鑑同様、結構シビアな話題もありました。

★各地の新車から
 ポスト新長期規制車両の投入が進んでいます。
 両備バスは「水戸岡デザイン」になりませんでした。

 前号で「そろそろ出さないとまずい」と書いたエルガミオ/レインボーⅡと、加えてようやく三菱ふそう新エアロミディの紹介記事がありました。
(エルガミオ/レインボーⅡのスペックは、「年鑑バスラマ2011→2012」に掲載)
 エアロミディは、パッと見た目は以前のタイプ(PA-MK27FH)と変わらないけれど、中ドアが割と後方に下がっている事で区別がつくでしょうか。

★第42回東京モーターショーの会場から
 かなりの盛況だったというのは、一般のニュースでも聞きました。
 エルガハイブリッドは、バッテリーは室内の床置きですか。
 本文でも触れられているけれど、仮に発売するとしたら、日野ブルーリボンシティ・ハイブリッドとどのような棲み分けがなされるのだろうか。
 BLCハイブリッドといえば、豊洲駅と会場を結ぶ路線で非接触給電ハイブリッド車の改良型が実証運行を行ない、今回はボディもかなり変わったとの事。
 都営バスの社号(S-W777)も取得した緑ナンバーだったから機会があれば撮りたかったけれど、ちょっと残念。

★バス事業者訪問 151
 最初が千葉県の日東交通グループ。
 アクアラインの開通によって、高速バスを神奈川県でも見る機会が多くなりました。
 
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 まず本文で言うとグループの路線図の地図が白黒という事もあって鴨川日東以外は区別しにくい(特に日東本体と天羽日東)のと、なぜか鴨川日東の木更津~鴨川線の急行バスが記されていません。
 現況についても高速バス及びローカルバスは解かるものの、急行バス(鴨川~木更津・東京湾フェリー・館山)についての現状、館山のJRバスからの譲渡(車両も。日野の袖ヶ浦22か638もJRバス)の経緯などについて記されていなかったのはちょっと物足りないかも。
 エリアはやはり分社によって千切れ千切れになりつつあり、急行バスがかろうじて地域ネットワークを維持しているという所でしょうか。
 表を見るとやはり一般の乗客の減少がきつく、特に天羽日東はわずか5年で半分近くに減っているのは、いくらなんでもどうした事だろう。
 日東本体は特定事業が3分の1というのが、木更津や君津を基盤にしている事業者らしい。
 その点では、大震災で発生したコスモ石油の爆発事故はどの位影響しているのだろうか?
(特定輸送は新日鉄や東電が中心で、コスモに関しては直接の輸送は受け持っていなかったようだが)
 それにしても、比較的規模は大きいのにどこか地味な、日東交通のような事業者が取り上げられる機会が意外に少ないように思えるので、これからもこういう事業者をどんどん取り上げて欲しいと思います。
(実は関東地方に意外と多い)

★バス事業者訪問 152
 もう1社は平成エンタープライズ。
 
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(たまたま川崎市川崎区の駐車場に駐車していた、大阪〔営〕のツアーバス。敷地外の公道から撮影)
 車両の面では、今時のツアーバス事業者としては珍しく、韓国製のバスは1台も入っていません。
(西鉄でさえ入っているそうだが)
 それにしても「年鑑バスラマ」でも指摘されていたけれど、新規の事業者がこれだけアグレッシヴにやって既存の事業者に挑戦してくると、既存の事業者はうまく立ち回れるのだろうか?
「VIPラウンジ」の考え方はよく理解できるが、では既存の事業者がやろうとしたら、逆に自社のターミナルの枠に縛られて、やりたくてもできないという事も出てくるかもしれない。
 路上の高速バスの発着というのは、既存の事業者にとっては、長距離夜行高速バスといっても、短距離の高速バス(さらには普通の路線バス)の発展から来ている訳だから。
(加えて最近は系統の整理統合もあって、途中の、本当に普通のバス停に発着させる夜行バスが増えている)
 大変な時代になってきたものだと、改めて思わされた気がします。
(私位の年代が、一番意識改革が難しいだろうから)

 こうなると、既存の事業者は、大手ツアーバス事業者が突きつけている課題をどう考えているのか、その本音も知りたいと思います。
 今の所は聞こえてこないので。
 
 この他、コルトレイクのバスのショーのリポートもあったけれど、今欧州全体が深刻な経済の危機に見舞われていると連日伝えられているが、公共交通への影響は大丈夫だろうか?
 レポートを見る限り、全然影響がないようにも見えるけれど。
 バスの販売に関しては、ひょっとしたらだけれど、大型車でも日本(円高だから)もターゲットになるのかもしれない。

 №568で書いた「東急バス感謝祭」は、ぽると出版も出店した割には扱いが小さかったですね。
「Eライナー」の方は、やはり首都高速の道路事情に左右される事になるでしょう。

 申し訳ありませんが、コメントは受け付けない事にしています。この記事について何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。
 また、何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。

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《今日見た・聞いた・思った事》
 今日は羽越本線の特急<いなほ>脱線事故がおきて6年になり、慰霊式が行なわれています。
「ダウンバースト」が根本的な原因とされていますが、日本海側は今日もまた風・雪が非常に強いようです。
 どうか二度とあのような事故が起きませんように。

 山形県庄内町から日本海を隔てて約800㎞のこの地で行なわれるこのイベント。 
 このニュースは毎年聞く気がしますけれど、この日は気温マイナス15℃だったそうです。
 大丈夫かよ?と思ってしまうのですが、どうか参加される皆様、心臓を凍りつかせませんように。
 でもこの地でも、先の下院選挙の「不正」を巡る大規模なデモが行なわれたとも聞いていますが、一方で平和といえば平和ですかね。
《今日のニュースから》
ロシア極東ウラジオストック 20人が寒中水泳大会